2.《ネタバレ》 継ぎ目ヨレヨレ目立ちまくりのビニール風船にスプレー缶で丸書いてちょん的な宇宙人に、興ざめしないでいられる不思議を体験。「人知を超えた生命体がいるはず」という思いが、あのビーチボールエイリアンを「アリかもね」とさせてしまうのか、キュッキュ言ってるあの声で漫画的ノリに適応してしまうからなのか…
とはいえ、この映画を初公開時に劇場で観た人はどんな気持ちだったのだろう? ほうきでペシペシの逆襲やコチョコチョ攻撃の可愛さはなんなんだ? ただのビニル風船なのに! 言葉も喋れないただのビーチボールにキャラを吹き込むという偉業!
宇宙SFモノなんだけどオープニングとエンディングにミスマッチがカッコイイ歌。コレもしかしてキャメロンの『アビス』におけるトラック野郎ノリの歌シーンに影響与えていたりして?
爆弾コンピュウタと命をかけた哲学問答、面白くハラハラ。「光あれ」なんてカッコイイ。ダサさもいっぱいなのに、その中にセンスが光るバランスが面白い。
男だけのむさ苦しさが狭い空間と通路を右往左往する様は後の『遊星からの物体X』を思わせるし、コンピューターとの交渉による爆破阻止や異形の宇宙人の徘徊は『エイリアン』を思わせるしで、カーペンターのファンやオバノンのファンは観て損はないと思います。