1.ジョン・アルトン&ルイスの最高傑作の一つ。
人によっては「拳銃魔」よりも好きと言う人もいるだろう。
フィルム・ノワールの魅力は「闇」が司るが、この作品の夜霧のシーンは神秘的であり、様々な人間の欲望が見え隠れする「闇」でもある。
ボスの手下のギャングたちもまた、闇が司る暗喩的な性の匂いを感じさせる。
ルイスの手掛けた傑作西部劇「テキサスの死闘」もまた、黒衣の殺し屋等フィルム・ノワール的なものを何処か感じさせる。「テキサスの死闘」は夜も煙草の煙もファム・ファタールと言える女性も登場しないが、殺し屋として自分の存在意義に悩みネドリック・ヤングの存在は何とも言えない。