1461. レディ・キラーズ
《ネタバレ》 画は美しいのですが、喩えるなら洒落たインテリアで器も美しいが盛り付けが汚い不味い料理に顔をしかめているという作品でした。下品、不気味、役立たず、筋肉バカの手下達&舌先三寸のみの教授の「自称」犯罪のエキスパートチームと相対する老未亡人。誰一人として魅力を感じられません。犯罪の計画から成功、攻防からチームの末路までの展開は、教授の気色悪さが前面に押し出されるだけで知恵比べの部分が無く、5人の最期も無理やりな自滅ぶりで何一つとして面白さを感じません。そんな中で唯一心惹かれたのが肖像画の亡き夫です。彼も一部始終を眺めて「くだらんぞ」と言っていた気がしました。 [DVD(字幕)] 3点(2008-01-19 13:12:30) |
1462. ザ・ロック
《ネタバレ》 以前に一度観ましたが内容を覚えておらず、二度目の鑑賞となりました。山のようにある突っ込みどころはご愛嬌ですが、ハメル准将の描かれ方に消化不良の感が否めません。メイソンとグッドスピードを生け捕りにした時点で違和感を覚え、脅迫を実行しないままの最期に興ざめしてしまいました。大義名分のために人質を殺してしまう相手だと承知しているはずであり、序盤の悲壮な決意に魅せられるものがあったので残念です。 [DVD(字幕)] 6点(2008-01-13 00:15:55) |
1463. 緑色の髪の少年
随所に表れるストレートであり過ぎる程の反戦メッセージは正論なれど感じ入るものが少なかったですが、おじいちゃんの言うところの幸福の緑色がもたらす少年の苦悩は見応えがありました。子供達が見せる異端視は未熟さ故ですが、それを諌めるべき大人達の異端者を屈服させようとする心裡が不気味であり、このような状況下で意思を貫く事が至難であるのは止むを得ないとは言え観ていて悔しさが募ります。現実を受け入れた少年の行く末に不安と希望を想像させられるラストシーンと陰惨な作品になる事を救ってくれたおじいちゃんの歌声が印象的でした。 [DVD(字幕)] 7点(2007-12-28 23:29:16) |
1464. 大列車強盗(1903)
ようやく鑑賞できました。評価について考えさせられる作品です。面白かったかと問われれば、とるに足らない内容で「1点」の評価です。背景を考慮に入れますと「10点」の評価です。 [インターネット(字幕)] 5点(2007-12-05 09:19:30) |
1465. シリアナ
ご都合主義の正義感でもって損得勘定に精を出すアメリカの勝てば官軍ぶりがよく表れており、毎度の事ながら不快感が募ります。多くの人物の誰か1人を軸にするべきで、2時間程にあれもこれもと詰め込まれたストーリーをスッと理解するのは私にはムリヤナと言える作品でした。 [DVD(字幕)] 3点(2007-11-30 22:31:20) |
1466. 赤ちゃん教育
自分勝手で、非を認めずその場しのぎにカンナ屑が燃える如くペラペラ喋りまくるスーザンと彼女に翻弄されるデイヴィッド。全ての登場人物の勘違いから生ずる怒涛の展開のドタバタ劇。コメディファンの私には堪えられない筈ですが、全く笑う事ができないばかりか、癇に障ってイライラし通しで、結末も鼻白むのみでした。このような椿事の原因は、バツの悪さや情けなさや可愛さを爪の先ほども感じられないスーザンに対する拒絶反応によるものです。キャラクター設定の拙さが作品を台無しにする事を教えてくれる『ある意味貴重』な作品でした。 [DVD(字幕)] 2点(2007-11-21 23:27:42) |
1467. チャイナタウン
完全にニコルソンの虜になり、ポランスキーに興味を抱くきっかけとなった思い出の作品です。30年ぶりの鑑賞となりました。ゲティスは、はしたないジョークをとばし、のされてヨレヨレの姿を晒す完全無欠でない人物ですが鼻に絆創膏を貼り付けようともビシッと決めたいでたちに、当時わけもなく色気を感じました。その色気は仕事で笑われたくないという信念からくる打たれ強さであり、悲しい思いに押し潰される事なく背負って生きていこうとする芯の強さからくるものなのだと今は思えます。人間外見ではなく中身であるとは小さい時から聞いてきましたが、外見が中身を造り中身を語る事を気づかされました。そして、とてつもない辛苦を背負いながらこのような作品を作り上げたポランスキーがゲティスとだぶって見えました。死体の描写と依頼人の父親の欲望の生々しさにポランスキーの怨念のようなものを見た気がしました。 [DVD(字幕)] 8点(2007-11-19 22:10:10)(良:2票) |
1468. ターミネーター2
ヒット作の続編が前作を凌駕した希少な例で、CG映像、キャラクター、アクション、ストーリー、メッセージが程好く混ざり合ったSF映画の最高峰と呼べる作品です。「人間がなぜ泣くかわかった」映画史に残るシーンを観る度に、その事を絶対に解り得ないT‐1000の恐ろしさを味あわされるのです。 [DVD(字幕)] 9点(2007-09-17 00:39:55) |
1469. 007/カジノ・ロワイヤル(2006)
シャワールームでのボンドの一連の行為は、セルフで温めなくてはならぬ身にとっては胸が締め付けられるものでした。このシーンをはじめ、女性に任務に対する駆け出しの感が全編に亘って表れています。他の作品での洗練されたボンドが本作が示す素地の上に年期を重ねたものなのだという事を考えると、ダニエル・クレイグ演ずるボンドは味わい深いものがありました。見応えのある展開でしたが、陰湿な悪党ぶりが味わい深かったル・シッフルの最期に捻りを効かせてもらいたかったです。 [DVD(字幕)] 7点(2007-06-03 01:28:54) |
1470. シンシナティ・キッド
エドワード・G・ロビンソン目当てでの初の鑑賞でしたが充分に満足できました。若き日のロビンソンが重なり合う、度胸満点で向こう見ず、野心に満ちたキッドを演ずるマックィーンに相対した姿に、歳を取ってしまったのではなく、歳を重ねた者が持つ凄みを見ました。大勝負の駆け引きは無論のこと、男と女の駆け引きも見応えがありました。そして、舞台となったニューオーリンズ、惹かれるものがありました。一度行ってみたいです。 [DVD(字幕)] 8点(2007-05-31 16:13:07) |
1471. 犯罪王リコ
《ネタバレ》 成り上がりから破滅へ。物語はお決まりの展開ですが、圧倒的な存在感で作品を支配するリコは数多あるギャング映画の中でも傑出したキャラクターで、そのふてぶてしさには、魅了されます。一片の情が破滅の末路へと向わせるジョーと相対するシーンと最期のシーンは忘れ難い名場面です。ここ一番の場面で情け容赦なく行動できる者だけが頂点に昇る事ができるのだという事を実感させられました。 [DVD(字幕)] 8点(2007-05-19 01:19:09) |
1472. 戦場にかける橋
《ネタバレ》 決して節を曲げず部下の前では背筋を伸ばして歩き、仕事を通じて部下を成長させようとするニコルスン。現実を把握し、独り悔し泣きにのたうちながらも譲歩した斉藤大佐。リーダーのあり方を考えさせられました。爆薬の設置から爆破に至る息詰まる展開を経てのラストシーン、 madness madness 狂った指導者が巻き起こす戦争という気違い沙汰を知らしめてくれます。今回、劇場で鑑賞出来た事は幸運でした。 [映画館(字幕)] 8点(2007-04-21 01:29:27) |
1473. カッコーの巣の上で
初見は中学生。正義面して人の心まで意のままに操ろうとする婦長は長年に亘り憎悪の対象でした。何十年振りかの鑑賞でもその点は変わりませんでした。規則破りや無軌道はカッコいい事ではありません。しかし、規則やシステムが人間性が置き去りにされたものであり、管理者が被管理者を見下している世界、小は家族から大は国家まで、は正常ではないと思います。ラストで元の日常に帰った者達と走り去っていくチーフ。行動する事の凄さと難しさを痛感させられます。本作でのめり込んだジャック・ニコルソン。今観ても最高のニコルソンです。 2022.9.27追記 ラチェッド婦長の メディケーション タ~イム 今も耳に残っています。鉄仮面が崩れたシーン 今も目に焼き付いています。 お疲れ様でした。 合掌 [DVD(字幕)] 10点(2007-03-25 02:05:40)(良:2票) |
1474. 深夜の告白(1944)
《ネタバレ》 犯行の計画と遂行と破綻の理詰めな展開に男同士の友情と男女の愛憎が絡まり合う見事な脚本です。フィリスと関係を持つのは危険であり、キーズには敵わない事を理解していながらも、ずるずると蟻地獄へと嵌まり込んでしまうネフ。三人共々忘れ難いキャラクターです。キーズの万感の想いがこもったラストシーン、ワイルダー監督ならではの演出はさすがと言うしかありません。唯一の減点はフィリスの最期です。私は血も涙もない姿で息絶えた彼女が見たかったです。 [DVD(字幕)] 9点(2007-03-23 02:20:33) |
1475. 今そこにある危機
アメリカの独善主義且つ御都合主義な正義(全く違和感がありません)対アメリカの良心(信じ難いです)が描かれた単純明快なアクション作品で、ハリソン・フォードの毎度お馴染みの活躍を気楽に鑑賞出来、それなりに楽しめました。不満はラストのコルテズとライアンの対決です。淡白です。ヘリのクラークとライアンの姿にいたっては「ファイト~」「いっぱ~つ」のCMが浮かんできて苦笑してしまいました。 [DVD(字幕)] 6点(2007-02-26 17:54:05) |
1476. 二重誘拐
私もタイトルに惑わされました。中盤、結末があれこれ頭に浮かびワクワクしました。それなのに・・・・・嗚呼・・・・・期待させておいて裏切るというタチの悪い作品です。 [DVD(字幕)] 2点(2007-02-24 11:29:50) |
1477. 恋におちて
共に既婚者である市井の男女が一緒にはなれないが愛し合う。ほんのひと時の幸福感を味わう事。胸に飛び込んで思い切り泣きたいと願う時に限って会えない辛さを腹に飲み込む事。罪と罰の部分が、言葉に表れない部分のメリル・ストリープとデ・ニーロの演技から感じられます。エキセントリックでないデ・ニーロもなかなか良いです。 [DVD(字幕)] 7点(2007-02-10 09:11:36) |
1478. コールガール(1971)
《ネタバレ》 謎を追う展開と犯人がお粗末極まるもので、ご指摘の通り、恋愛物として鑑賞する作品です。観辛い程の暗い画面から、夢を実現出来ずコールガールの現状から抜け出せぬブリーのうそ寒い心中を感じます。肌を合わせて、頭と心と体が一体となった悦びや幸せを噛み締める時は相手に対する感謝の念が尽きないものですので、自らクルートを求めた彼女が自分に正直になれない姿がいじらしいです。曲折の末に寡黙な中に意志の強い愛情でもって見守ってくれた彼に陥落してしまいます。演ずるジェーン・フォンダとドナルド・サザーランドの組み合わせが絶妙で、二人に堪能させて頂きました。 [DVD(字幕)] 6点(2007-01-08 13:01:24) |
1479. 処刑人
兄弟と父(ですか?)と捜査官の抱く義憤がどれ程の悲しみと怒りから来るものかを描いていない中で、人殺しを神の名の下に於いて行う不遜さが不快です。小奇麗な兄弟ですが、品も知性も伺えなく何の魅力も感じません。悪乗りが過ぎる捜査官の怪演がなければ0点の作品です。 [DVD(字幕)] 2点(2006-12-19 00:36:53)(良:1票) |
1480. チャーリーズ・エンジェル フルスロットル
《ネタバレ》 初めて観ました。指輪を取り合うストーリーの骨子について語るのは野暮なのでしょう。三位一体での暴走振りは、CGの効果もありなかなか楽しいものでした。マックス・ケイティもどきのオグレイディにはクスリとさせられ遊び心も感じる作品です。ディラン対オグレイディはまずまずでしたが、メインがナタリー対マディソンであったのは興ざめでした。サシの対決でぶちのめされる屈強なボスキャラは男でなくてはいけませんね。 [DVD(字幕)] 5点(2006-12-15 22:13:08) |