かもめ食堂のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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かもめ食堂

[カモメショクドウ]
ruokala lokki
2006年フィンランド上映時間:103分
平均点:6.62 / 10(Review 200人) (点数分布表示)
公開開始日(2006-03-11)
ドラマコメディ小説の映画化グルメもの
新規登録(2006-03-20)【ジマイマ】さん
タイトル情報更新(2022-09-01)【イニシャルK】さん
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監督荻上直子
演出飯島奈美(フードコーディネーター)
キャスト小林聡美(女優)サチエ
片桐はいり(女優)ミドリ
もたいまさこ(女優)マサコ
マルック・ペルトラ(男優)マッティ
ヤルッコ・ニエミ(男優)トンミ・ヒルトネン
原作群ようこ「かもめ食堂」
脚本荻上直子
作詞井上陽水「クレイジーラブ」
作曲井上陽水「クレイジーラブ」
主題歌井上陽水「クレイジーラブ」(エンディングテーマ)
製作日本テレビ(かもめ商会)
メディア・スーツ(かもめ商会)
配給メディア・スーツ
編集普嶋信一
あらすじ
ヘルシンキの街はずれに、そっとたたずむ小さな食堂。そこは日本人女性のサチエがひとりで切り盛りするお店。そして、メインメニューは「おにぎり」。いつしかそこに集まる人々。ひとりひとりが何かを心に秘めて…。北欧の美しい街並みを背景に、淡々と穏やかに語られる心温まる物語。
ネタバレは禁止していませんので
未見の方は注意願います!
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【クチコミ・感想】

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200.これはドロップアウトした人たちの物語でした。彼女たちがうらやましい。ふつう、あんな意味不明な理由でフィンランドに行きますか?しかしこのバカらしいまでの彼女たちの行動力にわたしは感動すら覚えます。普通はこんな真似はできません。なぜなら、わたしたちは、家庭があって仕事があって、常になにかに縛られて生活している。そして時間がなくて忙しいという理由をでっちあげて「やりたくてもできないのだ」と自分に言い聞かせている。でも、疲れてしまって、どうしようもなくなってしまったら、無責任になって、なにもかも放り出して、ちょっと行方不明になってみるのも、楽しいかもしれません・・・・・。これは、まさにドロップアウト疑似体験映画です。今やる気十分でバリバリ仕事をしている人が観てもピンとこないかもしれませんが、時間に追われる毎日に少し疲れと疑問を感じている人が観たならば、そこからなにかヒントが生まれてくるような気がします。 私たちは生活を維持していくために、歯を食いしばって毎日働いていますが、かもめ食堂の女性たちの「働く」という意味はちょっと違う。彼女たちにとって「仕事」とは、好きな人と毎日会ってぺちゃくちゃと話をするための口実です。なんて魅力的なのでしょうか。 人間は、やろうと思えば、なんだってできる。疲れきってノイローゼになって追い込まれて自滅するくらいならば、思い切ってドロップアウトしよう。世界地図を広げて、目をつぶって、さあ、指を指してみましょう!この映画をみて真似した人も多いのではないでしょうか?私もやってみました。北朝鮮でした。
花守湖さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2007-03-26 19:28:55)(良:2票)(笑:4票)
199.働く女子のため息「ああ、どこか遠いところで、全く違う生活がしたい・・・」がそのまま映画になりました、という感じかな。自分もそんな妄想をいつも描いているし、たんたんとした映画は好きなほうだが、なぜかこの映画は楽しめなかった。きちんとしたこの店のように、すべてがキレイすぎるからか。やはりあまりにもリアリティが無いことが、大きく影響しているような気がする。主人公の性格もよくわからず、きちんとしたイイ人ぶりが、なんかうすら怖い。
ETNAさん [CS・衛星(邦画)] 4点(2007-07-16 13:57:38)(良:4票)
198.《ネタバレ》 日本刀を片手にかもめ食堂へ単身乗り込む俺。
「ちょっといいか!おい!そこの豚身!このオタク野郎め!お前もだ!動くんじゃねえぞ。フィンランドでとんだ世迷事を抜かしてるロハス女どもがいるっちゅうから、遥々日本から年休取って来てやったのさ。言っとくけど、お前らのせいで今年の正月は、もう休み取れなくて実家に帰れねえんだからな!そこんとこ、よろしく頼むぜ!耳かっぽじって聴いてくれ!
だいたい何なんだよ、この仲良しクラブはよぉ!お前ら、商売する気あんのかよ!こんな商売やってて、絶対、客来ねぇだろ!何かラストたくさん来てたけど、あれは絶対演出だろうが!
そもそもどうやって生活立ててんだよ、お前ら!もともと金持ちか(泣)!?ならいいけどさぁ・・・って、こっちゃ良くねぇんだよ!うちの純真な彼女がこの映画を観て、海外でカフェやりたいって言い出したら、どうしてくれんだよ!?夢見がちな日本人女性の心をもてあそぶのはいい加減にしてくれよ!ちゃんと、こういうビジネスモデルじゃダメでしたって展開にしてくれなきゃ困っちまうだろうが!
しかもお前らわがまま過ぎんだよ!特にサチエ!『やりたくないことはやりません』みたいなこと抜かしてるじゃねぇか!おぅ、おぅ!俺だってなぁ、好きで仕事やってんじゃねぇんだよ!みんな、そうなんだよ!でもな、みんな『家族に美味い飯を食わせてやりたい!』とか『お客様の笑顔が見たい!』とかいう理由を、何とか見つけ出して、もしくはでっち上げて頑張ってんだろうが!それによって、『日本の競争力』が保たれて、お前らは金持ちなんだろうが(憶測)!フリーライドは許さねぇぞ!せめて『努力が美徳』だっていう日本の競争力維持に必要な命題くらいは肯定してくれよ!頼むよ!みんながお前らみたいに自分探しし出したら、日本はこれからどうなっちまうんだよ!そして、俺はこれから何を信じて生きてけば良いんだよぅ(号泣)。」
その後・・・。その場に泣き崩れた俺は、速やかにサチエに関節を決められ、マサコに猿轡を噛まされ、ミドリに店の裏へと引きずられて行った。そう、「かもめ食堂」は日本人観光客を誘い込む人肉饅頭工場だったのだ・・・。
この映画を好きな方、ほんとネタにしてすいません。すいませんけど、俺アこんな有閑映画、絶対認めねえぞ(笑)!
枕流さん [DVD(字幕)] 1点(2010-10-11 23:21:24)(良:1票)(笑:1票)
197.《ネタバレ》 淡々と見ればそれで終わってしまう作品。でも随所に伏線が張ってあって、楽しかったです。特に盛り上がりが無いのに、考えさせられた映画は初めてでした。サチエのありのままを受け入れる心の広さと潔さに癒されて、前向きなっていくミドリ。ミドリの一生懸命さに感化され、柔軟になっていくサチエ(シナモンロールの件とか)。過去から開放されたのに、結局過去を、それまでの自分を探してしまうマサコの心情を、行方不明になったカバンに彼女の過去そのものを重ねて、それを無感情に求める姿で描いてみたり。フィンランドの森の中で、時を感じにいったのに、足元のキノコを採ってしまう姿は、それまでのマサコの生き様だったのでしょうね。そして自分自身の時間を探すことが出来たマサコにとっては、後に出て来たカバンの中身(つまりそれまでの自分)は、採ったはずなのにいつの間にか無くなっていたキノコと同じ、取るに足らないものに変わっていたのでしょう。他にもサチエの水泳のシーンや異国の青年の存在など、気持ちや心情の変化を押し付けがましく説明せず、それぞれの日々の何気ない生活風景の中に、見事に表現し、見方によって色々楽しめる、見た目よりも凝った作品だと思いました。一見自然体に見える三人の演技も、実は計算されたものに思えます。見た後に友達とシーンの意味について議論したのは、久しぶりですね。
ラジェンドラさん [DVD(邦画)] 10点(2007-07-25 21:11:58)(良:2票)
196.《ネタバレ》 自分は「オシャレ」な作品が苦手です。気取ったところが鼻に付くから。「癒し系」の作品もダメだったりする。何甘えてんだと思ってしまうので。そういう意味では、本作は自分に合わないかも、と思っていました。ところが全然そんなことなかった。確かに雰囲気はオシャレで、癒しの要素がある。でも嫌味が無いから素直になれる。心地よく吸い込まれるように鑑賞しました。その一因はキャストの妙。主要3人が自然体。気負いを感じないのがイイ。とくに小林聡美。無さそうで在りそうな存在感が素晴らしい。女優としてのポテンシャルの高さに驚きました。おそらく、3人とも人生をリセットするためにフィンランドにやってきた。もし、かもめ食堂が3人にとって逃げ場所でしかないと感じたなら、共感できなかったと思います。でも小林聡美は言っています。人はずっと同じではいられない。変わっていくものだ、と。その認識があるならば、ココは逃げ場所じゃありません。逃げ場所とは、頑なに今を維持しようとするための場所だから。それにフィンランドが舞台であることに、特別な意味を持たせなかったのも大事。森なら日本にもあるし、寂しい人や悲しい人は何処にでもいる。彼女らの選んだ場所が、たまたま此処であっただけのことです。肩の力を抜くことの大切さ、入れて貰ったコーヒーが美味しい理由を教えてもらいました。最後に個人的なこだわりをひとつ。おにぎりは家の外で冷えたのを食うのが最高に美味いんです。もちろん海苔はしんなりでね。
目隠シストさん [CS・衛星(邦画)] 8点(2007-05-04 17:28:46)(良:2票)
195.《ネタバレ》 どの登場人物も影が薄く、実在感が無い。サチエにしても、日本かぶれの青年にしても、夫に逃げられた婦人にしても、背後にある人生を想像させるディティールが足りないし、演出も余りに淡白。誰も彼もがふわりふわりと、サチエの店に集まってきて、ちょっとだけ人生が変わっていく。だが、それだけの触媒になるに足るものがサチエにもかもめ食堂にもあると感じられない。おそらく監督はできるだけ「押し付けがましさ」を排除して、済んだ空気のような映画にしたかったのだろうが、僕にはあまりに語らな過ぎ、遠慮しすぎのように思えた。
ロイ・ニアリーさん [DVD(邦画)] 5点(2006-11-10 20:16:22)(良:2票)
194.《ネタバレ》 たとえば日本で、どこの国の人ともわからない人がどこの国のものかもわからない食べ物を出してる食堂を見つけたら………
けっこう面白そうですよね(笑)
それと同じで、日本人がフィンランドでおにぎりメインの食堂なんか出したら、まあみんな好奇の目で見ますよね(笑)ある意味あの時点でもうこの店は流行っていたのかもしれない。しかしはじめは閑古鳥。来る日も来る日も来店するのは日本かぶれの豚身くんのみ。しかも来店第一号でずっとコーヒーはタダ。映画のラストにはこの店閉めてしまうのかなとか思ってしまったりして。
しかし日本人同士の奇妙な縁から始まり、段々とお店は流行っていきます。とんかつ定食などを美味しそうに頬張るフィンランドの人たちが、雅子さんが頼んだパリッパリの海苔で巻いたおにぎりを食べるシーンを凝視するのにはまた笑えた。めっちゃ美味しそうですよね。
そこからなのでしょうか、フィンランドの人たちが文字通り老若男女を問わずかもめ食堂におにぎりを食べるために訪れ、食事を楽しんでいきます。けっこうロックないでたちをした女の子たちも食べていましたね。

最初にした例え話ですが、もし日本でよその国の人がたった一人でその国の食べ物を出す食堂をしていたら………やはり最初は好奇の目で眺め、その後徐々に入っていく人たちに紛れ、自分もその店に食べにいくんだろうな。

「おにぎりは日本のソウルフード」

確かに。
TANTOさん [インターネット(邦画)] 8点(2021-06-17 22:43:06)(良:1票)
193.《ネタバレ》  画作りと独特の空気感は面白いのだが、「ハートウォーミングなドラマです」と言われると、どうもしっくりこない作品。

 サチエもミドリもマサコも、特に強いこだわりがあってフィンランドに来たわけではないと言う。でも、北欧ってふらっとたどり着くような場所だろうか……まずここから、疑ってかかってしまう。「みんな嘘ついてない?」と。

 サチエのパーソナリティーも最後まで掴めない。初対面のミドリを家に引き入れたかと思えば、人嫌いのようなそぶりを見せるのはなぜなのか。即興の「こじつけトーク」で舌をペロリと出したりするが、それは核心を突かれたくなくて、話題を逸らすための術なんじゃないのか。たまに垣間見せるホンネ(父との関係など)すら、嘘のように思えてくる。

 いったん否定的な反応を見せてから、「いや、いいんじゃないですか」と付け加える会話の多さに、すべてが表れている気がする。この「本当は心を開いていない感じ」が、最後まで引っかかってしまった。
乱泥さん [地上波(邦画)] 6点(2021-05-20 19:21:16)(良:1票)
192.はいりさんの本を読んで、この映画を早くみたいと思っていましたのでやっと実現しました。欲を言えば全体的にのんびりしていて、色合いもきれいで癒されます。現地のおばさんのところにご主人が戻らなくても幸せになってほしかった。「大して努力もせずに成功しちゃう話」としてみようとしない人がいますが、見えない努力、苦労は他でいっぱいしてきてるんですよ!!フィンランド行きたい。。。
HRM36さん [DVD(邦画)] 7点(2015-04-06 17:18:08)(良:1票)
191.テレビドラマ『すいか』が大好きなので、以前から気になってはいた映画でした。実際に見てみると、当然ながら木皿泉の世界とはかなり違う。どこかほっこりしたところは共通してますが、こちらはなんといっても説教くさくない(笑)。気楽に見られます。昔、NHKで佐々木昭一郎という人が海外で生活する日本人を主人公にしたドラマを作っていましたが、どちらかというとそっちに近いでしょうか。もちろん、そのドラマほど芸術を気取っていることもなく、素直な作りという印象。
しかし逆に言うと、インパクトに欠ける。どちらかというと「ながら見」に向いていて、真剣に向き合うという気にさせられない。何度も見返そうという気にもならない。そういうたぐいの映画でした。
まあ、シナモンロールは食べたくなったかな。
アングロファイルさん [CS・衛星(邦画)] 6点(2012-02-22 22:43:34)(良:1票)
190.《ネタバレ》 北欧系雑貨の清潔感と手作り感が漂う作品。いかにもカフェ好き・雑貨好きの女子に喜ばれそうな、大きい女の子向けの絵本のような映画。絵本なので、フィンランド語ってそんなにハードル低いの?とか、移住間もない外国人がそんな簡単に開業できるの?とか、とりあえずそういう大人のリアル事情は忘れて、おいしいお茶でも飲みながらまったり鑑賞しましょう。
lady wolfさん [CS・衛星(邦画)] 7点(2009-05-29 13:56:43)(良:1票)
189.《ネタバレ》 縁もゆかりも無い人々が、縁もゆかりも無い土地で出会い、そこで生じた小さな縁により、それぞれの人生や生活に影響を与えていく。鑑賞後は、なんとも言えない温かい感情に包まれました。
サチエさん、ミドリさん、マサコさんが『何故フィンランドを選んだか?』の明確な理由は、最後まで明かされません。きっと理由はさほど重要ではないのでしょう。明確な目的など無くても、自らの意志さえあれば、どんな旅でも希望が持てるのです。そんな人生も楽しそうだし、とても素敵ですよね。

印象的だったのは、マサコさんのトランクの中身が開かれたシーンでした。行方不明になったトランクの所在を繰り返し尋ねていたマサコさんに、サチエさんは言います。「大切なものが入っているでしょうから、早く見つかると良いですね」と。曖昧に返事をするマサコさんは、恐らく思い返したのでしょう。『無くして困るほどの物を、いったいどれほど持ってきたのだろうか?』と。
ようやく見つかった彼女のトランクを開いてみると、中にはあの森で拾ったような美しい落ち葉が溢れ返っています。たくさん拾ったのに何処かで落としてしまった、フィンランドの森の落ち葉。木漏れ日が射し込み静寂が佇む、まるでフィンランド人の穏やかさを象徴しているかのような美しい森で拾った、鮮やかなたくさんの落ち葉。きっとマサコさんが日本から持って来たトランクの中には、彼女が心から必要としているものは無かった、という意味なのでしょう。彼女が必要としているものは、ここフィンランドにあった。だからマサコさんはフィンランドに残ることを選んだ。

フィンランドという土地で素朴な日本の姿が徐々に受け入れられていく様や、言葉の壁を物ともせずハートとハートで人間関係が繋がっていく過程は、何とも言えない充足感や幸福感を与えてくれます。人と人との出会いは、ある意味「糸」のようなもので繋がっているのかもしれません。その「糸」は「縁」あって「絆」に変わっていくのでしょう。
彼女たちの「いらっしゃいませ」は、今日も新たな縁の糸となっていることでしょう
港のリョーコ横浜横須賀さん [DVD(吹替)] 8点(2009-01-08 23:13:47)(良:1票)
188.《ネタバレ》 このテののんびり映画が大好きなので、本当に期待通り、まったりさせていただきました。「コーヒー&シガレッツ」のあの感じみたいに、映画見ていると無性にコーヒーとおにぎりが食べたくなってきました。
それにしても小林聡美演じるサチエさんは経営者としての素質があるようです。従業員の積極的な意見は受け入れつつ、自分の根幹となる信念はしっかりと持っている。そして人格のよさもしかり。まったくの余談でした。
黒めがねさん [DVD(邦画)] 8点(2008-09-16 22:33:54)(良:1票)
187.《ネタバレ》 見事なキャスティング。知り合いからの勧めによると、「何も起こらない映画」ときいていたが、なんのことない、あんな女3人があんな辺鄙な国で出会うということ自体奇跡であろう。
no_the_warさん [DVD(邦画)] 8点(2008-03-15 22:36:45)(良:1票)
186.《ネタバレ》 これは「フィンランド」や「食堂」といった現実にある要素を使ったファンタジーだと思いました。だから多くの説明は必要としない。そういう世界があると思ってみると、とても素直に北欧インテリアや景色が演出する世界を楽しめました。
映画というには過度なドラマがないし、意識的にとも思えるほど、ひとりひとりのディティールを説明しない。でもそれは「行間」を観るひとが感じ取ればいいことで、そのためにこのファンタジーを受け入れられるか受け入れられないかで評価が変わりそうですね。
ぼくはこういう作品が好きです。なによりもすごく丁寧に「絵」を作っている感じが伝わってきたし、キャストもそれぞれはまっていた印象でした。こまかい部分を丁寧に積み重ねていく。簡単に出来そうで、意外に出来ないもの。生地をしっかりと練ったシナモンロールか、ごはんをおいしく炊いたおにぎりみたい。
月ひつじさん [CS・衛星(邦画)] 7点(2007-08-26 22:40:43)(良:1票)
185.すてきな台詞が多かった。「やりたいことをやれていていいわね。」「やりたくないことをやってないだけです。」そういう、スタンスが個人的に好きです。物事の判断で方法で、やりたいことをやるというよりも、やりたくないことをしないとうほうが、誤りにくいと思うのはぼくだけでしょうかね。/「私が日本に帰ってしまったら寂しいですか。」「うーん」「やぱりさびしくないんですね。」自分が「さびしい」と答えることによって相手の決断を鈍らせてしまってはという思い。わかる気がするっす。自分の存在が相手にとって重荷にならないように思う優しさをもっと多くの人が理解すればいい世界になると思うのですが。それにしても、普通にしてるのにユーモア感たっぷりのこの映画のキャスト、その時点でもう降参です。合気道の膝行やガッチャマンにも◎。
wunderlichさん [DVD(邦画)] 9点(2007-04-29 22:29:41)(良:1票)
184.ミドリさんがヘルシンキの書店で読んでいたのは「ムーミン谷の夏まつり」。シリーズ9作の中からこの本が選ばれたのは内容的に示唆する部分があるからだろうか。洪水で流され、劇場ねずみエンマが一人守る劇場に谷や周辺の住人たちが流れつき、当座の住居として住みつく。エンマの指導のもと、劇を上演し劇場として機能させるべく彼ら(特に疎外感に悩まされていたミーサ)は劇団員の一人としての自覚を持ち始める。劇場もレストランも、客がきて初めて生きたものとなるという点では同じだと思う。客に何かを提供し満足してもらうことで自分たちも何かを得られる。サチエさんの場合はこだわりの和食。彼の地から漂泊してきたミドリさんとマサコさんもそれに加わり、やりがいと居場所を見出していく。「ですます」調が古風にも清新にも感じられ馴れ合いになることもない。踏み込みすぎないさっぱりとした関係が好みの方向きで、家の小さなキッチンもぴかぴかに磨きたくなる。
レインさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2007-03-25 09:19:01)(良:1票)
183.鮭の切り身に塩をふって、焼き網の上に乗せる。熱源はガスのようだ。当然、油がポタポタ落ちてキッチンはベトベト、換気扇のないらしいキッチンは食堂内と仕切られてないので、店内は場末のホルモン屋のように煤と油が染みついて、そこにはマジックで書かれた「ホッピー」という張り紙が黄ばんで…ないんだな、コレが。
映画のマジックなワケだけど、何となくそこんとこのリアリティのなさだけが気になり、そして悲しかった。言ってみればこの店内、サチエの内面みたいなもんだ。スッキリと美しく、塵ひとつない空間。そこで魚を焼く事は、絶対できない場所。
じゃあキッチンは別の部屋になってた方がよかったのか…? もちろん画面的にはそんな事はないワケで、キッチン・食堂・表通りが素通しで見渡せる店の構造は、(ガラスへの映り込みも含めて)映画中でいろいろな画面の遊びに使用されていて、観飽きる事がない。オイラ的な結論としては、この店はコーヒーとオニギリ以外は出しちゃいけないんじゃないかって気がした。
あと、だれ一人困らずにワリバシを使いこなしてるフィンランド人たちってどうよ。

ま、ゴチャゴチャ突っ込む割に、きっとまた観に行くだろうけど…。
エスねこさん [映画館(邦画)] 6点(2007-03-21 19:06:08)(良:1票)
182.透明なウィンドウから食堂に差し込む光がテーブルを白く輝かせ、ガラスコップやコーヒーカップがその白さに溶け込むように存在する。そこで展開する“お皿を磨く”“テーブルを拭く”“シナモンロールを作る”、そんな彼女たちの行為もその空間に溶け込んでいく。単なる会話の切り返しやクローズアップを廃し、人物を綺麗な位置関係に収めている。ワンショットは、振り向かせたり、立ち上がらせたりといった運動を伴わせ、シークエンスに挟まれるショットも路面電車、船、自転車が動いている。動く→食べる→動く→食べる、この人間=動物の単純な営みに潜む幸福感の主張がささやかだ。「やりたくないことはやらない」小林聡美と「やりたくないことでもやらざるを得なかった」もたいまさこと「やりたいことがわからない」片桐はいりが、その単純な営みを一歩昇華させ、いつでもどごでも人間は関係性の中でさらなる幸福感を得ることを見せる。動物と食材との物理的関係、個体と個体との精神的関係。オープニングの太ったかもめがとても幸福そうに思い返された。
彦馬さん [映画館(字幕)] 9点(2007-01-10 23:34:56)(良:1票)
181.片桐はいりの、目をつり上げドギマギした表情は、もはや彼女の独壇場だが、面子に反し、癖のない素直な性格の演技は貴重である。また、もたいまさこの、細い目を一層細くして軽く頷く、あの独特の仕草は、喜怒哀楽という人間の感情に於ける究極の表現方法であり、瞬時に人間味を滲ませる自身の年季をも感じさせ、彼女にしか出来ない芸当だと言える。そして、マイペースでありながら人生に於いては常に前向きで、異国であろうと何処に居ようと(いや、何処の国に生まれついても)、逞しく生きていく術を知り尽くしているような雰囲気を漂わせる小林聡美の、その明るさと元気よさ。本作の主人公にはまず彼女を措いて他にないと思わせるほどの存在感を発揮していて、今、キッチンが最も良く似合う女優さんである。この三者三様の個性派が揃い、お馴染みのオハコの演技が存分に堪能できる本作は、日本版「バグダット・カフェ」と言ってもいいような雰囲気の作品だ。人とは、外見だけでは推し量れないものだが、いつしか心を開き、打ち解け合った時の新鮮な驚きと感動を、「かもめ食堂」に出入りする人々をスケッチ風に描く事で、人との出会いの楽しさ素晴らしさを謳いあげる。饒舌に語るタイプの作品でない事は、ご覧になればお分かり頂けると思う。 確かに元気を貰いました。それだけで十分だろう。ここに行けば、みんなきっと幸せを感じられる。誰でもが行きたくなる「かもめ食堂」とは、そんな所だ。
ドラえもんさん [映画館(邦画)] 9点(2007-01-02 17:28:37)(良:1票)
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【点数情報】

Review人数 200人
平均点数 6.62点
010.50%
110.50%
221.00%
342.00%
494.50%
52110.50%
64924.50%
75226.00%
84422.00%
9136.50%
1042.00%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 8.00点 Review13人
2 ストーリー評価 6.76点 Review21人
3 鑑賞後の後味 7.72点 Review25人
4 音楽評価 6.73点 Review19人
5 感泣評価 4.87点 Review16人
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