1.美しい映画ですね。雰囲気としては個人的にも好きです。、、、、湖水の桟橋は遠い世界に逝った者達との架け橋、小舟は泥に没してその世界に通うことはもはやできない、、、、彼らの魂が、霧の水面のもっと向こうに静かにたゆたっているようで、、、、そして、私たちの日常の世界と、そこには架橋できないdistanceがあるということなのでしょうか、、、、、。しかし、このテーマを叙情的に描くという姿勢に対しては、断固として異議をとなえたい。、、、なぜ絶対を渇望したのか、なぜ出家したのか、なぜ一つになりたいと思ったのか、その事情、心理過程は、暴力や承認への渇望やら、医者、教師、主婦、それぞれに激しいものがあったはずで、こんなにさらりと、静かに叙情的なものではないはずです。このように描くことで、実は彼らを理解する道を自ら遮断しているのではないでしょうか。、、、、、そして、彼らの心理過程をもっと丹念に辿れば、実は、彼らと私たちの間には、そんなにdistanceはないのだと思い至るのでは、、、、、。それと、この映画には、かつては理想的な家族が存在したが、現代はそれが崩壊したという錯覚があるようにも思えます。理想的な家族なんて、過去から現在に至るまで存在しなかったと考えた方が真実に近いのではないでしょうか。