7.《ネタバレ》 僕はあの雰囲気は好きです。本当にあの映画が「現場に残されたビデオテープの映像である」と信じ込みながら見たら、かなり面白かったです。特に恐さは感じませんでしたが・・・
<2011.8.5追記。点数を6点から7点に上げました>
上掲のレビューを書く直前にこの映画を見た時、僕より前にこの映画を見終わっていた兄が「映画の冒頭で撮影クルーが町の人にインタビューしてただろ?で、その内容をよく覚えておいてラストのシーンを見るとすっげえ怖かったぞ」と、何やら気になることを言っていたのがずっと引っかかっていたのですが、もともとこの映画自体お気に入りでもあったため、上に書いた兄の指摘を念頭に最近見返してみたところ、兄の言った通り初見の時以上にこの映画の「怖さ」というものを実感できました。
以下、その点の列挙(つまり正真正銘のネタバレ)をしますので、「自分で映画の中から『そのネタ』を見つけたい」という方は、すみませんが読むのを控えてください。また以下に書く事も、既にどなたかがレビューに書いておられるかもしれませんので、その時はご容赦ください。なお、この映画に関して「嫌いじゃないけど、いまいちどこが怖いのか(面白いのか)わからない」という方、また「もう一度見てみようかな」と思っている方がもしいらっしゃれば、その時は一度「町の住人のインタビュー」の流れを注意深く見てみてください。
①ラストでヘザーが、壁に向かって静かに立っているマイクを見つけるが、これは過去にあった殺人事件の手口とされる、「殺人が行われる間、後に続く被害者は壁に向かって立たされていた」という内容と全く同じである。つまりマイクはあの場面で、ヘザーがやってきて殺されるのを「誰か」に待たされていた(そしてマイクはその次に殺される事になる)。
②やはり過去にあったある殺人事件の犯人が、「俺はついにやり遂げた!」(I've already finished!)と叫んだと言い伝えられているが、ヘザーとマイクが、ジョシュと思われる人物の声を聞いて廃屋に向かう途中、その謎の人物は「俺はやり遂げた!」(I've finished!)とも聞こえる叫び声を発している。
上記の点は全て冒頭のインタビューで住民が答えている内容です。こうして見ると、今となってはこういう「フェイク・ドキュメンタリー」といった手法は若干手垢が付いてしまったように思われるものの、この作品はこの作品でそういう「ニセのリアリティ」を、結構真面目に追求していたのだなと感じます。そしてその「努力」の結果は、「作品に不気味な雰囲気をまとわせる」という形できちんと実を結んでいるように思います。