1161. 推理作家ポー 最期の5日間
ポーの死が謎に包まれているのはこれはもう史実なわけで、だからこの邦題ではその死の真実について迫るプロファイリング的なものを連想しませんか。少なくとも私はそう思った。で、がっかりした。ポーの作品をネタにして猟奇モノをやりたいだけじゃないか。それもポー作品に香る密やかなグロテスクといった風格はなくて、なんだか丸出しの露悪的なえげつない描写がずらずら。原作者に代わって憤慨しておりますよ。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2014-09-03 00:13:49) |
1162. ボディ・ハント
うわうわうわ 先達の築いた、いろんなサスペンス要素を臆面も無くぶっこんできましたなあ。サイコやらめまいやら羊やら既視感だらけの演出。一回驚いた経験済みなので、なんにも怖くない。怖くないけど、E・シューの容姿がこんなに落ちるなんて。そのことにひどく動揺はしました。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2014-08-27 23:54:46) |
1163. ブロブ/宇宙からの不明物体
《ネタバレ》 この手のB級作品のネタを山ほど盛り込んでありますが、観すぎてしまってもはや驚かないんですわ。何か新しいアイデアが欲しかったところ。見事に一人も知らない俳優陣によって、一般社会のリアリティを感じさせる、というより映画自体に華が無いというマイナス現象も痛い。実は軍事兵器だったというスライム状のアイツ、寒さに弱いんじゃそもそも当時の仮想敵国のソ連相手には使い勝手悪いんじゃないのかなー。 [ビデオ(字幕)] 5点(2014-06-25 17:04:07) |
1164. ローラ殺人事件
《ネタバレ》 なんか“こなれてない”感じの映画。人物が描ききれてないので行動の意味がわからない。顕著なのはあの刑事。捜査しろよ。現場に参考人連れてって会話劇をだらだら。アリバイ崩さない、証拠を探さない。現場の人ん家で酒飲んで寝てる始末。事件の真相を追う姿勢に必死さが感じられないのでサスペンスに必要な緊迫感に欠き、“ローラ生きて登場”の場面に至っては単に「役者Aドアから入る」のト書きが目に浮かぶ。 美女ローラをめぐって男たちが繰り広げる諍いも、作家と女たらしと刑事が口げんかし合ってるだけで愛憎劇とはとても呼べない代物。ジーン・ティアニーは確かに美人だけども、それだけで客呼べるかな。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2014-06-13 00:37:17) |
1165. スパイダーマン(2002)
映画館のスクリーンで観れば、スパイダーマンがビルからビルへと跳躍する、その躍動感がもっと伝わって楽しいんだろうなあ、とは思う。だけどそこだけじゃないですかね、この映画の見所は。正直つまんなかったな。よりにもよって“キックアス”を先に観ちゃったもんな・・。主人公がヒーローと真逆のもっさりキャラ、という設定かぶってたんだ・・。というかトビー・マグワイア別にかっこいいし。話もキック~の方が面白かったしついでに女の子もあっちの方が可愛い。本家どうなってるんだ。K・ダンスト、ヴァンンパイアの頃はもっとキュートだったのになあ。W・デフォーも仕事選ばず。やれ厳しやハリウッド。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2014-05-06 00:36:08) |
1166. スパルタカス(1960)
壮大にして退屈な活劇。凝りに凝ったセットとか、大掛かりなロケとかエキストラ大量動員とか、公開当時なら客も喜んだのかもしれないが。自動的に息子の顔が浮かぶカーク・ダグラス、かっこ良いのかどうなのか今いち微妙なルックスがそっくりだ。史実をなぞってはいるんだろうけど、話をふくらまそうという気概が作り手に無いのでなにもかもさらーっと進んでゆく。スパルタカス、怒ってるかはりつけに遭ってるかのどちらかだなあ。勉強しましょう。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2014-01-24 00:52:57) |
1167. ティファニーで朝食を
《ネタバレ》 この映像作品は“ジバンシィ・カタログ”。洗練された衣装を見事に着こなすオードリー・ヘプバーンの目の覚めるような美しさが、これまた極上の音楽とともに展開する。冒頭の、タクシーから降り立ったオードリーがティファニーのショーウィンドウ前で紙袋から出したクロワッサンを手袋のまま口にする、このシーンはおしゃれカタログの扉絵として完璧。ほぼ永久保存版なモードの美。 だけど映画はドラマとしては全く心掴まれない三文恋愛劇。“自分さえ良ければ他人が泣こうが知ったこっちゃない”バカップルにしか見えない。都会でコールガールをやっているホリーという女の持つべき後ろ暗さのような影がオードリーには全然無くて、単なる自由人型の不思議ちゃんになってしまっている。オードリーの相手としては珍しく若手のG・ペパードも今ひとつ。ドラマ性はほぼ0点だけど、半世紀も名を高く売っていけている麗しきヘプバーンの完成度の高さに点数全てを捧げます。 [映画館(字幕)] 5点(2013-12-06 00:54:33)(良:1票) |
1168. イーグル・アイ
《ネタバレ》 HALが宇宙の旅から戻って米国中枢を牛耳るようになったらしい。脚本は細部まで気合入ってるのが伝わるし、爆薬の量の半端なさとか車酔いしそうなカーチェイスのシーンとか、真面目に作ってあります。コンピューターにダメ出しするのも野暮なんだろうけど、銀行から出てきた配達人を銃で脅してケースを奪うシーン。あそこはねえ。中身が気圧変化に耐性のできる注射セットでした、というのがね。さすがになんでこんな面倒臭いことして手に入れなきゃいけないんだろう、どっかのドラッグストアの店長丸め込んで置いといて取りに来させりゃいいじゃん、という思いを禁じ得なかったよ。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2013-09-27 00:00:30) |
1169. ゲーム(1997)
ラストにはびっくり。わ、笑えないよー。そんなばかなー。車ごと海に転落したんだよ?ターゲット死んじゃうでしょうがあ。それに家財道具返してほしい。荒唐無稽にもほどがあるんだけど、役者陣が上手いのと、そこはフィンチャー、なめらかで深みのある映像でなんとか商品価値を保った作品ではあります。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2013-09-11 00:15:00) |
1170. ターミナル
悲運に見舞われた男の感動実話だと思い込んでいたのは前宣伝のせい。コメディだったのかよー。全般に流れるファンタジー感、のれればいいんでしょうがワタシにはちょっとクサすぎた。何が嫌って、ビクター演じるT・ハンクスがフォレスト・ガンプみたいだったこと。英語が苦手な旧共産圏の人ってだけで、大人の男なわけじゃないですか。なんであんな風に必要以上におどおどしたりちょこちょこ歩きしたりの演技なの。非英語圏の人にシツレイな感じだわあとずっと思いながら観てしまった。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2013-08-21 23:55:18)(良:1票) |
1171. 存在の耐えられない軽さ
背景がチェコ事件とあって、プラハの春の後、市井の人々がどんな風にあの街で生きていたのか、社会描写がとても興味深かった。署名撤回を拒否し続けたベラ・チャスラフスカのことが頭をよぎった。強靭な精神に驚嘆する。でも三角関係のドラマにはあんまり食指が動かなかった・・。男一人女二人、このキャストだとどうも「勝手にやっててくれい」と冷めてしまった。あまり好きじゃなかったな誰も。不可思議な男女の機微、深く描いてはいるので個人的には別キャストで観賞したい。 [ビデオ(字幕)] 5点(2013-08-11 00:35:56) |
1172. スルース(2007)
《ネタバレ》 奇妙な映画だったなあ。やたらとシュールで近未来を押し出した屋敷に全く似つかわしくない主のM・ケインと変幻自在の演技をみせるJ・ロウの一騎打ち。一体なんでそんなことやってんの、というお話ですが一話目の情けないJ・ロウが二話目で逆転タイムリーを放つあたりから、お?と引き込まれます。ジュエリーをじゃらじゃらつけられてキテレツなイジメを受けてるM・ケインの気色悪さを皮切りに、三話目は予想もつかない薄気味悪い愛憎劇に。ラストの銃砲はM・ケインのマジ嫉妬に思えてほんとにちょっとキモチ悪いっす。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2013-08-01 01:28:28) |
1173. チェ 28歳の革命
《ネタバレ》 たしかに私はゲバラのことをよく知りたい、と思ってこの映画を観たわけですが。で、まあ結論としては彼ら革命軍の辿った軌跡や、時折はさまるモノクロの対メディアや国連での発言等から、ゲバラの思想もわかりました。でも、映画なんだから、そこはやっぱりなにかしらドラマを期待してるわけですよ、ちょっとは。チェ・ゲバラの“人となり”を知りたいわけで。デル・トロは文句なくかっこいいけど、ソダーバーグはゲバラの極私的な側面を描くことには何の興味もないみたいだ。なんせ初めから終わりまで“あれがああしてこうなって”が延々と続くので、観てる途中で意識が遠ざかったりする。一生懸命ついていったけども、「ん?この中の誰がゲバラだ?」と分かりづらい画も多くて正直疲れる。めんどくさくなる。ともかく、この第一部で“面白くはない”ことは分かったので、第二部は心して観ようと思う。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2013-08-01 01:17:14) |
1174. レザレクション(1999)
《ネタバレ》 うわー、コレ作った人たち“セブン”が大好きなんだろうなあ。でもこりゃいくら好きだからってオマージュというより真似ですやんか。呆気にとられて中盤からは「セブンとの類似点探し」に興味が移ってしまった。聖書の解釈に絡めた連続猟奇殺人事件、どしゃ降りの中ビル小路での逃走劇、追う刑事は二人組(一人はガッツありでもう一人は心を閉ざして陰に籠るタイプ)、危険に晒される刑事の奥さん、中盤で明かされる犯人・・。そっくりエピソードのオンパレード。でもやっぱり本家と違って細部までの目配りが利いてないし、なにより殺人の動機がラストで全て一本に収束するセブンの脚本の見事さ、この一番の美点は真似できなかったとみえる。でも、大好きなものに追いつこうとする一生懸命さがこの作品にはあって、グロテスクな場面の陰影、例えば薄暗い部屋に吊られた死体の後ろから光が射して塵がぱあ~となるフィンチャーテイストをきちんと踏襲してたりして、映像は健闘してるんだ。この美術センスにそこそこの点数を差し上げますね。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2013-07-29 00:52:45) |
1175. 88ミニッツ
かの“24”が“映画では制作不可能!”とぶち上げたことに受けて立ったかのよう。ケータイ片手に、アル・パチーノがまさにジャック・バウアーのように忙しい。走る走る、次々展開する事態に指示を出す出す。しかしTVドラマほど面白くはならないのだった。何故だろう。女が何人死のうが「この人だれだっけ?」と思っちゃうからか、警察の捜査官の口出しが中途半端だからか、アル・パチーノが死ぬわけないからか。なんか猟奇的に死なせりゃサスペンスになるかっつったらそうでもない、っていう映画ずいぶん多いですよね。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2013-07-20 01:10:06) |
1176. バットマン ビギンズ
《ネタバレ》 ワタシは別にバットマンが好きなわけではないんだけど、今のとこシリーズ全部に付き合っちゃっているのだった。我ながら辛抱強いと思ったり、でも次回作ダークナイトの衝撃でこの我慢が全部報われたりするので映画ってほんといいな。(?)今作のノーラン版は超リアルで驚いた。バットマンなのに。これまでのアメコミ世界観がどっか行っちゃって、ゴッサム・シティも妙にこざっぱり。コミック色がさして好みじゃなかったのに、こうなってみるとなんか物足りないような。リアル化したところで面白くなったわけではないというか。物足りないといえば、今回敵役の怪人はいないんだね。リーアム・ニーソン人間だもん。わるものだもん、ただの。人間相手なのにマスクつけてマント翻しちゃってなんかバランス悪い。それにヒロインのキャスティングにキレイどころを持ってくる方針は無くさないでほしかったなあ。この悲しさは次作にも。あーあ。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2013-07-12 22:02:26) |
1177. ブラザーズ・グリム
面白そうだなあ、と観始めて、いつ面白くなるのかなーと待ちながら終わってしまった感じ。魔法も幻想も盛り込んであるわりに何故かそんなに気持ちが乗らない。ほんとなんでだろう。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2013-07-11 00:26:07) |
1178. ショウタイム
デ・ニーロとE・マーフィー、ベテランの二人がさくさくとやることやってるセオリー通りのコメディー。展開が雑だけど機嫌と体調が良ければ笑えなくもない。犬可愛いし。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2013-06-27 00:30:56) |
1179. ワイルドシングス
何転したのかわかんないや 五転?六転かな。なんか途中でついていくのが面倒になってしまったよ。まさしく“過ぎたるは~”です。デニス・リチャーズの太い眉毛が印象的だった。ブルック・シールズ路線を狙ったんだろうけどもやはりB・シールズとは別物。 [地上波(吹替)] 5点(2013-06-23 01:07:33) |
1180. ネル
《ネタバレ》 外界と隔絶された“オオカミ少女”のたどるストーリーラインとしては全くの王道で、周囲が彼女の“純粋”さとか“悪意の無さ”に感化されてゆくというオチもありきたりすぎて、まさかほんとにそう来る?と思った。ネルは知的障害というわけではないのは分かるけど、法廷で彼女が持論をとうとうと述べ出すのはちょっといきなりな感じがした。こんなに論理的な会話、それまでしてなかったじゃない?ジョディの演技はいつもながら上手いし凄いし天才的。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2013-06-20 00:29:58) |