1. カタコンベ
《ネタバレ》 迷路の洞窟ですか。そんなものは慣れています。私はFFⅧの名もなき王の墓を思い出してしまいました。ブラザーズを取ったり、魔法を集めたりします。 これはとてもゲームぽい作品だと思いました。簡単にゲーム化できそうな作品ではないですか。 ヴィクトリア役の女の子はわりと可愛いし、姉役もなかなかいいのですが、あのオチはガマンするとしてもラストが…すごくゲームぽいですね。 あれだけの悪ふざけをするための動機づけが足りないので、単に「フランス人は尋常でなく意地悪」というふうになってしまいますね。 暗い中でどれだけ映していくかという点では工夫していると思いました。ちょっと叫びすぎな気がします。最初からゲームにしたら良かったと思います。 [DVD(字幕)] 5点(2009-03-18 17:53:30) |
2. カポーティ
《ネタバレ》 原作のことはほとんど忘れてしまいました。 ホフマンの演技に沿うならば、カポーティというのはスノッブで軽薄なヤッピーを「演じている」成り上がりのゲイだった、ということになる。 彼は作品のためなら他人を平気で利用し、嘘をつき、必要なら賄賂も使い、出版社からも抜かりなく金を引き出す。作家としてプロとして完璧だ。 そんなカポは一家4人殺人犯という「極悪人」を「同じ家で育って裏口から出て行ったやつ」というふうに認識して会いに行くわけです 彼は「最悪の冷血」のなんたるかが知りたい。正体が見たい。そして、彼の目的は「スミスに事件の詳細と動機をしゃべらせること」となり、ひたすらその「お宝」に焦点をあててカポの人生は集束していくのです。 何年もの努力や嘘の甲斐あって、ついにスミスは語ります。「動機は金」「殺したのは相手も殺されると思って怯えていたから」。…。 この時点でカポの頭は点になってしまったでしょう。殺したのは、「すでに仲間と強盗に入ってしまった」という事実と「相手が怖がっている」「自分は凶器を手にしている」という「お膳立て」が揃っていたから、だというのです。何年も待ち望んだ答えが、「ゼロ回答」だったのだ。 というか、スミスという男は「悪魔」というほど立派なものでは全然なく、ヒコックもそうで、カポにとっては「お宝を求めて飛び込んだら、中心部は空洞だった」というようなもの。 「悪魔のような所業」が「ぜんぜんしょぼいチンピラ」によって「成り行き」で行われたという。それはどういうことなのか。4人も惨殺した犯人がそうでなかったのなら、ではカポの求めてきた「ホンモノの悪」「最悪の冷血」はいったいどこにいるというのか…。 そして「悪魔の正体」が見たくて今までカポがしてきた二枚舌外交はなんのためだったのか。それに騙されて「アミーゴ」と呼んで死んで行くスミスに対し、どんな落とし前がつけられるというのか。「僕の見込み違いだったよ。求めていたのはキミじゃなかった。」などと今さら言えない、死刑の前に。 目の前には、死刑を前にしてカポを気遣う「成り行きで死刑囚になったしょぼいチンピラ2名」、そうして、カポは情けなくてむなしくて泣くしかない…。 カポは最期まで嘘をつき、スミスたちは感謝したまま死ぬ。やつらこそ「冷血」のはずなのに、まるでこれではカポが糾弾されているように見える。…。 [DVD(字幕)] 8点(2008-12-03 20:13:22)(良:2票) |
3. カリートの道
《ネタバレ》 これは10点つけるしかない。 なんてことだこれを見ていなかったなんて。 脚本演出キャスト音楽全部すばらしい。(音楽のジェリービーンは昔マドンナと組んでた人ですね。この人の音は昔から快い。) デパルマは、全編通して「くくっ」という笑いとともに作っているんですね。それは「ガハハ」でも「フフフ」でもなく「くくっ」である。どうですこの散りばめられたコントの数々。しょっぱなから「レンタカー屋はあまり殺されないから」って決めセリフで「笑」。だいたいペンの髪型からしてバカにしてます。昔の栄光も陰が差し、ムショを出てから次々に昔の仲間が現れてはカリートを裏切る。裏切らなかったのはサッソだけ。そして最も信じていた相手に裏切られて死んでゆく。これは意図的に「笑い」を演出しなければ「悲劇」でしかないわけです。それをデパルマはあくまでも乾いた笑いを基調にテンポよく見せていく。なんという匠の技。 ここに出てくる暗黒社会の男たちは皆可愛くてアホに撮られている。特にカリート、なんて可愛くてアホな中年男性なんでしょう。 構成も絶妙といえます。「俺はしぶといから死なない。」のプロローグから、「OKボーイズ、もう助からない」のラストまで。「あっこいつは死ぬわけね。」と最初から分かっていたのに、カリートの人生を垣間見た後では、ウルウルしないではいられないラスト。まさにマジック。(同じ場面でありながら、最初と最後で見る者の気持ちが完全に変化していること、これを味わわせるためだったと思う。) スコセッシ、コッポラの両巨匠の撮ったヤクザものよりこちらのほうがはるかに洗練されていて完成度が高い。カリートが「勘」を頼りに生き抜いてきたというのがリアリティを感じさせる。デパルマはすごい(のも撮る)。 ペネロープ・アン・ミラーはニコール・キッドマンに似ていますね。ドアチェーンごしのラブシーン、明らかに「シャイニング」のパロディーと見た。こんなとこでまで遊んでいるデパルマ、イケている。 パチーノがプエルトリコ系移民というのはどうみても無理があるけどそれも「洒落」なんでしょう。このとき何歳だか知らないけど後半パチーノを無茶苦茶走らせるのもデパルマ流の「洒落」ですね。 つきぬけた名作。大拍手。 [DVD(字幕)] 10点(2006-08-09 12:54:36)(良:3票) |
4. 彼と彼女の第2章
《ネタバレ》 貴重なデブラのラブコメ。なかなか楽しめる。ビリークリスタルを見るといつも「?」と思ってしまうのは私だけ?「かっこいいのか?」背は低いし、頭は薄いし、とくに美男でもセクシーでもなく。ティムロビンスと同じように「主役?」と思いつづけて見ているのは多少の「痛」感あり。主役の俳優さんに多くを求めてはいけないの?主役には「見ているだけで喜」を求めてしまうんですが。 [ビデオ(字幕)] 7点(2005-12-14 21:16:44) |
5. 完全犯罪クラブ
《ネタバレ》 DV夫から逃げて警官になるって、ありかなあ。 [DVD(字幕)] 7点(2005-11-23 20:22:27) |
6. ガンシャイ
《ネタバレ》 「浣腸の女王」としていきなり登場するところがよい。 [ビデオ(字幕)] 7点(2005-11-23 20:18:16) |
7. ガタカ
《ネタバレ》 活動しまくるイーサンより、こもっているジュードロウに存在感あり。 立ち姿がないところも、「どうなってんの」と期待をもたせてよし。この作品てヒトラーに対するアンチの意味もあるのか?ヨーロッパ人でないのでわからないが。 [ビデオ(字幕)] 7点(2005-11-23 13:29:32) |
8. カジュアリティーズ
《ネタバレ》 ベトナム戦争映画を見る時は、監督による味付けの差を観察しましょう。 これはまた、リドリーとは違った後味の悪さである。女の人を「物」扱いしてるシーンは、映画においてはもうやめてもいいんじゃないか。見て何が楽しい。「そういうことがあったみたい」と分からせるだけでよいではありませんか。女性の皆さん、もっとそういうこと言ってみませんか。 [DVD(字幕)] 4点(2005-11-15 20:54:10) |
9. カジノ
《ネタバレ》 長くて大作のために散漫な印象はありながら、シャロンストーンのためにコメントの価値あり。なぜか酷評されやすいシャロンではありますが、私生活や裸のことなんかどうでもいいじゃありませんか。アクターズスタジオのインタビューで一番胸に残ったのが彼女でした。私は「カジノ」のシャロンは買います。なぜなら、この長い作品で記憶に残ったのが、毛皮姿ではいつくばって、「どうやってあんたのことなんか愛せるのさ、犬みたいに扱われてるっていうのに」と叫ぶシャロンのみだったからです。あそこのセリフまわしがすごい。鬼気迫るとはこのことか。あれだけでもう、シャロンがダメな女優なんてとても思えない。私は「トータルリコール」でも、脇役だけどとてもよいと思いましたよ。大変知的な女性だそうです。 [DVD(字幕)] 7点(2005-11-06 22:59:18)(良:1票) |
10. 彼女の恋からわかること
《ネタバレ》 点数関係ないような気がする作品ですが。なんともいえない後味でした。 印象に残ったのは、「アーティチョークファイト」の話。あんまり見かけない女優さんだけど、すごくセクシー。「ものすごく暑い家に住んでて、外に居たほうが涼しかった」とか、前夫の悪口とか、自分も見てしまったかのように心に残る。さすが女優さんはひとり語りもすばらしい。と感心ひとしおの一作。 [DVD(字幕)] 8点(2005-11-02 23:43:01) |
11. 彼女を見ればわかること
《ネタバレ》 大好き。そのうち買います。一番気に入っているのが、小人症の人の出る話。あんな短い話なのに、強烈。おばさんと小人症の人の、ちょっとすれちがってるコミュニケーションがものすごくいい。庭から忍び込んだら、扇風機まわして昼寝しているところがいい。なぜだか天国のように美しい。生意気な息子とのやりとりもいい。小人症の人の人柄のよさに、目まわりはウルウル、じーんとして、生きる希望がわいてくるから不思議な作品です。こんな男の人なら、小人症でも結婚したい。視聴後感ものすごくよし。(この話だけなら) [DVD(字幕)] 9点(2005-11-02 21:44:07)(良:1票) |
12. カレンダー・ガールズ
《ネタバレ》 かわいくて、ちょっとせつなくて、美しい風景。イングランドの田舎は「この世の天国か」と思ってしまいます。いろんなセリフがよく考えられていて美しい。死んだジョンのメッセージとか。誰も考えつかないことを、なんとしてでもやってしまう人間の姿を見るのは心地よいです。こういうのを「インテリジェンス」と呼びたい。ヌード撮影シーンなんて、すっごく愉快で何度も見てしまった。酒場でたむろってる旦那衆ってのも笑える。超日常の中に突然に非日常。こんな賢くて愉快な金集め、思いついたおばさんはさすが。実話もの好物です。後半ダレましたが、集会の合唱曲の耳に残ること残ること。イギリスのおばさんははんぱじゃない。 [DVD(吹替)] 9点(2005-10-31 23:40:00)(良:1票) |