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風船

[フウセン]
1956年上映時間:110分
平均点:7.17 / 10(Review 12人) (点数分布表示)
公開開始日(1956-02-19)
ドラマモノクロ映画小説の映画化
新規登録(2004-10-08)【--------】さん
タイトル情報更新(2013-05-21)【ESPERANZA】さん
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監督川島雄三
助監督今村昌平
キャスト森雅之(男優)村上春樹
三橋達也(男優)村上圭吉
北原三枝(女優)三木原ミキ子
芦川いづみ(女優)村上珠子
新珠三千代(女優)山名久美子
左幸子(女優)阿蘇るい子
瀬川路三郎(男優)西村正太
二本柳寛(男優)都築正隆
高野由美(女優)村上房子
田中筆子(女優)正太の妻
紅澤葉子(女優)下宿屋のおばさん
長弘(男優)秘書
福田トヨ(女優)村上家の女中
天草四郎(男優)写真機店主山口
原作大佛次郎「風船」
脚本川島雄三(脚色)
今村昌平(脚色)
音楽黛敏郎
撮影高村倉太郎
製作山本武
配給日活
美術中村公彦
衣装森英恵(衣装デザイン)
編集中村正(編集)
録音橋本文雄
照明大西美津男
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1
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12.66年前の日本映画でも示している「金は必要だが重要では無い」
ホームドラマとしての作りは退屈ではないと言ったところ。
金の為に絵は描けないとして画家を辞め起業し成功した村上春樹(役名にチョット笑う)を演ずる森雅之さん。
斜に構えていない、女たらしでない、冷酷でない、らしくない役どころでも、粋で洗練された台詞回しでの60歳役のお姿はイケオジの極み。
何名かフェードアウトしてしまい何処に着地するのだろうか見当付かなかった物語。ラストシーンは今一つだったものの彫りの深いお顔にもう、ウットリ。停止してマジマジと眺めておりました。眼福であります。
The Grey Heronさん [インターネット(邦画)] 6点(2022-05-28 15:10:06)
11.あまり好きになれない物語だが、芦川いづみだけは断然良い。
ESPERANZAさん [DVD(邦画)] 6点(2013-10-22 15:31:33)
10.《ネタバレ》 最後の最後になって、やっとテーマが浮上する。あの親父の生き方だ。本人に害意は無いが、結果から云うと家族を振り回している。以下、本音の私見です。本来、人はあの親父くらい自分勝手で良いはずなのだ。いや、そうあるべきだと言いたいくらい。奥さんや子供達に対して、その生活を保障するのは最低限の義務であり責任であるが、食べるに困らない財と雨露を凌ぐ家を残している。それ以上に精神的な充足が要求されるのであれば、求める方が甘えているのだ、と思う。人は究極として「個」であるし、魂の自由はそこから出発する。家族を犠牲にしてまで、自らの価値観を純化して尊重した行動に共感する。60歳にして、世間体や見栄と云った他者の評価を、人生からきれいに切り落とした態度に共感する。こういうカタチで「自由」を描いた映画は、ありそうだけど観た記憶がない。50年以上も昔の作品で出会ったことに驚いた。
アンドレ・タカシさん [CS・衛星(邦画)] 7点(2010-10-31 02:42:27)
9.《ネタバレ》 本当は「女優芦川いづみの最高傑作」だけですむこの映画のレビューだがそれだけでは寂しいので一言。北原三枝の演技も良い。多分彼女はルリ子や小百合やいづみ、雅子といった日活若手女優の中でも若い頃から演技力の幅・器が合ったと感じさせる一本。もちろんこのような小品で彼女達の演技を引き出せた監督川島のうまさあっての事だと思うが。
Nbu2さん [映画館(字幕)] 7点(2010-04-03 11:47:38)
8.《ネタバレ》 『浮雲』と並び、名優、森雅之の男の魅力が存分に凝縮された名編。
ラストシーンの、娘である芦川いづみとの再会シーンは、鳥肌が立った。

表題の「風船」とは、男の生き様を表している。
同じ処に留まらず、常に新しきもの、人生の刺激を求め、自分の欲求に正直に人生を選択し、自らの意志で人生を切り拓いていく。
まさに、私自身の理想の生き様であり、私が思うところの男の生き様だ。

60に達しながらも、森雅之は惰性で生きることなく、やりたいことを貫き通す。
しかし、時にはそれは自分勝手な人生選択であり、妻や子供を振り回す。
それはそれで人間的欠点であるかもしれない。
いや、少なくとも、一般社会的観念からみれば、間違いなく無責任な男だ。

しかしながら、何かを選択する時、その背景には必ず何らかの犠牲というものが並存する。
その犠牲をあくまで認識した上で、敢えて森雅之は自分の希望する生き様を選択し、決行するのだ。
そういう男の生き様を徹底的に描いたという点では、本作はまさに男のための映画である。

だが、森雅之は誰よりも深く真剣に娘の幸せを願っている。
理屈で全てをうまく整理できるほど、人生や社会は単純ではない。
それを考えれば、結局のところ、自分が望む人生選択を行うことが一番大切なことではなかろうか。
子供は子供としてどう生きるかを自分自身で決めていけばいいし、妻も妻で自分が良いと思う生活を選択すればよい。
自分が良いと思って選択した人生ならば後悔もしないはずだ。

まさにこれらの考え方は、私の理想とする人生論であり、本作はそうした自分の人生観と見事に一致した。
妻も息子も、結局は一家の大黒柱である森雅之に依存して生きてきたにすぎない。
それを考えれば、60になった森雅之は、そろそろ自分の自由を主張しても、ばちは当たらないんではなかろうか。
そう考えたりして本作を観ていたら、とめどもなく深い味わいのある作品であることに気付かされた。
最後の最後で気付かされたのだ。
なんという味わいのある奥深い作品であろう。

というわけで、私は本作を川島雄三監督の最高傑作の一つに推したい。

(P.S.)北原三枝の衣装と、そこから伸びる脚線美、そしてクール・ビューティな雰囲気にやられました!
にじばぶさん [CS・衛星(邦画)] 8点(2008-10-05 15:00:20)(良:3票)
7.やはり芦川いづみだ。唯一無二の存在だと思う。現在まで彼女に匹敵する健気さ、優しさ、品性、そして可愛らしさ、を表現できる女優を思い浮かべることができない。
ブタノケ2さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2008-06-29 14:34:46)(良:1票)
6.三橋達也のダメ男ぶりが「洲崎パラダイス 赤信号」よりパワーアップしていて見ていて本当に腹が立つし、二本柳寛の役柄や森雅之演じる主人公の妻もなんか嫌なキャラクターであるので見ててちょっと鬱な気分になるし、ストーリーも川島雄三監督の映画としては暗いと思うものの、そのような状況下にいても明るく健気に笑顔を振りまいている純真無垢な娘・珠子を演じている芦川いづみの存在があることによって、かなりその暗さが和らいでいる。はっきりいって彼女がいるといないとではこの映画の印象は全く違うものになっていただろう。川島監督の映画としては個人的には「洲崎パラダイス 赤信号」や「愛のお荷物」のほうが好みではあるが、芦川いづみに2点ほどプラスして8点。そうそう、劇中出てきた映画館でかかっていた「ビルマの竪琴」の予告編が楽屋オチ的で川島監督らしい。
イニシャルKさん [DVD(邦画)] 8点(2008-01-23 00:25:37)(良:2票)
5.《ネタバレ》 もう15年位前にビデオでとったものを鑑賞。三橋達也はホント川島映画ではダメ男ばかりですね。北原三枝はもちろん、キレイ。でも、他の皆さんが認めてらっしゃるとおり、この映画はもう芦川いづみですよ。彼女の純真さが全てを救ってる。下にも書いておられる方がいましたが、私も最後の盆踊りのいづみ嬢の姿には、ガツンとやられてしまいました。森雅之も、私の知る限り、圧倒的にどうしようもない嫌な親父の役が多いのに、ここではかなりまともな知性の持ち主だったのが、新鮮でした。
いのうえさん [地上波(邦画)] 8点(2007-09-09 20:26:47)(良:2票)
4.やっと、念願叶いました。映画好きの親戚から家の近くのレンタル屋さんには川島雄三監督の「風船」も「銀座二十四帖」もいずれもビデオあるから借りて来てやるよと言われ、借りて来てもらって、早速、観ましたが川島雄三監督作品にしては結構、暗いなあ!何か他の川島雄三監督作品の多くに観られるような軽快さ、陽気な部分がすっかり影を潜め、そんな中で一際、笑顔を振りまき、和らげようしている健気な芦川いづみの何と可愛いこと。可愛いこと。これはとにかく芦川いづみですよ。この映画の芦川いづみの笑顔があってこその作品て気がする。話としては大して面白味のある話でもなければ、いや、どちらかという暗い気分に陥るような陰気な内容である。この当時の時代背景、日本人の生活感をよく表している内容になってます。いかにも昭和の雰囲気が画面全体通して伝わってました。川島雄三監督の他の作品を観ても解るようにこの監督の時代を読み取る観察力とその時代を映し出す描写、演出力はただ者でないぐらい本当に上手い。それとこの映画では芦川いづみともう一人、北原三枝の凄い迫力を感じる演技の前には三橋達也と新珠三千代の「赤信号コンビ」も霞んで見えるし、日本映画史上最も演技の上手い女優、左幸子でさえも今作では見劣りしていまいます。そんな中、男優陣では二本柳寛の嫌らしさ、傲慢ぶりが何とも観ていて腹が立つ。それでも芦川いづみの笑顔のおかげで救われる作品になっているのは単なる嫌味な人間きりの映画として描いていない所は流石です。それと森雅之の画家の名前がちょっと笑える。川島雄三監督としては傑作だとは思わないが、観て損のない作品だとは思いました。
青観さん [ビデオ(邦画)] 7点(2007-07-16 17:39:05)(良:2票)
3.映画としての評価は正直好悪相半ばという印象。というのも、川島監督映画、これまで何本か観た中で最低最悪の人物(三橋達也)がこの映画で、主役づらして終始のさばっているから。極端にドライだっり、ウエットだったり、ただの親バカだったりと、性格の振り幅がやたら激しい数多くの登場人物の中だからこそ、純粋無垢な魂の持ち主である珠子(芦川いづみ)の存在がひときわ清冽に浮き上がってきます。とにかくこの映画の芦川いづみは素晴らしいっす!自分が映画の中のヒロインに恋してしまったのは、多分『初恋のきた道』のチャン・ツィイー以来の事。もう鑑賞後ほぼ丸一日経っているのに、彼女の面影が頭から離れません。なんというか・・・どんな言葉をもってしても、この映画の彼女に賞賛の言葉は及ばないような気がします。小児マヒという身体にハンデを持った難しい役どころにもかかわらず、あざとくなくしかも素直な演技で森雅之をはじめとする演技巧者たちを自然な存在感で圧してました。ラスト浴衣姿で踊る彼女から、まるで慈母観音のような後光が射しているようにも自分には見えましたね。北原三枝、新珠三千代、左幸子と、当時の日活若手女優が研を競っていてそれだけでも見ごたえあり。特に森英恵の衣装をシーンごとに着替え、さながらファッションショーのごとく登場してくる北原三枝の脚線美がお見事!主役(三橋達也)への憤り憎しみよりも、芦川いづみへの思慕が勝った・・・・ということでこの点数。(→フィルムセンター川島雄三特集にて)
放浪紳士チャーリーさん [映画館(邦画)] 8点(2007-07-04 14:27:33)(良:2票)
2.《ネタバレ》 古い映画を見ると甘さが目についてしまうのですが、この映画は今に通じる、というより今だから尚更わかるような作品でした。知恵足らずの妹が、少し半端な気がします。それまで、私はいつもバカにされているからと言ってはいたのですが、自殺した人のお墓でつぶやく台詞で死んだことが理解できていないと言うニュアンスはいきすぎではと思いました。良いキャラなのに、そのせいで他の良いシーンすべての意味を変えてしまいます。全体にクールな映画でした。リメイクしたら面白いかも知れないです。
omutさん [CS・衛星(字幕)] 6点(2006-11-18 16:04:41)
1.半世紀前の作品とは思えないほど、現実的で現代的な作品。お金の力や権力などが渦巻く暗い世の中で、珠子の純粋な心と優しさが胸に響き、心が洗われたような気がします。
ボビーさん 7点(2005-03-08 10:38:25)
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【点数情報】

Review人数 12人
平均点数 7.17点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
400.00%
500.00%
6325.00%
7433.33%
8541.67%
900.00%
1000.00%

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