バビロン(2022)のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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バビロン(2022)

[バビロン]
Babylon
2022年【米】 上映時間:189分
平均点:6.69 / 10(Review 13人) (点数分布表示)
公開開始日(2023-02-10)
ドラマコメディ
新規登録(2022-12-12)【にゃお♪】さん
タイトル情報更新(2023-02-26)【TOSHI】さん
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監督デイミアン・チャゼル
演出ダグ・コールマン(スタント・コーディネーター)
キャストブラッド・ピット(男優)ジャック・コンラッド
マーゴット・ロビー(女優)ネリー・ラロイ
ディエゴ・カルバ(男優)マニー・トレス
ジーン・スマート(女優)エリノア・セント・ジョン
ルーカス・ハース(男優)ジョージ・マン
トビー・マグワイア(男優)ジェームズ・マッケイ
マックス・ミンゲラ(男優)アーヴィング・タルバーグ
キャサリン・ウォーターストン(女優)エステル
オリヴィア・ワイルド〔女優・1984年生〕(女優)イナ・コンラッド
サマラ・ウィービング(女優)コリーン・ムーア
エリック・ロバーツ(男優)ロバート・ラロイ
イーサン・サプリー(男優)ウィルソン
フリー(男優)ボブ・リーヴァイン
マーク・プラット(男優)プロデューサー
ジミー・オルテガ(男優)象使い
スパイク・ジョーンズ(男優)オットー(ノンクレジット)
ボビー・C・キング(男優)オットーのAD(ノンクレジット)
出演アル・ジョルソン劇中映画「ジャズ・シンガー」より
ジーン・ケリー劇中映画「雨に唄えば」より
デビー・レイノルズ劇中映画「雨に唄えば」より
ジーン・ヘイゲン劇中映画「雨に唄えば」より
脚本デイミアン・チャゼル
音楽ジャスティン・ハーウィッツ
作詞デイミアン・チャゼル“I Want A Man”
ジャスティン・ハーウィッツ“I Want A Man”
作曲ジャスティン・ハーウィッツ“I Want A Man”
ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト“The Magic Flute - Der ’iie Rache”
撮影リヌス・サンドグレン
製作マーク・プラット
製作総指揮ウィック・ゴッドフレイ
トビー・マグワイア
配給東和ピクチャーズ
特撮ILM/Industrial Light & Magic(視覚効果)
衣装メアリー・ゾフレス
編集トム・クロス〔編集〕
録音アンディ・ネルソン[録音]
あらすじ
サイレント映画が華やかなりし頃のハリウッド。急成長し続ける映画業界での成功を夢見る二人の男女。女は偶然に得た好機を生かし、持ち前の奔放さを武器にスターダムを駆け上がる。男は押しも押されぬ大スターに気に入られ、憧れていた撮影現場で必死に働き自らの運命を切り開いていく。しかし、やがて訪れるサイレントからトーキーへの奔流にそれぞれの人生が巻き込まれ…。「セッション」「ラ・ラ・ランド」のデイミアン・チャゼル監督が、ハリウッド黄金期の映画業界の光と闇を豪快かつ繊細に描く。
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1
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13.《ネタバレ》 確かに、、下品で混濁していて、うるさくて監督の思い込み?!が前面に押し出されている映画ですが・・
それでもこの長時間を突っ走らせ飽きさせなかった力量はさすがだな、と思いました
特にネリーの熱演??はスキですねえ
それに・・しみじみとくたびれたこんな演技ができるようになったブラット・ピットにもお疲れ様と言いたい
AKOさん [映画館(字幕)] 7点(2023-03-28 14:52:33)★《新規》★
12.《ネタバレ》 雨に唄えばで描かれる、無音からトーキーへの転換期をベースに物語が進んでいきます。
デイミアン・チャゼル監督の映画への愛がさく裂しているのですが、少し登場人物が多すぎた感があります。
これだけの上映時間を費やすなら、もう少し人物を絞って掘り下げてほしかったなと・・・。どの人物も魅力的で気になるんですよね。もったいない。
ラストの映画館の場面でブラットピットが生き返るところから、ネリーにプロポーズする美しいシーンが続いて、おぉ、この長い映画がついに終わるのか、と思ったところにつづけて、未来の映画の予想みたいなものまでワーッと押し寄せてきたので、ちょっと監督が映画好きすぎで壊れたんじゃないかと、ロボットになったチャゼル監督が「オオオレオレレ・エエエイガ、トトトル」とか言っているみたいに妄想しちゃいました。ごめんなさい。
なつこさん [映画館(字幕)] 7点(2023-03-06 22:47:52)
11.監督デミアン・チャゼルは1985年生まれ、バック・トゥ・ザ・フューチャーが公開された年である。当然この映画で描かれた時代を実際に経験したわけではない。ファースト・マンのような映画ではあくまで客観的に史実の再現に注力していたから良かったものの、この映画はまるで死んだ人間の意見を勝手に代弁しているかのようである。そしてその意見すらもはや時代錯誤でしかない。劇中ブラッド・ピットの語る演劇に対する対抗心など果して今の映画関係者にどれだけ残っているのやら。映画はもう今では学も金もない人間の娯楽じゃない、既に芸術として認められており権威を振りかざす立場ですらある。もしそうでなければデミアン・チャゼル自身がこんな映画を作ることが許されたわけがない。それで出来上がったのは若者の年寄りごっこ、金持ちの貧乏人ごっこ、インテリの不良ごっこ。あるいは白人の黒人・メキシコ人ごっこ、男の女ごっこを加えてもいい。経験に裏打ちされていない捏造された思い出に何の価値があるというのだろう。愛国心はならず者の最後の砦というが、これでは映画愛も似たようなものである。
Сакурай Тосиоさん [映画館(字幕)] 0点(2023-03-04 22:19:40)
10.《ネタバレ》 とあるきっかけで勧められ、急遽劇場に足を運び観賞。全体的に見れば、3時間超という尺を感じさせない娯楽大作と思います。

サイレントからトーキーへと映画界の潮流が大きく変化した時代、製作者、出演者を始め映画に関わるありとあらゆる人々が、大いに混乱し変革を求められた時代。そういった時代背景とそこに生きる人々を描いた作品は、これまでにも数多く作られてきたと思います。本作は、そんな映画界の劇的な変化を冷静に客観的に捉えるのではなく、作り手の感情を抑えることなく詰め込み爆発させた作品とでも言えば良いでしょうか。

冒頭の乱痴気騒ぎ、幾度となく登場する製作現場(セット)での暴力的なやり取りなどなど、観客に向かって激しく感情的に投げつけられているかのようでした。果たしてパーティをあんなにまで退廃的に描く必要があったのか(実際を知りませんが)、果たしてセットでの監督と出演者のやり取りをあんなにまで切羽詰まって暴力的に描く必要があったのか。少なからず疑問は残りましたが。

これでもかとばかりに散々荒らしておいて、ラストでは主人公を感傷的にさせることで幕を閉じる。エンターテインメント的には良かったとも思えます。万人受けする余地を残したような。そして、何と言っても3時間超を殆ど中だるみなしに突き抜けさせてくれた監督の手腕、脚本の妙は流石の一言です。

とは言え、大いに見る者を選ぶ作品でしょうね。映画好きが好む作品でありながら映画好きが嫌う作品でもあるという二面性を感じざるを得ませんでした。

ちなみに、私が観に行った回では冒頭の乱痴気騒ぎのシーンで(恐らく)早々にリタイアした二人連れがいました。大音量と画面いっぱいに繰り広げられる乱交パーティまがいの大騒ぎがお気に召さなかったのかも知れません。やはり観る者を選ぶ作品なのかと思った次第です。
ぽこた(ぺいぺい)さん [映画館(字幕)] 7点(2023-03-02 22:52:05)
9.《ネタバレ》 こちらの評価数は少ないけど7.5点もあったので、コレは観に行かなければ!と思って行ってきました。
。。。うーん。。。わからない。。。つまらなくてイヤになることもない、許せない描写も無い、逆に良いシーンもいっぱいあるのだけど不思議。面白いか?のベクトルで言うと、そんなに面白くないです。
こちらの平均7以上で外れる事ってまず無くて安心の7点台だったんですけどね、たまにこういう事もありますね。
制作現場が題材の小説を読んでる最中で期せずしてウォームアップ済み。んでハチャメチャな制作現場の前半は完璧でした、下品とは聞いていたけど全然気にならないしむしろ良いぐらい。後半失速でもないけどまとめが理解できませんでした。
前情報はハリウッドのサイレントからトーキーに移り変わる頃の話。。。らしいよと中国嫁に説明したところ、何を聞き間違ったか、ハリーポッター関連だと思っていたらしい。。。特に感想は聞かなかったけど、僕と同じ様に「つまらなくないけど、よくわからん」と言った具合ではないでしょうか?
勝手に「映画愛」を求めたものの僕の琴線には全く触れなかった様です。。。監督さんとの相性が悪いかもしれません(後に観たセッションは良かったので、当たりはずれの問題らしい)
ないとれいんさん [映画館(字幕)] 5点(2023-02-27 10:10:00)
8.《ネタバレ》  この監督の映画は毎度「そうじゃないでしょ」って思っちゃうのだけど、コレもまた同様。どうにも合わないわね。

 とりあえず品が無いわ。露悪的。悪趣味。そして異様なテンション。そこからそれでも溢れる映画への愛を語るってことなのでしょうけど、こんなカタチ、こんな色、こんなリスペクトで描かれちゃった先人達にとってはたまったモンじゃないでしょうねぇ。もっと純粋な愛だって動機だってハートだってあったでしょうに、この監督にとってはハリウッドや映画はこういうモノなんでしょうねぇ。アタシが思う「そうじゃないでしょ」な部分ね。

 時代に取り残されてゆく悲哀を見せるブラピは良かったわね。でも『マイ・フェア・レディ』と『ジェーン・エア』を思いっきり汚くしたような役柄のマーゴットは下品さを求められ過ぎててキツかったわ。全くあの時代の女優さんにも見えなかったし。

 映像の狂騒っぷり、暴走っぷりに比べると物語の方はありがち。元ネタがハッキリしてるし、そのパターンはウディ・アレンの映画にあったけどあっちの方が描き方はずっとスマートだったわよ、みたいな。

 その上で延々と元ネタをモロに映す不粋なラストは蛇足感タップリだし(アタシなら行く末なんか描かずにもう2人のキスの映像のところでさっさと終わらせちゃうわね)、その後の映画の断片の羅列に至ってはとっても個人的な映画のシュミの披露になってて3時間かけて辿り着いたのはこの監督のごくごく私的な世界。まるで早口でまくしたてるオタクみたいな映画だわね。

 ただ、映画ってこんなにいっぱいの人が同じ映像と音、同じ時間を共有できるモノなのにそれを見る行為、それを咀嚼して語る行為、そしてそれが持つ価値はごくごく個人的なことなのよね、って改めて感じさせてくれる映画でもあったわ。
 大勢の人、沢山の予算、多くの労力の末に出来上がったモノも結局は各々に消費、消化されてゆき共有体験があったとしてもその作品限り、次はそれぞれまた全く別の世界へと移ろいゆく、その儚さの中に生きる人々の物語としては見処もあったわ。あくまで全く好みじゃないケド。
あにやん‍🌈さん [映画館(字幕)] 6点(2023-02-25 15:57:18)(良:1票)
7.《ネタバレ》 かなり見応えのある、大人向けドラマ。
微妙に絡み合う3つのストーリーが進行するが、その「絡み」が本当に微妙すぎて、あまり効果があったような気がしません。
ブラッド・ピットのパートは、彼の好演技もあって嫌いではないですが、この人いなくても映画は成立するよね。
マヌエルがネリーに告白したシーンはなかなか泣けたので、そのままハッピーエンドでもよかったのに。
最後のいろんな映画の名場面挿入シーンは、主人公の心象風景ではないので、ちょっと蛇足感ありでした。雨に唄えば、だけで十分なのに。
Northwoodさん [映画館(字幕)] 6点(2023-02-23 19:15:15)
6.“映画史”そのものが混濁とした映像の渦となって映し出されるラストシーン。
映画という表現の「革新」と「核心」を目の当たりにして、積年の感情が満ち溢れる主人公を大写しにしたラストカットで、スクリーンに映写された画面がぴたりと止まった。
3時間に渡って映画がもたらす魔法と虚構、そして狂気を見せつけられてきた私は、その“フリーズ”状態に困惑しつつも、デイミアン・チャゼル監督による何らかの意図だと信じ切って、体感にして10分以上、そのまま静止したスクリーンを観続けた。
暗がりの中、他の観客がみな席を立ち、ひとり取り残される格好となっても、その真意を探ろうと、映画世界を思い返しながら、微動だにせず凝視していたところ、おずおずと劇場スタッフが現れた。

なんと、映画館側の映写トラブルだった。
映画館に通うようになって30年以上経つが、こんな経験は初めて。こんなことが、この映画の、このラストカットで発生するとは。
無論、映画館側の失態であることは明らかで、今後無いようにしてほしいが、これはこれで稀有な映画体験だったと思う。残念な気持ちも無くはないが、何かの奇跡が働いて、イカれた映画世界に取り残されてしまったような感覚も覚えた。


「世界で最も魔法に満ちた場所」

ブラッド・ピット演じる無声映画時代の大スターは、映画製作の現場(セット)を「世界で最も魔法に満ちた場所だ」と言う。それは、本当に間違いないことだ。
どれほど狂気と非常識が渦巻いていても、フィルムに写し込まれた虚構がもたらす感動が、そのすべてを凌駕する。
その様はやはり「魔法」という言葉が相応しい。

だがそれが「魔法」である以上、非情な“リミット”と共に解けてしまうことも必然。シンデレラは夢のような一夜の後、冷酷な継母の元へ戻らなければならない。
まさしく栄枯盛衰。本作が、かつてメソポタミアに存在した世界最大の古代都市の名称を冠されていることは、そのあまりにも盛大な虚構の儚さを、ダイレクトに表している。

だがしかし、だ。
たとえ魔法のような“一時”であったとしても、そこで輝くことの業と意義を、この映画は奇声のごとく叫ぶ。
ゴシップ誌の記者が諭すように、一瞬だろうとなんだろうと、一度フィルムに焼き付けられた輝きは、時代を超えて残り続け、生まれてもいない見ず知らずのどこかの誰かに感動を与え続ける。
そう、それが「映画」なのだと。


冒頭のイカれたパーティーに象徴されるように、正直、というか絶対的に、“綺麗”な映画ではない。
“文字通り”クソとゲロに彩られた汚物まみれの映画であることは間違いない。
作品的も支離滅裂な要素が多々あり、全世界的に渦巻く賛否両論も多分に理解できる。
でもね、その汚物まみれの映画世界を描きぬいているからこそ、これほど“映画愛”に満ち溢れ、逆流しているような映画も他にないと思える。

「映画」を構築するすべてが、嘘や欺瞞、虚栄と虚構で成り立っているという本質を、この映画に登場するすべての人物、作品の作り手、そして我々鑑賞者の全員が「理解」している。
それでも、私たちは、映画を作り続け、映画を観続け、映画を愛し続ける。

「映画」はクソだ!でも、なんて素晴らしい!
“奇跡的”にも、時間が静止した10分間のラストカットで、私はその映画愛にまんまと侵食されてしまったようだ。
鉄腕麗人さん [映画館(字幕)] 9点(2023-02-19 06:51:10)
5.《ネタバレ》 新鋭デイミアン・チャゼル監督による映画の歴史を紡ぐエンタメドラマ。映画愛は伝わってくるんだけど、189分はとってもとっても長い。冒頭の狂乱パーティーはちょっぴりシゲキ的。エロエロでゲロゲロのマーゴットちゃん、体張った熱演。もう一度観る。
獅子-平常心さん [映画館(字幕)] 6点(2023-02-19 02:23:43)
4.《ネタバレ》 映画黄金時代における悪徳の都・ハリウッドを「バビロン」と称して、ド初っ端からソレこそ『ソドムの市』みたいな勢いで下劣・頽廃・猥雑極まる酒池肉林の宴をオッ始めるのですが、観終わって描かれていたのは結局その時代+その時代の映画そのものに対するシンプルで強烈なノスタルジィだった…という作品なのですよね(でもまァある種「予想どおり」とも言いましょーか)。

ただ、私個人としては、この監督は彼の『セッション』を観た時にも感じたコトですが、現代の価値観・倫理観(ソレこそ昨今のポリコレとか)に嵌り切るコトを必ずしも善しとしない様な「きらい」のある人なのかな…と思います。所謂「表現者」の方々にとってはある点で実に「窮屈な」時代になったのだろう…とゆーのは確かなコトだと思うのですね。特に序盤1時間位に渡って描かれる古の凄まじい映画撮影現場の様子(⇒現代に至っては完全にブラック・コメディのコントとして捉えるしかない様な)を結局は前述の強力な憧憬の対象として描いているコトだって、流石にコレって現状では(特にポリコレ全盛のアメリカでは)少なからず「危うい」描き方だな…てのが正直な感覚なのでして。でも重ねて、個人的にはソコにはやっぱ共感さえ出来る状況でもあるのですよね。表現者の方にとっては(⇒特に古い時代の映画を確かに愛して、だからその時代の偉大なる先達に対する「敬意」を抱いている人達こそは)正にその自分の「好きな映画」が(場合に依っては)創れない…とかいうコトにもなり兼ねないってハナシだとは思うのです。日本でも例えばお笑い芸人の方とかがいま結構に困ってる…みたいな話はよー聞きますよね。

※それでも、私自身は、昨今の映画に於けるそのポリコレだとかの影響とゆーのはごくポジティブに捉えている方だと思ってます。嘗てソレに依って映画は確かに社会を少しダケ善い方向に変えてきたと信じているのですし、またこれからも変えてゆくべきだ、と強く思っても居るのですよね。

結局、その最大のテーマ面においては(個人的には)共感するしかない映画であったのですし、ソレこそ監督のその感情(=価値観)とゆーのには全く「嘘が無い」映画だったとも思うのですね。実際に、まずは其処彼処に散りばめられた愛溢れる「オマージュ」の数々もごく好ましく見えましたし、また特大のサイズでありながら諸々と細部まで実にこだわり抜いてつくられた非常に優れた映画だったとも思います。そして個々のキャストの演技とかにしてもごく素晴らしい方だったかと(特に、またマーゴット・ロビーは出色で)。でも同時に少なからず、まず一つ(最初に述べたとおり)ごく「予想どおり」な範疇に留まる結末だったとも思いますし、もう一つはソコに至る理由にやや説得力を欠く⇒つまり、その「バビロン」が何故、その悪徳の存在にも関わらず監督のノスタルジィの対象となるのかが「倫理的に解決」して居ない&ならば…と「開き直って」も居ない、と思うのですよね(ある種、その点に関しては「逃げている」とさえ)。私は正直(⇒前述したその倫理的な云々についてアレコレと思い悩みながら観ていってしまった末に)終盤~ラストにかけてはハッキリと息切れ・トーンダウンしちゃったな…と感じました。なので、心情としては是非もう一点足したい…と重々悩みつつ、いったんココまでの評価としておきます。
Yuki2Invyさん [映画館(字幕)] 8点(2023-02-18 22:11:36)
3.《ネタバレ》 映画についての映画であると同時に素晴らしい青春映画だと感じました。
クライマックスの様々な映画のショットが重なっていく、イメージの奔流が素晴らしい。
サイレント映画時代のハリウッドが実際にあれほどの無秩序な狂騒状態にあったかどうかはともかく、
夢と欲望が渦巻く中で一度は成功を掴みながら、人間の尊厳を失うことを良しとせず別の世界へ行ってしまう者。成功の称賛に酔いしれ破滅する者。かなわぬ愛のために破滅寸前の体験をする者。栄華を極め、狂騒とそれなりの折り合いをつけていながらも未来に失望し、自ら死を選ぶ者。
強烈な個性を叩きつける登場人物の生き方を見ながら、度合いはどうあれ多くの人々が経験した青春期の狂騒の熱を、自分と友人たちはどう過ごしていたか。憧れのあの娘は…。あいつは、あの娘は、今どうしているのか?今の自分はどうなんだ?そんな思いが沸きあがります。
主人公が妻子を連れて撮影所に帰ってくることができたエンディングが、ハッピーエンドのようでほろ苦い。自分の青春を登場人物に重ねて、胸がつまるような作品でした。
こんさん99さん [映画館(字幕)] 9点(2023-02-18 18:07:51)
2.濃密であっという間の3時間。
夢と挫折を描いた一貫したテーマ性は今回も健在なデミアン・チャゼル監督。
今回も自分好みの作風なので評価はかなり甘めですが
相変わらず映像は美しい(特にカット割や照明の当て方)
そして脚本・演出も冴えていて、音楽の使い方も絶妙でした。
勿論、役者陣も最高のパフォーマンスで、特にブラプの表情や仕草がたまらなかった。

ラストシーンの数多の作品モンタージュにマニーの心情ではなく、
監督自身の本音、気持ちとシンクロしたシーンなのでしょう。
映画に対する敬愛、そして製作に携わった監督や役者、技術スタッフに対する想い、
そして観客(我々)に今一度噛み締めてほしい想いが詰まったシーン。
ああいうの見せられとずるいなって思っちゃうけど嫌いじゃない〆方。

映画史の変遷、今回の作品に影響を与えた作品やサイレント、トーキー初期の代表作等々
おさえておくとより楽しめると思います。
シネマブルクさん [映画館(字幕)] 10点(2023-02-18 15:09:09)
1.ちょっとビックリ!

”ファースト・マン”以前は未見で
しっかりした作品を作る監督かと思っていたが
観ているこっちがしっかりしないといけない映画だった。

3時間、結果長くは感じないけど
引き込まれるパートと退屈なパートがあり
ところどころで長くも感じる。

しかし、なんと下品な映画か!
万人に評価されることを完全に拒否している
監督さん何に挑戦しているのか、底知れなさに感服。

カメラワークなど特筆ものだし
サイレントからトーキー移行時のエピソードも面白い
(サイレント撮影時、現場で音楽を演奏してるけどそうなの?)

思いの丈をぶつけたラストは必見
凄いものを観た。

映画って当てるとこうなるのか、マイケル・チミノを連想した。
カーヴさん [映画館(字幕)] 7点(2023-02-17 14:41:57)
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【点数情報】

Review人数 13人
平均点数 6.69点
017.69%
100.00%
200.00%
300.00%
400.00%
517.69%
6323.08%
7430.77%
817.69%
9215.38%
1017.69%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 9.00点 Review1人
2 ストーリー評価 7.00点 Review3人
3 鑑賞後の後味 7.00点 Review2人
4 音楽評価 8.50点 Review2人
5 感泣評価 5.00点 Review1人
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【アカデミー賞 情報】

2022年 95回
作曲賞(ドラマ)ジャスティン・ハーウィッツ候補(ノミネート) 
美術賞 候補(ノミネート) 
衣装デザイン賞 候補(ノミネート) 

【ゴールデングローブ賞 情報】

2022年 80回
作品賞(ミュージカル・コメディ部門) 候補(ノミネート) 
主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)マーゴット・ロビー候補(ノミネート) 
主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門) 候補(ノミネート) 
助演男優賞ブラッド・ピット候補(ノミネート) 
作曲賞ジャスティン・ハーウィッツ受賞 

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