83.《ネタバレ》 成人の息子の母親が主人公というのも珍しい。その母親が謎を解いていくという今乗りに乗っているポン・ジュノの前の作品。やっぱり彼独自のナラティブは引き込まれるし、謎解きも物語の推進力として機能し、最後までダレずに見ることができる安定の実力。彼の作品ってなんか登場人物に得も言われぬおかしみがあるんですよね。ダウンタウンの松本が言うように悲惨さの中にある笑い(彼が具体例で挙げた父親がブリーフに「お父さんの」と書いて銭湯で笑われるというエピソードが非常にわかりやすい)。個人的に微笑ましく感じたのは自分を容疑者にしようとした母親を何事もなかったかのよう助けてあげるジンテとか。やっぱり独特の世界観がある人の作品は強い。 【エリア加算】さん [インターネット(字幕)] 7点(2020-09-22 22:37:05) ★《更新》★ |
82.《ネタバレ》 知能に遅れのあるっぽい青年が、殺人の疑いをかけられて逮捕されますが、溺愛する母が収監を防ぐために息子を庇って奮闘するというお話。 ポン・ジュノは殺人の追憶、パラサイトと見てこれで3つ目ですが、ハズレがない! 最初から、ああ、あれは伏線だったのねと繋がっていく感じが快感です。 ラストは割と衝撃でしたが、それと同じくらいオープニングの変な踊りをするお母さんにも衝撃でした。 息子が、ところどころ頭良かったり悪かったりと、ストーリー的に都合の良い動きだったのが気になるところではありました。 【アーウーマンデ】さん [DVD(字幕)] 9点(2020-08-17 13:20:23) |
81.決して愉快な映画ではないですが、映画の熱量が物凄いんですね。作り手の熱さが伝わってくる映画でした。最後はインド映画? 【東京ロッキー】さん [インターネット(字幕)] 8点(2020-06-22 15:21:41) |
80.知的障害のある息子を溺愛する母が、息子の無実を証明してハッピーエンド! とはならない…一筋縄ではない作品。 想像の斜め上を行く展開。こうゆうパターンもあるか…と関心。 誰が監督かな?…ポンジュノかいっ!と更に驚き。 あの「ツボ」かホントに効果があるならば、いつか自分も使う日が来るかもしれない。。 【tonao】さん [インターネット(字幕)] 9点(2020-05-16 10:11:51) (良:1票) |
79.《ネタバレ》 知的障害を持つ我が息子がある日、女子高生を殺害した罪で逮捕された。かなり深酒した息子が、夜道を歩いていた見ず知らずの少女を廃屋へと引きずり込み、暴行を加えようとしたが反撃された末の犯行だという。「こんなことあり得ない。あの子は虫も殺せないような優しい子なのよ」――。息子の潔白を信じて疑わない母親は、無罪を求めてそう世間に訴えかける。だが、出てくるのは息子に不利な証拠ばかり。警察も弁護士もマスコミもほとほと役に立たない。追い詰められた母親は、独自に調査を開始するのだった。泥酔しその夜の記憶が曖昧な息子、息子とは腐れ縁の地元のチンピラ、奔放な生活を送っていた被害少女、そして少女に弱みを握られていたという地元の有力者たち。少女を殺したのは、果たして誰なのか?事件に隠された深い闇へと踏み込んでいった母親は、やがて衝撃の真実を知ることに……。外国語映画として初めてアカデミー作品賞を受賞し今、ノリにノッているポン・ジュノ監督の代表作と言えるそんな本作、今更ながら今回鑑賞してみました。終始陰鬱で観れば観るほど気が滅入るようなお話ながら、なかなか完成度の高いダークミステリーの逸品に仕上がっていましたね、これ。二転三転するストーリー展開、母親役を演じた女優のナチュラルな演技、回想シーンの中で妖艶な魅力を放つ被害少女と、監督の才気溢れる演出にラストまでまさに一気呵成。中盤以降、もはや誰もが怪しいとしか思えない中、最後に明らかにされる衝撃的な真実。後味は最悪ながら、かなり濃密で充実した映画体験をさせていただきました。自分の子供のために母親が本当になすべきこととは何なのか?貧困の負の連鎖は永遠に続くのか?誰もが何かしら思わずにはいられない極めて深いテーマを扱った、良質の社会派ミステリー。この監督の他の作品も観てみようと思います。 【かたゆき】さん [DVD(吹替)] 7点(2020-02-23 00:03:22) |
78.《ネタバレ》 盲目的な母親の愛情を描いた映画だけど、当然それだけで終わるわけもなく、えぇーそういうオチか!ってのが楽しめる一本だった。 【おとばん】さん [インターネット(字幕)] 7点(2020-01-19 22:16:51) |
77.「殺人の追憶」並みに重く、やるせない話だった。 しかも、こちらはユーモラスなシーンなど微塵も無く、常にシリアスな展開な為余計に疲れてしまった。 テーマ的には母親の子を思う気持ちというか、究極の親バカ映画というか、モンスターペアレント映画というか。 ポン・ジュノ監督らしい理不尽さと底辺に生きる人々がもがいて行く様は一貫してどこまでも不快にさせてくれる。 ふとした視点の転換により、作品のジャンルすら自在に操る様は相変わらず只者ではないと感じさせてくれる。 【ヴレア】さん [インターネット(字幕)] 7点(2020-01-12 19:22:15) |
76.《ネタバレ》 本作のやりきれなさは、本当の真犯人はジョンバルではないかもしれない、トジュンを信じ切ることができないということではないでしょうか。親は因果な商売です。【追記】詐話師の鉄くず屋の親父さんを、不必要に殺してしまった話かと思っていました。他の方のレビューをみて、愕然。そういう筋だったのですね。さらに、やりきれない。+2点。恥ずかしいけど、このままにします、 【なたね】さん [インターネット(字幕)] 8点(2019-12-30 21:38:23) |
75.《ネタバレ》 熱い脂ぎった映画。女の母としてのダークサイドを見せられた映画。嫌い。 【にけ】さん [映画館(字幕)] 4点(2019-01-25 22:15:32) |
74.《ネタバレ》 この鬱陶しさ、盲目さ。 まさに母親そのものが描き出されている映画でした。 それも母親の嫌な面、見たくない面を まざまざと突きつけられたような不快さが見終えて しばらく経っても心の奥にわだかまっているようです。 例え殺人を犯してでも、我が子を守る。 母親故の狂気とでもいうか。 ただし、ポン・ジュノは上手い。上手すぎる。 あまりに理路整然とした物語構成のせいで、ご都合主義的な タイミングで新情報がポンポンと出てくるので、随所に作為を 感じてしまうのが残念な部分。 とはいえ、韓国映画の泥臭さ、脂臭さが ギトギトと漂う名作です。 結末や真相は視聴者の想像に委ねる、などという甘さはこの映画に 存在しないので、体調が良く、体力が充実している時に見るのがお勧めです。 【kirie】さん [インターネット(字幕)] 7点(2018-03-17 23:01:37) |
|
73.もう10年近く前に映画館で鑑賞しましたが、本作品を越えるサスペンス映画に出会っていません。 韓国映画の底力を見せつけられた名作です。 【ジョウオンズ博士】さん [映画館(字幕)] 10点(2018-02-24 19:47:11) |
72.《ネタバレ》 母親の一方的な愛にとんでもない不快感を抱く。 終始不安な気持ちを抱かせる独特な雰囲気を醸し出すことに成功している。 それにしても、この作品のカメラワークと母親を演じたキムへジャには拍手喝采。 最後、狂ったように踊る母親をブレブレのカメラで必死にフレームの中に 捉えようとするシーンにはとんでもないパワーを感じた。 【鈴木】さん [インターネット(字幕)] 7点(2017-12-30 17:43:14) |
71.素直にこれは許せないと思う気持ちもあり 向こうでも賛否両論あったそうだけど観ておいて良かったと思います。 【TAKI】さん [DVD(字幕)] 7点(2017-08-25 01:31:50) |
70.《ネタバレ》 奇妙な踊りからポン・ジュノの世界に引き込まれる。知的障害の息子から目を離せず、薬草どころか自分の手まで刻みそうになる。その息子の冤罪を晴らそうと奔走していくうちに、そこに"母"という呪縛をかいま見た。一見ひたむきに見えるが、ある意味で他人の迷惑も顧みない。貧困だからこそお互い助け合うはずが、自分たちの保身のために平気で蹴落とす現実。かつて無理心中に巻き込まれて知的障害を患った(かもしれない)息子は、もしかしたら母を試そうと"演技"していたのではないかと思ってしまう。衝動的に少女を殺してしまったが、母が自分を見捨てて血の濃い関係から解放されたかったかもしれない。しかし彼女は助けた。エゴで完結された世界から抜け出すことができなかった。そして針で全てを忘れて、息子のもとへ帰るまでひとときの非日常で踊り続けるしかないのだ。 |
69.《ネタバレ》 知ってはいたが気持ちよい映画ではない。 バカと言われればやり返せと母に教育されたトジュン。 悪意なくやり返した結果、少女は死んだ。 息子を救うために必至に犯人捜しをした結果、息子が犯人だった。そして罪のない第三者が捕まる。 シナリオだけで言えばなかなかのサスペンス。息子への異常な溺愛は韓国の文化なのかこの家族だけなのかわからないが、自分たちさえ良ければ良いという感覚、生ぬるい愛情は嫌悪感しか覚えなかった。この映画のツボは記憶を消すツボのようにはならなかったね。 |
68.あまり気持ちのいい映画ではないが、最後まで引きつける力はある。 終盤は意外な展開になるし、結末はこうなのか、と感じた。 【simple】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-01-09 13:17:30) |
67.殺人事件の真実には「そう来たか」という感じで意外でした。そのあとの母親の行動や心境は、許せるものではないけれども理解できる部分もあり何とも言えない感じでした。ただ、冒頭と最後のダンス、あれは自分としてはいただけないものでした。ああいう演出は自分には理解できません。 【珈琲時間】さん [DVD(字幕)] 6点(2016-11-15 19:15:35) |
66.《ネタバレ》 ストレスと嫌悪感、不快感を覚える映画。母性の心温かくなるような慈愛に充ちた面ではなく、盲目的でエゴにまみれた凍りつくような負の面を突きつけられる。結局は自分の子供さえ良ければいいという、現在増殖中の社会的に問題を起こすモンスターの類。隠蔽のために殺された廃品回収業者や、無実の罪を着せられた障碍者が不憫でならないし、母に対して怒りと嫌悪を感じる。 どうにも引っかかるのが、トジュンが自分の重大な行為を忘れるほど知能が低いようには、その容姿や言動からは見えないこと。仮にトジュンの言動が全部計算された演技とすると、それだと辻褄の合わないところがでてくる。 ストーリーは伏線の回収等よく練られているのだけれど、幾つか不自然だったり反則気味に感じるところも。トジュンが女子高生に石を投げられた時に、明らかにそのまま立ち去っているように描いているのは、ミスリードの手段としてはずるいしスッキリしない。レベルの高い監督だというのはわかるが、作り込みすぎてご都合的だったり、技に溺れてやりすぎの感があった。ポン・ジュノ監督は「殺人の追憶」のほうが良い。 【飛鳥】さん [DVD(吹替)] 4点(2016-03-27 01:00:47) |
65.《ネタバレ》 良いシーンも色々あるし、なかなか面白い映画だとは思うが、所々に都合が良すぎるストーリー(思い出す記憶、母の鍼灸ケースを拾う)とか、貧乏な割には母の服装が草原、汚い場所をうろついても、余り汚れていないとか、ニセモノの作り話だなと感じる部分が目に付いた。題名である母なる証明について、結局、何をこの監督は伝えたいのだろう。単なるアホな息子がしでかした殺人をかばって人を殺し、息子を小さいときに殺そうとした負い目を感じている。で、最後は途方にくれて踊って逃避している。この母親に人を殺すことに対する良心の呵責は余り感じられなかった。つまり、エゴイズムで生きている。それが、「母なる証明」って言うのも何なんだ??? 【cogito】さん [DVD(字幕)] 5点(2016-03-06 14:28:21) |
64.《ネタバレ》 鑑賞中にすごく感じたことなのだが、知的障害の息子トジュンが記憶を断片的に思い出す場面、毎回タイミングが良すぎるのだ。何も知らない母をまっすぐに真実へと誘うかのように。そもそも、トジュンは本当に知的障害者なのでしょうか?あくまで個人的な仮説ですが、これはその昔に農薬で母に殺されかけた少年が、知的障害を演じて復讐の機会を窺い、それを達成した話ではないだろうか。実は彼が少女を殺した場面は過失にも故意にも見えます。自分が自ら人殺しになり、あんたの息子にも人殺しの血が流れていますよ、と"母だけ"に復讐するつもりが予想外にも本当に捕まることになり、目撃者もいて事態が予期せぬ方向へ向かった。老人が殺されたり、無実の知的障害児が捕まったのは、母性が惹起した悲しき二次災害です。最後、火事場に忘れてあった鍼道具をトジュンが母に渡す場面がある。僕は全てを知っているよと言わんばかりに。お互い多くを語らぬも母子の以心伝心で、母はこのおぞましい真実を全て悟ったのではないのか。ここで何より恐ろしいのは、長きにわたり知的障害児と信じて布団を供にしていた息子が実はそうではなかったとわかった時の母の衝撃です。これはもう狂うしかない。"Mother"とは母性ではなく、復讐の対象を指していた。そう考えるとこの映画は根本からくつがえり、情念と怨念を以て迫る恐ろしい姿に変貌をするのです。 【タケノコ】さん [DVD(字幕)] 8点(2015-07-17 23:32:33) (良:1票) |