1.強烈な映画「愛」に基づく、映画産業への「憎しみ」。
そう、怒りを通り越しちゃって「憎しみ」、そして「焦り」。
それらの巨大な感情を一つもこぼさず、ぎゅ~っとフィルムに詰め込んで、
それがスクリーン上で爆発した感じ。
秀二(=西島秀俊)の狂気もさることながら、
その狂気のカケラを追う陽子(=常盤貴子)の眼がとても良い。
過去の偉大な監督たちへの畏敬の念と、
その素晴らしい作品群に対する、あふれんばかりの愛情の表現は泣けるほど。
この映画で訴えている事を救えるのは、私たち(つまり、ここ『みんなのシネマレビュー』
を訪れるような)観る側の人間だけなのかな。
政治家が世論を気にするように、作り手は観客の動向を気にする。
だってそれが資本主義。でも悪くは無い。表現の自由がある。