1.いかにも低予算な感じのアクション映画ですが、久しぶりに木曜洋画劇場っぽいテイストを堪能できました(え、いい意味に決まってるじゃないですか)。なかなか魅力的な作品だと思うのですがいかがでしょうか。バカンス先で家族が行方不明、父は何かを知っているらしいが、何者かに命を奪われる。父親役はブルース・ウィリス、大物が少し顔を見せて早々に退場してしまうあたりがまた低予算臭のするところですが、本作、謎の事件に巻き込まれるというサスペンスであるとともに、「父の知られざる一面」を追うという副主題があるため、少しの登場でもインパクトを残す俳優がこの父親役には必要だったともいえます。そして、謎の女性シガニー・ウィーバーが登場、そのモンスターぶりも堂に入ってるし、クライマックスのカーチェイスも派手ではないけど見応え十分(というか、最近、打ち上げ花火みたいなムチャクチャなカーチェイスが多い中、こういう泥臭い感じのチェイスは大歓迎)。主演はこの後スーパーマン役を射止めたヘンリー・カヴィル、メリハリに乏しい演技といわれりゃそうかも知れないけれど、いつも苦悶に満ちたような険しい表情をしていて、これが実にサマになってる。この顔だけでも、作品に相当のスピード感をもたらしてるんじゃないでしょうか。銃で撃たれても「弾は貫通してる」と荒療治を受けたらそのあとピンピンしているってのも、まあ、この顔を見れば納得か。イキの良い作品で、大いに楽しませていただきました。