4.《ネタバレ》 この作品はドキュメンタリーの体裁を整えてはいるけど、壮大なプロパガンダ作品なのだろう。
作中で語られる数々の出来事はとても興味深いし、銀行や大企業の悪行には怒りを覚える。
そんな横暴に対する対抗策も紹介されていて、終盤は不覚にもちょっと泣きそうになった。
弱い立場の貧者であっても闘って勝ち取ることが出来るんだと勇気を与えられる。
そんな状況を招いた歴史的転換点として、メリルリンチの会長が大統領に急げと命じる映像が紹介される。
それが経済界とウォール街にアメリカが支配された瞬間だったのだろう。
そして、作品の最後にマイケル・ムーアが映画を見てる僕らに急げと命じる。
皮肉の効いたオチではあるけど、その扇動に応じる者は少なかったのかも知れない。
サブプライムの悪夢を忘れ去ったかのように好景気に浮かれるアメリカの現状が滑稽に感じられる。