87.《ネタバレ》 この映画はものすごく引き付けるものがある。暴力・レイプ・ドラッグ、別にこのテーマは普通に取り上げられてることが多いし別段驚きもしない。実際、初めから警察に捕まるまではドラッグやってハイになり暴行に及ぶことは他の映画でも良くあるし、そこからレイプやセックスってのも普通にある。ただ、そこまでで他の映画と違ったのはレイプやセックスの撮り方が他の映画と異なっただけだと思う。捕まってからも別段特殊な所は無い、ところがその後の治療から引き付けられた・・・彼は治療中暴力を見せられて「吐き気がする」と言いはじめたのだ。それからはずっとこの『吐き気』が気になった。暴力なことを考えたら吐き気、吐き気・・・今まで快楽であったものが吐き気に変わる、どんな心境なんだろうか、とても気持ち悪いに違いない・・・吐き気、吐き気。その後、話は進んで彼に罰が下り始める。そんなのは別にどうでもいい、それは良くある話だしつまり前半の逆にしか過ぎないから。だけど、作家に復讐のため第九を聞かされた時の彼の苦しみ方、また吐き気、最後に死を選んだ。その後のことはぶっちゃけどうでも良い、死のうが死ぬまいが治ろうが治らまいが。この作品では道徳とか善悪とか戒めとして見る事も出来るが俺はそういう見方はどうでも良く『吐き気』と『クラッシック』として見た気がする。なぜなら彼にとってもっとも好むものが吐き気という最もおぞましいものとなった時点で彼には好むものが無くなったからだ。これは逆説だ、治療して良い人間になったハズが何も無くなったのだから。ここから更新:映画は見る人によって評価が異なるがキューブリックの作品はキューブリックが映画の中で自分で自分の評価を必ず下す。重要なのは問題提起では無く美しさなのかもしれない。それは絵や音楽と同じ芸術であり、決して他人に共感を与えるラブソングやマンガなどではないのだと思う。 【taron】さん 10点(2004-02-29 03:24:40) (良:1票) |
86.やっと観ました。僕のまわりの人たちみんな絶賛するもんなんで期待して観てみたところやはり期待通りすばらしいず~っとひきつけられっぱなしの作品でした。クラシックも印象的で、かつスタイリッシュでありさまざまな感情がうずまいてました。非常にすばらしい作品に出会えたと思います。 【アンリ】さん 10点(2004-02-26 01:58:12) |
85.この脚本全てがとても素晴らしい。バイオレンスは初めから苦手ではないので、普通に見れました。ストーリーが怖い。 【アンナ】さん 10点(2004-01-23 20:55:35) |
84.「ぶっ裂け」ない。。。コメントしきれない。。。10点か0点か迷ったところ,この結論。 【ロウル】さん 10点(2003-12-19 09:31:01) (良:1票) |
83.《ネタバレ》 この映画は本来の人間性をうまく表現している。 主人公のアレックスは性欲、破壊、陶酔という本能的な行動を楽しみ、それを日常の糧にしている。日頃、勧善懲悪的観念で過ごしている我々は「こんなことをしている奴は間違っている」と主人公を完全に突き放してしまう。そしてそのまま主人公に共感や同情を持てずに嫌悪感だけが残ってしまい後味が悪いものとなってしまう。しかし、ラストシーンで主人公が『完全に直ったぜ』と呟く瞬間(この意味が解るかどうかで意見が大分違ってくる)アレックスと人間(もちろん、私達も含め)とに同一性を与えようとしているように思える。そう、本来的な人間はアレックスに他ならないのだ、そしてアレックスは私達の根底にも存在する。 私達が昔から教え説かれてきた勧善懲悪の観念を剥がされれば、私達はたちまちアレックス化するだろう。それを考えると私達が認める『善』というものが、いかに薄っぺらいものかがわかる。 この作品は人間にとって悪とは何かを教えてくれました。 |
82.この映画を万人ウケはしないとか言う人いるけど逆に万人受けすんじゃないかな~?高得点つけてる人の事無理してるとか思う人もいるかもしれないけど別に無理してないと思う。普通におもしろいし。だから通ぶってるワケでもないしアルマゲドンなんかより万人ウケすんじゃない? 【クロエ】さん 10点(2003-12-12 02:12:00) |
81.《ネタバレ》 昨今が60年代ブームとはいえ、この作品のデザインセンスは素晴らしいですね。アレックスと3人の仲間達の白タイツにマワシはどうかと思ったけれど。暴力を楽しむ少年の一人称で語られる物語。この少年、何故にか嫉妬・悲しさ・虚栄心・惨めさは通常人と共通し、学があり、芸術に理解を示し、賢く、したたか。暴力に対する陶酔を除けば、観客が自らと同一化させるにはなんとも理想の主人公。愛着も湧いてくる。ともすれば、さて唯一の際立った特長である彼の暴力性はどの様に扱われるのかがこの映画のテーマ。暴力は社会秩序を乱し、排他されるべき存在。しかし、ソレが行政の暴力によって抑止される。牧師が言った「道徳の選択が出来るからこそ人間なのだ」はこの映画のメッセージの一つなのだと思う。ソレを気の弱いバカにされている牧師に語らせている辺りに、その言葉が余りに無力であることを示しているとも感じた。さて、主人公の暴力性は結局再び彼のモノとなる。社会秩序を乱す彼の暴力性ですら、この映画では政治的に利用される。彼は翻弄する側から翻弄される側になる。彼の暴力性は非難されるべきものではなくなり、全体主義の中ではたいした意味合いを持たない。ラストには「もどってよかったね!」と作り手側の声。アレックスは私達観客。だから観ての私も「よかった」と思う。そして、そして、そして?そして今後アレックスの暴力性はどう扱われる?物語は今後を持たない。ラストの「よかったね」のセックスシーンは既にリアルではなく舞台。だから今後は存在しないのだ。この映画は観客にアレックスという身を与えて夢を見させた気がする。観客が暴力性を持ち、それによって社会的にどういった報復を受けるかという夢を。なんとも不思議に、なんとも虚ろに。どこまでがアレックスの言葉でどこまでが私の言葉なのだか。なんというか、71年の作品ですか。丁度思想的な面でヒッピー文化の事を考えれば時代的にも今後を愁う社会風刺に感じます。とはいえ本当にキューブリックは凄いですね。他のどの作品とも一線を架しているのは変わらぬ事実だと思います。満点を献上させていただきます。 【夢の中】さん 10点(2003-12-10 11:49:10) (良:4票)(笑:1票) |
80.「暴力」を徹底的に追求した、「非常に面白くない」映画。それが私の率直な感想だ。しかし、同時にこれは、文句なしの傑作でもある。商業映画とは全く違った次元で、だが。……私たちはなぜ、アクション映画を《娯楽》として楽しめるのだろう。殴られるのが怖いのに、他人がぶたれ、蹴られ、凶弾に倒れるシーンを、わざわざ金を払って映画館へ見に行くのはなぜだろう? ……私は思う。私たちは、剥き出しの暴力でない、ほど良い室温になったワインのように供される暴力を、エンターテイメントとして消費し、日常の糧としているのではないか、と。キューブリックは、その虚飾を剥がしただけだ。現実に生きる我々の知る暴力は、ドラマチックでもなんでもないということを示しただけである。そう、アレックスを突き放したのはキューブリックではなく、心の底では暴力が大好きな、我々自身に他ならないのだ。 【J.B.】さん 10点(2003-12-05 01:53:42) (良:6票)(笑:1票) |
79.ここまでやりたい放題で、刺激あるこの映画、はなしも最後まで結びついて忘れられないシーンが多かった。油断しては、いけません 【sangen】さん 10点(2003-12-05 00:54:38) |
【グルグル】さん 10点(2003-12-03 03:03:15) |
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77.Singin'in The Rainを口ずさむとき、物を蹴ってしまう様になってしまった(;_q)) 前世の行いによって、天 上界、阿修羅界、畜生界、餓鬼界、地獄界と生まれ変わる輪廻転生を強く感じた! 【デイリー】さん 10点(2003-11-20 13:57:52) |
76.「天才」と「狂人」は紙一重だとはよく言われる。キューブリックという監督は、まさしく「狂人」まであと数センチのところに、片足一本で立っている「天才」だ。好悪や嗜好の別を超えて、ただただ「スゴイ!」と感嘆できる位置にいる唯一の人。その感慨をまざまざと、そして不動のものとしてくれるのが本作だ。 【給食係】さん 10点(2003-11-18 07:49:07) (良:1票) |
75.見たときはとにかく衝撃を受けた。30年前にこの作品が存在していたことがショッキング。主人公アレックスをあれだけ魅力的に描いておいて、一切の共感を感じさせない突き放し方は凄い。私は暴力もレイプも大嫌い。でも、この映画とアレックスは大好きです。 そうそう、何故か近所のレンタル店では「ラブロマンス」コーナーにこの作品がおいてあります。 【犬】さん 10点(2003-11-17 01:32:37) |
74.これだけ刺激に満ちた世の中だと言うのに、30年前のこの映画は今も人々に衝撃や激しい嫌悪感を与え、美術的には近未来的。我々がキューブリックの見ていた世界に追いつくことは果たしてあるのか?先日「ギャングスター・ナンバー1」でマルコム・マクダウェルを見たけど、すっかりイギリス人らしいじーさんになってたなぁ。 【黒猫クロマティ】さん 10点(2003-11-12 17:56:20) |
73.ストーリーは一切考えません。芸術面(?)でこの点です。 |
72.生涯不動の第1位、リスペクトムービー。奥行き、色彩の映像美と、人間の美しさ汚さをアイロニックに魅せてくれたキューブリックに感謝します。自分の中で映画の面白さを知るきっかけになった作品です。 【らいぜん】さん 10点(2003-11-02 00:52:44) |
71.暴力、セックス、ドラッグなど廃退的な若者像、近未来的でありながら未だに真新しさすら感じてしまう映像の中の彼らは、今街に溢れる若者たちをそのまま描いたようであろ。そして彼ら以上に恐ろしいのは、内に秘める異常さを隠し持って生活しているごく普通の市民である私たちでしょうか。 【亜流派 十五郎】さん 10点(2003-10-30 16:14:36) |
70.さあ、これはなんとコメントしたらいいのでしょうか。とりあえず、私はその昔、この映画をなんとリアルタイムで見ましたよ~。千葉の二本立て映画館で「レット・イット・ビー」を見に行って、この映画にはまってしまいました。友達と見に行ったのですが、翌日一人でまた見に行きました。私を映画に目覚めさせた記念すべき映画なのです。その時はまだ私も若く、意味はいまいちわからなかったのですが、圧倒された事は覚えています。画面の中を踊りまわる黒丸、マルコム・マクドウェルの不敵な笑顔、片目だけの付けまつげ、サイケなミルクバー。どれをとっても驚きでした。あれから何回見ただろう。キューブリックの映像って、金太郎飴みたいにどこを切っても構図が美しいです。内容はヘビーなんだけど、ポップでかっこいい。キューブリックは誰がなんといおうと天才です。「私の原点の映画は時計じかけのオレンジ」と言い切れることに誇りを持って生きています。 【パキサン】さん 10点(2003-08-22 03:33:40) |
69.アレックス最高!!ちょーっと私の憧れです。音楽もファッションもインテリアもすべて好きです。この作品からキューブリックがホラーショウに好きになりました。モロコバー行きたい… 【mju】さん 10点(2003-08-04 17:50:45) |
68.この映画の良さは分る人にしか分らない。最高にセンスの良い映画だと思います。特に音楽の使い方かな。あと、出だしが凄い。ドキッとした。 【窓歌】さん 10点(2003-08-01 04:20:10) (良:1票)(笑:1票) |