34.窮地に陥った主人公のため天使が救済へ向かうという導入で始まるオープニング。しかし主人公の生い立ちに三分の二の尺が使われ、天使が現れるのはラスト30分。現在の確立された脚本術(いわゆる三幕方式など)に則れば、天使が現れるタイミングは開始10分から20分時点に設定されるのがセオリーだろうと思います。天使の登場が、主人公救済の話が動き出すポイントだからです。実際観ていて主人公の生い立ちにはあまり興味がなく、いつ天使が現れるのだろうと退屈でした。が……あの長尺の生い立ちなくしてあのラストの感動はあり得ただろうか……。主人公の人となりを丁寧に描いたからこそ、無償の愛に溢れる大団円が裏付けられているのではないか……。気がつけば、もし自分がいなかったら家族はどうなっていただろうかとか、この主人公のように誰かから助けられるような生き方をできているだろうかと考えてしまう。人生を変えてくれる映画とは、感動させてくれる映画ではなく自分を省みさせてくれる映画なんだろうと思います。 |
33.《ネタバレ》 若いアメリカの道徳感がまっすぐに作品を貫いてる。人生に必要なのは家族愛と善行。これにて全てが報われる。あまりにまっとう過ぎて青臭いけど、それでもこの種の健全さは生きていくうえでやはり必要だとは思う。天からの計らいが“二級”天使だというのが可笑しいし、自分のいない世界というアイディアも斬新。作品の残り4分の一部分がこの映画のキモ。うまいこと乗せられて、検査役人までもが献金してしまう場面ではうっかり涙ぐんでたりもする。まあ私がもしも存在しなかったとしても世の中いっこうに変わりはないだろう、と心が冷え冷えする想像はしない方が吉ですね。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-05-31 00:27:39) |
《改行表示》32.《ネタバレ》 フランク・キャプラ監督の映画は何本か見ましたが、ひとことで言うと、どれもそこそこ。つまらないわけではありませんが、一般に言われるほど感動するわけでもない。というか、「イイ話」には間違いないのでしょうが、「イイ話」にしようとするのがありありで、つまりはあざといのです。 本作でも、たしかに自分の生まれてこなかった人生は味気ないでしょうが、8000ドルがなくなるまではそこそこ幸せに暮らしていたのだから、そう思うのはむしろ当然。それと「8000ドルなくなったから絶望」というのは、どう考えても話が別だと思います。死ぬのをあきらめても、8000ドルがないことに変わりないわけですから。それが話をすり替えるようなことをするのは、どうでしょう。あと、8000ドルがなくなってからのジョージの行動は、同情できるようなものではありません。案外普段隠している本音が出たか、というところ。私としては、「刑務所に入る覚悟」さえあれば生きてなんとか乗り切れると思うのですが、ジョージはなぜそう思わないのか。会社も家族も、助けてくれる人がいるとは思わないのでしょうか。もしかするとジョージという人は、人に親切にしながらも、他人を信用していないのかもしれません。ラスト、そんなジョージに多くの人が助ける手を差しのべてくれるというのは、ある意味皮肉です。もしかしたら、他人を信じられる人生はすばらしい、ということなのかもしれません。 このラストはご都合主義のようにも見えますが、近年災害義援金の集まる額を考えると、じゅうぶんありえる話です。「情けは人のためならず」ということですが、そこまで考える余裕のなさそうな現代人には、一見の価値はあると思います。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-12-25 21:29:08) |
31.《ネタバレ》 さすばに名作と呼ばれるだけあって素晴らしい作品ですね。自分のいない世界に来てからそれを認識するのにちと時間が掛かり過ぎている気はしますが、たぶん昔の人はああいう感じになるんでしょうね。今の人達だと逆に物分かりが良すぎてあそこまで感情を出すこともないと思う。そういうギャップを感じたら楽しめないでしょう。 |
《改行表示》30.《ネタバレ》 取り敢えず、死にたくなったら観たらいい。 鑑賞前は重厚な社会派人間ドラマのイメージがあったが SF作品だった。それも藤子F先生の提唱する すこしふしぎのSF。後半、天使が降りてからの 怒涛のテンポアップから一気に感動作に持って行く展開は素晴らしい。 カンパが集まるオチがご都合主義と捉えられるかもしれないが 本編で語りたい部分はそこじゃなく、見返りを考えない善行と トム・ソーヤーの冒険に書かれた天使の序文がすべて。 人とのつながりを考えさせられる名作。 【翼ネコ】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-05-09 12:58:28) |
《改行表示》29.《ネタバレ》 泣きました。映画館で号泣です。昔の映画はエンドクレジットが短いので恥ずかしいの何の! でも、最後に到達するまでの過程はそこまで面白くは無かったですね。ストレートにストーリーで勝負する作品としてかなり期待していただけに、コメディ色やファンタジー色が強めの演出にはちょっとがっかりでした。この映画は「ここ笑うとこ!」みたいな笑いの押し売り感がちょっと強すぎる印象です。前半はややしんどく感じました。 また、良い奴は良い、悪い奴は悪いという単純なキャラクター設定が、昔の映画の醍醐味でもあるし限界でもあるような気がしました。ジョージの徹底的な良い人ぶりが、現代の映画に慣れた目で見るとちょっと嘘っぽいですよね。ジョージが「自分がいない世界」をクラレンスに見せられる部分でも、あまりジョージに感情移入できないんです。だってジョージは仏様のように超良い人で多くの人を救っているわけで、その人が「自分の人生捨てたもんじゃない!」って思うのは当たり前な感じがするんです。むしろ見せられる前に気づけ!と言いたい。もっと悪いこともしてる普通の人が主人公じゃないと、この映画の無条件に生を肯定するというメッセージが伝わりにくいような気がしました。例えば、「クリスマス・キャロル」のスクルージはこの映画のポッターみたいな超悪い奴です。そんな彼が更生を誓うから感動できるんです。でも、この映画はジョージの人生を全面的に肯定していますから、その人が自殺を思いとどまるのは、当たり前とも言えると思うんですよね。そのあたりが観ていて気になりました。 それにしてもポッターは可愛かった!本当は絶対悪い人じゃないんだろうなあ。人間味があって、この映画の中で一番愛せたキャラかもしれません。 【枕流】さん [映画館(字幕)] 7点(2011-07-04 23:24:24) (良:1票) |
《改行表示》28.これぞクラシック。 自分の存在も、他者に何らかの良い影響を与えていると願いたい・・・そんな風に思いました。 【おーる】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-03-03 07:02:27) |
《改行表示》27.《ネタバレ》 天使たちのようにジョージを覗き見ることから始まり、薬のエピソードを挿み、ジェームズ・スチュワートのひょうきんな表情の静止画とくる…。この時点でジョージに肩入れせざるを得ない状況になってしまう導入部が上手いです。そしてその後も大人になったメアリーとの再会と華やかなダンスシーン…、4年間も待った弟が町に戻った時、その妻に弟の現況を尋ねる前に見せる一瞬の決心の横顔…(個人的にはこの瞬間が一番好きだ!)、メアリーとの繊細な距離を電話を使ってみせるシーン…、あるいは雨が降りしきるハネムーンへの出発に不吉な予感をさせる光りを照り返す傘の群れ…、すぐに取れてしまう階段のボロい装飾…と、いくつか忘れ難い素晴らしきシーンがあります。 ただ、8000ドルを失ってしまってからの過酷なシーンの連続は居心地の悪さを覚えます。様々な場所で怒鳴り散らすスチュワートの姿を見るのは辛く、しかも始めから決して不幸のまま物語が終わるはずがないと確信を持たせるのに、ここの地獄のような暗さは長過ぎると思います。もちろん、だからこそ生に歓びを見出すのであって、つまりは成功していることになるのですが・・・やはり物語に対しての尺がやや冗長だと思います。 【ミスター・グレイ】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-02-15 18:30:40) |
26.《ネタバレ》 ファンタジーはあまり好きではなく星が喋りだしたところで見んの止めようかなとも思いましたが、終わってみたら見て良かった。1度は見ておきたい温かみのある良質なファンタジーです。ストーリーは単純なのに、最後のみんなが助けてくれる場面は胸が熱くなります。 【さわき】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-01-02 04:09:54) |
25.半世紀以上前の作品なのに..現代にも通ずるテーマで、こんなに良い映画を創っていたんですね~ スゴイ! 【コナンが一番】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2010-06-09 12:59:22) |
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24.《ネタバレ》 クラシック・モノクロ作品では稀に見るファンタジーではないでしょうか。前半80分ほどの展開はかったるすぎて閉口していたけど大金を紛失してからのストーリーは思わず引き込まれて観賞後に清々しい余韻までも戴きました。 【獅子-平常心】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-03-26 13:19:08) |
《改行表示》23.《ネタバレ》 彼のもとに、もし、天使があらわれず、自殺してしまったならば、、、、と思うと、 ハンパでなく、激しく、死ぬ程、心が痛む。現実のこの世に帰ってきた時の、彼のあの喜びよう。興奮! 愛する家族、奥さんと再会できた時の無上の幸福感。金の問題やイヤなポッターの存在すら、愛おしく思えてしまう、もともと自分が持っていた、一番大切なものたち。平凡でも、普通に、一生懸命生き、選択し、獲得したいまの人生のすべて。 もしもの世界での”廃墟”のなんともいえぬ寂しさよ! 【男ザンパノ】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-02-09 01:41:12) |
22.監督の優しさが伝わってくる作品。表現されている人生の意味合いそのものよりも、そういう意味付けを行おうとする監督の優しさの方が素晴らしい。 【日下部みさおは俺の嫁】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-09-19 04:44:13) (良:1票) |
21.ワンコインで楽しめる娯楽として、コストパフォーマンスでいえば最高クラスです。 【あげどん】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-07-14 12:31:12) |
20.《ネタバレ》 ジョージの為に沢山の人がお金を持って集まってきたシーンを見て、いつの間にか涙が出ていました。人生悪いことばかりじゃないよって勇気付けられる映画です。 【VNTS】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-01-20 17:49:18) |
19.素直に感動できる映画であることは間違いないが、独身で図書館の司書をやっていることが不幸であるかのように扱われるなど、価値観・倫理観が鼻白む。 【みんな嫌い】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-08-10 20:55:46) |
18.見事に単純愚直な人間讃歌である。友を持つ人間は敗残者ではない。この教訓を読み上げるための、このいかにも大衆芸能といわんばかりの騒々しさ。カメラはホークスのように人間を中心に据え続け、あくまで人間中心主義であることを当初から宣言している。当然途方もなく美しいショットなどありはしないのだが、それもかの吐き気がするほどの援助の声で十分感動的なのだからえも言えぬ。ただ、ルノワールやヴィゴの映画に発見できるような俳優への賛辞が見られなかったのは残念である。人間讃歌として、俳優の原初的行動欲求が認められないのは甚大な欠如と言わざるをえない。 【stroheim】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2008-02-07 14:00:33) |
17.言葉はありきたりかもしれないけど、古きよき時代のクラシック映画だと思う。自分の夢がありながらも、いつも優先してしまうのは自分以外の人たち。物語のエンディングで主人公がいかに人々から愛されているかが表現されている。ああいう男はかっこいい。 【珈琲時間】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-05-08 12:09:41) |
《改行表示》16.世の中の99%は金、だからその1%が大事なんだが・・・・ この映画はその1%を思い出させてくれた。 ただ期待してたほどでは無かったなぁ、良い話だけど、天使が出てくるまでが退屈で退屈で・・・・映画観てて眠くなる、なんてことは滅多に無いのだが・・・・ もう過ぎちゃったけどクリスマスに観たい映画。 【ケ66軍曹】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2006-12-28 18:30:25) |
《改行表示》15.素晴らしきハートウォーミングな作品。自分が生きてる世界を、万歳メリークリスマス!な気分で今日から感謝して生きよう!とまでは流石に思えないけど、この映画を観て少しでも胸が温かくなった気持ちは常に持ち続けたいと思う(毎日しんどいけど) 【よし坊】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-12-03 08:44:21) |