シン・仮面ライダーのシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。3ページ目

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シン・仮面ライダー

[シンカメンライダー]
2023年上映時間:121分
平均点:5.50 / 10(Review 64人) (点数分布表示)
公開開始日(2023-03-17)
公開終了日(2023-06-04)
アクションSFシリーズもの特撮ものTVの映画化
新規登録(2022-12-20)【イニシャルK】さん
タイトル情報更新(2024-04-16)【イニシャルK】さん
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監督庵野秀明
尾上克郎(准監督)
轟木一騎(副監督)
演出庵野秀明(プロモーション映像A・B演出/特報・超特報・予告編演出)
キャスト池松壮亮(男優)本郷猛 仮面ライダー
浜辺美波(女優)緑川ルリ子
柄本佑(男優)一文字隼人 仮面ライダー第2号
森山未來(男優)緑川イチロー
塚本晋也(男優)緑川弘
手塚とおる(男優)コウモリオーグ
松尾スズキ(男優)SHOCKERの創設者
西野七瀬(女優)ヒロミ ハチオーグ
竹野内豊(男優)政府の男
斎藤工(男優)情報機関の男
本郷奏多(男優)カマキリ・カメレオン(K.K)オーグ
長澤まさみ(女優)サソリオーグ
市川実日子(女優)緑川イチローの母
仲村トオル(男優)本郷猛の父
安田顕(男優)犯人
イワゴウサトシ(男優)
松坂桃李ケイ
大森南朋クモオーグ
原作石ノ森章太郎
脚本庵野秀明
音楽岩崎琢
菊池俊輔(音響協力 作曲)
作詞石ノ森章太郎「レッツゴー!!ライダーキック」
平山亨「ロンリー仮面ライダー」(ペンネーム「田中守」)
作曲菊池俊輔「レッツゴー!!ライダーキック」/「ロンリー仮面ライダー」/「かえってくるライダー」
編曲菊池俊輔「レッツゴー!!ライダーキック」/「ロンリー仮面ライダー」/「かえってくるライダー」
主題歌子門真人「レッツゴー!!ライダーキック」/「ロンリー仮面ライダー」/「かえってくるライダー」
撮影市川修
製作東映(「シン・仮面ライダー」製作委員会)
テレビ朝日(「シン・仮面ライダー」製作委員会)
アサツー ディ・ケイ(「シン・仮面ライダー」製作委員会)
スタジオカラー(「シン・仮面ライダー」製作委員会)
バンダイ(「シン・仮面ライダー」製作委員会)
電通(「シン・仮面ライダー」製作委員会)
ホリプロ(「シン・仮面ライダー」製作委員会)
毎日放送(「シン・仮面ライダー」製作委員会)
朝日新聞社(「シン・仮面ライダー」製作委員会)
東宝芸能(「シン・仮面ライダー」製作委員会)
プロデューサー白倉伸一郎(エグゼクティブプロデューサー)
制作東映
配給東映
特撮佐藤敦紀(VFXスーパーバイザー)
白組(VFX)
作画庵野秀明(光学作画)
前田真宏(仮面ライダー・仮面ライダー第2号イメージビジュアル)
美術林田裕至
庵野秀明(コンセプトデザイン/タイトルロゴデザイン)
前田真宏(デザイン)
山下いくと(デザイン)
出渕裕(デザイン)
藤原カクセイ(仮面ライダー造形)
竹谷隆之(チョウオーグ雛形制作)
振付庵野秀明(モーションアクター)
衣装柘植伊佐夫(扮装総括・衣裳デザイン)
録音山田陽(整音)
照明吉角荘介
その他庵野秀明(宣伝監修/ティザー 超ティザー 本ポスターデザイン)
轟木一騎(ティザー 超ティザー 本ポスターデザイン)
田崎竜太(ロケハン協力)
あらすじ
悪の組織SHOCKERに捕らえられ改造人間にされてしまった本郷猛は、組織の一員であったが離反した緑川ルリ子の手引きによって秘密基地から脱出する。そして、改造手術によってバッタ由来の桁違いの跳躍力や腕力を身に付けた彼は、ルリ子と協力し、また政府側秘密組織の支援も得ながら、愛車サイクロン号に跨りSHOCKERが生み出した様々な怪人たちと戦って行く。昭和の時代に一世を風靡した特撮テレビドラマを「シン・シリーズ」の庵野秀明がメガホンを取り映画化。
ネタバレは禁止していませんので
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24.《ネタバレ》 本郷猛は仮面ライダーになった!さぁ戦えショッカーと!
僕は完璧な平成ライダーから入った人間で本郷猛のことはあの命は尊いと説く藤岡本郷の映画しか見ていないのですが、こちらはだいぶ荒んだ映画になっていますね。

なにやら悪いことをしているショッカーに対して連続でバトルを仕掛けるのは面白いですが、何故ショッカーとここまで戦わなければいけないのかがよくわからないのがちょっと残念なところ。ショッカーの悪事に一般人が巻き込まれ「くそ〜ショッカー許せねえぜ!」とこっちも怒り、仮面ライダーの活躍に「頑張れライダー!やっちまえ!」と拳を上げて応援する作品かと思ったら本作はそんな作品ではなく、ショッカー内の内輪揉めを終始見せられて困惑してしまいました。
それでいて連戦となるので心の整理がつかないまま次から次へとオーグメントたちを倒していくので、なかなかついていくのが大変で、これは映画にするよりテレビ番組にした方がおもしろかったような…と思ってしまいましたね。
あとビデオレターのシーンはさすがにもうちょっとタイトに出来ませんでしたかね…。

ちなみに個人的に好きなバトルは蜂オーグのゲームっぽいバトル。あそこは凄いかっこいい!
あとショッカーライダーたちのとの死闘も同じ仮面のライダー同士が戦う嫌な感じが出ていて非常に良かったです。
それと一文字隼人は良いですね!本郷より気持ちの良い兄ちゃんキャラですし、一番感情が入ってくるキャラでした。

そんなわけで庵野秀明シリーズですが、この先一体どうなってしまうのかわかりませんが、個人的には今回はちょっと微妙な作品になってしまいました。
えすえふさん [映画館(邦画)] 5点(2023-04-09 13:34:25)
23.《ネタバレ》  「シン・ウルトラマン」でも感じた事だが、なぜ2時間の作品にこんなに沢山の内容を盛り込む必要があるのだろう。これでは物語自体は薄っぺらくなり、過去のリスペクトをてんこ盛りにしただけの、ただただダラダラ長い作品になってしまう。この監督の実写映画で大人の鑑賞に耐えられたのは「シン・ゴジラ」だけだと感じたのは、元々が2時間の作品をリメークしたから、この愚を犯さなかっただけなんだと納得した。
 さて、「シン・仮面ライダー」である。エンディングで掛かっていた「ロンリー仮面ライダー」が象徴するように、昭和の1号仮面ライダーの最大の売りは「一匹狼」の活躍にある。ショッカーは民衆を洗脳し自由を奪う悪であり、仮面ライダーは「平和と自由」を標榜するヒーローであった。組織を嫌い、権威を嫌い、束縛を嫌い・・・と言うのが市川森一の目指したコンセプトだと聞いている。小学3年生で初めて見た仮面ライダーは「地球防衛軍」も「科学特捜隊」もバックに居ない西部劇のヒーローを彷彿させる「孤高のヒーロー」・・・そこがカッコよかった。赤いマフラーはそんな象徴だったはずだ。
 ところが、そこがごっそり抜けている。
仮面ライダーはいきなり政府機関と手を結び、政府の犬と化してしまう。理不尽な政府の殺人行為を指を咥えて見ているだけの存在に成り下がる。自分が弱かったから、武器を使わなかったから、父親が死んだと真剣に考え、その背景を知ろうともしない。自由も平和も全く背負っていない。何となく「真昼の決闘」を感じさせる「ロンリー仮面ライダー」の精神は受け継がれず、外見とBGMだけを似せてしまった似非1号ライダーを延々と見させられた感じであった。赤マフラーをつけていないニセライダーが集団でワラワラと現れた時「何人かかってこようが所詮ニセモノはニセモノ」昭和の本郷猛はそう言って一刀両断に切り捨てた。一匹狼の強さを見せつけた。「政府の犬が赤マフラーを付けるなど100年早いわ」藤岡弘の声でそう言ってやりたい。
zatoさん [映画館(邦画)] 3点(2023-04-09 10:45:42)(良:6票)
22.《ネタバレ》 「へ~んしん、トウ」…オトナ向けの新生仮面ライダーと思って観賞したけど昭和の仮面ライダーを匂わせる演出が際立った。1号と2号が次々とショッカーみたいなんと激闘。お目当ての浜辺美波はクールビューティを熱演していたけど今作も死に役。ストーリー性は仮面ライダーらしくほとんど無い。エンディングテーマは懐古の情があった。全体的に物足りない印象。
獅子-平常心さん [映画館(邦画)] 6点(2023-04-02 01:58:38)
21.《ネタバレ》 最速上映にて観賞。当方仮面ライダーは全く通っておらずド素人の感想。
シン・ゴジラのように現代のものとして過去作を壊し再構築、アップデートしたものを望んでいたのだが、シン・ウルトラマンと同様原作を尊重しすぎている構造だったためあまりノれなかった。元々が映画とテレビシリーズという違いがあるため仕方ないと思われるが、思い入れの深さの差による違いでもあると思われる。世界観の根拠になる設定は細かく凝っているが、物語としての根拠にはとことん無関心でありそのため全然ストーリーにのめり込めない。
アクションとバイクに乗る姿、仮面ライダーとオーグメントたちのデザイン、綺麗な景色やカット割り等映像は抜群にかっこいいが、冒頭から造語のオンパレードだったり、オーグメントのアジト突き止められ過ぎでザル過ぎ、蠍オーグ銃でやられてる、ハチオーグのアジトから撤退後数時間後に再突入というカジュアルさがなんだか間抜けに感じられたりなど突っ込みどころ満載。シン・ゴジラのように市井の人々が脅かされている描写がなく仮面ライダーが何のために闘っているのかが???
ほぼ満席の劇場で途中退席者がいたが、気持ちが分かる…。
パンフレットには庵野監督の「自分がやりたいものより、観客が面白いと思えるものを目指した」という旨のコメントが載っており、それでコレなら監督がやりたいものをやった映画を観たかった。
eurekaさん [映画館(邦画)] 6点(2023-04-01 13:47:48)
20.仮面ライダーをテレビで一度も観たことのない自分でも楽しめました。ショッカーの目的がエヴァンゲリオンっぽいのが気になりますが。
次郎丸三郎さん [映画館(邦画)] 8点(2023-03-31 21:20:46)
19.《ネタバレ》 庵野監督がイニシャル『シン』で仮面ライダーを創ったら、まあこうなるわなという映画。基本的に納得しかありません。おそらく歴代シンシリーズの中でも圧倒的に間口は狭く肩幅ほど、ハードルは棒高跳びレベルと推測しますが、案外「こんなの楽しめるのは俺だけだろ」な層も相当数いるのでしょう。じゃなきゃこれだけ大掛かりなメディアミックス企画は成立しないですもんね。あるいは多くの大人が「儲かりまっせ」の口車に乗っかたのか。どうなんでしょう。
あれこれ考察を楽しむのが庵野映画の鑑賞流儀かもしれませんが、個人的には「仮面ライダーが死ぬ程カッコよくて」「浜辺美波さんが神がかり的に美しい映画」という理解で十分という気がします。特に浜辺美波さんファンは爆増したに違いありません。『最優秀キャメル革ロングコート女子』と『気絶担がれ女神オブ・ザ・イヤー』の2冠受賞の快挙は史上初なのでは。
(以下余談)ついに買ってしまいました変身ベルト。2号バージョンを。コミュ障で陰キャの本郷猛にはシンパシーを感じますが、惚れるのは一文字隼人の方。陽キャの仮面に隠された孤独や愁いに惹かれるのかなあ。一文字の笑顔はライダーキック以上の破壊力があったようです。
目隠シストさん [映画館(邦画)] 8点(2023-03-31 00:02:51)(良:1票)(笑:1票)
18.もちろん駄作なんですが、庵野秀明の作品の中では最もまともに鑑賞する価値のある作品かもしれません(実写アニメ両方含めて)。今までと異なりこの映画は何より役者の演技をちゃんと撮ろうとしています。何度も繰り返される仮面の着脱、無機物でしかない仮面にどう表情を宿らせるか、間違いなくこれは実写映画でしかできない試みです。フォトジェニック以上のものではないですが撮影も今までで一番良かったです。この映画の不幸は擁護する意見でさえ過去の作品へのオマージュの側面ばかり取り上げられるところです。自身がそのように読み解かれるよう自己演出を続けてきた庵野秀明の自業自得ではありますが、鷲巣詩郎の音楽やいつもの明朝体(シン・ゴジラで一番ゲンナリした要素です)が封印されているのは今までとは違うものを作ろうという精神の現れです。エヴァンゲリオンではメタフィクションに逃げ、シン・ゴジラは震災を描くように見せかけて帰ってきたウルトラマンのプロットを流用したに過ぎず、シン・ウルトラマンに至ってはノスタルジー以上の価値を見出せませんでした。今回庵野秀明はかつてないほど真剣に現代的なテーマを扱ったストーリーを語ろうとしているように見えます。最大多数の最大幸福ではなく最も絶望している者の救済、疫病による人口削減、人にも自然にも負担をかけない奴隷制度の復活、エネルギーの奪い合い、絶望を多幸感で上書きする洗脳。それでもショッカー側のキャラクターはワンパターンの快楽殺人鬼ばかりだったり、最終的には肉親の不幸に収束するスケールの狭さもあってまともにテーマを処理できてはいません。だから最終的には駄作と判断せざるを得ないのですが、この映画って言わばまともにストーリーが完結しているエヴァンゲリオンじゃないですか。そう考えるとシン・エヴァンゲリオンなどよりはるかに凄い達成だと思います。
Сакурай Тосиоさん [映画館(邦画)] 5点(2023-03-30 20:52:56)(良:2票)
17.《ネタバレ》 仮面ライダーなのにPG12。確かに、敵の戦闘員も人間。一発で倒すような打撃を本当に当てれば、血も出るわな。
他の部分では物理法則を完璧無視した動きも多く、決してリアリティを追求しているわけではないが、雑魚キャラにも血は流れている、という部分だけ異様にリアル。
原作の仮面ライダーにおいても、ショッカーが死ぬときに赤い液体が見えるが、ここへのオマージュということか。
クモやコウモリ、ハチなどの敵キャラは、原作に忠実(次はコブラ、という所まで)。

仮面でモゴモゴしたセリフが聞きづらい。滑舌が悪い+聞き慣れない専門用語もあり、字幕が欲しいレベル。
あと、全員、なぜかわざと棒読みで説明的な喋り方に、なんだか馴染めなかった。アニメだったら良かったのかも。
車のナンバーがシングルで昭和風(というかクラシック?)なのは細かい演出で良かった。
スナックアミーゴも出てきてほしかったなぁ。
チェブ大王さん [映画館(邦画)] 5点(2023-03-30 19:06:45)
16.《ネタバレ》 仮面ライダーについてはにわかです。過去作について何一つ見ていません。ウルトラマンより何もわからん。ゴジラ派ですんで。

ネットの評判があまりよろしくなく、非常に身構えていきましたが、思ったより大分面白かったです。どんだけゲテモノが出てくると身構えていたのやら。
特撮がチープ、CGがチープ、効果音等が昔のものを使っているのでチープと感じるのは、庵野の異常な過去作オマージュ愛があるからそうなんだろうなぁとフィルターを通してみてたのもあり、
そこまで減点対象ではないかなという印象でした。
ただ、過去作オマージュとはいえ、寄りすぎなカメラ、暗すぎるトンネル内バトル等はやはり減点対象かな。
個人的につらかったのはバトル中ではなく、会話シーンで手振れがひどいカメラ(iPhoneで撮ってるんだっけ?)が一部あり、ボーンシリーズの手振れにも平気だった僕が「うえぇえ、辛い~」ってなった場面があり。

まあしかし、シンゴジラのような「現代に合わせた脚本・演出」とはなっておらず、「過去作オマージュ脚本(ただし庵野チックな中二的小難しさが含まれる)」という脚本だったので、見ていて小恥ずかしい感じはありました。
シンウルトラマン同様、海外受けは絶対しないだろうなぁという印象(一部の異様なジャパニーズ特撮ファンを除く)

個人的にはもうちょいハリウッド的なアクションの動きやカメラワークになればよかったんだろうなぁという不満はありますが(それこそMCUをお手本にして)、その辺は庵野の変なこだわりと、邦画のレベルとの兼ね合いでまあここが妥協点なんだなと半ば諦めた?感じで見れば、問題なく見れる作品でした。
なんか不満たらたらのような書きっぷりですが、楽しかったですね。
バイクで疾走するシーンと、ライダーキックを決めるシーンはとても良い。
あとラストバトルで力を使いすぎて、泥試合になるあたりも、総合格闘技のヘビー級の試合で最初に全力出しすぎて後半バテバテになった試合を見ているようで、微笑ましく、個人的には面白かったかな。
みーちゃんさん [映画館(邦画)] 7点(2023-03-28 14:40:28)(良:1票)
15.《ネタバレ》 公開前からずっと見に行こうと思っていましたが、悪い評価もありどのような物か不安に思いながら鑑賞。私は昭和ライダー1号世代であり最初から引き込まれた。細かい背景等は不足していたかもしれないが、戦いのシーン等迫力がありとても楽しめた。また、仮面ライダーの所作やカメラ構成がとてもカッコよい。ショッカーも倒れる時に血が非常に流れるがその分仮面ライダーの力の強さが分かって良い。画面のカット割りや音響の使い方等はさすが監督の力であるとも思える。昭和ライダー世代にはおすすめ出来る映画なのではと思う。
ソウリさん [映画館(邦画)] 8点(2023-03-28 09:25:14)
14.《ネタバレ》 できる限り作品情報をシャットアウトしながら予備知識や先入観を持たず――それでも作品評価が賛否両論であるという情報や軽いネタバレをネットでくらってしまったが――大学生の息子と二人で鑑賞。戦いに身を投じていくこととなる「人につくられた者たち」のアクションと、過去に理不尽な形で家族を失っていた彼らの悲しみや彼ら同士のほのかでプラトニックな心の交流が描かれる。

登場人物の心の動きというか、心動くきっかけやタイミングが僕の感覚とマッチしなかったため、物語そのものには乗り切れないところがあった。シーンがぶつ切りに見えてしまったり、物語やその背景に従って登場人物が半ば無理矢理動かされている印象を強く持ってしまったりもした。だが、ここ一週間ほど僕自身に家族にまつわる辛いことがあったため、主人公たちのやるせなさや悲愴感が普段以上に心に沁みて仕方がなかった。映像や書籍などに触れるタイミングがその個人的評価を大きく左右するのだと改めて強く感じた。

フィルム面からは、庵野監督の目と耳の良さを改めて感じた。アクションシーンの動きは総じて早めだが、そのスピードが絶妙で、見ていて気持ちがいい。また、そこでの殴打時の効果音の太さと大きさにも驚きと生理的快感があり、それが堪能できる大音響での鑑賞が家ではほぼ不可能なことを考えると、これだけでも劇場で鑑賞できて良かったと思う。
ちなみに、庵野監督作品で劇伴担当が鷺巣詩郎でない作品を観るのは『トップをねらえ!』以来で、これまでの作品とは異なるメロディアスで現代的な音楽も印象に残った(今回劇伴担当の岩崎琢は『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 追憶編』の劇伴を通じてリアルタイムで知り、一時期ファンとして熱心にその音楽を追っていたので、今回の起用は嬉しかった)。

現在は息子自身も辛い状況にあるはずなので「面白かった」「かっこよかった」だけでなく、本作を覆う沈痛な感情と、それでもそこから自らの手でつかみ取るべき可能性を本作から掴んでほしいと思う。一緒に観て良かったと思った。
はあさん [映画館(邦画)] 8点(2023-03-27 11:07:00)(良:3票)
13.《ネタバレ》 私は正直なコトをゆーと「え、何でこんなに評判悪いの?」というレベルでメチャクチャ楽しめてしまったのですが、帰って来てこちらのレビューも全部読みましたがソッチにも完全に納得はしました。今サラ私が言うコトでもないでしょーが、重ねて、完っ全に「監督の趣味」でしかない映画であって、だから極めて人を選ぶ・ニッチな作品だというコトではあるのでしょう。しかし同時に、こんな奇天烈な質感を映画として楽しめるとゆーのはソレこそ、この地球上でもごく限られた領域&限られた時代に生まれたからこその「特権」だとも思いました(個人的には、特に今作のチープなCGによるアクションをアクションとして受容可能なのは、実はオリジナルの直撃世代よりはもう少し我々の世代寄り=平成・2000年代のテレビ特撮に少しでも親しんだ世代…なのではねーかと思いましたね)。私は素直に、この映画を存分に楽しめたという自分の境遇を神に感謝したいと思います。面白い映画でした。

とは言え、一言だけ言っておきたいとしたら、この映画って(立派な原作が別に在るにも関わらず)本質的な中身ってまたほぼほぼ旧『エヴァンゲリオン』と同じじゃなかったですか?(+細かい演出のコンセプトとかだってそーだし)でも、演出手法とかの「外観・見て呉れ」或いは「好きな=またやりたい」展開の運び方とかに関しては、私も別にセルフオマージュだって全然好いじゃんか、とも思うのです。ただ、例えソレが自身の最大の信念・価値観であったにせよ(そしてソレばっかり描く=貫くとゆーコトにも確かに大きな価値が在るモノだとは思えども)も~アレから30年にもなるのですよね?個人的には、ならばソレ=その「中身」は多少は変化している・してゆくべきではねーのか、とも(少しダケ)思ったりはしましたですかね(⇒ある意味、シンプルに「人」として)。

※コレはいよいよ、私もエヴァの新劇場版を観ないといけないのでしょーかね。。事前情報を入れる位なら、直接全部観た方が好いと思うので。。

※プラス、以下余談:
今作の採点に関しては、個人的に少し外的な要因とゆーのがあって、第一に件の『シン・ウルトラマン』よりはコッチの方を上にしたいと思ったのですね。全体的にはごく似通った質感+諸々のクオリティだとも思ったのですケド、まず(先ほど少し腐したとは言え)テーマ的な部分で今作の方がより共感可能だったコト、あと全体的なテンポも今作の方が好みに近かったコト、が理由です。しかし、実は『シン・ウルトラマン』はその直前に観た『ULTRAMAN』に(本来は5点相当なのに)心情的に6点を付けるしかなくて、だから『シン・ウルトラマン』は(本来は6点相当なのに)7点になってしまって居て、んで今作はそれ故に(前述どおり)8点とするしかなかった…のですよね。従っての結論、今作は「7点寄りの」8点という評価としてご理解頂ければ…と思います(ソレでも、個人的にも良作の範疇であるコトには変わりはねーです)。宜しくお願い致します。
Yuki2Invyさん [映画館(邦画)] 8点(2023-03-27 09:12:33)
12.《ネタバレ》 まず最初に何を今更なことを言いますが、庵野さんって生粋の厨二病なんですね。まあだからこそ「エヴァンゲリオン」はその世界観が監督の趣向と見事にマッチして、歴史に名を残すほどの名作になったのでしょう。

で今回のこの「仮面ライダー」ですが、等身大のヒーローものでその趣向をやってしまうと、なんていうかもうイタイ、ですね。やっていることが特撮大好きな中二病の大学生のノリそのものなんですよね。

世界を変えてやるという大それた組織がまるで内輪もめの小競り合いみたいだし、登場人物のセリフは恥ずかしいくって赤面しちゃうものばかり。おまけにボソボソと聞き取りにくい箇所もあって、え?なに?なんだって?て何度もなった。それと父親が死んでも冷静沈着だったルリ子が急に乙女みたくなってしまうのは、唐突すぎて違和感しか感じなかった。着替えならトイレか風呂場か別のとこ行ってすりゃいいじゃんて。なんでわざわざ目の前でするかね。てこういうとこが厨二病感が出てるんですよね。

ただ誤解のないように補足しておきますが、別に厨二病が悪いと言っているわけではありません。なんなら私もそっちよりですから。ただその厨二病的な趣向が功を奏すかどうかということで、今回のこの「シン・仮面ライダー」では、完全に人を選ぶモノになってしまったなと。そういうことです。ちなみに2004年に公開された庵野監督の「キューティーハニー」はめっちゃ面白かったです。あのキャラとあの世界観が良い感じで監督のセンスとマッチしたんでしょう。私のお気に入りの作品です。

話がそれましたが、今回主人公の本郷猛を熱血正義マンから、今どきの草食系男子にしたのはいいけれど、彼の戦う理由もルリ子に同意した理由もなんか釈然としないまま話が進んでいくから、正直ついていきにくかった。

アクションシーンはわざと漫画ぽくしているのか、最初のクモオーグとの戦い以降は迫力にかけてただただ傍観者のようになってしまった。(;`Д´)<お゙お゙!お゙お゙!てなりにくいんですよね。手に汗握るバトルじゃないから。

作品からは監督の愛もオマージュも感じられはしたけれど、じゃあこの作品を手放しで絶賛できるかというとそれはまた別の話。

そもそも「仮面ライダー」というモノは「仮面ライダークウガ」から現代版としてリニュアールされ、その後の作品でも深いテーマを掲げて、幾多の名作をすでに生み出しているわけで、そんな中で作られたこの「シン・仮面ライダー」でしたが、少々マニアックすぎたかもしれません。好きな人にはたまらないんでしょうね。残念ながら自分には刺さりませんでした...。

「ロンリー仮面ライダー」だけがやけに沁みたな~・・・。
Dream kerokeroさん [映画館(邦画)] 4点(2023-03-26 21:12:27)
11.《ネタバレ》 ライダー世代だし庵野作品は基本好きなんだけど、これはダメだった。
脚本的に本郷猛へ感情移入させることに失敗している。緑川ルリ子の物語か先に立ってしまい、本郷猛の戸惑いや感情、現状の認識がいまいちわからないまま、どんどん話が進んでしまう。
最初のサイクロン号の変形からの変身はカッコよこったが、特撮やCGがあえてチープだったり、バトルシーンで昭和のBGMがかかるのも寒い。コウモリオーグがパタパタしたあたりでこりゃもうダメだな…と思った。サソリオーグもハチオーグも森山未來の立ち居振る舞いも寒い。
あと人間本体が異形に変わってる時が本来の力が発揮されてるバトルモードだと認識してたのだが、仮面脱ぐと普通の顔をしてたりして設定的にもよくわからなかった。
浜辺美波の美しさ、2号演じた柄本佑はよかった。
ブラック武藤さん [映画館(邦画)] 5点(2023-03-23 22:53:19)
10.《ネタバレ》 もう待ちきれなくて仕事帰りに、最速公開日のレイトショーにて鑑賞。
本来、早々にレビューをアップして、お祭り騒ぎに便乗しようと目論んでいた。「シン・ウルトラマン」の時と同様に。
しかし、今回は手強かった。今自分が観たものをどう判断していいのか困惑していた。
果たして傑作だったのか、キワモノ映画だったのか、脳内整理が瞬時で付かなかった。

冒頭にいきなり結構エグい暴力描写が続き、その上池松ライダーの暗い表情がモチベーションを下げてくれる。
緑川博士や、ルリ子の説明も唐突で、言葉が頭に入らない。何が何だか。
クモオーグの乗った逃走車両が昭和ナンバーの古い国産車だったりして、時代設定も分からなくなり、混乱度は更に高まる。

しかし、その後に、政府機関の2人の強烈な登場で、今回の映画の世界観がぼんやりと浮かび上がる。
その先、パート構成で物語はテンポ良く進み、こちらも画面に集中して楽しめる。そう、楽しめたのだ。
思いがけないキャストの登場や、チープさを敢えて払拭しないコマ落としの様な特撮での演出など、
放映当初の「仮面ライダー」、あるいは原作漫画へのリスペクト、愛情、こだわり等がいきなり溢れ出てくる。
柄本ライダーの登場で雰囲気にも明るさが加わり、怒涛の展開が「スッキリ」させてくれる。
政府機関の二人が名乗るシーンは、「そう来たか!」と膝を叩いてしまう昭和的反応。
うん、確かに楽しめた。

ただ、一緒に観た作品背景を知らない妻は腑に落ちていない表情であったし、分かる人には分かるというストーリー構成、
またPG12である事は「仮面ライダー」としてどうなんだろうか。
「シン・ウルトラマン」は全ての世代が楽しめる明るい作風であり、観賞後の爽快感があった。
「シン・仮面ライダー」は観終わった後、劇場を埋めていた親父達は、帰りがけに連れにどう感想を述べようか悩んでいる様な、
そんなモヤモヤ感が漂っていた。

でも鑑賞後二日経った週明けの朝に思う。
やはり心に刺さっていた。そしてもう一度確かめに劇場に行きたい衝動。自分は決してこの映画が嫌いではないと。
こたさん [映画館(邦画)] 7点(2023-03-22 14:01:42)(良:3票)
9.《ネタバレ》 このサイトでの酷評を見ていたので、覚悟して鑑賞。
むう。のっけから何が何だかわからんうちに事件が始まり、やたらと多いセリフで背景をべらべら説明されて、ポカーンとなってしまいますね。これで本郷に納得せよ、といっても、本郷はなぜか受け入れていましたが、観客が受け入れられません。
プラーナがどうこう言う設定は、ちょっとくどい感じでした。
最悪というほど悪くもないけれど、登場人物のだれにもあまり感情移入できないままで終わってしまいました。
本郷がなぜ人に対して優しく、そして強くあろうとしているかの事件の説明が終盤になってなされますが、素直にこれを冒頭に持ってきて、仮面ライダーが誕生するまでをもうちょっと丁寧に描いたほうがよかったんではなかろうか?
Northwoodさん [映画館(邦画)] 5点(2023-03-21 17:37:07)(良:1票)
8.《ネタバレ》  庵野氏の前二作は「東宝・円谷」系、今回初めて「東映・石ノ森」系であり、この二大潮流は当時ガキだった自分ですら前者にはやはり風格、品格のようなものが感じられ、対する後者はより軽快かつアナーキーな印象でテイストは全く異なっていたが当時の子供らは両方普通に観ており、今回どう料理されるのか期待していた。
 本作のストーリーはかつてのTV作品より石ノ森氏の原作漫画の方を下敷きにしているが、オリジナル度が高い。といってもロケ地はTV版で有名な小河内ダムが選ばれたり、他にも三栄土木、砂田画廊、影村めがね店の看板とかTV版マニア向けサービスも盛り込まれている。
 本郷、ルリ子、一文字それぞれの孤独と精神の継承が大きなテーマにもかかわらず、時間の割に内容的に詰め込み過ぎでテンポも速いのでそのあたりの情感がもうひとつ伝わってこない気がした。またエネルギーとかプラーナとかややこしい説明的な話も過多、ロボット刑事Kを登場させる意味もあまりないように感じた。小河内ダム以外にも印象的ないいロケ地が選ばれていてバイクシーンが多いのもカッコ良かったが、変身体でもコート着ているシーンが多いのは気になった。
 ライダー以外のキャラクターデザインは大分変わっているので何とも言えないがメカメカしいのは時代もあるのか。ただ顔がわかりにくい怪人役にもかかわらず楽しげに演じてくれた長澤まさみ、本郷奏多の両氏は登場時間が短くとも十分存在感があり、特に助清かまちゃまちゃみたいなサソリオーグには笑わせてもらった。
 あと昔の劇伴音楽を一部使っているのはシンウルトラマンと同様なのだが、今回は新作音楽とテイストが違い過ぎて違和感があった。昭和当時の自分らが沢山あった特撮番組の中でもライダーにはまったのは、優れた劇伴音楽とシンクロした技斗の醸し出す中毒性のある快感が肝だったんでは、と本作を観てあらためて思った。残念ながら本作でそういう快感は感じられなかったが、俳優陣の頑張りもあり、本作で描きたかったテーマ、原作やオリジナルへのリスペクトは十分感じられた。
クリプトポネさん [映画館(邦画)] 7点(2023-03-20 10:29:56)
7.《ネタバレ》 アクションエンタメとしての仮面ライダーを前提に、予備知識や先入観なしで評価するなら恐らく「5~6点」ぐらいではないかと正直思うのですが、僕は庵野監督の描く世界観(特に最近のもの)が好きなのと、陰はあるが誠実な本郷1号のキャラ造形が良かったこと、また素直に「かっこいい」と思える瞬間が確実にあったことなどから、僕としては最終的に「見て良かった」と思えました(ちなみに自分は仮面ライダーで言うと Black 世代です)。

まず「5~6点」と書いたのは、思った以上に庵野監督のカラ−が色濃く出ており、純粋に「仮面ライダー」としてこの映画を見た場合に付いていけない人が確実に出てくるだろうなと思ったからです。一方でモチーフや視覚イメージなど、個人的には「エヴァ」や「ナディア」を連想させる(つまり過去の庵野作品の中で既に見たことがあるような)展開も多く、そう言う意味では庵野作品をある程度見てきた僕のような観客にとっても、あまり大きな驚きはありませんでした。また全体的に「オーグ(怪人)を倒しに行く」ことを基軸にした、よく似た印象のエピソードを数珠繋ぎで連続させていて、「大きな起伏もなく淡々と劇が進んでいった」という印象であり、またそのことによって自分が意識無意識に「シンゴジラ」のような衝撃を期待していたのだということにも気づきました。「シン」シリーズに連なるものとして、例えばそれこそ「シンゴジラ」みたいな映画を期待すると、「付いていけない」度合いはより大きくなるのではないかと思います。

とはいえ、恐らく第一作ライダーへのリスペクトに基づいたダークな(陰のある)展開は好みでしたし、交流を深めるにつれてお互いに対する信頼が増していく本郷とルリ子との関係性は、見ていてそれなりに心暖まるものでした。また個人的には、西野七瀬さん演じるハチオーグのエピソードが、アクション映画としての「シン仮面ライダー」のハイライトとして、最ものめり込んで見ることができました(ハチオーグの造形は、多数出現したオーグの中でも一際スタイリッシュだと思いました。また日本刀によるバトルは仮面ライダーのアクションとしては非常に新鮮で素直にカッコいいと思えたし、短いエピソードの中でも垣間見えるルリ子とハチオーグとの屈折した、複雑な関係性や、完全な咬ませ犬だったサソリオーグのエピソードが綺麗に伏線として回収されていたのもとても面白かったです)。

全体としては、「仮面ライダーという箱を使って表現された庵野的世界観の総決算」だったというのが、この映画に対する僕の最終的な印象です。見る人は間違いなく選ぶでしょうが、庵野作品ファンで、かつ多くの少年と同様にかつて仮面ライダーが好きだった自分としては、しっかり楽しむことができました。
マーチェンカさん [映画館(邦画)] 8点(2023-03-19 22:26:25)
6.《ネタバレ》 シン・ウルトラマンと評価は変わらないかなぁ、庵野さんの思い入れ大で作られている。サソリオーグに長澤まさみさん使うのは贅沢ですね。
でも浜辺美波はカワイイです大画面アップ、髪の流れ方ツンデレ具合最高に決まってます。ファン是非とも堪能してください。
bonbaiさん [映画館(邦画)] 7点(2023-03-19 22:09:38)
5.まず、ある種の清々しさを含めつつも、本作に対しては個人的にきっぱりと「駄作」だったと言いたい。それも近年まれに見る「超」がつくほどの。

庵野秀明による、「シン・ジャパン・ヒーローズ・ユニバース」の大トリ第四弾。
「シン・エヴァンゲリオン」はまったくの門外漢なのでまた観ていないが、2016年の「シン・ゴジラ」を皮切りに、2022年の「シン・ウルトラマン」、そして本作「シン・仮面ライダー」と、大いなる高揚感と期待感をもって鑑賞してきた。
なんと言っても、「シン・ゴジラ」で表現された新時代感とそれに伴う畏怖感は衝撃的で、ゴジラ映画を全作観てきた者として、圧倒的にエキサイティングだった。

一方で、昨年の「シン・ウルトラマン」の時点でおやおやと思う節はあった。
製作者たちの溢れ出る過去作に対する「愛情」を感じる反面、僕自身は乗り切れなかった。
嬉々として繰り広げられる良く言えば“独特”、悪く言えば“陳腐”な映像表現、映画表現に対して、「あ、ふーん」、「あ、そうなんだ」と引いたスタンスを取らざる得ず、なんとも困惑してしまった。

そして、この「シン・仮面ライダー」の“世界観”を目の当たりにして、一つのことが明確になった。
「シン・ゴジラ」にあって、「シン・ウルトラマン」、「シン・仮面ライダー」に無かったモノ、それは僕自身の過去作品対する「愛情」という名の「耐性」だったのだろう。

個人的な遍歴として、玉石混交の全作品を観てきた「ゴジラ」映画シリーズに対して、「ウルトラマン」も「仮面ライダー」も、僕は過去のオリジナルシリーズを殆ど観てきていない。
故に、今回の各映画作品に対して僕が求め期待するものと、オリジナルシリーズを偏執的なまでに愛し表現し続けてきた製作者たちが見せたいものとが、乖離しすぎていたのだと思う。


と、自分にとって本作が本質的に“合わない”映画であり、「仮面ライダー」に対する無知を認めつつも、やっぱり客観的に見て酷い映画だったなとは思う。
「シン・ウルトラマン」はそれでもまだ“乗り切れなかった”という印象であり、特撮映画としての見応えと、娯楽映画としての楽しさも随所に存在していた作品だった。
が、しかし、本作は正直“耐え難かった”という印象を拭えない。久しぶりに鑑賞中に“しんどさ”を感じてしまい、思わず席を立ちたくなった(無論そんなことはしないが)。

個性的でユーモラスな怪人たち(チープで陳腐)、昭和感を感じさせる俳優たちの朴訥な演技(お遊戯会レベルの某演技)、映像技術の低さを工夫で補うカメラワーク(見づらく気持ち悪い)。
それらは、「仮面ライダー」や「ウルトラマン」がテレビ放映されていた当時のつくり手たちが、限られた制作環境や時代性の中で、必死に“面白いもの”を生み出そうとした結果の産物だろう。

それらを観て育ち、感銘を受けて映画制作やアニメ制作の世界に入ったクリエイターたちが、過去のオリジナル作品対しての“リスペクト”をふんだんに盛り込むのは良い。
ただ、だからといって当時の映像表現やアイデアを現代技術でそのまま再現して、「仮面ライダーといえばこれでしょう」と悦に浸るのは、あまりにも安直だし、クリエイターとしてダサすぎるのではないか。
そんなものは、過去作へのリスペクトを笠に着た“クリエイティブ”の怠慢であり、放棄だと思ってしまった。


自分の想像以上に本作を称賛する人たちも多いようなので、やはり作品に何を求めるかによって、映画の価値なんてものは大いに振れるものなんだなと思い知る。
だからこそ、しっかりと自分の感情に沿った評価をしていきたいと思う。
“10点”の映画は年間数本出会えるが、その逆は数年に一つ出会えるかどうか。振り返ってみると実に8年ぶりの“0点”を捧げよう。
鉄腕麗人さん [映画館(邦画)] 0点(2023-03-19 08:43:08)(良:2票)(笑:1票)
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【点数情報】

Review人数 64人
平均点数 5.50点
034.69%
100.00%
223.12%
357.81%
4710.94%
51523.44%
6812.50%
71320.31%
8914.06%
911.56%
1011.56%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 8.50点 Review4人
2 ストーリー評価 5.27点 Review11人
3 鑑賞後の後味 6.72点 Review11人
4 音楽評価 7.33点 Review12人
5 感泣評価 4.22点 Review9人
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