1.《ネタバレ》 ドニー・イェン銀幕デビュー作。ドニー若ッ!!!しかもまだ方針が定まっていないせいなのか、彼のキャラクターは同監督の『蛇拳』『酔拳』におけるジャッキーと殆ど同じノリです。古川登志夫氏のおちゃらけた吹き替えがしっくりくるような役柄は今の彼を知っている者から見るとかなり新鮮はないでしょうか。とまあ、そんな彼の初々しさを堪能できる作品ではありますけれど、映画のノリに合わせたようなおちゃらけたカンフーが延々と続く粗筋自体はハッキリ言って退屈で、本格的なアクションは終盤の修行シーンまでお預けというのはやや辛いものがありました。何より聾唖ゆえに殺し屋にならざるを得なかった敵役の役柄が勿体無い。息子の前では良き父の顔も見せる単純な悪人とは言い切れない役柄なのに…誘拐された彼の息子がドニーに助けられるという下りを描いているのにも拘らず、普通に彼をやっつけて彼の息子を養うことに…という展開は如何なものなのでしょうか?私はてっきりこの息子が仲裁に入って、勝負を止んでくれるようなベタなお涙頂戴を期待したんだけどなァ。それとこの時期のウーピン作品ではほぼ皆勤主演であったサイモン・ユエン・ジュニアが、本作では火達磨にされてあっさり途中退場してしまうのは何か悲しいものがありました。