80.恐怖演出のクオリティが、凡百のスリラーと掛け離れている。前半のタルさが嘘のように解消される中盤以降は、もう怒涛という他ないです。爆破した岩が飛散するシーンには心臓が止まるかと思った。人物描写と人間ドラマのリアリティがすごい。音楽を極力排除しているあたりも、ラストをよく引き立てていていい。 【j-hitch】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2012-07-21 15:01:32) |
79.《ネタバレ》 結局最後まで救いはないのね…。 マリオったらせっかく大金を手にしたんだから普通に帰ったらいいのに…。 ニトロ運搬でビクビクしてたから帰りくらい思いっきり蛇行運転してやれ!って気持ちもわかんなくはないけどさ…。 緊張と緩和が程よい感じで廻ってくる後半はまさにサスペンスって感じでとっても良かったんだけど、前半はもう少しコンパクトにまとめてあっても良かったかもしれないわね。 スペイン語・フランス語・英語が飛び交う荒んだ町のカオス感や、後にあまりの恐怖でどんどん臆病になっていくジョーの元は豪胆な気質を印象付けるにしても…やっぱりちょっと冗長よね。 緊張状態が長すぎると集中力が切れてくるから、ハラハラドキドキ系の映画はできれば2時間以内に収めてほしいのよね、アタシとしては。 やたら疲れるしさ。 でも全体としてはホント面白かったわー。 救いのないラストも結局はああまとめるのが一番納まりがいい気がするし、度胸のあるヤツが一番評価される的な男子特有の友情もステキだったし。 ロイ・シャイダー主演のリメイク版はどんな感じに仕上がってるのかしらね?? 【梅桃】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-07-02 14:45:21) |
78.《ネタバレ》 なんかもう心が一時も休まらない映画。前半は食い詰めた男たちの希望の無さに気が滅入り、ニトロ運搬のくだりからはうああーとかぎゃーとか言いっぱなし。自宅で良かった。崖にせり出した木製の足場、横滑りするぶっといタイヤ、ひいぃー。作業に集中せねばって時にへたれてくれるジョー、あああーこのオヤジ、マリオじゃなくてもキレるわ。モノクロだというのがまたなんだか恐怖1.5倍増しだ。油まみれになった二人なんてもうまっ黒坊主で視覚的に怖いのなんの。これが微妙な黒と茶の感じが出ては凄味がダウンしてしまうんだきっと。ああ、体力使ったなあとへなへなしてるところへラストもう一撃。マリオの阿呆~普通に走れよ・・ああー・・。 【tottoko】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2012-06-17 23:43:49) |
77.《ネタバレ》 これをいま現在観ると電力会社と原発労働者がどうしたってかぶさって見えてきてしまう。60年、封切り時に生まれた赤ん坊が還暦を迎えようという時間を経ても、石油資本が電力会社に代わっただけで社会構造はぜんぜん変わっていなかったわけだ。映画の主役はイヴ・モンタンだが、本作で一番記憶に残るのは相棒のおっさんジョーだろう。前半、トラックが出発するまでかなりの時間をさいて、このジョーという男の凄味を描いていく。腹のすわったいっぱしのワル。それがトラックを走らせていくと、だんだん腰が引けてきておどおど逃げ腰になっていくとこ。非情な男だったのだろうが、石油資本の非情さの前では赤子同然なのだ。そこに彼の老いの無惨も重なり、いかにもフランス映画的な味が出ている。ただサスペンス映画として見ると、そっちのほうに重みが掛かりすぎたかな、という気もした。ラストのオチも微妙なところで、フランス的な皮肉(こういうのもエスプリっていうのか)は効いているが、ずっと映画の背後に感じられていた石油資本のどす暗さがあれで薄れ(元をたどっていけば、思わず調子に乗って蛇行運転せずにはいられないほどの恐怖のプレッシャーを与えた石油資本に行き着くのだが、画づら見ているとマリオの愚かさのほうが前面に出てしまう)、話がショートショート的に軽くなってしまった気もした。 【なんのかんの】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-05-06 10:12:25) |
《改行表示》76.《ネタバレ》 こんな静かなサスペンスドラマは久し振りに観た気がします。 原油溜まりを渡る時の目を瞑ってアクセルを踏むイヴ・モンタン。“行くしかねぇ!”という切迫感はもうハンパない! 切り返しに巨岩に原油溜まりと、待ってましたとばかりに難所が次々とやって来るのが作った感が出て少々あざとい感じもしますが、この3つの難所全てに突破まであともう少しというところでハプニングが発生したりして、非常にスリルのある見応え満載のシーンだったと思います。 また、先行するトラックの中で父親のエピソードを語りながら髭を剃っていた直後に爆発するという演出は個人的にかなり好きで、ラストのようにあからさまに危ない雰囲気を感じさせてから事故が起きるのも悪くはないのですが、前者のような微妙すぎるくらいの前触れはより高度で洒落ていて面白いと思います。 仲間同士で喧嘩するにも罵倒したりなどする事なく平手打ちを見舞うのみだったり、終盤にかけての盛り上がりがどこだったのかも分からないようなストーリー構成など、とても静かで落ち着いたフランス映画らしい一品でした。 【もっつぁれら】さん [映画館(字幕)] 7点(2012-01-08 13:42:46) |
《改行表示》75.タイトル通りの映画。150分と時間が長く、最初の1時間ぐらいは退屈だったのだが、 中盤からは緊張感とスリルで手に汗を握ってしまった。 序盤は状況設定の描写に終始しているが、やはりちょっと物足りない。 登場人物達のキャラをもっと掘り下げるなり、何かしらのドラマ性を持たせるなりしていれば、 作品の出来はさらに良くなったと思う。ラストのオチは読めるが、全般的に演出のいい作品。 【MAHITO】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-08-14 17:33:49) |
74.《ネタバレ》 深夜テレビで見て、半分しか見られなかったけど、ほんとに良かった。安全なはずの帰り道で……という皮肉なラストにビックリ。 【ゆうろう】さん [地上波(字幕)] 8点(2011-04-24 01:03:32) |
73.《ネタバレ》 ニトログリセリンの恐ろしさを教えてくれる映画。「強い振動=失敗=死」という単純な図式がよいです。フリードキンによるリメイクも好きですが、役者陣の魅力はこちらが上と思います。 【ジャッカルの目】さん [映画館(字幕)] 8点(2011-01-30 00:41:34) |
《改行表示》72.《ネタバレ》 現代のスピードに慣れているせいか最初の1時間は間延びした感じでした。 じっくり落ち着いて観る派でないと、前半はちょっとキツイかもしれません。 車が走り出してからは見所の連続でした。 目的地を目の前にしたときの、暗がりに浮かぶ油まみれの表情が強烈に印象に残っています。 また、岩を爆破するときの緊張感は、下手なホラーの比ではありません。 ラストは「こうするしかないだろう」という定番的なもの。 陽気に踊っていることも蛇行運転も現実的ではありませんが、極端にすることで「極限状態からの開放」をうまく表現していたと思います。 また、もはや正常ではなくなっていたであろう主人公の精神状態がよく表されていました。 うまく終わらせたと思います。 【午の若丸】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-01-29 12:23:43) |
71.少しの振動で爆発する危険物を運んでいるという雰囲気が弱かった。どの程度の揺れまで大丈夫かという基準も知らない割に、主人公たちはわりと無茶な運転してますから。あとラストシーンは、早くジ・エンドになってくれと思ってたら、やっぱりそう来ましたか・・・。 【次郎丸三郎】さん [DVD(字幕)] 5点(2011-01-12 21:56:25) |
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《改行表示》70.《ネタバレ》 大物ぶっていたジョーが何度か逃げようとし、最後には「年を取れば誰だってこうなるんだ」と泣き言を言う。もう一台の方に乗っている二人は嫌な奴なのかと思っていたけど、石を爆破する場面を見ると逆に尊敬の対象になる。このように極限状態によりそれぞれの真の姿が見えてきて、見方が変わっていくのがとても面白い。ただマリオはそれほど魅力がないというか、ちょっとやりすぎ。ジョーの死に涙を流していたけど、あんたが殺したようなもんじゃないかって。平手打ちはいいけど、殴る、蹴る、石をぶつける、極めつけは足を轢く・・・。石爆破ではみんなで喜びを分かち合ったじゃないか! ちょっと前の出来事なのに、遠い昔のようだよ... なんて思ってると、あのラスト。後味が良いのか悪いのかさえも分からないという珍しい映画を見た。演出は良いと思う。 【リーム555】さん [DVD(字幕)] 6点(2010-09-07 23:03:30) |
69.《ネタバレ》 トラックでニトログリセリンを運ぶだけのお話だけど、行く手をふさぐ数々の障害物でこれほど重量級のドキドキ感を演出できるとは・・・油井の火事を爆薬でもって制するというのもユニーク。フランス映画の底力を感じさせる傑作。 【きーとん】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2010-08-05 22:41:38) |
《改行表示》68.《ネタバレ》 最高に面白い!! 今年観た沢山の映画の中で、最も面白かった! フランス映画としては、ジャック・ベッケルの『穴』、アンドレ・カイヤットの『眼には眼を』に匹敵する面白さ。 ハラハラドキドキ、粋な小細工たっぷり、人間と人間との駆け引きや友情、こういった題材を散りばめた面白い作品を創れるのはフランス映画だけだろう。 ロード・ムービーテイストもありながら、娯楽的な要素もあり、又、サスペンスでもあり、人情劇でもある。 色んな魅力がいっぱいに詰まった素晴らしい作品。 特に素晴らしかったのは、煙草を巻こうと思ったら、煙草がフッと吹き飛び、その瞬間にもう一台のトラックが、バァーン!!という演出。 爆発したトラックの爆風が、煙草を吹き飛ばす。 何気ない演出だけど、これ以上の演出もないといった感じの巧さ。 最近、なかなか面白い映画に出会えないとボヤき続けて、ここ2年。 久しぶりに凄い映画を観た。 これだからやっぱり映画はやめられない。 【にじばぶ】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2010-07-18 01:56:50) (良:1票) |
《改行表示》67.《ネタバレ》 ストーリーだけは知っていて古いアクション映画だろうと思っていたら、いい意味で期待を裏切られた。 前半は全くアクションはなく人間ドラマばっかりなのだが、主人公たちの置かれた立場や背景を良く描いており、かつ飽きの来ないシナリオと演技で一気に見せてくれる。 後半のアクションも、派手な場面で見せるのではなく、あくまで、主人公たちの人間ドラマがあることで緊張感を保っており、派手なアクションシーン流行の最近の映画も見習って欲しいと思う。 ただし、ラストシーンだけは納得できなかった。途中で何か伏線を張って納得のいく結末にして欲しかった。 トータルでは良くできた映画であり、名作であると思うが、スカッと楽しめる映画ではないことも事実。 【nobo7】さん [DVD(字幕)] 6点(2010-07-01 01:45:53) |
66.《ネタバレ》 これはもう演出がバツグンによくて、締まったサスペンスになっています。今見ると常套的な部分もありますし、次から次へと難関が待ち受けるというのは、話ができすぎという気もしますが。それと、序盤が退屈。これはあらかじめ「ニトログリセリンを運ぶ話」だということを知っていて、なかなかそこまでたどり着かないこともあったかと思います。内容的にも、後半への伏線として必要だとは思いますが(特にマリオとジョーの関係)、退屈だったものは仕方がない。ここはかなりのマイナス。それ以外はよくできた映画だと思いますが、どうも個人的な好みではないですね。どこがどうと具体的に指摘できないのですが、あまり高い点数をつけようという気にはならないです。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-05-29 16:16:53) |
65.《ネタバレ》 こういうバッドエンドな展開が一番好きなのがフランス人な気がする。(日本人も割と好きか…)地下室のメロディと立て続けにフレンチバッドエンドを観たので気分がささくれ立ちました。 【りんす】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-01-22 23:33:02) |
64.世界で一番スリリングなロードムービーでした。家に着くまでが遠足という意味が、小さいときにはさっぱり理解できませんでしたが、この映画を観てやっと理解出来ました。 【ちゃじじ】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-12-05 01:09:26) |
63.《ネタバレ》 凄い緊張感、迫力満点の不安に襲われる何とも恐ろしい映画である。命を賭けての報酬を受け取るために二つのトラックでニトログリセリンを運ぶ。何とも嫌な報酬である。主演のイブ・モンタンの人間性、そこには人間ならではのエゴが充満している。人間としての弱さを見せ、ほんの一瞬でも落ちれば爆発して命はなくなる危険な仕事を行なう。前半で一台のトラックが爆発されるシーンを見せつけることによって、恐怖というものを観客に見せつけることに成功している。トラックのタイヤが、崖の上から石ころが落ち、そして、遂には、あの最後の終わり方にしてもここで終わらせ、しつこく延々と描かない。昔の映画と今の映画のここが大きな違いである。作品全体に漂う人間臭い男達とモノクロの映像美によって更に漲る緊張感、恐怖の連続に息を抜くことなんて出来ないそんな凄さを感じさせる素晴らしき傑作!文句なしの満点 【青観】さん [DVD(字幕)] 10点(2009-11-15 17:00:41) |
62.《ネタバレ》 ゴキブリで遊ぶ子供。一目で貧しいとわかる埃まみれの町。強烈な導入部です。そこは人生の掃き溜め。一度紛れ込んだら容易には脱出できない。人々は仕事にあぶれ、仕事にありついても食べるのがやっと。鉄道は無く、道は途切れ、脱出するには高額な飛行機代が必要。みな退屈で心が荒み、とげとげしい。そして本筋へ。ニトロの運搬です。報酬の額より人生の再出発ができることが重要。そのためには死をも恐れない男たちの物語。前半の人間ドラマのせいで無理なく後半の冒険ドラマに感情移入できます。冒険には障害がつきもの。一人は恐怖でヘタレになる。一定速度で走らないと危険ななまこ坂。腐った木材に載って行う切り返し。道路をふさぐ巨大な岩。原油の池。四人の素性が少しづつ語られ、友情が芽生えたり、たがいしたり、こちらも起伏も半端じゃない。ジョーがヘタレになったのは、まだ若いと思っていたのに、年をとった自分を認識したから。そこに恐怖が入り込んだ。マリオはジョーを頼りにしていたが、若さゆえの怖さ知らずで立場が逆転。報酬のためにはジョーを轢くことも厭わない。だが根っからの悪人ではないので、ジョーが死ぬと涙が止まらない。人間のエゴと弱さを痛烈に描きます。ビンバは強制労働の経験があり一度死んだ人間。一番芯がしっかりしています。ルイージは塵肺で余命はわずか。死を覚悟しているので、ダイナマイトの導線を消しにゆく勇気がある。彼がニトロを手にして咳をする演出は絶妙。だがそんな二人は爆死。その様子は詳細には描かれません。巻きタバコが爆風で吹っ飛ぶのみ。彼らの死は所詮無名の人の死であり、社会にとって取るに足らないもの、塵芥にすぎないことの象徴。故にその詳細が語られることはないのです。それがわかっているマリオは彼らを「負け犬」呼ばわり。が、それは自分に向けた言葉で、自分への鼓舞です。常識あるジョーは、その言葉をたしなめます。あくまでも対照的な二人。そう描くことで、二つの生命を浮き立たせます。両者共に死にますが、死に様もまた対照的。悲劇の二重奏です。この悲劇にリンダの悲劇が加わります。彼女は野生娘ですが、マリオを一途に愛していたのは痛いほど伝わってきました。マリオが成功したのに死んだのは、恐怖から開放されたから。あまりに凄まじい恐怖だったので、心が浮かれすぎ、思わぬ油断につながりました。これもまた「恐怖の報酬」です。 【よしのぶ】さん [DVD(字幕)] 9点(2009-09-20 03:50:19) |
61.「恐怖の報酬」はセリフでも出てきますが、いいタイトルですね。ただ男たちが運転しているシーンばかりで、最終的に飽きが来ました。ラストも予想ができてしまいます。 【色鉛筆】さん [地上波(字幕)] 6点(2009-06-28 18:21:14) |