1. 聖者の眠る街
《ネタバレ》 とても悲しい、しかし全てを超えた友情の物語。 大都会マンハッタンの片隅、ホームレスの視点を見事に描き、 彼等の置かれている状況をリアルに伝える。 世の中から取り残され、それでも仕事を見つけ、 誇りと希望を抱き生きた人物のドラマ。 様々な悪、腐敗もよく伝わります。 映画に出て来る警察なんてほぼ糞です。 そのどうにも上手くいかない感じが、、、まったく間逆に働きます。 上手くいっていない要領の悪さと、回転の鈍さとか、 アホなのに権力だけかぶった様とか、 規則に縛られた盲目的なまでに動きの悪さ、、、 そういった腐敗もいいところのダメ体制、、、 あ、映画の話です。 でも都会に生まれた聖者の物語は そのダメ体制の犠牲になった。 そして友情は、その体制のあり方で 引き離された のだと思います。 しかし本当の友情は永遠である、と。 肉体の死はそれを隔てない。 心は死なない。 物語はこの先も続く、いかなる悪も状況でしかない。 絆は絶対にどんな力をもってしても踏みにじられない。 それを胸に抱いて生きて行くって事は! 一人の「物語」は誰によってもかき消すことは出来ない。 ジェリーは「“物語”は“生きる”ってことだ」といった。 (後日、読み返したら上の文章はクサ過ぎと判明しましたがそのまま掲載) [DVD(字幕)] 9点(2012-02-21 01:53:08) |
2. ゼロ・グラビティ
《ネタバレ》 ゼログラは未体験の無重力体験を味わえる映画でした。 無重力の法則をここまで見事に再現した映画を自分は見たことがなかったです。 スローなのにハラハラするアクションはちょっと新しいと思います。 主観でとらえた場面からは臨場感が伝わります。 広大な宇宙に取り残された絶望感を自分は初見ではあまり感じ取ることができませんでしたが、 無重力で起こる様々なことが怖いと感じました。 (映画作りをしたことがない素人の意見ですが、 もっと人間が宇宙にとって小さなものであり、宇宙空間が無であることを伝える描写がさらにあればなお良かったです。 私の理解力の問題かもしれませんが、あるいは視点が主観に近いからなのかもしれませんが、これはごく個人的な感想です。) 宇宙のシーンは美しく神秘的で、音楽もそれを助長させていました。 ラストは重力の偉大さと壮大さを感じさせました。 「宇宙船とヒロイン」が「胎内と胎児」を思わせるシーンがありました。 [DVD(字幕)] 8点(2016-06-09 23:27:48) |
3. 赤死病の仮面(1964)
《ネタバレ》 全体に漂う悪魔的な雰囲気が好き。 こういう時代背景は惹かれる(ベルセルクみたい)。 曇り空で真っ暗だったり病気が蔓延したりとても重い感じがします。 人々の不安が色濃く表れているようでとても好きだ。 お城の中はまるで快楽の沙汰でした。 小道具などもこだわっていて、とても怪しげな雰囲気が出ていた。 ヒロインが美しいのもこの作品の雰囲気を高めていた。 ビンセントプライスがカッコいいなぁ。 お城の中に、一色に統一された小部屋があって(たとえば真っ黄色の小部屋とか)、それがなんか気違いじみたものを感じた。 奇妙な形の窓から真っ赤な灯りが差し込むのがとても印象的で、この作品は「真っ赤」が印象に残ります。 最後の死の舞踏の毒々しさも良かった、気に入っちゃった。 赤いローブの男の異様さ、低い声で淡々と話す感じがとても素晴らしいと思う。 終わり方も退廃的な感じで良かった。崇高な余韻を残します。 ポオの原作が読んでみたい! 最後のタロットカードの場面は迫力があって凄かった。 DVDジャケットも凄いし、これはジャケ買いですよ! (「シアターオブトラジェディ」というバンドが好きな方はこの映画は必見ですよ! あるアルバムを聴いた人は、この作品を観て頂ければハッとするでしょう) コーマン映画、初めてにして気に入ってしまいましたよ! カルトということで高得点です。 [DVD(字幕)] 8点(2008-07-18 01:26:02) |
4. セブン
《ネタバレ》 映像がかっこいい作品。 雨が降っている場面の「色」がとても奇麗だった。 クラシックが流れる優雅な図書館の雰囲気も居心地が良かった。 図書館って「知識の宝庫」で、いろいろな知識や歴史が眠っているっていうのがどこか神秘的でロマンチックだと思う。 都会の「陰」の部分が見事に描かれている。 デブが顔をスパゲティーに突っ込んでいるところなんて、TVゲームの「サイレントヒル」のような雰囲気がとてもよかったと思う。 犯人のライフワークが凄まじい!膨大な日記みたいなものを書いてるんだけど、僕も真似してみたら3日も続かなかった。 犯人が人間離れに頭が良いというのがカッコイイ! 最後のは衝撃的だ。結末を知ってからみると、面白みが半減かも。 しかし人物描写が巧みで、人々の「関わり」がちゃんと描かれているので、何度観ても楽しめるであろう作品だ。 最後の、あの葛藤している様が見事に描かれていたと思う。苦しみが伝わってきた。 あの場面を、「もし自分の親しい人だったら、、、」と置き換えると怖い。そのショックはとても大きかったんだろう。。。 [DVD(字幕)] 8点(2007-09-15 03:41:15) |
5. 戦火の馬
《ネタバレ》 馬を通して神話的に詩情豊かに描かれるのは 戦争の悲惨さや無意味さ、 またそこに監督が抱いてるであろう騎士道であったり憧憬的なものであったりだと思います。 戦争に憧憬やロマンを抱いても、結局は人からすべてを奪う状況でしかないのだと思う。 そういった状況に放り出された若者たちの悲惨さだとか戦争の怖さや残酷さが伝わってくる場面があった。 リアルな戦場の場面があってその状況をちゃんと伝えてたと思う。 スケールの大きな話なのに状況が分かり易かったり、 馬の表情がよく撮れていたりと、 やっぱスピルバーグはプロだなぁと思った。 大作主義の中に親しみやすさとエンターテイメント性も含まれていたと思う。 [DVD(吹替)] 7点(2014-02-13 21:51:02) |
6. セントアンナの奇跡
《ネタバレ》 親が借りてきたものを拝借。 途中で長く感じたが、感動的なお話であった。 男の子が可愛い。映像もなかなか。 [DVD(吹替)] 7点(2011-03-18 03:44:28) |
7. 世界中がアイ・ラヴ・ユー
《ネタバレ》 ミュージカル映画は苦手ジャンルのひとつ。 だけど“クリスマスもの”ってことで見る機会に恵まれました。なんだか登場人物が沢山でてきて、、、なんだか軽くて普通だなぁ、って思ってみていたけれど、観終わった後に素でこんなのいいなと思えた。 心が温まったような感じがした。ほんとにミュージカルってのは「人生の今を楽しめ」ってことなんだと思った。喜びを全身で表現しているところが。まるで世界中を愛してしまいたくなるような感じ?愛の電池が回復しますよ。またいつかみたい。 これ見て思ったけど、人生って素晴らしいなって気づかせてくれる映画ってやっぱいいですね。 こりゃ秋、冬にみるのにいいや。適度にファンタジックで。浮いてる!浮いてる! あ、そうそう、ちょっとだけ幸せな気持ちになれるところがいいですね。 [DVD(吹替)] 7点(2010-12-28 03:14:23)(良:1票) |
8. 世界の終り
《ネタバレ》 呪いのビデオを探し求めるうちに、だんだんと非現実的な世界に迷い込んでしまう。 そのビデオが危険なものとして扱われているのが良い。 そのビデオの存在が独特の雰囲気を放っている。 それだけ影響力があって危険な映画が本当にないものだろうか。 この監督の「映像」に対する考え方が現れている作品なのかもしれません。 ジョージカーペンターは一見地味だが、後々印象に残る場面が多い。 何度も繰り返し見ると、意識の深いところに残ってそれが離れない。 それは観れば観るほど凄くなっていく。 表面的なものでなく、奥のほうで渦巻いているのである。 淡々としていて退屈だがリアルというか。 個人的だが、その点ではトビーフーパーと共通しているように思う。(ちがうかな?) [DVD(吹替)] 7点(2007-12-31 01:10:55) |
9. センター・オブ・ジ・アース2 神秘の島
《ネタバレ》 あまりにもオーソドックスな展開をたどるファンタジーアドベンチャー映画でした。 このオーソドックスさと都合の良さがアメリカのお茶の間では魅力的なのかもしれません。 ドウェイン・ジョンソンって人が演じるフルスキンヘッドの男が無駄にいいガタイしてます。 島や遺跡などの描写は美しいんですが、綺麗すぎて何も印象に残らないと思います。 蜂で飛んでいましたがどうやって操縦するのか分からないです。 アトラクション映画以外の何ものでもないところが魅力でもあり、 つまらなさでもあります。 いや、お決まりの展開をたどることを抜きにすれば笑えて面白かったと思います。 鳥どうしがぶつかったシーンは4KテレビのCMとかに使うといいと思います。 CG映像は実写とはかけ離れすぎて、まるでアニメやゲームのようでした。 島に行くまではちょっとだけラピュタでした。 褐色嬢ちゃんの汗がしたたる胸元とか、いろいろ見て損はありませんでした。 [地上波(吹替)] 6点(2015-02-07 00:04:14)(良:1票) |