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FSSさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 854
性別 男性
自己紹介 <レビュアー引退について>

他の方にとってはどうでもいい事ですが(笑)、
こちらでのレビュアーを引退させて頂きます。
理由はあまり映画自体を見なくなった事と、
結局、映画以外にもレビューを書けるAmazonが
レビュー投稿の中心になってしまった事ですね。

長い間、お世話になりました。 2021/11/27
   
<ジャンルの好みについて>

・好きなジャンルは「ホラー」「サスペンス」「ミステリー」。
・嫌いなジャンルは「ミュージカル」「恋愛」「韓国映画」「感動押し付け系」。
・どちらでもないのは「アクション」「SF」「コメディ」「時代劇」。

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1.  死霊館 《ネタバレ》 
「エクソシスト」からあるオーソドックスな悪霊撃退系ホラー。  他の人も言っているように、実話ベースで真っ向勝負なのは良いけど、あまりにもよくある内容で、そのありがちな展開と演出には意外性が無さ過ぎて、さすがに食傷気味。  いかにも来そうなポイントをいったんハズしておいて、次の場面で「ドーン!!」とやる驚かせ方もワンパターン。  キリスト教の宗教観ありきの恐怖なので、やることの解決手段が悪魔祓いくらいしかなく、やはり日本人としては恐怖のツボが違う。ラストも少年漫画にありそうな展開で、「みんなの家族愛や友情のパワー」であっさり正気を取り戻し、あっさり悪霊を退治してハッピーエンド(笑)。  まあ、後味は悪くないので、あまり普段この手のホラーを見ない人にはお奨めできるかも。
[インターネット(字幕)] 4点(2017-12-30 22:42:42)(良:1票)
2.  ワールド・ウォー Z 《ネタバレ》 
全力疾走、即効感染、大量生産、の三大迷惑要素を兼ね備えたゾンビが世界中に蔓延。ブラピお父さんが世のため家族のためにあちこち飛び回って対策方法を探すドタバタホラーアクション。  あちこち別の国に舞台が移るのは少し新鮮ながらも、ストーリー展開上の必然性は皆無。ゾンビも大量にいる場所と、たいしていない場所の両極端。あれだけ大量のゾンビが一体となって襲ってくると、もはや津波や土石流と同じにしか見えず(笑)、私の理想とするゾンビの恐怖感とはまったく違うもの。あまりに感染力が高いので、家族や友人がゾンビに噛まれて発症するまでの悲壮感などは皆無。ジェリーの妻役のミレイユ・イーノスもドラマ「THE KILLING」でファンになったのに、夫の足を引っ張ること以外に活躍の場が無いのが残念(笑)。  色々と突っ込み所もありますが、とりあえずラストはゾンビものとしては珍しく未来への希望が感じられる終わり方だったので、後味は悪くなかった。ただ、あくまで暇つぶしレベルのエンタメゾンビで、何度も見られる深い作品ではないかな。
[インターネット(字幕)] 4点(2017-12-30 22:33:51)
3.  エスター 《ネタバレ》 
これも「エクソシスト」みたいな悪霊系かと思いきや、まさかのオチ。ただネタバレが早いので、正体が分かってからは返ってエスターの恐怖感は半減。エスター本人は静かに暮らしたいのか、新しい家族をめちゃくちゃにしたいのか、何がやりたいのかいまいち伝わらなかった。ラストも生死は不明にして、また別の施設で絵を描いている「エスターっぽい少女の後ろ姿」を映してエンドにした方が良かったのでは。エスターとマックスを演じたふたりの女の子の演技力には脱帽。
[インターネット(字幕)] 6点(2017-12-30 01:54:32)(良:3票)
4.  サプライズ(2011) 《ネタバレ》 
他の方も書かれていますが、「サプライズ」なのにサプライズが無い!!動画配信サイトのあらすじ紹介で「襲撃者にとっても意外な展開に」みたいな事が書かれていたので期待して見ましたが、これと言って意外な展開など何も起こらず仕舞い。殺人者側の動機も「遺産を独り占めするため」という、これまたオーソドックス過ぎる平凡な動機で拍子抜け。途中で親戚一同や殺人者とは別の第三勢力が出てきての三つ巴の戦いになるのかと思っていたので、このあまりにも意外性の無い展開にはガッカリ。襲撃者もマヌケ揃いなので緊迫感もいまいち。ホラーとしてもミステリーとしても中途半端。
[インターネット(字幕)] 3点(2017-12-30 01:42:01)
5.  ゼロ・グラビティ 《ネタバレ》 
宇宙の真空状態や無重力の演出は本当にスゴい。見ていて自分も何も無い世界に翻弄される恐怖感や息苦しさを感じるほど。視界に入る地球の美しさがより孤独感を引き立てる。  ただ肝心のシナリオ展開は陳腐。起こり得るトラブルもだいたい予想通りのものばかりだし、良くも悪くも映画的なご都合主義によってどうにかなるシーンが多い。登場人物ふたりの背景描写がほとんど無いので感情移入もいまいち。  ラストも地球に帰ってこれたのは良いけど、蛙や昆虫、鳥といった「進化」のプロセスを象徴する生物を見せた後、二本足で立ち上がり、地球の重力を感じるというシーンは、いかにも「深いテーマ性を盛り込みました」と言わんばかりの演出でちょっと鼻に付いた。ああいう演出は語り過ぎない方が素直に感動できる。
[インターネット(字幕)] 5点(2017-12-30 01:32:13)(良:1票)
6.  イット・フォローズ 《ネタバレ》 
外見は人間だが、この世の者ではない「何か」が自分に向かって一直線に歩いてきて、捕まると殺されるというホラー。まあ一種の「呪い」系ホラーだけど、肝心の「どうしたら助かるのか」と試行錯誤する謎解き要素がほとんど無い。自分に「呪い」を押し付けた相手を辿っても意味が無いので、その辺をもう少し考えて欲しかった。例えば追ってくる霊(?)の姿がヒントになっていて、そこから呪いを生み出した原初の存在を辿って行くという謎解きがあれば面白かったのにと思う。  恐怖演出も中途半端で、霊なのか何なのかもはっきりせず、視覚的には見えなくても殴ったりすることは出来るという中途半端さ(笑)。人間を何メートルも吹っ飛ばす力がありながら木の扉は破れないというのも何だかなあ~。唯一、扉を開けた友人の後ろから巨人がのっそり現れるシーンがちょっと怖かったくらい。まあ神出鬼没で家の中にも簡単に入って来られたらどうしようもないのは分かるけど、その辺の「設定」はもう少し考えて欲しかった。  そして最大の見せ場であるはずのプールのシーンが意味不明。わざわざ何個も用意した電化製品は何のため?敵を感電させようとしたのだろうけど、効くかどうかも不明なのに、その結論に至った理由が分からない。結局、最後までトラップは使わずじまいで、主人公はプールで溺れてただけ(笑)。ラストも何一つ解決していない終わり方で、解釈は視聴者に丸投げパターン。肉体関係を持った人間の周囲のみの出来事なので、呪いが世界中に伝染していくような恐怖感も薄い。ホラーとしてまだ色々と工夫や推敲の余地があったはずなのに、面倒なのでやりませんでした、みたいな手抜きを感じる。
[インターネット(字幕)] 4点(2017-12-30 01:07:29)
7.  スパイキッズ
あくまで子供向けの娯楽作品だから、ある程度のご都合主義的展開は良いとしても、物語の根幹にあるべき家族愛や努力といったテーマに説得力を持たせるには、少々おふざけやお手軽感が過ぎる感じ。全体的にテンポは良いし、出てくるスパイアイテムもユニークではあるけど、重要な展開にコメディという言葉で逃げている部分が多いのが残念。子役の二人も、いかにも「演技させられてます」という印象が強く、個人的にはあまり魅力を感じなかった。駄作とまでは言わないが、少なくとも続編を見たいとは思わない。 
[地上波(吹替)] 4点(2007-08-09 11:40:04)(良:1票)
8.  ファイナル・デッドコースター 《ネタバレ》 
結局、シリーズ三作を見てしまった訳だけど、内容的にはどれも同じで、自分の感想にもまったく変化が無い(笑)。  要するに、普通のホラーにおける怪物や殺人鬼を、「死神」とか「運命」というものに置き換えただけ。どこから来るか分からない唐突な死の恐怖は、いつ殺人鬼に襲われるか分からない類の恐怖とほとんど変わらない。  結局、「運命」と「必然」と「偶然」なんて、どれも同義語みたいなもんだし、それと同じで、悪魔(死神)と神も同じような存在で、人智を超越したところで生死を操られていては基本的にどうしようもなく、それこそ運命として受け入れるしかない訳で、その感覚は恐怖と言うよりは「諦観」や「畏怖感」に近い。  とにかく、ひたすら不可知的な死に纏わり付かれているだけで、「意外な死に方選手権」にしかなっていない。もう少し展開に何か工夫や意外性が欲しいところ。どっちみち運命から逃れる事は出来ないというオチもワンパターン。  個人的には、やはり神や悪魔よりも、「人間の思惑」が裏にあるほうがはるかに恐ろしいと思ってしまう。  まあ、物が落ちたり、転がったりと、色々な偶然が積み重なって、意外な死に方に繋がっていく様は「ピタゴラ装置」みたいでちょっと面白かった(笑)。
[DVD(吹替)] 5点(2007-07-07 13:50:42)(良:2票)
9.  テキサス・チェーンソー ビギニング 《ネタバレ》 
ホラーとして丁寧(?)な作りではあるけど、他の方の指摘にもあるように、ビギニングと言うには、ほとんどあの家族の成り立ちに踏み込んでいないのが難点。  あんな家庭環境だからレザーフェイスという怪物が作られたのは分かるとしても、そもそも6代も続いたという農家の一家が、何故あそこまで狂っているのかとか、何故わざわざレザーフェイスを育てようと思ったのか、という基本的な点に関しては語られず仕舞い。本来は語る必要など無い部分だが、過去話の作品として作る以上、狂気の原点を語る必要性はあるはず。彼を産んだ母親と父親の素性もまったく分からないまま。  その辺の過去の謎や人間描写を期待したんだけど、結局、内容的には殺人鬼ホラーとしてよくある、「いつものパターン」に終始していただけ。相変わらず「倒せるチャンスがあるのに、それを活用しないでまた逆転される」という、ホラー映画のお約束の連続にイライラさせられっ放し(笑)。おまけに「ビギニング」だから、この一家がやられたり、捕まったりしないというのも最初から確定している事で、結果が分かりきっている展開を見るのは退屈だった。  終わり方にも狂気の美学が見られないし、結局、前作のリメイク版がそこそこ売れたから、ついでに過去編も作っとけと言う程度の発想の作品。ホラーとして血飛沫が飛び散ってるだけの上っ面な狂気ではなく、あんな怪物たちを生み出した、本当の意味での「人間の狂気」をこそ描いて欲しかった。  
[DVD(字幕)] 4点(2007-07-03 14:16:30)(良:1票)
10.  レディ・イン・ザ・ウォーター 《ネタバレ》 
「シャマラン監督が作ったファンタジー映画」という点をどう捉えるかだけど、素直にファンタジーとして楽しもうにも、色々なメタファーを読み取りつつ見ようにも、あまりにも基本設定やキャラ描写が陳腐&大雑把で、まともに見るには作品としての完成度が低すぎる。  この手の「日常の中に非日常が紛れ込んでくる」という設定自体に、まったく目新しさが無いし、淡々とした日常を送っているだけの平凡な主人公たちが、自分たちの「能力」と「役割」を認識していくという展開もこれまたお約束。  この基本設定やキャラ描写が非常に大味なので、謎解きや戦闘シーンにも面白味が無く、最後まで中途半端なモヤモヤ感が残る。これが日本の漫画なら、登場人物の持つ特殊能力をもっと分かりやすく差別化して表現するだろうし、その「限られた条件」の中で、敵対者との「能力バトル」を盛り上げるはず。  意図的にお伽噺のようなシンプルな構成にしたのかも知れないが、そのせいで説明不足や意味不明な部分が多く、どうして女王が重要な任務の記憶を無くした状態で人間界に来るのかとか、主人公を始め、どうして住人がこんな突飛な話をあっさり信じるのか、どうしてあの狼みたいなのは女王をさらったのにすぐに殺さないのか、どうしてあのサルみたいなのはラストまで出てこないのか、最後に登場する鷲も、どうして「水の精」を救いに来ているのに「鳥」なのかとか、多くの突っ込みどころを生じている。たとえ説明不足でも想像で補って楽しめるのであれば良いが、そもそもこの「お伽噺風味」の基本設定が陳腐なので、あえて想像して楽しむような奥深さや魅力を備えていない。  確かに人間は現実世界の「変わらなさ」を受け入れていながら、心の何処かで自分がヒーローになったり、タイムスリップしたり、魔法が使えるようになる「物語」を求めているだろう。しかしそこには、非日常を描くためのリアリティや詳細まで考えられた伏線が必要で、それが無ければ物語にも説得力が出ないし、それこそ安っぽいお伽噺レベルで終わってしまう。  何にしても、今さらこんな大雑把なシチュエーションで大真面目にファンタジーをやられてもなあというのが正直なところ。 
[DVD(字幕)] 1点(2007-06-15 16:56:14)(良:2票)
11.  エラゴン/遺志を継ぐ者 《ネタバレ》 
エルフやドワーフがいる世界で、魔法があって、悪い王様が世界征服しようと企んでいて、平凡な少年が実は選ばれた勇者で、結果的に悪者を倒して世界を救う、みたいな。別に王道が悪いとは言わないけど、ここまで「ファンタジーの基本設定」だけで、他に何の工夫も無い作品を堂々と世に出せる図太い神経には感心。  今どきゲームのRPGでもストーリーや世界観にはもっと工夫があるぞ。  ストーリー展開のテンポが速いのは良いけど、その分、ドラゴンや他の登場人物との交流も少ないから、エラゴンの成長にまったく説得力が無い(エラゴンって名前もドラゴンと被ってる意味が分からないし)。まさに「主人公特権」というご都合主義的成長。特に「エルフ語」を覚えるだけで魔法が使えるという展開は適当すぎ(まあ主人公が伝説のドラゴンライダーの生まれ変わりだからとか、そういう後付け設定はいくらでも考えられるけどw)。  映像も今さら驚かされるようなものは無いし、何よりドラゴンや敵キャラに魅力が無い。ドラゴンは「空飛ぶ火炎放射器」という程度の扱いだし、あれだけ頭が良くて念話が出来るなら地上から指示した方がいいだろ。伝説の生物という威厳や迫力に欠けている。敵キャラの描き方もヘタ。「下っ端には横柄で上司にはビビりまくってる」ところを見せてしまっている地点で、その後どんなにエラそうにされても無駄。実際、未熟な主人公にすら「期待ハズレ」と言われてしまうヘタれキャラにしかなってない。  そのくせラスボスとの戦いは無く、次回作がありそうな幕引き。シリーズ化するなら、もっと今作では主人公とドラゴンの成長をしっかり描いて欲しかった。   まあこれで次回以降は、各地に出現したドラゴンライダーたちが敵味方に分かれて死闘を繰り広げる、みたいな少年漫画的な展開を期待する(笑)。
[DVD(吹替)] 4点(2007-06-13 17:22:08)(良:1票)
12.  ザ・センチネル/陰謀の星条旗 《ネタバレ》 
あまりこの手の作品は好きじゃないけど、意外と退屈せずに最後まで見れた。その娯楽映画としてのテンポの良さは評価。  まあ、それでもSSの古株メンバーが、よりによって大統領夫人とデキちゃってるという設定には、さすがにちょっと引いたw。リスクが高すぎるから、現実的にはまずあり得ないでしょ。しかもマジに「愛している」なんて陳腐なセリフで語らせる始末。またその設定が、たいしてストーリー的に関係してこないので、余計に無意味な生々しさだけが目立っている。あっさり隠し撮りされてるのもアホ過ぎ。  また嘘発見器の結果を信用して踊らされていたり、肝心の長官だけ何故か調べられていなかったり、黒幕があっさり射殺されたり、それで組織を壊滅させた訳じゃないだろとか、色々と突っ込み所やご都合主義が多い。テンポの良さで最後まで見ていられるが、それでも点数的には4点辺りが限界かな。
[DVD(字幕)] 4点(2007-06-13 17:05:03)
13.  ソウ3 《ネタバレ》 
シリーズものとしての方向性は外さず、毎回、微妙に違うテイストに仕上げてくるのは評価。  今作は今までにあったラストの「どんでん返し」は無く、あくまで一応の「完結編」としての説明責任を果たす総決算的なシナリオになっている。そのため「ラストを盛り上げる新事実や意外な人物の登場」といった事は無く、ストーリー展開的にはいつも通りで、単に「残酷な殺され方選手権」にしかなっていない。  また、今までのシリーズのように「被害者の選出」に関しては、相変わらず「自分の人生や立場に感謝していない人間」というご立派な名目だけで、基本的にはジグソウが他人の生き死にを自由に出来るという自己満足が先にある。  身内であるアマンダにもルールを遵守させたり、その観念の元に行動させるというジグソウの主義主張には一貫性があるが、はっきり言って共感はしにくい。美学と言うには、あまりにも自己中心的な動機だし、一番身勝手で命冥加なやつに、偉そうに説教されたくねーよと思ってしまう(そう思わせるのが狙いかも知れないけど)。  殺されるシーンも手術のシーンもグロいだけでつまらない(唯一、腐乱豚で溺死させるというアイデアはインパクトあった)。  ラストも「ソウ」らしい、絶望感だけが残る終わり方だが、ジグソウの生死を曖昧なまま終わらせるというのが、さらに続編を作る余地を残しているようであざとい。
[DVD(字幕)] 5点(2007-06-06 17:18:36)(良:1票)
14.  デューン/砂の惑星(1984) 《ネタバレ》 
<原作未読・映画版のみの評価>  「ナウシカ」のネタ元と言われている事から、興味本位で鑑賞。  ストーリーの基本はオーソドックスだが、映像には独特な世界観を確立しているオリジナリティがあり、色々な方面に影響を与えたというのもよく分かる。ただ、説明不足だったり、ご都合主義で未消化な設定が多く、初見では話が分かりにくい。また、リンチ監督特有の感性が前面に押し出されたビジュアルにも好き嫌いが分かれるだろう。  その説明不足な部分やマニアックな演出など、B級ファンやSFマニアには好まれるだろうが、娯楽作品として見れば不完全で、一般人に奨められる作品とは言い難い。  一方、「ナウシカ」はキャラにしてもストーリーにしても、この「砂の惑星」から受けたインスピレーションを単なるパクりではなく、自分のものとして昇華させている。主人公キャラには必要以上の設定を付加させず、腐海を蟲に守らせる必然性を環境問題というテーマに結びつけたりと、ストーリーも分かりやすく、娯楽作品として完成されている。  しかし「砂の惑星」の場合、砂虫が単に貴重なスパイスを生成する存在でしかないようで、宇宙を支配する力があるという設定や水の惑星に変えるというラストに飛躍がある。蟲も色々な種類が出てくるのかと思いきや、砂虫以外の蟲は出てこないので拍子抜け。確かに巨大な姿に迫力はあるが、「ナウシカ」の大地を覆い尽くす王蟲の大海嘯の凄まじさには及ばないだろう。  また、王家やギルドという支配階級ばかりがクローズアップされていて、スパイスを巡る戦争が自然環境や一般人にどう影響を齎しているかの描写も少ない。結局は単なる「権力争い」というありがちな見せ方に終始してしまっている。  メインキャラにも魅力を感じる登場人物がいなかった。特に主人公。相手を操る超能力とか、簡単に砂漠の先住民に受け入れられたり、あっさり砂虫を手なずけたり、女しか生き残れないはずの「生命の水」の儀式をクリアしたり、未来を透視する能力が備わったりと、「ナウシカ」以上のご都合主義的なキャラ設定のせいでストーリー展開に説得力が無く、主人公にも魅力が出ていない。あの「鼻栓」や声を破壊エネルギーに変える兵器もカッコ悪すぎ。  原作のSFファンタジーとしてのオリジナリティは高いものの、娯楽作品としてはB級止まりと言わざるを得ない。
[DVD(字幕)] 5点(2007-05-28 20:51:55)
15.  ザ・フォッグ(2005) 《ネタバレ》 
つまらない作品に共通している原因は、やはり脚本構成や演出が大雑把という点。せっかくの面白そうな設定も、映画としての作りそのものがいい加減では、その設定を昇華出来なくて当然。  特に今作は、ストーリー展開上、「観客に対して伏線として開示すべき情報と、そうでない情報の取捨選択」といった脚本管理が杜撰。  かつて町を救ったとされている四人組みが「過去に何か悪事を働いた」という序盤からすでにネタバラシになっているように、謎が謎として機能していない場面が多く、飽きずに見続けさせる求心力に欠けている。ミステリーのような謎解きが中心ではないにせよ、観客の興味を持続させ、物語に没入させるためには「謎の提示の仕方」や「タイミング」と言うものにもっと気を使わなければならないはず。  こうした脚本管理に対する考えの甘さは、演出面にもセンスの無さとして表れている。例えば船で女をナンパしていた友人が怨霊に襲われるシーンでも、観客に対して襲われるところを見せてしまっているので、翌日、主人公が誰もいない船を発見して「何があったんだ」と不安に駆られても、すでに何があったかを「知らされている」観客にとっては謎やサスペンスとして機能しないばかりか、このシーン自体が時間の無駄ですらある。  しかも前述したように、この町での事件が「怨霊というオカルト絡み」であることが確定しているので、「誰かの陰謀かも知れない」というミステリー的疑念すら持つ余地も無く、最初から最後まで退屈なモンスターパニック映画として見るしかないのである。  また、襲ってくる怨霊たちも、その能力(殺し方)に統一感が無く、中途半端に何でもアリになっていて、わざわざ霧という形をとっている意味が無い。そのため襲われる側も対処の仕様が無いので、逃げるばかりで、かえって恐怖感が薄くなっている。この辺の恐怖演出にもセンスが無い。  エリザベスが前世の姿に戻るというラストも、彼女の過去や主人公との関係をきちんと描いていないから、現世の肉体を捨ててまで前世の旦那と共に逝くというオチが唐突に感じる。
[DVD(字幕)] 2点(2007-05-24 19:12:19)(良:1票)
16.  ウルトラヴァイオレット(2006) 《ネタバレ》 
何か一箇所でも目新しいアクションやビジュアル面で驚かされたら良しとしようと思っていたが、そんな淡い期待すら叶えて貰えなかった。アクションさえカッコ良ければ、ストーリーの陳腐さについては目を瞑れるが、肝心のアクション演出にまったくセンスが無い。斬り合いの緊張感とか、心理的な駆け引きとか、限られた条件のみを利用してピンチを乗り切る知的な展開とか、日本の漫画なら今や当たり前にやっている工夫や演出が何も見られない。最近のこの手のアクション映画はワイヤーやCGにより見た目は派手になったが、やっている事は単純で底が浅い。  「リベリオン」の時も思ったけど、なんで要所を守る兵士が防弾チョッキも着用していないのか?しかもかなり科学の進んだ近未来社会でしょ?次元圧縮みたいな超技術があるなら、「空間歪曲スクリーン」とか、「超電磁バリアー」とか、もっと防御面でもハッタリを利かせて欲しい。いくら何でも簡単にやられ過ぎるから、相対的にヴァイオレットの強さや凄さも出せていない。ここが問題。  ヘリを破壊するシーンにしても、銃なんかじゃなくて、次元刀を長く伸ばして「ズバッ!」と一刀両断するくらいしろよ!レーザーや銃火器が通用しないから刀による近接戦闘が有効だとか、色々と言い訳が出来るじゃん。彼女の髪が紫に染まっているシーンも、「お、超サイヤ人みたいに、パワーアップする時は紫に染まるんだな!」と期待したのに、その後、髪の色に関しては何の言及も無く、色も黒いまま。何なんだ。  ストーリーにしても突っ込みどころ満載で、それがアクション面にも悪影響を及ぼしている。例えばヴァイオレット以外のファージたちが弱すぎて、敵にも味方にも魅力的なライバルがいない。ヴァイオレットが特別に強いとしてもその理由が分からないし、そもそもウィルスに感染した事による弱点やデメリットが作中で語られないから、アクションにもストーリーにも捻りが無い。おまけにボスにも魅力が無いし、鼻輪もカッコ悪すぎ。シックスが涙で生き返るのも意味不明。  ラストの闘いも、あの刀のデザインや炎をまとうシーンなど、完全に「るろうに剣心」の無限刃のパクり。監督にオマージュやリスペクトの気持ちがあるとしても、もっとセンス良くパクってくれ。
[DVD(字幕)] 3点(2007-05-22 17:57:59)
17.  バタリアン5 《ネタバレ》 
ゾンビを単なる肉食獣のように表現していた、元祖「バタリアン」も個人的にはあまり好きではなかったが、それでも作品としてはまともに見れた。しかし同じタイトルを冠するシリーズ最新作は予想以上の駄作B級ホラーコメディだった。  学園内でのドタバタに終始しているばかりで、ここまでスケールが小さいと、とても「ゾンビ映画」とは言えまい。ただの学園モンスターパニックホラーの出来損ない。  展開もダラダラしている上に、脳を食うシーンも後頭部に噛み付くだけでワンパターンだし、ゾンビのメイクも明らかに手抜き。ラストも軍が介入して、学園にミサイルを撃ち込んで関係者を全滅させるという、超ありがちなオチ。  コメディ要素が強くなった分、恐怖感や終末観は無いし、その代わり笑えるかと言えば、たいした笑い所も無く、ホラーとしてもコメディとしても中途半端。組織の二人組みの緊張感の無いキャラクター性も同様。タールマンがヒッチハイクをしているラストシーンも、いかにも「面白いでしょ~」と言わんばかりで、押し付けがましい。ああいうシーンは、ラストにちょっとだけ映してエンドロールに行くのがセンスの良い見せ方というものだろう。  わざわざ続編として作っておきながら、従来のシリーズから何も進歩していないどころか、むしろ後退しているほどのショボさ。それなりに有名タイトルの続編を作らせてもらっていながら、今作特有の「売り」を作れない、作ろうと努力もしない監督の表現者としての怠惰さに腹が立つ。  こういうお気楽な事をやっている作品には容赦に無く最低点を献上する。
[DVD(字幕)] 0点(2007-05-20 18:41:54)(良:1票)
18.  X-MEN:ファイナル ディシジョン 《ネタバレ》 
基本的なストーリーやキャラ造形は大雑把な部分が多い。結局、三作も続けた割りに、「人類とミュータントの対立や共存の模索」という肝心のテーマがあまり深く追求されず仕舞いだったように思う。「迫害を受けるマイノリティ」と言っても、作中ではそれほど深刻な迫害を受けているようには見えないし、どの程度の割合でミュータントがいて、それが既存の人類にとってどれほど不利益や不安を与えているのかも作中からはよく分からなかった。  ミュータントの力を象徴するジーンと、その力を消去する少年の対立構造も作中で上手く活かされていない。本来は強大な「力」を持つ事の意味や、それを制御する心や「力」を失う苦悩などを、この二人を通して描くべきだった。  特にポイントとなるべきジーンの人物描写がいい加減。ラスト以外、それほど暴走しているようにも見えないし、かと言って元の人格が必死に抑えて葛藤しているような描写も無し。マグニートも自分ですら抑えられない彼女を連れて来て何をやらせたかったのか、イマイチ不明。  ラストも研究施設を潰しただけで何も進展してないし、まして相互理解にも至っていないのに、何故か問題解決したような強引な結末。  また他の人も書いているように、アクション面を見ても、ミュータントたちの「能力」の使い方(演出)が下手すぎる。外見は人間と変わらないんだから、やろうと思えば旅客機や原子力発電所の占拠、要人の暗殺といったテロ活動だって簡単に出来るはずなのに、そういう能力描写が無い。  研究施設の襲撃にしても気づかれちゃダメなのに、「吊り橋を破壊して橋を架ける」なんてハデな事をやるから、当然のように迎撃準備を取られるし、市民の生活にとって重要な橋を壊すから、「やっぱりミュータントは迷惑だ」とか「怖い」という偏見を助長するだけで何もメリットが無い。  やはり色々な能力を適材適所として狡猾に活かすような「頭脳戦」や「心理戦」がほとんど無いのが物足りない。漫画「ジョジョの奇妙な冒険」のスタンド戦の奥深さを見習って欲しい。
[DVD(吹替)] 6点(2007-04-28 23:39:59)(良:3票)
19.  パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト 《ネタバレ》 
前作もそうだったけど、このシリーズの最大の問題点は、「海賊」という設定を使っている意味がほとんど無いこと。  相変わらずジャックは呪いやら契約やらに振り回され、自分の身を守ることに精一杯。同じく他の登場人物たちも自分たちの身の回りの問題解決に必死で、いつまで経っても「まだ見ぬ大海原へ財宝を探しに出発だ!」みたいな冒険ロマン溢れる展開にならず、スケールの小さいみみっちい話が続く。海賊映画にあるべき世界の広がりやワクワク感がまったく感じられない。  導入、申し訳程度に前作との繋がりの説明があった後、何故かジャックがいつの間にか変な人食い人種(?)に捕まっているという展開も唐突過ぎて意味不明。  長々とドリフのような緊迫感の無いコメディアクションが続いた後、結局、島から逃げ出すだけで、その後のストーリー展開にとって何か必要なイベントだったのだろうか?  もともと今回はデイヴィ・ジョーンズとデッドマンズ・チェストが話の中核なのに、そもそも彼が何者で、チェストを探す動機や目的、ジャックとの関係など、説明不足な部分が多すぎる(ネットで色々と情報を仕入れて、ようやく今作の基本設定を理解できたけど、最初はジャックの手に浮かぶ黒い模様も何か分からなかったくらい)。  また、自分の欲しいものを指すとか言う、「北を指さないコンパス」なんてのも、随分とご都合主義的アイテムだよね~。せっかく出てきたクラーケンとの戦いもダラダラしていて間延びしてしまっている。  あの占い師の場所もどこか分からないし、最後に生き残った連中がどうやって辿り着いたかの説明も無し。ラストも前作を見ていたのに「お前、誰やねん」と思ってた(笑)。いかにも前作がヒットしたから作ったような後付設定のオンパレード。  前作を見ていても分かりにくいのに、今作から見ている人はもっと意味不明なんじゃない?少なくとも今作だけを独立して見ても完結しているように作るべきだと思う。  
[DVD(吹替)] 4点(2007-04-21 20:38:51)(良:1票)
20.  タキシード(2002)
駄作と言うほどつまらない訳じゃないけど、コメディとしてもアクションとしてもハジけておらず、中途半端な作品であることは間違い無い。  まず「何かを身に着けると超人になる」という設定がありがちだし、特にタキシードに拘る必然性も無い。またジャッキー演じる主人公・ジミーの掴み所の無い微妙なキャラ設定のせいで、何も分かっていない素人がプロを引っ掻き回す痛快さも、逆に陰謀に巻き込まれて行くハラハラ感も出ていない。相棒の女のとぼけたキャラクターも露骨にウケを狙い過ぎで鼻につく時がある。  肝心のカンフーアクションも暴れっぷりが中途半端でリアリティとコメディのバランスが取れていないし、下ネタで笑わせようとするシーンも寒い。個人的にはCGを使おうがワイヤーアクションに頼ろうが面白ければ何をやってもらっても構わないのだが、それで面白くなってないのが問題。  結局、まったく同じタキシードが二着しか出てこないからアクション面でも娯楽面でも広がりが出ないのだと思う。例えばタキシード以外に「戦闘用ドレス」とか「戦闘用メイド服」なんかを出して、それを相棒の女が着てしまって、「ちょっ、ちょっと、何よコレ~!キャ~!」とか言いながら見事なカンフーアクションを披露したらもっと面白くなったと思う。  基本的に「娯楽アクション映画」なんだから、「タキシードの開発費用とか機密があるから何着も無い」、といったストーリー設定上のリアリティに縛られてつまらなくなるよりも、コメディとして優先すべきものがあるはずなんじゃないかな。
[地上波(吹替)] 4点(2007-03-23 17:01:36)
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