2.《ネタバレ》 少女マンガ原作映画で、基本的にはラブコメらしい。
まずは題名に目を引かれるが、英題のMISSIONS OF LOVEというのが内容の端的な表現になっている。簡易なものから1、2と順に任務が課せられるが、3がこれだと最後はどこまで行くのかと思っていたら完遂しないまま放置され、その後は終盤で出た99が究極のミッションかと思えばそうでもなく、最後にまた3が復活していたのはお約束だろうが一件落着の印象を強めている。その後さらに99から桁がランクアップして一段上のステージに上ったようで、原作がどうだったのかわからないが(かなり省略があるようだが)これはこれでまとまった構成になっている。
物語としては、まず前半はテンポよくユーモラスに展開する。女子中高生向けに刺激的な要素を小出しにしてはぐらかして焦らして面白がる感じのようで、ポスタービジュアルもそういう趣向の一環と思われる。マンガっぽい映像表現も違和感がなく、主人公の部屋で机上に出現する少女(小説の主人公らしい)も楽しい。
後半になると男の暗い過去が明らかにされたりしてまたこういうやつかと思わされるが、終盤を珍しい感じのイベントで盛り上げて、ここで主人公の正体を皆に見せつける展開になるのが気分を高揚させる。続くラストのハッピーエンド感にもかなり嬉しくさせられてしまい、年齢性別としては明らかに対象外ながら、意外にも見てよかったと思わされる映画になっていた。
ちなみにweb小説原作の映画など素人レビュアーにクソミソに書かれそうだが、主人公にはくじけないで頑張ってもらいたい。
ところで主演女優はこれまであまり何度も見たことはなかったが、今回は洋風の顔立ちを生かした人間離れした美少女で、その上に冷徹な策士と恋に揺れる乙女とコメディエンヌの諸相を見せつけるので、結果的に玉城ティナという名前がかなり強烈に印象づけられた気がする。主人公はいつもこんな格好で外出しているのかという服装ばかりだったが、着ている本人の体型も含めて見栄えのする人物になっていた。
また「可憐なライバル」役の山田杏奈さんは、もっと内に秘めた黒いものがしみ出してくる感じかと予想したがそうでもなく、結局は素直で純粋な人物だったらしいと思わされたので大変結構である。「バッカみたい」のあたりは可愛らしい。
ちなみに高田里穂さん(編集者・川渕エリカ役)も長身で美形の人なのでもっと目立ってもらいたい。