1. コロラド
《ネタバレ》 面白いですね。感情vsシステムという構図は大好物。ただ本作の場合それはあくまで表面で、問題の真の原因は人間の中身そのもの。「戦争によって性格が変えられた」よりもむしろ「戦争はその人の本質を剥き出しにする」の方がしっくりきます。戦争によって皆が皆デヴァローのような殺人に快感を覚えるような人間なるわけはないですからね。むしろデヴァローの場合戦争を言い訳にしてる感さえある。デヴァローとデルは友人であり、戦友であり、恋のライバルでもある・・・その辺の描きと鉱山の所有権を巡る強権力と法vs民衆と感情の構図の絡め方が見事。最後のまとめは結局主要人物が死んで大団円かよってつっこみを入れたいのは山々ですが、なんかもうその辺はパターンですね。過程良ければ全て良し? あと見終わってから気づきましたが、アクションがほとんどなかった。それほど中身にのめり込めたということだし、人間ドラマで魅せるこういう作品こそ西部劇!ということで、全く問題なしですね。 [DVD(字幕)] 8点(2014-07-09 07:26:02) |
2. 荒野のガンマン
《ネタバレ》 真夜中に観たのがいけなかったか、退屈な感が否めず。言葉少なめな渋い男と拒絶しまくる女・・・こうなるのもむしろ必然?それにしても息子を殺したあんたが言うな!って箇所がチラホラ(笑)てっきり影から見守ってピンチに颯爽と現れ女の気持ちが180度変わって最終的にくっつく、という展開かと思ったらああもゴリゴリいくとは・・・感覚の違いというか、なんか腑に落ちませんね。 [DVD(字幕)] 4点(2014-05-26 04:54:39) |
3. 腰抜け二挺拳銃の息子
《ネタバレ》 まず、ストレスが溜まっていない時に頭カラッポにして観ることをお勧めします。次に、冷静につっこんだら負けです。 続編ですがやってることは前作とほぼ同じ。主人公だけが天然ボケで周りは真面目。挿入歌が多く若干のミュージカル調。ストーリーはあって無いようなもんですが全体がポップなのでそこまで退屈はしない。 あとはコメディ要素が合うか合わないかですが、如何せん今見ると演出が古い!特製ドリンクを飲んでばたんきゅーやバナナの皮踏んで転倒など、日本でいうところの「昭和の香り」というやつでしょうか。ただあれだけボケが散りばめられているとどれかはヒットするもので、私的にはドアと一緒に吹っ飛ぶ主人公と帽子に矢がささりまくってんのに平然と運転を続ける主人公の画にやられました。ちなみに基本的に物理法則を無視しまくっているので大らかな心で見ることが必要です。 あと本作の名優は明らかにトリッガー(馬)でしょう!馬にあんな動きができるのかといった軽快なステップや主人公とのコンビ芸、ベッドに横たわり自らにシーツをかけるシュールさ、そしていざ荒野を駆ければ自動車と並走するかっこ良さ!トリッガー、あんたがナンバーワンです。 [DVD(字幕)] 6点(2014-04-05 15:23:54) |
4. 腰抜け二挺拳銃
《ネタバレ》 く、くだらん(笑)もちろん良い意味で。何も考えず頭カラッポにして見て良い系西部劇でしょう。最初の数分こそシリアスですが、ペインレスが登場してからはコメディ全開。というよりペインレス以外の皆さんは真面目でペインレスのみがふざけている。いや、本人としては真面目にやってるのか・・・w 笑ったのは指輪を神父にはめるとこと馬車を出発させようとして吹っ飛ぶところの2点。ただ吹っ飛ぶところは2回目以降は蛇足な気がしますね~。1回で良かった。それにしてもセルフ引きまわしになるあの画は面白すぎた。 全体的にテンポは良かったのですが、冒頭の歯医者のくだりと最後のインディアンのくだりが若干テンポ殺しだったような気がします。 [DVD(字幕)] 6点(2014-03-10 19:36:50) |
5. コマンチェロ
《ネタバレ》 面白かったです。観る前は「コマンチェロ」とは何ぞや?って感じでしたが、コマンチェロとはコマンチ族と仲良くする(武器を密売する)白人のことで、本作はこのコマンチェロを摘発しようとする警備隊のカッター大尉(ジョン・ウェイン)が主人公の娯楽作品となっています。以下、良かった点を3点。 ①ジョン・ウェインとスチュアート・ホイットマン・・・二人のコンビとキャラが良いですね。観てるうちにだんだん二人が好きになってきます。劇中のさりげないお互いの気遣いや不意打ちで椅子で殴ったにも関わらずケロッとしているゴードを見た時の一瞬のウェインの表情など、なんというか細かいやりとりや仕草が良いです。 ②恋愛描写・・・この作品もお馴染みの初っ端一目惚れパターンですが、その後の描写が通常より奥行きがある。一目惚れした瞬間からお互いの愛は変わらないが、ポールとピラーはどちらも頭が良く冷静であり、それが故自身の気持ちに反した今で言うところの「駆け引き」の態度をとってしまう、という描写。また、それが作品の前面に出すぎずストーリーに調和しているのも良かった。 ③細かい気の効き方・・・少数対大勢力という構図はありがちですが、それに至った理由が成り行きではなく潜入捜査のためという理屈付け、都会で育ったポールに対する「どういう教育を受けたんだ」という台詞、ポールに気を回してさりげなく「こんばんは」と言ってアメランの注意を自分に向けるウェイン等、細かいところが良かった。 [DVD(字幕)] 7点(2014-01-17 03:51:33) |
6. 荒野の決闘
《ネタバレ》 2周目鑑賞。やっぱ素晴らしいですね!邦題が「荒野の決闘」だけにガンマン要素がメインな気がしてしまいますが、実際は全く違う。原題「愛しのクレメンタイン」が示す通り、弟が殺される→証拠探し→決闘という流れの中で描かれる人間ドラマこそがこの作品の見どころなのです!特にアープ・ドク・チワワ・クレメンタインの関係とそれぞれの気持ちの表現が秀逸。「女のプライド」とやらに従ってあっさり引き下がろうとするクレメンタインと命を張ってでもドクへの愛を貫くチワワの対比、クレメンタインに惹かれてはいるが無理にドクから引き剥がそうとしないアープなど・・・ 個人的に一番好きなキャラはドク。ビクター・マチュアが良い味だしてるな~。重い病を患い、半ばヤケ気味に大量の酒を飲み、事あるごとに銃を抜こうとし、死にたいとさえ思うが死ねない。その理由こそドクが助け舟で詠んだ詩の通り、「死後の不安ゆえ」なんでしょうね。ドクも臆病だったと。そしてチワワの死により死後の不安はなくなった(チワワがいるから)と。アープがドクの私事に干渉したようにドクもアープの私事に干渉し、OK牧場の決闘のシーンにつながると。う~ん見事。 [DVD(字幕)] 8点(2013-12-14 23:32:32) |