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1.  (500)日のサマー 《ネタバレ》 
ジョセフゴードンレビット、いろんな役が出来る役者だなと思っていましたが、このように小粒な作品で(悪口ではない)、ミッションもアクションもなく、何だったらフィジカルはお腹プヨプヨくらいがちょうど良いような役、やってたんですねえ。いやー、幅がお広い。自らの初監督作品「ドン・ジョン」も観てみたい。 運命の赤い糸を信じてやまないロマンチックな男と、その逆思想の女がイチャイチャした末、結果別れるというお話。かなりウッディアレンです。小粒感もちょうど似てる(悪口ではない)。心身ともに互いの距離が縮まっても、「友達」である事にこだわる女サマーと、その関係に焦りを感じつつ強がる男トム。しかしそんな状態はいつまでも続くものではなく、いつしかサマーを嫌いになり、怒り、別れる。好きだからこそ、嫌いになる。これはかなりヤバい感情だとも思うが。再会したとき、またしても期待してしまったトムが見たもの。あまりに残酷です。世界の色が喪失しちゃうくらい。そしてやさぐれる。小気味よいほどにしっかりやさぐれるトムには爽快感すら覚えます。これは面白い。 トムは愛なんて信じなくなり、世の中全て嘘っぱちだと自暴自棄になる。サマーはトムと別れた後、運命の出会いと思える男と結婚する。俗に言う「刺されるぞ」な女だ。考えの真逆な二人が接しているうちに、お互いの考えに感化され、結局また真逆になっちゃったなんて、やっぱり二人は結ばれない運命だったんだな。 「運命」って言葉、迷信じみてて好きじゃない。物事の全ては偶然の連鎖であり、偶然の連続の末に行きつく事象は結局必然なんだと思う。トムの次の出会いも運命などという突然上から降って来たみたいなものではなく、これまでの行動や感情の蓄積から自ら手繰り寄せた縁なのである。苦い体験を経て、トムはただのロマンティストじゃない大人の男になれたのかな。
[インターネット(字幕)] 7点(2024-05-31 11:35:10)《新規》
2.  フットルース 《ネタバレ》 
みんな大好き世界の中心ケビンベーコンの学園ものなんて、それだけでありがたい作品。長い俳優人生でも学生役なんてほんの一瞬しかできないんだから。で、そんな一瞬のケビンがまぁキュートな事。実年齢は25歳くらいだそうだけど。都会からの転校生は、田舎町では常に監視されてる気分。また田舎の同級生も厳しい街の規則に抑圧され、若者たちのフラストレーションは高まるばかり。町の道徳ムーア牧師がヒール役と思いきや、意外にもその家族の物語でした。ダンスとは若さ、自由の象徴であり、自己表現のツールである。それを「悪」として禁ずる牧師ですが、その背景には悲しい過去が作用していて、めちゃめちゃ私情を挟んだ規則だったのです。娘や若者たちとぶつかるにつれ、自分の敷く規則に矛盾を感じ始めます。大人は子供を守るために「あれはやっちゃダメ、これは見ちゃダメ」と禁止事を増やすけど、「あれ」にも「これ」にも悪魔は宿っていない。悪魔は人の心そのものに宿るんだ。息子を亡くし娘に嫌われ、正義と信念の下に凝り固まった牧師に、それを思い出させてくれた若者の真っ直ぐな思いに感動するのです。卒業ダンスパーティーが町境の隣町で開催されるという折衷案がまた良かった。 もちろんこの作品は、ダンスと音楽を前面に出してヒットした80年代を代表する子供向けムーヴィーという印象が強いけど、当時ローティーンの私が洋楽&洋画にかぶれたきっかけの一つではあったけど、いくつになっても、いつ見ても楽しいものは楽しい。にしても、ダンス禁止地区なのに、みんなダンスが達者だなあ。
[インターネット(字幕)] 8点(2024-05-24 13:49:05)
3.  ラ・ラ・ランド 《ネタバレ》 
ミュージカルがちの人と苦手の人、両方が厳しい見方をする作品。確かにミュージカル映画とは言ってますが、ジーンケリーと比べちゃかわいそう。あちらは筋金入りですから。こちらのミュージカルパートはあくまでも、二人にとって「夢を追う」姿の象徴的存在で、脳内妄想の範ちゅうを超えてないレベルです。現実はもっと厳しいもので、ぶつかり合い、すれ違い、傷つけ合い、ハッピーなミュージカルのようにはいかない。カラフルな色使いのロマンチックなラブストーリーは非現実。夢を見ることは非現実的だけど、夢のためにやりたくない仕事をして、妥協して、挫折するのは現実。この矛盾の狭間に生きるのが夢追い人。ミュージカルという不条理にはぴったりな題材だと思う。 二人はそれぞれ夢を叶えることが出来たけど、何て切ないラストでしょう。あの走馬灯はどちらの脳内を走ったものなんだろう。あるいは二人の脳裏に同時に現れたものだとしても、二人は別々の道に戻っていくのです。あー、切ない。 良くも悪くもこちらのレビューのようにみんなが自分の人生観や恋愛観、映画愛、ミュージカル愛を自由に語り合ってもまだまだ語ることがありそうな作品であることは確か。
[インターネット(字幕)] 8点(2024-05-13 15:01:27)(良:1票)
4.  俺たちに明日はない 《ネタバレ》 
まず二人が若くてかわいい。ウォーレンベイティには今まであまり縁が無かったのだが、シャーリーマクレーンの弟だそうで、どことなく似ている。どおりで可愛いわけだ。ヴィジュアルはさて置き、彼らの無責任、無鉄砲、無計画っぷりは、それが若さゆえだとしても全く共感できない。盗んだ高級車に足をかけ、葉巻をくわえて記念写真を撮るその行動こそ、ファッション感覚で非行に走り、犯罪を犯罪とも思っていないという証だ。行動を共にするクライドの兄夫婦もどうかしてるし、特にギャーギャーピーピーうるさい兄嫁は、強盗の分け前を要求してくる始末。今のところ気に入ったキャラは出て来ない。途中拉致られ同行したユージーン(ジーンワイルダー)たちとのシーンだけが楽しかった。 強盗を繰り返し殺人まで犯し逃亡する。こんな生活に不安を抱き始め、ママに会いたがるボニーはちょっとだけまともに思えたが、連れて来られたママは娘を慈しむ事もなく「若い人たちだけやってくれ、巻き込むな」的な事を言う。ママに見捨てられ泣くボニーだったが、泣きたいのはママの方だろう。 悲劇的シーンでアイロニックに響くバンジョーの音色は、彼らに共感しない視聴者の嘲りか。だがそれでもあのラストは、やはり切ない。共感は出来ないが、彼らがここまでの犯罪を繰り返すことになってしまったのは警察の落ち度でもあり、世界恐慌という時代背景もあり、こんな珍妙な言葉は使いたくないが、「世の中の犠牲者」だったんではないかと考えると、少しの同情の余地はある。いや無いか。
[インターネット(字幕)] 6点(2024-05-09 14:35:50)
5.  遊星からの物体X 《ネタバレ》 
南極観測隊を10万年前の異生物が襲う。これ聞いただけでワクワクします。しかし思ってた以上に「それ」がグロくて眉間にしわ寄せてしまった。けどじゃあどんなビジュアルならいいんだと聞かれると、現れるのはどれも擬態途中の姿なのであれで正解なのでしょう。つまり完成形が人間だったり犬だったりなので、「それ」自体の姿は無い、というか液体が実態なのね。ん?でもあの触手みたいなのは何なん?とはなりましたがね。「それ」の怖さには人間同士の疑心暗鬼というものがセットでついてくる。要するに周りは敵ばかり。視聴者には主人公のカートラッセルまで疑わせ、登場人物同士だけでなく見ているこっちまでも巻き込む疑念は見事。生きるために血が逃げるという仮説からの血液検査は斬新。その空間に張り詰めた緊張感がこちらまで伝わってきました。そしてラストシーン、残った二人の内てっきりチャイルズ(黒人のかた)が感染してると思ったけど、その逆も考えられるし、二人ともアウト、二人ともセーフ、という4パターン考えられるという仕掛けになってるんですね。どちらにせよ誰も助からないバッドエンドなんだけど、二人の会話がおしゃれでかっこいい。後味は悪そうで、実はとても小気味良いです。
[インターネット(字幕)] 7点(2024-04-25 14:23:38)
6.  恐怖の報酬【オリジナル完全版】 《ネタバレ》 
これは傑作。他の恐怖の報酬は観てませんが。犯罪者を寄せ集め、ジャングルの悪路悪天候でニトロを運ばせる。次々に試練が用意され、人数が減れば報酬の取り分が増額する。それでも吊り橋ではバディ意識が芽生えたり、4人で力を合わせて巨木を爆破したり。文字どおり「吊り橋効果」みたいに連帯感が生まれてる。フランスの銀行家とパレスチナのテロリストがお互いの家族の話なんかをし始めた途端に…というのも何とも映画らしくて良い。一人残ったロイシャイダーが廃人みたいに彷徨い、ラストはバッドエンドなんてもう完璧。もちろんアクションも撮影も手に汗握る演出も完璧。これは観なきゃ損です。
[インターネット(字幕)] 9点(2024-04-21 13:49:10)
7.  20センチュリー・ウーマン 《ネタバレ》 
それぞれみんな色んな事情があって、色んな価値観や好みがあって、時代もどんどん変わっていく。でも親子の愛は変わってはならないもの。そして価値観や好みの違いも一旦受け入れて、うん、何かいいかもってなったら、ちょっとハッピーじゃないですか。 登場人物は主に5人。母と息子と2人の女子とおっさん。男2人はまあ置いといて。メインは女たちです。原題は複数形なので。母は子離れできない重たい女でもあるけど、それを自分で分かってて、普遍的なものと変化していくものを自然に選別できる、知性と柔軟性のある女性。なかなか複雑で素敵な人物です。他2人の女性もそれぞれ自分を持った強い女性なんだけど、みんな互いに優しい。そこが良い。息子は幸せもんだ。
[インターネット(字幕)] 7点(2024-04-10 17:48:31)(良:1票)
8.  ギャング・オブ・ニューヨーク 《ネタバレ》 
アカデミー賞主演男優賞にノミネートされたのが、ダニエルデイルイスだったこと、デカプリオにとっては辛かったと思うけど、ちょっと納得。義眼とベタベタな前髪と、刃物使いがとにかく恐ろしく、でもなんとなく温かい人物のよう。こういう人物像って大げさになり過ぎちゃうことありそうだけど、さすがです。調度いい。全体的にミュージカル?ぽい場面が目立ち、おとぎ話みたいだったけど、ラストの戦闘シーンは目をふさぎたくなるほど壮絶で、実際にあった歴史上の事件を後世に語り継ぐという使命を持って作られた事が感じられます。そしてその時の犠牲者の墓標が少しずつ朽ちていき、ニューヨークの街がだんだん作られていくラストシーンが、この作品のメッセージですね。長いけど分かりやすく、良かったと思います。
[インターネット(字幕)] 6点(2024-03-25 16:55:53)
9.  マレーナ 《ネタバレ》 
人間が性、性(さが)を恥じることなく全て丸出しにしたらこんな事になります。背景の戦争だって人間のさがでしょう。ここの人たちは男も女も子供も、みんな理性が無い。主人公のマレーナだけが唯一まともです。マレーナ以外の人間はみんな世間の喧騒を表した背景みたいなものなんでしょう。戦争によって身内を次々と亡くし、孤独になってもたくましく生きていかなければならない。美しさと悲しさが共存した彼女をモニカベルッチが完璧に演じています。セリフが少ないのがまたいい。本当に孤独な人間はペラペラしゃべりません。いつも背中に哀愁をまとって歩く後ろ姿だけが雄弁です。。辛いことがあってもまた戻って来たラストシーン。美しいシチリア島の景色と溶け込むように、またさっそうと歩く姿は、ちょっとだけ救いがあって、良かった。
[インターネット(字幕)] 7点(2024-03-21 15:25:08)
10.  ハリー・ポッターとアズカバンの囚人
原作では特に印象に残るエピソードだったように思う本作、期待は裏切ってません。シリウスが完璧。ルーピンもよい。スネイプをもうちょっと見たかったかな。
[インターネット(字幕)] 7点(2024-03-10 13:57:38)
11.  アメリカン・ハッスル
実話を基にした詐欺師ものなので、どうしてもその騙しの行方を追いかけて「うーん、そういう事件があったのか」と自分の知識向上を求めたくもなるが、途中からあきらめた。これ人間を楽しむ方のやつだって。うん、とっても楽しめた。出演者全員良かった。この手の作品でも、各々の思いとか、思い通りにならない辛さとか、しっかり人間味を表現することを諦めてない感じ、巧いと思う。デニーロ出てきてからは、更に囮捜査の緊迫感も加わって、最後まで楽しめました。
[インターネット(字幕)] 8点(2024-03-06 11:51:10)
12.  フラッシュダンス
大好きな作品です。ストーリーは特に可もなく不可もなく盛り上がりに欠けるものだけど、いいんです。若者がそれぞれ自分の夢を追い、時に挫折し時に意地を張り、何が正しく何をすべきかも定かでない、周りに感化されながらももがく姿がただ眩しくて。その単純なストーリーを台詞の代わりに語ってくれるカメラワークも無駄が無くて良い。朝日が昇ると同時に自転車で職場に向かう主人公。最初のオーディション会場、足元を順に写すと皆トーシューズ、続いて頭を写せば皆お上品な色白ひっつめ髪。受験者たちの属性が分かる。教会の懺悔室の光と影。ストリートダンサーたちの生き生きした自由なダンス。これらの映像も美しい。いよいよオーディションシーン、審査員たちの見る目がみるみる変わってく感じ、結果なんてどうでもいい、やり切ったぞって終わるラストシーンも素敵。途中のエピソードで、バーの先輩ダンサーが語る「昔は衣装をたくさん買ったけど、急に買わなくなった、理由は分からないけど。その衣装もみんな古くなってしまったわ。」みたいなセリフ、深いです。外見をいくら取り繕ってもそれはいつしか古くなる。中身を充実させればそれは不変的なものになる、という事なのかな。可もなく不可もない物語だけど、読み取ろうと思えば実はそんなメッセージもさり気なく込められているようにも思う。
[インターネット(字幕)] 8点(2024-02-20 18:22:13)(良:1票)
13.  アントマン&ワスプ:クアントマニア 《ネタバレ》 
量子世界の帝国軍と反乱軍の戦いに首を突っ込んだアントマンファミリーでしたが、ミシェルファイファーにアクションやグリーンバックの演技はもう辞めさせてあげて。ご本人も何演ってんだかあまりわかってないんじゃないの。マイケルダグラスも変な操縦桿ばかりだし、ビルマーレーが出て来た時も、あ!ビルマーレー!って思っただけだった。この大御所たちを使う意味があるのかなあ。量子世界の生物たちの造形が全体的に滑稽よりで、やっぱり子供向けなのは仕方ないが、個人的にはあまり魅力を感じられなかった。次のヴィラン、カーンの紹介作品にしては、既に配信ドラマ「ロキ」で十分。カーンはサノスほどの凄みが全く感じられないから、全くワクワクしない。良かった点は、娘のキャシー。可愛くてカリスマ性も有りで良かった。ジェントーラという女戦士もかっこ良かった。蟻たちがまたちゃんと活躍したところ、くらいでしょうか。
[映画館(字幕)] 5点(2024-02-02 12:07:56)
14.  ウォンカとチョコレート工場のはじまり
ミュージカルに徹したところが良かった。苦手という人も多いジャンルだけど、かなり完成度高いです。怒涛のように展開する音楽パートはまるでチョコレートの大河のように滑らかに流れ、そんな中でもストーリーは分かりやすく進行する。登場人物たちの細かなエピソードも見事に繋げ、おとぎ話らしいご都合主義と予定調和な部分が逆に心地良くて。笑いあり、ちょっとホロリとさせる所もありで、こういうミュージカル映画って、何だかんだ言ってもやっぱり最高に楽しいエンターテインメントだなー。
[映画館(字幕)] 10点(2023-12-15 12:53:23)
15.  グリーンブック 《ネタバレ》 
評価が良いのでずっと見たかった作品、やっと観ました。やー、感動してしまいました。「最強のふたり」のような、「ドライビングミスデイジー」のような、既視感ありありです。ピアニストのドクは孤独を顔だけで表現する訳でもなく「黒人でもなく、白人でもなく、男でもない自分はどうしたらいいんだ!」とか一番の心の叫びを普通にセリフで言っちゃったりで。用心棒のトニーは普通にめっちゃイイ奴で、クルマ運転して、ちっちゃいトラブル片付けて、8週間の出稼ぎを終えて、ただ家に帰っただけ。なのに何なんでしょう、この感動。人種差別問題にしても、ここでの白人たちは「決まりだから仕方ないんすよ」的な描かれ方をしていて、かなりマイルド。人種問題だけに振り切った硬派な作品とは違い、普段お調子者のお父さんが仕事に行ったら、一回り大人になって帰って来た、みたいなあれです、「はじめてのお使い」。でそのお仕事を隠しカメラで見ちゃってて、なんか感動、みたいな感じ。白人の描かれ方がどうのとか批判もあるようですが、そうゆうのじゃない気がする。こういう映画で単純に感動できる鑑賞者でありたいと思う。ヴィゴモーテンセンはいつもとイメージの違う役を演じ分けていて素晴らしいです。ブラボー。
[インターネット(字幕)] 8点(2023-11-22 15:07:51)
16.  沈黙 ーサイレンスー(2016) 《ネタバレ》 
原作も背景も日本ですが、キリスト教迫害時代の宣教師目線の物語なので、主人公がハリウッドスターです。この場合へんてこりんな日本と、片言の日本語を喋る日系アメリカ人が日本人役で出てきたりしても、まあしょうがないかと諦めることに慣れてしまっているのですが、その点においては全く心配することなく、むしろ日本の俳優さんたちが素晴らしく、日本人としてちょっと嬉しく思いました。物語の内容と同じく、完全アウェーな宣教師になっていました。 島原の乱と踏み絵の事しか知らない無知で無宗教の私などにとって、カトリック教徒の遠藤周作とスコセッシ監督が語る、宣教師と切支丹とそれを取り締まる幕府の役人の事を考える良い機会になりました。それは間違いなく諸外国からの侵略を恐れての一方的な宗教弾圧であり、悲惨な場面もたくさんありましたが、「なぜ神はここまで私たちを苦しめるのか」をキーワードに、神と信仰心についてまで考えることになります。キリスト教の教え「唯一神」つまり神は一人である、という考えと、「神」とは信じる心があってこそ、その一人一人の心にそれぞれ宿るものという、より日本的(仏教的)な考え方。どっちだっていいし、それは人によっても国によっても違う。それに気づいた事こそ、神を理解したという事なのでした。原作にはないラストシーンとの事ですが、スコセッシ監督の解釈であり、エンターテイメントとしても分かりやすくなっていて、良かったと思います。
[インターネット(字幕)] 8点(2023-11-01 18:03:22)
17.  キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン 《ネタバレ》 
 206分という長さでもダレることなく、観てよかったと思える作品でした。ノンフィクションを誠実に描くスコセッシ監督の仕事が、やっぱり素晴らしかった。ストーリーも分かりやすく、婚姻関係まで使って国盗り合戦するのは、日本の戦国時代と変わらないな、なんて。土地の利権の為に血眼になって殺人までしてしまうのは、セルジオレオーネの「ウエスタン」などをどうしても思い出しますし。そのくらいよくある話で、何だったらここに警察の汚職とか絡んでくるともっと面白いんだけど(不謹慎)、こちらはノンフィクションです。デカプリオとデニーロの共演もまた嬉しいです。デカプリオがデニーロにずっと騙されてて悪事に手を染めてしまうおバカさんなんだけど、結局は自分の良心を優先しました。しかし、デカプリオが最後のセリフを言った時の表情は、「知らなかったけど、薄々気付いてたけど、でもそれだけは絶対言わんとこ」っていうクズっぷりが出ていて、秀逸でした。ラストのサプライズ演出も、おしゃれです。
[映画館(字幕)] 9点(2023-10-23 17:06:43)
18.  ボヘミアン・ラプソディ 《ネタバレ》 
 当時完全洋楽好きな中学生でしたが、なぜかクイーンはあまり聞けてなかった、なぜだろう。でも知ってる曲はたくさんあるし今聞いてもドンピシャストライクゾーンな曲ばかり。なんで聞いてなかったのか悔やまれます。で遅ればせながらサブスクで飽きるほど聞こうと思う。なんて私の音楽ライフの話などは置いといて。とにかくこの映画が本当なら、フレディマーキュリーという人は間違いなく天才だ。スマイルというバンドの辞めてしまったボーカル代わりに、俺は?と歌いだす。もういきなり天才。美しいメロディ、カッコいい歌詞、面白いアイデアがどんどん出てくる。パワフルなボーカルとパフォーマンスで、なるべくしてなったスーパーバンドのスーパーリードシンガーだった。そこに現れたポールプレンターという男。この石ころにつまづいてしまったんだな。奴の影響がその後のフレディの人生を大きく変えたのか、奴がいなくても運命は変わらなかったのか、そんな事は分からないが、フレディの歌、クイーンの楽曲が多くのビューティフルピープルの人生を変えたことだけは間違いない、確かな事実だ。熱気あふれるライブエイドの会場再現、魂を込めた歌唱に自然と涙が溢れてしまった。音楽の力って凄い。合唱拍手興奮、波打つ観衆、間違いなく空に穴が開いたし、地面も陥没しそう。ライブ前は不安そうだったメンバーも楽しそうにフレディを見守る。ジムハットンの優しい眼差し、メアリーの誇らしげな顔、感極まった観衆、we are the champions ! 会場が割れる。音楽の素晴らしさと、人間の優しさに感動させられました。劇場で観たかったけど、もしそうしてたら号泣間違いなしだったでしょう。危ない危ない。
[インターネット(字幕)] 9点(2023-08-09 17:09:05)
19.  ノマドランド 《ネタバレ》 
ノマドの生活は、傍から見れば自由気ままに旅をし、大自然を謳歌しているようにも見える。もちろんその通り、楽しんでやっている人もいるだろうし、苦あれば楽ありと割り切ってやっている人もいる。ただ年金だけでは生活できない高齢者が重労働をしながら車上生活を強いられているとなると、それは社会問題だ。そんな問題提起をドキュメンタリータッチで描いている本作だが、それだけに終わらず、こちらの主人公ファームという女性は、それに輪をかけ思い出を引きずり過ぎているという悲しい事情、物語がある。また、この生活を選んでいる人たちには各々の事情があり、それそれ抱えているものが違うから、本当の気持ちを分かり合う事は不可能かもしれない。全く同じ指紋が存在しないのと同じ様に、全く同じ悲しみは無いのだ。それぞれに悲しみ、癒され、希望を持ってはまた悲しみが押し寄せる。ヒーリングジャーニー、決してかっこいいだけの自由な旅じゃない。ファーンの唯一の肉親の姉は、妹の今の生活を、「開拓者みたいで素敵」と言って、やさしい言葉を掛けてくれるのは有り難いが、全く理解していない。これじゃあ一緒に暮らせない。ファーンの事を好いてくれたノマド仲間の男性は、豪華なキャンピングカーに暮らし、帰る家もある。一緒に暮らそうと言ってくれるが、そこは彼女の居場所なんかじゃない。死んだ夫が大好きだった土地(すでに町として存在しない場所)を捨てられない彼女が、癒される時はいつ来るのだろうか。アリゾナやダコタの美しい自然と物悲しいピアノの旋律、そしてファーンの寂しそうな笑顔が作品全体の雰囲気を全て物語っている。
[インターネット(字幕)] 8点(2023-05-30 14:34:24)
20.  THE BATMAN-ザ・バットマン- 《ネタバレ》 
鬱々としたブルースウェインと、ニルバーナの音楽が、一貫性を持った世界観を創り上げています。ダークナイトトリロジーのブルースと違ってまた新しいバットマン。アメリカ人てホントにバットマン好きだな。地元の大富豪が夜な夜な怪しい変装して、自警活動してるっていうお話を、何度も何度も作り直す。無くてはならないような存在なのでしょうね、スパイダーマンもそうだけど。それを私たちは楽しくまたは心を痛め、毎度毎度観てしまう。その感じ、嫌いじゃないです。今回のブルースウェインは、弱い心を持つ普通の青年。謎々で振り回され翻弄されっぱなしで、そのゴツい変装が痛々しくさえ感じられます。何だかんだで今回の事件を経て、病み期のバットマンは成長し、マスクして人命救助を手伝ってる姿は新しさを感じます。うん、面白かった。セリーナとのバイクの並走シーンは清々しく、プラトニックな二人が無性に可愛らしかった。
[インターネット(字幕)] 8点(2023-05-14 13:01:21)
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