81. スコーピオン・キング
《ネタバレ》 消費型娯楽映画としてはギリギリ及第点だが、剣と魔法が織り成すヒロイックファンタジーとしては完全に落第点。 何と言っても、主役を始め、メイン登場人物に魅力が無いのが痛い。特に敵の王様と預言者の女性はカリスマ性ゼロ。まるで魅力が感じられない。 ストーリーもあまりにもありがちだし、終盤辺りのご都合主義的展開にはさすがに萎える。もう少しリアリティを考えるか、さもなければファンタジー要素をふんだんに取り入れて、そんなつまらない疑問を吹き飛ばしてくれるくらいハデにやって欲しかった。 アクションも中途半端。もともと娯楽映画として作られてるんだから、中途半端な事をやらずに、もっと剣と魔法を組み合わせた痛快アクション映画を目指して欲しかった。 ラストシーンで、あのお調子者と子供と発明家のジジイが完全に無視されてるのも哀れ。 [地上波(吹替)] 4点(2006-04-15 18:04:43) |
82. ランド・オブ・ザ・デッド
《ネタバレ》 世界観は「死霊のえじき」の延長。今までのシリーズより、良くも悪くも「人対人」の構図がはっきりしている上に、今回はゾンビが知能や感情を持ってしまうので、ますますゾンビとしての存在意義が薄くなっている。人間の摂理から解き放たれた、生と死の中間の存在として世界を傍観する者だからこそゾンビには意味があるはず。 また個人的にゾンビ映画の魅力は、日常が少しづつ崩壊していく「終末のカタルシス」にもあると思うけど、すでに日常が崩壊していて、ゾンビ込みの「秩序」が、ある程度でき上がってしまっている世界では、あの独特な終末観も感じられない。 その世界設定も中途半端。秩序が出来ている割に、世界にどれだけの人間が生き残っているのかはっきりしないし、食料や水、電気なんかがどう供給されているのかも分からない。ゾンビも顔なじみが多いし(笑)、全部で数十匹くらいしかいない感じで、「もうどうにもならない」という絶望感がまったく感じられない。あれだけ武器や装備があるなら、バリケードを築いた後で閉じこもっていないで、さっさとゾンビを一掃すればいい。 また、社会そのものが崩壊している世界で、いまだに金に価値があるという設定も意味不明。その辺のディテールにリアリティが無いので、今までの作品のように入り込めなかった。世界の広がりや空気感を感じないのも、セット撮影による合成が多いことによる弊害で、全体の雰囲気がゲームっぽくなってしまっている。 PS.本編よりDVD特典のメイキング映像の方が面白かった。オレもゾンビになりたい。 [DVD(字幕)] 6点(2006-04-15 14:39:23)(良:1票) |
83. メダリオン
《ネタバレ》 ジャッキー主演の映画で、テレビ放映もされたのに、この投稿の少なさw。これがこの映画の出来を物語っている。 アクション、ストーリー、コメディ、すべてにおいて中途半端でお粗末。 「メダリオンを使うと不死身になる」という安っぽい設定を使ってまで、せっかくジャッキーを「不死身の超人」にしたのに、肝心の見せ場である格闘アクションがあまりにも不出来で、「不死身」とか「超人」という設定をまるっきり生かせていない。アクション演出にセンスが無さすぎる。 特にマトリックスもどきのワイヤーアクションの見せ方がヘタクソで、まるで超人のパワーやスピード感を感じさせないスローで不自然な挙動に興ざめ。ジャンプや空中回転ひとつ取っても露骨にワイヤーで動かされているのが見えてしまう。森の中を突っ立ったままの姿勢でスタコラ駆け抜けるシーンもマヌケだし、格闘シーンでその超人的なスピードを生かせていないというのもお粗末。それと「銃で撃たれても死なないぞ!」じゃなくて、銃弾を見切って避けるようにならんのかい! また敵キャラにも魅力が無く、同じく不死身になったジャッキーより強い理由がはっきりしないので、ほとんどジャッキーがやられているだけの格闘シーンにカタルシスが感じられない。 おまけにラストも格闘で倒すわけじゃなく、メダリオンのご都合主義的な能力に片をつけてもらう始末。女刑事も生き返らせるだけ。どうせなら超人になったふたりに合体攻撃させてボスをやっつけるとかいう展開にしろよ!日本の漫画なら言われなくてもやるねw コメディ要素も中途半端で、マヌケな相方はそのままお騒がせキャラ程度にしかなっておらず、まるで活躍していない。この手の作品なら、情けないキャラだけど、肝心のところで主役を助けるというのがお約束じゃないか?ラストも相方を完全に置いてきぼりにして、ふたりで空をカッ飛んで脱出。彼も連れてってあげて! で、結局、あの少年は何者?どこへ行く?異次元にでも行くのか?いい加減な終わり方だよあ~。とにかく何から何まで適当でセンスが無い作品だった。これで主演がジャッキーじゃなければ0点もの。 [地上波(吹替)] 2点(2006-04-15 11:37:34) |
84. エイリアン4
《ネタバレ》 予想よりは悪くなかったけど、やっぱり「無理やり作った感」は拭えない。結局、いつものようなパターンになっちゃうだけで、基本的なストーリー展開に意外性がない。 どうせやるなら、いつものような「宇宙船内でのエイリアンとの戦い」は今までのシリーズに任せて、もっと「生物進化の可能性」なんてテーマを突っ込んでくれたら、違うテイストになったんじゃないかなと。 [地上波(吹替)] 4点(2006-03-03 18:19:13) |
85. スチュアート・リトル
これまた、いくらでも否定的にも肯定的にも語れる作品だが、あの一家の「家族観」はちょっと気色悪い。何故にいきなり「ネズミ」なのか?「ネズミ」じゃなきゃダメなのか?その辺の動機(?)みたいなものが希薄すぎ。 「種族を超えた愛」というご立派なテーマは分かるけど、「ネズミを家族として愛する」という精神が、どうにも絵空事的と言うか、動物にも簡単に拡大適用してしまうヒューマニズムがめちゃくちゃ薄っぺらく、かつウソ臭い。 食費や学費といった生活費がほとんど掛からないであろうネズミを養子に迎えたって、あの家族にとっては何の負担にもならないわけで、そういうのって果たして本当の愛や思いやりから出た「真の行動」と言えるのだろうか?家族としての愛情を育むことになるのだろうか? 本来ならまず人間の子供を養子にすべきなのに、金銭的な負担の無いネズミを養子にするのって、単にペットを飼う感覚と何がどう違うの?結局、無償の愛や思いやりから出た行動ではなくて、世間的な評価や自己満足が先にあるのでは?という邪な見方をしてしまうw。 また、そのネズミが小利口で、やたら物分りが良く、気持ち悪いほどに優等生的な性格なのも可愛げが無い。飼い猫とのやり取りや、オモチャの車でのカーチェイスは良かっただけに、基本的に綺麗事だけでまとめられているのが惜しい。 [地上波(吹替)] 4点(2006-02-26 16:29:57)(良:1票) |
86. ボーン・スプレマシー
《ネタバレ》 まずストーリー云々以前に、あの一秒に一回くらいのペースでコロコロ場面が転換する、落ち着きの無いカット割りに辟易。おまけに画面がブレまくるので、見ていて頭が痛くなった。これが大きなマイナス。その場の臨場感や迫力を出すためだろうけど、やり過ぎ。何事も「過ぎたるは及ばざるが如し」。監督が見る側の立場を考えていないのがよく分かる。 で、肝心のストーリーはと言えば、「可もなく不可もなし」と言うしかない。ちょっとした謎解きやカーチェイス、アクションはあれど、娯楽映画として見ると、どれもこれも突出している部分は見当たらず中途半端な印象。 ストーリー展開もキャラクターの設定上、仕方ないとは言え終始逃げ回っているだけなので飽きてくる。そこそこリアリティはあるけど、娯楽作品として犠牲にされている部分も多く、色々と突っ込みたくなる所もチラホラ。黒幕にも意外性が無いし、終わり方も中途半端。 この手のジャンルとマット・デイモンが好きな人にならお奨めできるけど、そうじゃない人にとっては、はっきり言って、見ても見なくてもどっちでもいい作品。個人的にはマット・デイモンにまったく魅力を感じないので、この点数で。 [DVD(字幕)] 3点(2006-02-26 14:58:54) |
87. ミミック
《ネタバレ》 今までタイトルは知っていても、「どうせつまんないだろうな」と言う偏見から未見だったが、たまたまテレビ放送してくれたので見てみたところ、自分の直感は外れていなかった事が分かった(w。 とにかく中途半端。おバカホラーと言うには大真面目だし、バイオホラーと言うにはリアリティが無く、パニックものとしてはスケールが小さすぎる。おまけにストーリー展開や演出のパターンはどこかで見たことのあるものばかり。 いくら十年前の作品とは言え、「遺伝子改造された昆虫がでっかくなっちゃった!」と言うだけの設定で最後まで通すのだから、あまりにもシナリオに工夫が無さすぎる。おまけに、ホラーによくある「出そうで出ない」シーンがダラダラと続くばかりで退屈。 主人公の女性昆虫学者、靴磨きの親子、浮浪者の少年など、登場人物は個性的なキャラが揃っているのに、主人公以外、ストーリー展開上、必然性のあるキャラ設定はひとりもいないのも難点。 さらにラストのガス爆発も、ゴキブリを一掃する程の大爆発なのに、男は無事ってのもご都合主義的すぎでしょ。 個人的には続編を見たくなるような出来ではなかった。 [地上波(吹替)] 3点(2006-02-17 23:01:05) |
88. マスク・オブ・ゾロ
期待しなかった分、そこそこ楽しめた。テンポも悪くないし、「受け継がれていく意志」というテーマも好き。 ただ「弱きを助け強きをくじく」という勧善懲悪のストーリーを始め、親子愛や師弟愛、恋愛ドラマなど、どの要素も描き方がイマイチ薄っぺらいのは否めない。 また、舞台劇のような中途半端に大仰でリアリティの無いアクション演出にも違和感がある。やるならもっと徹底して欲しい。 素顔のアンソニー・ホプキンス自身はカッコ良いけど、あのゾロのデザインはいくらなんでも趣味が悪い。変態的すぎる。 また、見ている間、どうしてもレクター博士のイメージが払拭できず、無表情で近寄って来られると、食われるんじゃないかと身構えてしまうのも否めないw [地上波(吹替)] 5点(2006-02-11 22:51:02)(笑:1票) |
89. フローラ
わずか15秒程度の作品であり、ここに登録されてても良いのかと思うくらいの超短編w。 「肉片の恋」同様、実にシュヴァンクマイエルらしい、シュールレアリスト特有の「死生観」が的確に表現されている。野菜や果物で形作られた「人間」が、為す術も無くあっという間に腐敗していく姿に、時の流れへの諦観と共に、死への渇望が現れている。 まあ、これ以外の解釈はちょっと無理があるし、別に深読みする必要も無いでしょw。 [DVD(字幕)] 7点(2006-01-19 17:51:05) |
90. レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語
《ネタバレ》 とにかく中途半端。中途半端な悪人に、中途半端な変人に、中途半端な謎に、中途半端なサスペンスに、中途半端なファンタジーに、中途半端なコメディに、中途半端なハッピーエンド。好きな人には申し訳ないけど、はっきり言って、私の一番嫌いな「中途半端」の集大成としか言いようがない。 「遺産目当ての連続殺人」という設定だけは、やたら生々しいのに(何人も死者が出ているし、その殺され方も残酷)、コメディやファンタジーという大義名分のもと、妙に軽々しくオチャラケた見せ方にしてしまっているので、子供たちの置かれた状況にまるで絶望感や緊迫感が感じられず、根底にある「不幸を乗り切って成長する」という肝心のテーマそのものに説得力が無くなっている。 「変人の家をたらい回しにされる」というストーリー展開も面白くなりそうなのに、実際に見てみると非常に平板で退屈。変人と言っても、その「変人ぶり」がこれまた中途半端だからだろう(やたら怪我や事故に対して病的に神経質な女性が、崖の突端の今にも崩れそうな家に住んでいるというのは、やはり笑うところなのか?)。もっと常軌を逸したキャラクターや住まいを造形しないと、この手のファンタジー映画のキャラクターとしては弱いでしょ。 また、彼らの「特殊能力」にも魅力が無く、作中での活躍もあって無いようなもので、これまた中途半端。もっとそれぞれの能力を駆使して苦難を乗り越えるシーンがあるべき。赤ちゃんがやたらヒネくれた事を言うというのもウケを狙い過ぎていて冷める。彼らの演技も妙に淡々としているので、まるで他人事みたいで切迫感が感じられない。 とにかくファンタジーと現実要素のバランス配分が中途半端だし、今どき「子供に厳しい境遇を与えて、それを乗り越えさせれば感動が生まれるだろう」と言う脚本が安易過ぎるんじゃない?やるにしても「乗り越えさせる苦難」にもっと工夫やインパクトが無いと。 唯一、影絵のようなスタッフロールのセンスが良かったのみ。 [DVD(字幕)] 3点(2006-01-12 18:27:48) |
91. ザ・リング2
《ネタバレ》 確かに日本版「リング2」よりもはるかにまともな出来。無駄に分かりにくくしただけの日本版よりも、ちゃんと続編らしい続編だし、海外向けに分かりやすいオリジナルストーリーに変更した点も評価できる。 ただ、ホラーとして見た場合、その恐怖演出は「ビックリ箱」パターンばかりだし、ストーリーも分かりやすいとは言え、今度は「井戸の蓋を閉めれば゙☆⌒o(*^ー゚) オッケー♪」と言う終わり方は、ほとんど「臭いものに蓋」の理論で、決着の付け方としてはイマイチ。貞…、もといサマラは物理的な存在じゃないんだから、もう少し、彼女の怨念を解く過程が欲しい。 まあ、やたら複雑にしてつまらなくなるよりは、まだ分かりやすくてつまらない方がマシという事は分かった(w。 [DVD(字幕)] 4点(2006-01-12 18:03:51) |
92. ラスト・アクション・ヒーロー
《ネタバレ》 シュワちゃんの魅力ありきの映画。彼じゃないと、映画と現実世界のギャップに説得力が出せないと思う。 始めは安易なアクションコメディかと思っていたが、後半にかけて意外とシリアスなテーマも垣間見えて来る。 現実世界に来たヒーローは「ただの人」になり、架空の存在であった事に苦悩しながらもヒーローであろうとし、そして悪役は現実世界の俗悪さに衝撃を受けつつも、悪役である事を貫く。その対比は彼らが現実世界の存在ではないからこそ際立つ。 惜しいのは、映画と現実を行き来する事で、「自己存在証明」というテーマを、エンターテイメント性を保ちつつ、もっと深く追求できたはずなのに、その辺の突っ込みがちょっと中途半端な点。 [地上波(吹替)] 6点(2006-01-10 16:51:13) |
93. シークレット ウインドウ
《ネタバレ》 ホントに最近はこの手のオチが多い。もうミステリーやサスペンスのアイデアは枯渇してしまったのだろうか?原作がいつ書かれたものかは知らないけど、ここまでストレートな「多重人格・妄想ネタ」はさすがに食傷気味。もはや現代では、この手のジャンルをあまり見慣れていない人でも、この程度の「オチ」は予測の範囲に入っているでしょう。 結局、脳内妄想ならどんな不可解な謎を出しても、あっさり片がつけられるからと言う、安易な感覚で採用されてしまっているような気がする。 途中までの追い詰められていく雰囲気は良く出ているし、安易に恋人が助けに来てハッピーエンドとしなかった点などは評価できるが、やはり「脳内妄想」という、ありがちなオチで妥協してしまったのは残念。 [DVD(字幕)] 5点(2006-01-10 16:10:10) |
94. ドクター・ドリトル2
<前作未見> 中途半端な家族愛と中途半端な自然愛がテーマの、中途半端な動物コメディ。駄作と言うほどつまらない訳ではないが、特に面白くもない。売りである動物の仕草やおしゃべりも、みんなして好き勝手にベラベラしゃべってるだけだし、やたらヒネた事ばかり言うのでまったく可愛くない。ギャグも下品なネタが多く幼稚だし、終わり方も予定調和以前に、あまりにも生温いご都合主義。とにかく全てが薄っぺらい。むしろ子供にこそ見せたくない作品。子供向けではなく、子供騙し映画と言った方が適切。 [地上波(吹替)] 3点(2006-01-09 16:40:19)(良:1票) |
95. オーシャンズ12
《ネタバレ》 絢爛豪華な出演者たちに比べて、何とお粗末なシナリオであることか。ルパン三世のテレビ映画シリーズ並の荒唐無稽さに加え、開き直りとも取れる「トンデモご都合主義」に彩られた駄作娯楽映画。これならまだ前作の方がはるかにマシ。 「謎の大泥棒ナイトフォックスとの対決」という設定には期待させられるものの、結局ただの肩透かしで終わる。と言うか、あんたらまともに対決してないじゃん! とにかく意味不明な部分や無茶苦茶な設定が多すぎる。 天才的な大泥棒の集団かと思いきや、あっさりベネディクトに見つかって脅しに屈するヘタレ集団だし、担当の女刑事と伝説の泥棒が親子という後付け設定も無理がありすぎ。しかも、そのコネ(?)のおかげで卵を盗めて、フォックスを出し抜けたというのだから、呆れ果てる。 それに、そもそもフォックスが泥棒同士の暗黙の掟を無視してまでオーシャンズに一方的に挑戦し、「オレに勝ったら金を全額払ってやる」と「向こうから」言い出してくれて、さらに「正直に払ってくれた」から良かったものの、フォックスがいなきゃ、いまだに金を払えずにいたんじゃないの?娯楽映画だからこそ、ここは真っ当に勝負させろよ! おまけに業界人の自己満足としか思えない「ジュリア・ロバーツが本物のジュリア・ロバーツに化ける」と言う、下らない作品内パロディや、「実はカポエラでレーザーを避けたんだぜ、スゲーだろ」という「何それ?」と言いたくなるパープリンな種明かしなど、他にも突っ込みどころや意味不明な部分は数多い。 娯楽映画として力を入れる部分を間違えている。こんな観客を無視した肩透かし的なシナリオに対して、「監督が観客に仕掛けたコンゲーム」と好意的に解釈できる人が羨ましい。いやマジで。 [DVD(字幕)] 1点(2006-01-05 20:20:31)(良:1票) |
96. マシニスト
《ネタバレ》 現実と非現実(妄想)が混じりあう不安感や酩酊感を煽る演出のさじ加減は絶妙。そこだけ見れば、「メメント」や「ジェイコブズ・ラダー」、「マルホランド・ドライブ」等と言った先行作品にも比肩する出来。 その演出の上手さもあって、途中までは食い入るように見てしまったが、残念ながら「何か新しい事をやってくれそうだ」という期待はやはり叶えられなかった。 少しは何か工夫があるだろうと思っていたが、結局と言うか、やっぱりと言うか、「罪の意識に苛まれていた男の脳内妄想」と言うところで、「ま、これしかないな」と妥協しちゃった感じ。 「妄想オチ」というだけでは、さすがに今となってはありがちだし、何より辻褄が合わない部分や無理が出てしまっているのが問題。遊園地でのデートすら「全部妄想でした」で片付けてしまうのはさすがに無理があるし、それを許してしまうと、作中で起こる出来事のほとんどが何でもアリになっちゃう。 遊園地の乗り物「ルート666」の不気味さや、事故を示唆する意味深な演出の数々が良く出来ているだけに、オチの弱さが際立ってしまっているのが残念。 確かに後になるほど、特にこの手のジャンルはアイデアが先取りされていくので、どうしても模倣になってしまうのも分かるが、もう少し工夫と冒険をして欲しかった。 「セッション9」もそうだったけど、恐怖面の演出は上手い監督だけに、今後に期待する意味も込めて7点献上。 [DVD(吹替)] 7点(2006-01-03 02:56:05)(良:1票) |
97. スーパーサイズ・ミー
《ネタバレ》 いくらドキュメンタリーとは言え、映画として作っているのだから、もう少し芸のある作り方は出来なかったのかな。 まあ、この体当たりの検証法は「ココリコ黄金伝説」みたいでバカっぽくて良いが、他の方も書いているように、そりゃハンバーガーに限らず、同じものを食べ続けてれば健康に良くないのは当然で、ましてファーストフードのメニューなんて、どれも高カロリー・高脂肪である事は、今や誰でも知っていること。それに加え、マクドナルドのように調理法がシステム化されていて、おまけに低価格となれば、その煽りが材料の品質や味に跳ね返るのは当然のこと。 それでも食べ続けたいなら食べればいいし、それで健康を害したとしても、それは自己責任。世の中、食べ物はハンバーガーしか無い訳じゃない。 もちろん、色々な意味でアメリカそのものを象徴するかのようなマクドナルドのビジネス戦略を肯定するつもりはまるっきり無いけど、それを選択する「自由」もアメリカの文化のはず。 [DVD(字幕)] 4点(2005-12-31 19:38:07) |
98. mute ミュート(2001)
《ネタバレ》 日常の中に見られるグロテスクなフェティシズム、時折かかる不協和音のようなBGM、対話の可能性を拒否したかのような無言劇、そして解釈が出来そうで出来ない不可解なシナリオなど、ヤン・シュヴァンクマイエルとデヴィッド・リンチを足して二で割ったような独特な作品。 そんな何とも言えない不気味な雰囲気は出ているが、内容は良くも悪くも「解釈お任せホラー」。見る人によって評価は大きく変わるだろうし、いくらでも否定的にも肯定的にも解釈できる。 当初、個人的に予想していた展開(主人公が殺人鬼本人で、痴呆症によって過去の記憶と現在を混同している)とは違ったが、後半に行くほどストーリー的には収束していく。むしろ、前半の方が不可解な事が多い。 ただ、それでもやはり説明出来ない部分は多く(殺人が本当なら、少女の死体が見つからないのは不可解だし、脳内妄想とすると、後半、施設で襲われるシーンが意味不明)、説明出来そうで出来ないもどかしさがある。結局、正解は見る人の解釈の数だけあるという事だろう。 まあ、それ自体は良いとしても、もう少し全体のテンポを上げて欲しい。この作品の味ではあるが、ちょっと展開がスロー過ぎるのはカンベン。 独特な世界観におまけで6点献上。 [DVD(字幕)] 6点(2005-12-31 18:30:47) |
99. コラテラル
《ネタバレ》 色々な意味で安っぽいシナリオ。 何週間か前に見たが、単純な割りに内容をほとんど覚えていない(w。 トムは非情の殺し屋に見えないし、やる事なす事マヌケ過ぎ。ストーリー展開も、トンデモご都合主義の連続。ラストも何でプロの殺し屋がタクシーの運転手に撃ち負けるのか?はっきり言って、突っ込まれている部分は、本来なら突っ込まれていてはいけない基本的な設定部分。もっとシナリオを練り込まなくてはならないのに、映画作りにおける丁寧さに欠けている。 [DVD(字幕)] 3点(2005-12-31 01:41:17) |
100. THE JUON/呪怨
《ネタバレ》 シリーズの中で唯一の成功作品と言えるビデオ版1作目のリメイクなのだから、邦画のへっぽこ劇場版よりは見れるものになっている。 ただ、他の方の指摘にある通り、わざわざ外国向けにリメイクされているのに、何故か日本が舞台。内容を見ても、まるっきり主人公が外人である必然性が感じられないアレンジの仕方には疑問。 どうせなら、ビデオ版を見た事のある人も楽しめるように、別物とするくらいの変更が欲しかった。 [DVD(字幕)] 5点(2005-12-31 00:07:06) |