2.《ネタバレ》 「ワイラーの階段」がでたー。『黒蘭の女』のラストの肯定的な大逆転の階段もあれば、『探偵物語』の暗転の階段もあるというわけだ。『女相続人』の、駆け落ちの相手にすっぽかされた主人公が自室へと戻る際の、失望の長い階段、というのもあった。 さて「内容」だが、罪に対する厳格主義の主人公について、「父を憎んでいるから」という「精神分析的な」説明がなされるとき、観客はなんだか大きく頷いてしまう仕組みなのであろう。エディプス期を円満に「卒業」できていないゆえに、マザコン男としてバランスを欠き、過酷な超自我を模倣してみせる、のだろうか。