1.《ネタバレ》 楽団の演奏に合わせて踊る男女のエネルギッシュな躍動が、周囲で体を揺らす仲間たちの賑やかさと相俟って素晴らしい。
序盤での、電話を介した様々なカッティングはリズムを創り出し、クライマックスでは鏡の見事な使用法に唸らされる。
鏡を背にして立ちすくむヒロイン(ブリジット・オーベール)と対峙するダニエル・ジェラン。
二人の表情のクロースアップが切返され、それぞれの視線が一瞬横に逸れる。鏡に映し出されるのは、ドレスが半開きとなった彼女の後姿だ。
スリリングな短いショット連鎖の中で、ベッケルの平手打ちが炸裂する。
この鏡はもう一人のヒロイン:ニコル・クールセルが序盤で愛らしい姿を映し出すのと対照を為すものでもあり、ほろ苦い。
若者たちの乗り込む水陸両用のボートカー(?)の滑走にも驚くが、ラストが飛行機での飛翔というのもいい。