481. スティーブン・キング/ドランのキャデラック
《ネタバレ》 クリスチャン・スレーターという人は悪役が似合いますね。ヒーロー役の作品も数多かれど、やっぱしこっちの方が似合うな。それも少々情けない役がいい。このドラン役は結構ハマってると思います。 痛快な復讐劇です。エリザベスの死は少々雑な展開とも思えますけれど、実際あのシチュエーションになってみれば仕方ない行動だったのかもしれません。いや、そもそもがあんな凶悪な現場を目立ちまくって目撃してしまったことが最悪の失策だったとも思えますけれど、それだけ彼女の正義感は強いのだと言われてしまえばそれまでかも。 そのあたり、現実であればかなり激しく後悔の念が残りまくりますが、そこはお話として割り切って、そこから後の復讐計画が良いです。あまりに短絡的、あまりにお粗末な計画。相手は極悪非道の犯罪者、対するこちらは善良極まりない教師。そんな計画で復讐出来るのですか、って感じ。で、案の定失敗する訳ですね。ところがそこで挫けなかったのが凄い。二の矢はとんでもない仕掛けとなって飛んでいくのです。 ドランを捕まえたあとのやり取りには凄まじいものがありますね。ともすればドランに感情移入して慈悲心が生まれてしまいそうになります。このあたりのクリスチャン・スレーターの狂気の演技が良いです。 原作は未読ですが、この感じだと結構忠実なのかな?満足の1本でした。 [DVD(字幕)] 8点(2011-01-01 03:16:14)(良:1票) |
482. ディフェンドー 闇の仕事人
《ネタバレ》 かなり微妙な仕上がりの作品ですね。コメディタッチのヒューマンドラマなんだと思うんですけれど、大笑いするほどでもない。てか笑う気分になれない。 実に悲しいストーリーなんですよ。悲し過ぎる。この主人公の痛々しいまでのおバカぶりが、彼の人生のどこから始まり、そしてどんなプロセスを経て現在に至り、そしてこの悲しい終焉に辿り付いたのか…。そこに思いを馳せると、とてもじゃないけど笑い話じゃないです。 なんだか中途半端な気分になってしまい、点数も付けづらく、とは言えコメディとしては面白くないとの理由で4点献上です。だからと言って駄作とは言わないです。ちょっと的を得てないということで。 [DVD(字幕)] 4点(2010-12-30 01:13:51) |
483. スモーキン・エース2(OV)
《ネタバレ》 前作同様繰り広げられる、イカれた暗殺者による派手なガンファイト。今回はオリジナルビデオ作品ながら、私は前作より好きです。こちらの方がイカレてる。真面目に考えたら、なんともお粗末なシェルター保護vs襲撃計画なんだけど、そのちょっぴり間抜けなテイストが楽しめます。ストーリー性も前作より上かな?読めないことはないのですが、ラストのどんでん返しも良いと思います。ま、良い子にお勧めは出来ませんが、何も考えずに楽しめる1本です。 [DVD(字幕)] 7点(2010-12-13 02:14:20) |
484. マッド・カンニバル
《ネタバレ》 微妙です。全体として悪くはないと思います。ただ、何にしても近年使い古されつつある設定。あと一歩、何かオリジナリティが欲しい。シュチュエーションが違うけれど、ほぼ似たような展開の作品を最近観たばかり。この作品ならではのビックリ箱が欲しかったな。 [DVD(字幕)] 5点(2010-12-06 02:57:40) |
485. 50回目のファースト・キス(2004)
《ネタバレ》 短期記憶障害という設定は他の作品にも見られるところですが、皆さん御指摘のとおり、普通は重くて苦しい設定になりますよね。特に邦画だと完璧にルーシーは悲劇のヒロイン。そして、ヘンリーは報われない愛に生きる純愛一途な青年。次から次へと涙のシーンの連続。てな感じになってしまいますが、アメリカ映画となると視点が違ってくる。しかも、アダムとドリューという役にハマりきった2人が盛り上げる。 細かいことを言えばキリのない作品。でも、日々繰り返される悲しい現実をこんな風に日々訪れる希望の連続へとシフトできる。映画ってのはいいもんだなぁ。 [DVD(字幕)] 8点(2010-12-06 02:38:16)(良:1票) |
486. 女処刑人
《ネタバレ》 まずはジャケットの酷さ。しかも、とんでもない邦題。演出も脚本も出演者もイマイチ。これはないと思いますよ。 ヒロインはちっとも処刑人じゃないし、たまたま憑依されてりゃそういうこともあるかもしれないけれど… と言う訳で、ギリギリ暇つぶしに眺めてるって程度ならいいかな? [DVD(字幕)] 3点(2010-12-01 02:30:34) |
487. 狼の死刑宣告
《ネタバレ》 予備知識なしに借りた作品ですけれど、思い掛けない見応えに満足でした。 確かに、愛息子の仇とばかりに復讐に走る男の姿には、必ずしも共感は抱けません。何故、早く家族に連絡しない?何故無防備なままに自宅に居る?何故瀕死の息子を置いたまま、決して戻ることのないであろう復讐への道をひた走る? でも、これが真実なんでしょうね。こんな目に遭えば、余程の人格者でもない限り平常心など保てない。柔軟な思考など出来ない。極めてリアルな表現で、主人公の心理が淡々と語られているのです。 この作品では、主人公に対して共感が持てなくていいのです。家族とは何か?憎しみとは何か?そして、本当の狼とは誰なのか? 邦題はなんとなく安っぽいのですが、やや意味深。いいかも。 [DVD(字幕)] 8点(2010-12-01 01:54:10) |
488. 滅亡の黙示録
《ネタバレ》 よくもまぁこのデカイ話をこんなに小さく出来たもんだと感心。てか出来てないか… 随所に突っ込みどころと笑えるネタが満載のデザースター・コメディ?? 発泡スチロールの板が頭に当たって死んでしまうとか(豆腐の角かいっ!)、偵察機で爆撃に行くとか(どこに核弾頭積むんかいっ!)、何故か軍の無線は遥かイラクまで届いてるとか(テレックスのレベルかいっ!)… こりゃ降参です。それでも大真面目に作ったスタッフに1点献上。 [DVD(字幕)] 1点(2010-11-28 12:32:53) |
489. レスラー
《ネタバレ》 遅れ馳せながらの投稿なので既に語り尽くされてしまった感がなきにしもあらず。 全編を通じ、カメラアングルに始まって優れた映像表現に埋め尽くされている感じ。ドキュメンタリー的な手法を多用しているところがリアル。主人公の生き様を淡々と描く展開にも好感。脇を固める登場人物の描き方も適度に抑えられていて良い感じ。ミッキー・ロークという俳優は好きではないけれど、それを超えた魅力に満ち溢れた作品と思います。 ただ、どうしてもラストが納得いかない。ありきたりの展開だったらこんな感じかな? 「かつての栄光にしがみ付いて今もリングに執着する初老のレスラー。控え室では若い者に無視されて、ファンには背中を向けられ、愛娘には見向きもされない。それでも闘いへの意欲を失わず、命を賭けて最後の試合に挑む…」な~んて感じになりがちだと思うのに、この作品は違う。 「控え室で若いレスラーたちからも敬愛され、プロモーターも親身になり、熱心なファンはサインを求め、近所の子どもたちの人気者。愛娘も一度は彼を許し、あと一歩を踏み出せなかった女友達も心を開く。」その意外性がリアルさを醸し出す。そこに惹き込まれた。だから、ラストもお約束以外の展開を期待してしまったのです。 あまりにもお約束どおりのラスト。それがまたリアルさの証なのかもしれないけれど、何だかそこに至るまでの展開と違和感を感じざるを得なかった。描き過ぎてしまったのかな?でも8点献上に値する作品。 [DVD(字幕)] 8点(2010-11-23 10:49:49) |
490. イエスマン "YES"は人生のパスワード
《ネタバレ》 ジム・キャリーの作品をひさびさに観ました。彼独自の濃い芸風を期待していると、ある意味裏切られます。でも、それは良い意味での裏切りであって、その抑えた芸風(それでもかなり濃いかも)だからこそ心地良い時間が流れていきます。 勿論、作品もテーマ自体も好感が持てるものですけれど、出演陣の一人ひとりが皆善人。お約束的な主人公の痛い場面や危機一髪場面も殆どなく(てか、あったとしてもあっさり解決)、そして、それが物足りないのかと言えば決してそんなことはなく、ストレスなく物語は展開していきます。 ジム・キャリーのキャラクターに適度に依存しつつ、とても真面目に創り込まれた良心的作品ですね。 追記。ヒロインがボーカルをつとめるバンド「ミュンへハウゼン症候群」がいいですね。ポップなリズムに辛辣な歌詞、彼女の可愛らしさとのミスマッチ。ファンになりそうです。バンド名が作品のテーマと重なって意味深ですが…。 追記2。確かに、本作品でのテレンス・スタンプは「SAW」シリーズのトビン・ベルに似てるかも…。 [DVD(字幕)] 8点(2010-11-22 00:49:17)(良:2票) |
491. 9INE ナイン(2009)
《ネタバレ》 決してつまらなくはありません。むしろ「シュチュエーションスリラー」を標榜する数々の作品の中では、やたら残虐に走らずオリジナリティがあって好感が持てるとも言えます。 ただ、よくよく考えれば激しく逆恨み。9人のうちで(あくまで本件に対して)本当のワルはひとりじゃないの?そこんところが何だか釈然としないです。 それから、ラストがいけない。中途半端過ぎ。「この後は皆さんが考えてね。」みたいな作りは否定しないけれど、あまりに雑過ぎ。そう考えると演技陣も結構雑に見えるし、同情したくない登場人物が多過ぎ。って、そこは狙い通りかな? それにしてもラストがカッコ悪い。手抜きっぽい。だからマイナスして5点止まり。 [DVD(字幕)] 5点(2010-11-08 02:40:04) |
492. シティ・オブ・ブラッド
《ネタバレ》 カトリーナの後のニューオリンズを舞台にする必要があるのかなぁ… なんか、そこんとこが引っかかって、イマイチ純粋に楽しめなかった。 それと、何なの?シャロン・ストーン??カウンセラーだか何だか判らんけれど、人を小馬鹿にしたような姿勢・表情は、とてもじゃないけれど受け入れられないし、まして頼れない。信じられないよ。 本当は重いテーマなのだと思うけれど、制作者のノリは意外と軽いのかもしれません。 (追記)映画とは関係ないかも知れないけれど、ラストに流れる荒廃した街の風景を見ていると、アメリカは広いんだなぁと思わずにはいられません。日本だったら土地が少ないから、荒廃したまま放置なんてあり得ない。更地にして再生しなかったら復興しようがないですよね。 [DVD(字幕)] 5点(2010-10-31 21:34:38) |
493. 最強絶叫ダンス計画
《ネタバレ》 楽しいです。適当なパロディ作品かと思いきや、結構本気モードで作られてますね。メインテーマはそれこそいい加減ですけれど、パートパートは本気で作りこんでるんじゃないでしょうか?必要以上に下ネタに依存していないところも好感。オマケの7点献上です。 [DVD(字幕)] 7点(2010-10-31 21:17:43) |
494. 12ラウンド
《ネタバレ》 楽しい!非常に楽しめました。なんか、いろんな作品をコラボったみたいな気がしないでもないけれど、んでもって主役がイマイチ知的じゃないような気がしないでもないけれど、それでも楽しめました。 いいですねストレートなアクション作品。ちょっと「12ラウンド」してない気がしないでもないけれど、ま、思いっきりリラックスして観ることが出来たので、オマケの8点献上です。 [DVD(字幕)] 8点(2010-10-31 21:02:31)(良:1票) |
495. ブラッド・ダイヤモンド
《ネタバレ》 重いテーマを上手く調理している良作だと思います。主演の2人(3人か?)もそれぞれに最高の味を出していると思います。エンターテインメントだから多少の無理は仕方ないです。アーチャーが改心(?)していく様や、ソロモン一家のハッピーエンド(?)やら… でも、あくまでもフィクション。エンターテインメントですから。 ただ、観終わったあと何だか複雑な気持ちになってしまう。テーマが重ければ重いほど。何十万、何百万と死んでいった人たちの魂は、この作品を観た人たちの感動によって安寧が得られるのだろうか?悲惨な死は永遠に悲惨な死なんじゃないのかなぁ?彼らの死は本当に必要な犠牲だったのかなぁ? などなど。 [DVD(字幕)] 8点(2010-10-31 20:52:17)(良:1票) |
496. ストレンジャーズ/戦慄の訪問者
《ネタバレ》 正身70分程度の短い尺ながら、必要なエッセンスは全て詰め込まれ、かなり怖い作品に仕上がっている作品。類似作品は多かれど、実話・未解決事件と言われてしまえば尚更に恐ろしい。よく纏まっていると思います。 ただ、主人公たちの行動があまりに軽々しく、自分から進んで餌食になっているような状況の連続。これで実話と言われても感情移入は出来ないなぁ… そのあたりがマイナスポイント。どうせなら実話ベースのフィクションに徹すれば良かったんじゃないだろうか? [DVD(字幕)] 6点(2010-10-19 07:02:29)(良:1票) |
497. 特捜刑事 スパルタン
《ネタバレ》 キルマーさん、渾身のアクション作品です。緊張感、緊迫感のあるストーリー展開は、大いに見応えがあります。ストーリー的には、最近観た作品に少し似ている気がしますけど、こっちの方が古いし、そもそも古典的お約束満載作品だし、そんなこたどうでもいいです。 TVドラマ感覚で、ハラハラドキドキ鑑賞するにはもってこいの作品です。 [DVD(字幕)] 7点(2010-10-18 00:27:07) |
498. ファイナル・ミッション(2008)
《ネタバレ》 ん~、微妙だなぁ… 体型的にもアクション的にも無理が出てきたキルマーさんですけど、根っからのワルのはずが、生意気な少年になつかれた末に「いい人」になっちゃったりして。おまけにラストは思いっきりハッピーエンドだし。 まぁちょっと言わせていただば、メインテーマであるところの「ファイナル・ミッション」があまり感じられなかったです。自分勝手に決めた最後の仕事とは言え、もう少し主人公は今までの人生を振り返って欲しかった。 [DVD(字幕)] 6点(2010-10-18 00:14:59) |
499. G.I.ジョー(2009)
《ネタバレ》 原作未見。ただ、かつて大人気だった男の子版リカちゃん「G.I.ジョー」をベースにしたアニメっていうので、この内容は当然かな?つまりは、夢と空想の世界の具現化。視覚的にはハチャメチャで当然です。 大勢の皆さんのご指摘のとおり、ノンストップでアクション全開、ただし、中身無し。ん?中身無し?いやいやそんなことはありません。御都合主義のオンパレードですけど、なんたって元はアニメなんだから。ここで問題なのは、夢と妄想の具現化がキチンとなされているのか?ってこと。その点ではかなりポイント高いです。 兎にも角にも、かなり緩めのテンションでも完全消化可能ですから、是非是非皆さん楽しんでくださいね。 [DVD(字幕)] 7点(2010-10-17 23:57:07) |
500. 消されたヘッドライン
《ネタバレ》 ラストのドンデン返しをどう見るかで判断の分かれるところですね。 私はあの展開があるからこそ、この作品は成立していると思います。巨悪が矮小な行為に収斂するってのは結構新鮮。てか、現実世界ではこっちの方がよっぽど幅を利かせてる訳で、大々的に政治スキャンダルを扱った作品は数多ある中、こういう作品もありなのではと。元ネタがイギリスってのが頷けるところです。 ただ、いくらフィクションといえども新聞記者がここまで派手に活躍出来るんですかね?ま、フィクションだからいいのか。さもなきゃつまらないしね。 [DVD(字幕)] 7点(2010-10-17 11:31:37) |