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FSSさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 854
性別 男性
自己紹介 <レビュアー引退について>

他の方にとってはどうでもいい事ですが(笑)、
こちらでのレビュアーを引退させて頂きます。
理由はあまり映画自体を見なくなった事と、
結局、映画以外にもレビューを書けるAmazonが
レビュー投稿の中心になってしまった事ですね。

長い間、お世話になりました。 2021/11/27
   
<ジャンルの好みについて>

・好きなジャンルは「ホラー」「サスペンス」「ミステリー」。
・嫌いなジャンルは「ミュージカル」「恋愛」「韓国映画」「感動押し付け系」。
・どちらでもないのは「アクション」「SF」「コメディ」「時代劇」。

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281.  トレマーズ 《ネタバレ》 
低予算B級映画ながら、モンスターパニック映画としては良く出来ている。あまり金やCGを使わない事による丁寧な手作り感覚が好印象。  多少、都合の良すぎる部分もあるけど(岩場の近くに手ごろな長さと丈夫さの棒が三本落ちていたり、ラストの崖の近くで怪物が左右に逃げる二人を追わず、動いていない(音を立てていない)主人公の方に真っ直ぐ来る、とか)、そういう突っ込み所にさえ目を瞑れば、「与えられた条件下で何とか工夫して危機を脱する」という展開が良く出来ていて、そこそこ楽しめる。  各登場人物も個性的な割に嫌味が無く、良いキャラが揃ってる。特にあのアーミー夫婦がカッコイイ。今回の一番の功労者。逃げずにとことん銃乱射で怪物をしとめるシーンはちょっと鳥肌が立った(笑)。  ただ、怪物の知性と強さ(耐久力)が場当たり的な感じで、少し一貫性がなかったのが難点。
[ビデオ(字幕)] 7点(2004-07-16 21:30:51)
282.  イヤー・オブ・ザ・ドラゴン 《ネタバレ》 
個人的にこの手のジャンルがあまり好きではない理由は、マフィア同士の縄張り争いや、国家権力との軋轢、身内の裏切りによる内部分裂、と言ったようなお決まりの展開にしかならない事と、その戦いも結局はヤクザ者としての非合法な行為の結果でしかない訳で、その生き方や死に様をあまり美化したくないという気持ちが少なからず働いてしまうから(もちろん、その過程における人間ドラマにも、なかなか胸を打つものはあるけど)。  今作も上記のパターンを踏襲したオーソドックスな作品で、まさに「マフィアもの」としての見本のような作り。  ただ、抗争に関わってくるミッキー・ローク演じる刑事の人間像や背景描写が中途半端なため、「何故あそこまで徹底してマフィアを潰そうとするのか」という部分に説得力がなく、ひたすら無謀な人間としか思えなかった。その場で殺されてもおかしくないほど挑発的な行為を繰り返しているのに、身内に対する気配りがまるっきり無いし、普段の行動も一人で街を平気で出歩いたりと、あまりにも考えが無さ過ぎ。その結果、妻を殺されたり、女性記者が乱暴されてしまうが、あんな無茶な事をやってたら当たり前。  刑事の精神的葛藤を描きたかったと思うけど、彼自身の過去を含む人間描写がほとんど無いため、彼の行動原理がさっぱり分からず、結果、その自暴自棄としか思えない無謀さだけが目についてしまい、共感は出来なかった。  
[ビデオ(字幕)] 4点(2004-07-16 21:01:04)(良:1票)
283.  エルム街の悪夢/ザ・リアルナイトメア
作品が現実化してしまうという自己パロディの形式で撮っている割には、結局、展開がいつものパターンと一緒で、わざわざ番外編(?)として作っている意味が無い。見ている観客からすれば、作品内現実も結局は「虚構」でしかなく、作中人物がどんなに「これは現実なんだ」と強調したところで、夢の世界からフレディが現われてしまう地点で、他のシリーズと何も変わらなくなってしまう訳で。  やはり「作品内現実」という設定を活かすには、あくまでフレディは「現実の存在」という前提で作る必要があったはずだ。つまり、誰か現実の人間(スタッフ関係者やファン)が、何かの思惑のために、「フレディを演じて」殺人を犯している、というミステリー的設定にした方が面白くなったはずだし、他のシリーズとの差別化もはかれたはずである。  で、ラストだけ、「実は…」みたいに、夢と現実を曖昧にするという終わり方でよかったのではないだろうか。  
4点(2004-07-14 23:23:34)
284.  アンタッチャブル
映画的誇張もあるだろうが、これが実話に基づいているというのが凄い。「私よりも公」、「利より理」という高潔な精神性は「武士道」にも通ずる部分が多い。義に生きた彼らの行いは、ただ生きていることよりも、もっと価値のあるものがあるということを教えてくれる。
8点(2004-07-12 21:17:07)
285.  ラスト サムライ 《ネタバレ》 
まあ時代考証の不備等、色々と言われていますが、外人がここまできちんと、「日本人の精神性」というものに注目し、かなり真摯な態度で作品を作り上げたことは高く評価するべきでしょう。他の方も言っていますが、日本人の監督ですら、「武士道」というものを正確に理解、描写した上で、エンターティメント性をも備えた作品として、「日本人の精神性」をテーマに据えた映画を作り上げた事が無いわけですから(私の知る限りですけど)。ただでさえアメリカを始めとする海外では、近代社会を盲目的に肯定し、「武士道」と言う価値観や精神性を育て得た日本独自の封建制に対する理解も無く、ただ「前時代的」、「搾取の根源」と否定する価値観しか持たない人間が多いのに、他ならぬアメリカ人が始めて「武士道」にまともに着目した、この作品を日本人が認めてあげないというのは、あまりにも酷だと思いますよ。時代考証の不備や人物設定の矛盾等を差し引いても、「利よりも理を取る」とか「義に生きる」という「武士道」の基本精神はよく描けていたと思います。
8点(2004-07-10 22:23:51)(良:1票)
286.  未来世紀ブラジル 《ネタバレ》 
評価が難しい。「管理社会」を極端化したような近未来的な世界観自体はよくあるもので、特に目新しくはないし、このB級テイスト満点の映像感覚と独特なノリには好き嫌いがはっきり分かれそう。  当時の感覚から、来るべき情報管理社会に対する危機意識があったのか、それとも社会主義という既存の管理社会に対する批判なのか、どちらにしても根底に監督なりの痛烈な社会批判があることは間違いない。  ただ、その真面目さの裏返しなのか、もともとの監督の個性なのかは知りませんが、内容はブラックユーモアや不条理な風刺に満ち溢た悪夢的な世界で、まともな法則や道理が存在しない世界に描かれている。街やビル内の描写は近未来的でありながら、人間的な居住性に欠け、機械類も機能性に欠け、故障が多い。情報を搾取、管理されている人間達はまともな判断能力や常識を失っているようにも見え、滑稽ですらある。この世界観はやはりどう見ても、社会(共産)主義に対するドラスティックなパロディと捉えるしかないだろう。  しかしそうした社会批判モノとして見ると、メッセージ性もストレート過ぎて、ちょっと単純に思えてしまう。どうせなら、この個性とセンスを活かしてサスペンスやホラーを撮って欲しいところ。PS.ところで、なんで「ブラジル」なの?
5点(2004-07-10 22:08:42)
287.  フォーン・ブース 《ネタバレ》 
このシチュエーションを見て、スーパーエキセントリックシアターの「印鑑を鼻につめて「村祭り」を歌え」を思い出したのは私だけですか?  このコントさえ思い出さなければ、全体的にテンポも良く、サスペンスとしては上質な部類。ただ、最近のミステリーやサスペンスの自家中毒的な傾向として、無理にでも「どんでん返し」を持ってくるパターンが多過ぎ。  もちろんそれで結果的に面白くなれば良いけど、あまり必然性も無く「オチのためのオチ」のような真犯人が出てくるなら、やらない方が良い場合もあるので、そこら辺が難しいところ。  そういう点で見ると、残念ながらこの作品はどちらかと言えば後者。  主人公の他人を見下したような態度に対して、世の「傲慢の代表」に対して制裁を加えるというなら、むしろ犯人はピザ屋の方が説得力があった。  あの真犯人では作中において主人公との接点が無いので(無論、見ている観客にとっても)、ラストで出てこられても「あんた誰?」の世界だし、動機面もただの「世直し気分で自己満足☆」といった愉快犯程度の感覚では感情移入もしにくい。  細かい所にも突っ込みたくなる部分があるし、もう少しだけ脚本を練り込んでくれれば傑作になった可能性があっただけに惜しい。  
[ビデオ(字幕)] 7点(2004-07-07 12:19:50)(良:1票)
288.  未知との遭遇
いまいち何が言いたいのか分からん作品。文字通り「未知なるもの」を映像化するスピルバーグのセンスは確かに素晴らしいが、相変わらず、この頃から見られる、「万人受けを狙った無難なヒューマニズム」でまとめようとする感覚はどうしても受け付けない。  音楽や手話であっさり宇宙人とコミュニケーションが取れたり、素直に誘拐した人間を帰したり、研究のための人間にやたら協力的だったりと、まるで「愛さえあれば世界はハッピー、ラブ&ピース」と言わんばかりの能天気な内容。  まあ宇宙人に限らず、人間でも見知らぬ者同士の意思疎通では、相手を敵と見なして警戒するも信用するも、色々な偏見を含めた第一印象の良し悪しに左右される点では同じだけど、そんなことは分かりきってるワケで、やはり基本的に作品としての問題提起が弱いと言わざるを得ない。  そうかと言って、エンターティメント性が高い訳でもなく、全体的にダラダラしている割に、登場人物にこれといった活躍も無いし、ラストの終わり方もえらく唐突であっけない。途中に出てきた牛や羊の死体がキャトってあったら笑えたんだけど。どうもこの作品も自分の感覚からすると、少し神格化され過ぎているように思えてなりません。  PS.関係ありませんが、個人的には「宇宙人はいても宇宙船を建造して地球にまでやって来ることはないだろう」派です。
4点(2004-06-28 11:31:44)(良:1票)
289.  4thフロアー 《ネタバレ》 
サスペンスとしては設定もストーリー展開も、そしてバレバレのオチも含めて、よくあるパターンではあるものの、全体的にはきちっとまとまっていて、テンポも良い作品。  実際、隣近所の騒音問題などは、誰の身にも起こり得る現実的な問題なだけに、感情移入もしやすいし、恐怖感も伝わりやすい。  ただ逆に言えば、この手の設定(新生活、怪しげな隣人、無理解な周囲の人間、崩れていく平穏な日常、誰も自分の言う事を聞いてくれない等)が既にあまりにもありがちで新鮮味が無いのは確か。一番親切で身近な人間が犯人とするオチも黄金パターン(と言うか、無関係な人間が犯人では作品としてつまらない以上、そういうパターンにならざるを得ないけど)。出来れば何かひとつでも目新しい設定があればサスペンスとしては傑作になった可能性があるだけに残念。3点以下を付けるほどの駄作ではないが、8点以上の傑作でもない。まさにここの平均点が妥当。  サスペンスやミステリー慣れしている人には物足りないけど、普段あまりこの手のジャンルを見ない人にならお奨め出来る。
[ビデオ(字幕)] 6点(2004-06-27 07:35:10)
290.  ボウリング・フォー・コロンバイン 《ネタバレ》 
「銃社会に対する警鐘を促すドキュメンタリー」と言えば聞こえは良いが、実際は目新しい視点も具体的な対策も提示されることなく、監督の市民運動的自己満足を見せつけられたような内容の薄さにガッカリ。  特に気に入らないのは、カナダとアメリカの銃犯罪の発生率の比較から、一端は「問題は銃ではない」とする冷静な結論を示しておきながら、Kマートに被害者を同席させ、弱者と言う立場を利用して反論を押さえ込み、店頭から弾丸を撤去させるという、問題の本質を「道具」にすり替えるような本末転倒な行動を取っていることだ。  監督としても、銃社会に対するアンチテーゼとして、あえて一方的な視点から撮っている可能性もあるが、分かりきっている問題を再提起しているだけで、「何故、アメリカとカナダは違うのか」と言う点にも独自の解釈が無く、作品を通しての具体的代案にも乏しい。  実際、扱う問題が大きく、犯罪と一口に言っても、あらゆる社会問題と有機的に結びついているだけに、ここですべてを語り尽くすことは出来ないが、「銃犯罪」に関して言えることは、結局、「道具は扱う人間の問題である」ということだろう。今さら言うまでも無いが、「銃を所持すること」と「人を銃殺すること」には天と地ほどの開きがある。鉛筆で人を刺し殺す事件があっても、鉛筆の販売を規制すれば問題が解決する訳ではないのと同じこと。そしてその「人間」が社会を構成している以上、社会問題はそこに住まう「人間の本質」を反映していることは間違いあるまい。アメリカ成立の歴史や現在の迷走ぶり、人種問題等を考えるきっかけとするには調度良い作品ではある。
4点(2004-06-27 01:35:37)(良:4票)
291.  “アイデンティティー” 《ネタバレ》 
惜しいな~。全体的に退屈させないテンポの良さや、陰鬱な雨の中で繰り返される動機不明の殺人等、先が読めないサスペンスフルな展開は最高。ただ、それも途中まで。オチがよくある多重人格モノのワンオブゼムで、脳内妄想と知ってからは真面目に見る気が失せてしまった。「嵐の山荘」系ミステリーの大好きな自分としては、本格系を期待していただけに、論理的解決を必要としない、ああいうオチには正直ガッカリ。また、他の方も言ってますが、他人の人格の中で行われていることなのに、残った人格が殺人者でないという、心理学者の判断が曖昧でいい加減。肝になる部分だけに、ここら辺の検証はしっかりとして欲しかった。結局、ラストもこれまたよくあるアンハッピーエンドのパターンで、「あ、やっぱりね」って感じ。もうひと捻り何かが欲しいところ。ネタバラシまでは8点、その後は4点で、平均して6点献上。
6点(2004-06-25 01:53:32)(良:1票)
292.  ジェイコブス・ラダー(1990) 《ネタバレ》 
死に際し自己との対話を果たす。この作品は単なる「夢オチ」映画ではなく、作中でも示唆されていたように、「死に逝く者の葛藤と最期の選択」を描いたものであり、ジェイコブの見た「狭間の世界」こそ、その人間の精神的本質が具現化された世界なのだろう。  あの世界における天使と悪魔の概念は、ジェイコブの人生の中で培われた「対外的な善悪の対立構造」と、「内在的な自身のニ面性」を象徴している。自分の中にある他者に対する怨みや憎しみといった負の感情は、自身の魂をも腐らせてしまう。それこそが悪魔の本質であり、それは決して「他者的存在」ではない。しかし思いやりや慈しみという感情をもって他者を「許す」ことは、いずれ自身の魂をも救うことになるかも知れない。そしてジェイコブは自分を縛る現世にあった善悪を含む事象のすべて受け入れることで、現世の因果から解放され、救われた気持ちで死ぬことが出来たのではないか。  ラストの彼の選択を「許し」と取るか、「諦め」と取るかは、その人個人の宗教観や価値観に左右されると思うが、死を見つめることが生の意味を問い直すことでもあるのは、誰にとっても共通のはず。生と死は表裏一体の関係。「生」を考えることは「死」を考えることであり、その逆もまた然り。戦争を含む、国家規模の犯罪に対する警鐘という意味合いもあると思われるが、私はこの作品からはもっとシンプルなテーマとしての「死生観」を受け取った。
[ビデオ(字幕)] 9点(2004-06-20 14:03:00)(良:1票)
293.  ジェニファー8(エイト) 《ネタバレ》 
これまた中途半端。サスペンスとしては極めて王道的な作りで、それなりに過不足無く出来ているが、その分新鮮味は皆無。個人的にはこういう「連続殺人鬼を追う刑事」とか、「その過程で守るべき女性と恋愛に落ちる」という設定にはもう飽き飽き。「離婚経験のあるちょっとアウトローな刑事」という人物設定もワンパターン。  たいした展開がある訳でもなく、全体的にダラダラとしているのもマイナス。犯人の意外性、動機、謎解き、犯行の手口等、どれを取っても見るべき目新しいものが無く凡庸。もっと独自のアイデアをひとつでも取り入れるチャレンジ精神が欲しいところ。  逆光で誰だかはっきり見えないのに主人公の名前を叫んで撃たれる、ハタ迷惑なバカ刑事とか(だいたいビルには犯人が潜んでいるんだから、様子のおかしいヤツが出てきたら、まず犯人だという前提で対処しろよ!)、署長を始め、他の刑事があそこまで無能で非協力的とか、とにかく単に「主人公の行動を邪魔して苦労させる」というトラブルのためのトラブルが多過ぎる。  ラストも本人が解決せず、そのままご都合主義的に唐突に終了。切り方が早すぎて、余韻を味わうどころの話じゃない。ジャッキー・チェンの映画並(笑)。あれだけ疑われていたのに、目撃者もいない状況からふたり揃って無罪放免というのも無理がある。序盤の丁寧な作りが最後まで持たなかったような作品。
3点(2004-06-19 17:44:40)(笑:1票) (良:1票)
294.  コマンドー
筋肉に始まり、筋肉に終わる。彼は脳まで筋肉で出来ているというテーマの映画。「どうして弾が当たらないのか」という疑問がありますが、実はあれは何発も当たっているのです。でも筋肉で遮断されているのです。つまり人間防弾チョッキなのです。彼にとっては「服を脱ぐ」=「防弾チョッキを着る」ということなのです。
5点(2004-06-19 17:35:22)(笑:4票)
295.  ダークシティ 《ネタバレ》 
SF+サスペンス+アクション=中途半端、の典型的な作品。「自分達の信じていた世界が作り物かも知れない」という、ありがちな世界観に加え、なんと導入で「異星人が人間の記憶やら何やらを改変している」というオチをバラしてしまうという太っ腹(笑)。そのため「記憶喪失」とか「死体」という、せっかくのミステリアスな伏線が無意味になっている。  そもそもこの異星人は何がやりたいのか分からない。「人間にはそれぞれに魂があるが、我々はひとつの魂を共有している」という、無理やりな心身二元論が当然のように前提になっているのも疑問。  人間を理解するのにあんな大掛かりで手間隙のかかる作業をする必要があるのだろうか。仮に理解したとして、どうするつもりだったのか?ラストで主人公の魂とひとつになる、みたいな部分も、「記憶」と「魂」をごっちゃにしていて実にいい加減(第一、それまでは主人公を殺そうとしてたんじゃなかったっけ?)。  それに突っ込み所として、「記憶」を薬で他者に移植することは原理的に無理。ひとりひとり、脳の神経回路の構造が違うんだから、ある人の記憶を物理的に取り出せたとしても、移植先の人間がまったく同じ構成の脳内神経回路を持たない限り、その記憶はまったく意味を成さない。  超能力の設定も空を飛んだり人を眠らせたり、好きな所に「どこでもドア」を作れたりと、何でもありなので、逆につまらない。この手の設定は、ある程度制約があるからこそ、色々と工夫や駆け引きが生まれて面白くなるもの。何でも出来たら、それはご都合主義ってだけでしょ。  人間達の普段の生活サイクルや、記憶改竄の必然性、宇宙空間との仕切がただのコンクリートの壁一枚だけとか(主人公も飛んでった刑事を超能力で助けてやれよ!)、世界観の細部が練りこまれておらず、突っ込み出したらキリが無い。  ラストの超能力バトルもアクション演出にセンスが無い上に、今までの世界観にまるで合っていないし、この手のバトルは実写にすると途端に安っぽくなる。  全体の作り自体は丁寧で好感が持てるが、とにかく設定が悪い意味でB級で中途半端過ぎる。  
[ビデオ(字幕)] 3点(2004-06-19 16:54:40)(良:1票)
296.  ア・フュー・グッドメン
法廷ものとしては複雑過ぎず、簡単過ぎずでバランスが良く、安心して見ていられるが、その反面、各キャラを活かし切れていない中途半端さもある。特にデミムーア演じる少佐と、もう一人の男(笑)の存在理由が薄く、実質、これと言った活躍をしていない。自ら名乗り出ていながらさっさと自殺してしまう中佐のイベントも意味不明(自らの信念に反すると思うからこそ、証言台に立とうとしたんじゃないの?)。ただ、それぞれの登場人物が事件を通して、それぞれの立場に拠った信念とプライドをぶつけ合う姿には心打たれる。博打のようなディベートによって、大佐を追い込んでいく展開もドラマチック。特に、「上官の命令は絶対である」→「手を出すなと厳命した」→「ならば暴行が行われたはずがない」とする論理展開が秀逸。
7点(2004-06-14 17:14:22)
297.  閉ざされた森 《ネタバレ》 
基本構成は「羅生門」や「ユージュアルサスペクツ」を踏襲した作り。結局、軍内部での麻薬密売の黒幕を炙り出すための大芝居だったってコト?どうにも細部に矛盾があるような気がするなあ。私も人物名の把握が追いつかないまま見ていたので、はっきりと「どこが」とは言えないのが口惜しい。また見直す気にもなれないし…。やはり「始めにドンデン返しありき」で作られたような脚本には抵抗がある。事実ではない、ただの「ウソ」をいくらひっくり返しても、それは「ドンデン返し」とは言わないでしょう。
4点(2004-06-06 19:32:06)
298.  ハルク 《ネタバレ》 
予想通りの内容、展開ではあるが、潤沢な資金のもとに、優秀なスタッフが成し得た「仕事」という感じで、思っていたよりはまともな出来。今作のように、最新の技術で漫画や過去の作品のリメイクなどを積極的に実現して行こうとする姿勢は日本も見習うべき。  ただ、さすがに元々がアメコミだけあって、この暑苦しいキャラデザや脚本の稚拙さはいかんともし難い。CGハルクの動きも軽すぎて重量感が感じられず、せっかくのパワフルな描写が生きていない。とにかくピョンピョン飛び過ぎ。ノミじゃないんだから。また、戦車を素手で破壊するというのもちょっとやり過ぎ。ひっくり返したり、他の戦車にぶつけるくらいが、良い意味でのリアルな演出だと思う。軍の対応も相変わらず「軍事利用」の一点張りだし、やたら攻撃するだけの対策も頭悪い。怒りで強くなるって分かってんだろ!?  ハルクのオヤジも何がやりたいのかイマイチ分からない。そもそも遺伝子改良を施されただけで、ハルクはまだしも、オヤジが豹変し過ぎ。ラストに至っては完全に生物レベルから逸脱していて、見ていてシラける。あげくにエネルギーをよこせと言ったと思ったら、もらい過ぎて自滅してるし、もうアホか、バカかと。  ミサイル攻撃を受けようが、どんなに引っ張られようが絶対に伸びたり破れたりしないパンツのほうがはるかにスゴい。まさかパンツも特注?あと、最近の映画に共通しているが、大作感を出したいのか、時間が無駄に長すぎる。この作品も編集し直して、もう30分も縮めれば、もっとテンポの良いアクション映画として見れたのにと思う。
4点(2004-06-05 07:20:15)
299.  レイダース/失われたアーク《聖櫃》
リアルタイムでの評価ならもっと高得点だが、やはり時代の流れは感じざるを得ない。冒険活劇の基本要素を全て含んだテンポの良い作り方はさすがではあるが、今見るとセットもちゃちだし、どんなに絶望的な状況でもテキトーに何とかなってしまう「ご都合主義的展開」の連続は、まさにテーマパークのノリで、さすがに見ていて冷める。途中の冒険アクションを楽しもうにも、「挟まれるはずのない石の扉が下りて来たり」、「必ず脱出口が見つかる遺跡に閉じ込められたり」と、結果がどうなるか分かりきっている「危機」に対して、素直にハラハラ出来る年齢ではなくなってしまいました。まさに【ズパック】さんの言う通り、聖櫃の部屋から脱出すんのに、石一個どけるだけで外に出れんのかよ!でした(笑)。
4点(2004-06-04 19:52:27)(良:1票)
300.  愛と死の間で 《ネタバレ》 
ミステリーとしての脚本構成がヘタで、全体的に中途半端な印象。結局は「前世の因縁が現世にまで続いている」というだけのことで、その動機以外の部分で、「生まれ変わり」という設定を活かせていないのが最大の難点。せっかく面白くなりそうなのに、そこら辺の構成が大雑把なため、ミステリーともサスペンスともつかない中途半端な内容になっている。  真犯人の意外性もイマイチ。また、よく分からないのは、何故、犯人がわざわざ出向いてまで、過去を思い出させるようなマネをしたのかという点。そんなことをしなければ、例え本人の記憶が蘇っても、前世でのことを真面目に信じて、過去の事件を追求することもなかっただろう。  重大な伏線と思わせる序盤の新聞記者とのやり取りも、結局「何にも関係無し」ってのもあんまりでしょう。単にうまい伏線を思いつかなかったから、あとは見る人が適当に解釈してくれってだけのことでしょ?ミステリーの謎として処理する気が無いものを、さも重大な伏線であるかのように表現することは基本的にルール違反。  ラストの大仰な音楽と共に現在と過去をフラッシュバックのように挿入する妙にカッコつけた演出も、いかにも監督の「オレってセンスあるだろ~」と言わんばかりの自己満足を見せつけられている様で、見ているこっちはどんどん冷めた気分になる。登場人物の少なさの割に分かりにくい展開や中盤までのダラダラ感もマイナスイメージ。
[映画館(字幕)] 2点(2004-06-03 18:42:07)
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