16.《ネタバレ》 日露戦争の旅順攻略を描いた東映の大作映画。どちらかと言えば再現ドラマに終始している印象が強いが、これがすごくよくできていて、日本が最後に勝った戦争がけっして圧勝ではなく、多大な犠牲を払ってようやく勝てたというのがよく分かる内容で、戦争の全体像もつかみやすい。戦闘シーンも迫力じゅうぶんで、中野照慶監督率いる東宝のチームが担当した特撮(中野監督の特撮、かなり久しぶりに見るけど、やっぱこの人は派手な爆発シーンがよく似合う。)も含めて見ごたえがあった。そのひたすら続く戦闘シーンは決して娯楽的に描かれているわけではなく、戦場の惨状や悲惨さをこれでもかと言わんばかりに描写し、戦争の意味を問いかけてくる構成はさすがにこのころの戦争映画らしいつくり。ドラマ部分はやっぱり深みが足らない感じなのだが、狂言回し的存在のあおい輝彦演じる親ロシアの教師が従軍して戦っているうちにロシアを完全に敵視し始めるのはけっこうリアリティがあるし、二人の息子をこの戦争で失った乃木希典(仲代達矢)の悲しみを静かに表現する演出も良かった。それになんといっても新沼謙治演じる豆腐屋の息子の逞しさが印象的。終結後、明治天皇(三船敏郎)に報告をしていた乃木がこの戦争で散った兵士たちのことを思って、次第に抑えきれなくなって号泣するのはさすがに違和感がすごいのだが、このラストシーンが三船と仲代という60年代の黒澤明監督の映画ではおなじみの二人の共演シーンだったのは嬉しく、その意味でこのラストシーンはとても印象に残る。三時間と長尺な作品だが、多少の中だるみ感はあるものの、それほど長さは感じずに見ることができた。ただ、やはり、前半部分終了時に主題歌である「防人の詩」を画面を暗転させて延々歌詞テロップ付きで流しているのは意味が分からず、ひいてしまった。さだまさしもこの歌も嫌いではないが、普通にすべて終わったあとエンディングで初めて流すだけで良かったのではないかと思う。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 7点(2019-01-04 16:19:35) |
《改行表示》15.《ネタバレ》 この時代の戦争を扱って映画として素晴らしい出来になっていると思う。 ただし、戦闘シーンに迫力があるが逆に人と人との関係性は多少弱くなっている。このバランスはなかなか難しい。 そして、最後に乃木大将に戦争の悲しみの本質を思わせるところは多少の違和感が残ってしまう。この涙は一般の人々の中にあるべきではないだろうか。 エンドロールの「防人の歌」と明るい世の中の対比が何とも物悲しい。 ところで、ここで出てくる軍上層部の発想や物の言い方は、現在の会社組織のそれと似ている。それが何とも哀しい。 人間や集団はなかなか変わらない。だからこそ、戦争をすることで、取り返しのつかない失い方をしてしまうわけにはいかない。 【simple】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2015-06-22 23:19:41) |
14.ラストの乃木の号泣シーンはいかにも作り物感が漂っていてちょっと興醒めしますが、戦闘シーンは製作費もかけられているようで迫力十分です。日露戦争での多大な犠牲を強いられた陸軍の惨状は有名ですが、苛酷な映像とリアルなシナリオが心に響きます。時代背景の描写も丁寧で、日本の勝利の際どさも伝わってきます。ただ単に幸運に恵まれただけという認識の低さが後の不幸にも通じているように思えてなりません。 【ProPace】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2015-06-21 00:00:42) |
13.ものすごい迫力でした。今の日本映画では考えにくい、まさしく日露戦争並の人海戦術的な制作根性で作られてます。ぼくはこの映画で日露戦争の流れを机上の勉強から実感で学ぶことができました。突撃のむなしさは際立ちます。ぼくは光栄のゲームの三国志で張飛軍使って相手の攻撃力30の1万5千の兵を一瞬で蹴散らしてますが、実戦ではどんな非道さかを知ることできました。24時間休戦時の両軍のほのぼの感はちょっと驚き。両軍弾尽きて石の投げ合いもちょっと驚き。 【タッチッチ】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2015-06-12 22:11:48) |
12.話してる内容が今一つ分かりにくかったけれども、役者の迫力がすごいので圧倒された。 【ホットチョコレート】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2013-08-15 18:29:57) |
《改行表示》11.《ネタバレ》 日本兵がなすすべなく無残に死んでいくシーンを見ると、日本は勝ったといっても素直に喜べるものではありません。戦車も戦闘機もない時代、こんなむちゃくちゃな戦い方をしていたんだなぁととても衝撃的でした。乃木将軍が賛否両論あるのも分かる気がします。当時としては仕方なかったのかもしれませんが。 また24時間休戦で、今まで殺しあっていた敵同士が一時的に交流していたなんて知らなかったので興味深かったです。 こんな時代に生まれなくてよかったと思う反面、この時代の人たちの多くの犠牲の上に今の平和があるのかと思うと、とても感慨深いものがあります。 【かすお】さん [DVD(邦画)] 7点(2013-05-24 02:23:19) |
10.《ネタバレ》 これはまた見ごたえがありました。最初に当時の状況説明があり、戦争に至るまでの経緯が簡単に語られるわけですが、いざ開戦となると戦闘の連続で、いったい何のために戦っているのかが忘れ去られそうです。実際に戦っていた人たちもそうだったのかもしれません。乃木に代表される軍上層部と、前線に立つ兵士を均等に描いたのは大変よかった。これによって戦争というものの全体図がつかめますし、反戦の意図が明確になります。この上層部ー前線兵の関係は、現代企業の管理職ー労働者(特に非正規の)に通じるところがあります。小賀を親露的な人物としたのは、あざといですが効果は上がっていました。特撮は東宝のスタッフが出張してきていますから、こんなできでしょう。東映の映画でこんな特撮が見られるというのは、なんだか嬉しい。休憩前の演出は、やはりヘンでした。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2012-07-21 22:27:10) |
《改行表示》9.《ネタバレ》 この時代には日本でも骨太な戦争映画が撮られてたんだな。 確かに日本が強敵を痛快にやっつける話を期待していた部分もあったが、 やはりそこは日本。戦争の仕方が突撃ばかりで、死体の山山山。 中盤で画面が真っ暗になりさだまさしの曲が流れ、画面上に歌詞だけが流れるというありえない演出には笑ってしまったが。 日露戦争つながりで次は「日本海大海戦」も観ようかな。 そちらは10年も古いのに主要キャストが三船敏郎、仲代達也、佐藤允と「二百三高地」とかぶりまくってる…。 【すべから】さん [DVD(邦画)] 7点(2010-12-14 11:00:43) |
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《改行表示》8.長いし、あおい輝彦に関連する不要とも思えるエピソードも見受けられるが、見応えは十分。 特に、仲代達矢、森繁久彌、三船敏郎、丹波哲郎という布陣を配したキャスティングは素晴らしい。 ラストシーンの仲代達矢の嗚咽も印象的だ。 上官と下士官との気合いのこもったやり取りもまた、見ていて気合いを感じた。 仲代達矢と丹波哲郎のガチンコ対決も迫力十分。 さだまさしは嫌いなので、テーマ曲は気持ち悪さが残ったが。 【にじばぶ】さん [DVD(邦画)] 7点(2010-04-28 23:59:25) |
7.10歳の時に鑑賞した映画です。戦争の悲惨さを教えてくれた映画でした。 【SAT】さん [映画館(邦画)] 7点(2007-02-22 23:31:02) |
6.父のお気に入りのこの作品、口うるさく「観ろ!観ろ!」言われての拝見。正直あまり期待はしていなかったものの、観賞後の今、父に深く感謝しております。こんな歴史を今の今まで知らずに生きてきた事を恥じております。この作品、実に素晴らしい。どこが素晴らしいかは僕が書かなくても他の方が書いておりますので省略。そして父はこの作品をあまりに気に入り過ぎて僕の名前を「マレスケ」にしようとしたのです。それを母がなんとか止めて現在ふつうの名前で生きております。以上・・・母に感謝。 【ボビー】さん 7点(2004-08-04 15:12:21) (笑:2票) |
5.あ、どういう訳か、この作品を選んでいた。近代日本史のターニングポイントを描いた、なかなか見ごたえのある力作。音楽もいい。日露戦争は、明治期の日本が総力を結集して戦った、南下するロシアに対抗する自衛の戦争だった。その結果、日本は世界の表舞台に躍り出ることとなったが、一方、その後の日本軍の暴走の原因を作ることにもなっている。先人の苦悩と、この作品に敬意を表して、小話を1つ。日露戦争に従軍した二飛躍(ニヒヤク)2等兵は、敵味方入り乱れる戦闘に巻き込まれ、方向感覚を失い、味方の陣地を見失った。どっちに行っていいのか戸惑う彼を見て仲間の兵士が叫んだ。「二飛躍さん、こっち!」お後がよろしいようで。 【パセリセージ】さん 7点(2004-08-03 19:20:52) |
4.「防人の詩」が最後にジワジワと効いてくるのが印象的です。日露戦争最大の激戦地である戦いを描いたわけですが、まさに人海戦術の戦いですね。 【オオカミ】さん 7点(2003-11-18 19:12:51) |
3.以前カラオケで「防人の詩」を入力したら、バックの映像にこの映画の戦闘シーンが流れて、なかなか好評でした。肝心の映画の中では歌詞しか出ないのに! 戦闘シーン、人物描写ともになかなか見ごたえのある映画です。エピソードをあれこれ網羅しようとして、ちょいと説明くさい部分があるのが、残念ですけどね。 【鱗歌】さん 7点(2003-10-11 00:13:44) |
2.最近この手の邦画が少なくて寂しいと感じるのは私もその一人です。わかるんです、日本は戦争映画作るの下手なのが。作っても売れないのも。せっかく作っても結局、役者のせいで「現代の香り」が強く出てしまって白けるのも。だけど、戦争賛美じゃ決してなく、日本の一つの歴史の財産として、かっての日本の「戦(いくさ)」をもっと真正面から向き合った、日本の戦争映画がほしいです。そういう意味ではこの203高地は中々の出来。歌もポイント大きいのは私も賛同します(笑)。 【はむじん】さん 7点(2003-09-09 05:12:45) |
1.邦画ではかなり見ごたえがあったほうだと思う。またさだまさしの挿入歌がいいところで入るよ、実際。 【みんみん】さん 7点(2003-04-28 21:45:58) |