1.《ネタバレ》 僕は生まれも育ちも生粋の大阪人ですが、この映画、ディープな大阪のアングロ感がちゃんと出ていて、すんなり映画の世界に入っていけました。特に赤犬の公園でのライブ風景、ディープな大阪ならありそうな、あのヘンテコ空間にやられました。そして、そこでの血だらけの男のアカペラの「古い日記」、体がマジ、ゾクゾクしました。いやー、すごい、主役の渋谷すばるの圧倒的歌唱パフォーマンス。ビビりました。ジャニーズすげー。この時点で、僕はもう渋谷すばる演じる主役から目を離せない状態になっちゃいまして、歌一発で、僕の心は映画の中に持ってかれちゃいました。なんだろ、この主役のキャラの存在感は。クズに戻った時の渋谷すばるの演技も説得力ありまくり。やっぱ僕は説得力があり、なんらかの魅力あるクズには惹かれちゃう所があるみたいです。で、この映画、クライマックスにかなり問題がありまして、恐らく、多くの人はここでのありえない展開に目が点になってしまうと思われます。なんやーそれー!みたいな。でも、僕は、その前の子供と主役の対面に実はボロ泣きしてしまいまして。あの束の間の2人の出会いが不憫すぎて。僕にも一人息子がいて、ちょうど年齢も同じくらいからかもしれませんが、モロに感情移入しちゃいまして、それもこれも、とにかく主役のキャラ性です。どーしようもないクズなんですけどね。だから、クライマックスの非現実的すぎる展開も、なんかもう、どーでもよくなっちゃって、もうこの映画は、こーゆうもんなんだと強引に納得する始末でした。ちなみに、主役がゲロを吐くシーンの場所、梅田の近くにあります。そして、主役の姉のオドオドした旦那役の人、よく見たら白石映画常連の宇野祥平さんじゃないすか。この人、こーゆうオドオドした役もうまいんですけど、危ないチンピラ役もめっちゃうまいです。とにかく、バイオレンスな冒頭から最後まで面白く観れた歌とクズの映画でした。