1. サイン
ネタバレ 陰鬱な「宇宙戦争」。ストーリーは単純なのに、音楽の少なさと目を離しがたいカメラ目線、ところどころのユーモアで引き込まれる。信仰とはまた別に、すべてが何かの伏線である、というテーマは、思えば作劇の基礎。片田舎に息づく人生も十分にドラマを含んでいるという意味で、妙に胸に届く。賢い兄と勘の鋭い妹、特に「水が汚染されている」という妹の台詞の繰り返しが効果的。絶望に向かい合うということが、意外に真摯に描かれていると思った。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2005-07-30 21:28:26) |
2. コンフェッション(2002)
ネタバレ 豪華キャスト、全編凝った映像(冷蔵庫の陰影とか)。それなのに、とても地味に仕上がっているのが、むしろ貴重な感じ。本筋の真偽はともかく、今日に至るテレビのバラエティーの原型を作ったゴングショーのホストが、小心で下世話で、子供の頃から心に傷を抱えていて、虚飾とストレスに追いつめられる様子がうまく描かれていたと思う。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2005-07-03 13:27:03) |
3. 宇宙戦争(2005)
ネタバレ 深夜なのに、かなりの入り。評判通りとにかく怖い。正当派パニック映画といえるのでは。特に音。雷などの大音響も、席の後方から聞こえるかさこそ動く小さな気配も。普通の下町が粉々になる絶望感で、始まる前は結構賑やかだったグループも息をのんでました。物語は、とにかく一個人が逃げまくるだけ、という点が好感もてた。大統領も学者も、祖国愛も人類愛も皆無。解説も主人公が聞く風評のたぐいだけ。ドラマとしては、何かもうちょっと伏線が欲しかったかもしれないけれど。 [映画館(字幕)] 7点(2005-07-03 13:19:36) |
4. エリン・ブロコビッチ
ネタバレ 物語は意外にあっさりしていると感じた。子供の成長に象徴されるエリンの生命力、そこから生まれる説得力を観る映画だろうが、それより裁判所の青、原告の居間の黄といった色味の使い分けが面白かった。冒頭に登場するエリン本人がすごくきれいで、妙に納得。 5点(2005-03-27 01:13:23) |
5. スパイダーマン(2002)
ネタバレ トビー・マグワイヤは格好いいんだか悪いんだかよくわからないけれど、最初のコスチュームが手作りという点に共感。ウィレム・デフォーがさすがの存在感でした。 4点(2005-01-29 01:18:05) |
6. ブリジット・ジョーンズの日記
爆笑。ベストセラーの映画化だし、コメディだし、そんなにリキを入れなくても一定の成功を予測できただろうに、ちゃんと体を張って演技するレニー・ゼルウィガーが見事!日本で言えば男女7人の大竹しのぶみたいなものでしょうか…例える必要もないけど。古いし。 6点(2005-01-23 11:59:03) |
7. ボーン・スプレマシー
ネタバレ シリーズ前作同様、陰謀の謎解きは難しく、実はよく飲み込めなかった。でも、手持ちの多い映像と、灼熱のゴアから粉雪舞うモスクワへというスピード感にのせられた。デイモンとカール・アーバンが共に短髪なのが格好いい。それからボーンのサッカー選手のようにいつも周囲を見ている眼の良さ! ただし結末は少しロマンチック過ぎるかと思ったけれど、いかが。 6点(2005-01-15 20:09:11)(良:1票) |
8. ボーン・アイデンティティー
ネタバレ 説明が少なく、肝心の「計画」の理屈はよくわからない。だけど、雰囲気はかなり楽しめた。ショッキングな場面の後でさっと時間を確認するような、主人公の職人肌とも言える知的な人物像。冬のヨーロッパの暗い町並み。そして大迫力のカーチェースの直後にふうっと我に返るシーンなどの抑えた演出。これらのバランスが絶妙。一人バランスを崩しているアウトローなヒロインの、奇妙な気っぷの良さがまた良かった。 6点(2005-01-05 00:14:58)(良:1票) |
9. コラテラル
ネタバレ まるで舞台のような対話劇。運転手と検事、そして銀髪のトム・クルーズが狭いタクシー車内で語りまくる。エンドロールが流れたとき、たまたま後ろの席にいた観客同士が、「なにこれ」と怒っているのが聞こえた。確かにサスペンスとしての新味はないかもしれない。しかし、だからこそ、夜を超えていく野性の印象が、奇妙に後をひく。音楽がどれも格好いい。 7点(2004-09-17 01:49:32) |
10. フォッグ・オブ・ウォー マクナマラ元米国防長官の告白
ネタバレ 類い希な米国の知性が、なぜ引き返せなかったのか。答えは霧の中なのだろう。ただ言えることは、戦争は何も解決しない、ということではないだろうか。淡々としたフィリップ・グラスの音楽が秀逸。 6点(2004-09-03 00:57:14) |
11. ハリー・ポッターとアズカバンの囚人
ネタバレ 原作を読まずに観ました。前作のドビーほど、際だったキャラクターの魅力は感じられませんでしたが、その分、成長したハリーが大人達とかわす、対等で爽やかな友情が印象的。回廊で両親の温かい思い出話をききながら、ひっそり微笑むところとか。いやー、大人になりました! 謎解きもすっきり、わかりやすいのでは? シーンとしては開放感あふれる湖の飛翔、それから随所に散りばめたきめ細かい季節の表現がよかったです。 6点(2004-07-10 11:34:06) |
12. モナリザ・スマイル
ネタバレ かたや奔放、かたや狭量。対照的な二人の女子学生の間に通う友情、そして散りばめられた50年代ファッションや家電製品が見所でしょうか。クライマックスの講義シーンで、スライドを替える切迫したリズム感は印象的。んー、なぜいま、古き良き女子大なのか、という疑問も感じたけれど、ヒラリーさんの母校となると…というのは考え過ぎでしょうか。 5点(2004-07-10 11:15:36) |
13. キル・ビル Vol.2
ネタバレ 埋まるところは本当に怖かったです。だから土埃あげて歩くユマ、とても笑えました。ダリル・ハンナは「?」だから、次に期待しましょう。 6点(2004-05-05 01:15:14) |
14. ペイチェック 消された記憶
ネタバレ PKディックとはいえSFとしての驚きは、いまや乏しいでしょう。それよりもベン・アフレックの古風な巻き込まれぶり、そしてサービス精神たっぷりのジョン・ウー節が楽しい。やっぱり敵は、スローモーションで近づいてきます。 6点(2004-03-06 17:30:10)(笑:1票) |
15. バック・トゥ・ザ・フューチャー
傑作。初めて観たとき、もう立派な大人だったけれど、ニコニコしながら映画館を後にした覚えがある。冒頭、時計で一杯のドクの部屋から始まる緻密な伏線。ギター好きなマイケルの、永遠の悪ガキぶり。わくわくさせるパワー・オブ・ラブ。エンタテインメント万歳。 9点(2003-11-30 15:52:43) |
16. シカゴ(2002)
「オール・ザット・ジャズ」でノックダウンです。格好いい。70年代にここまで楽しく、ここまで冷徹にスキャンダリズムを皮肉った舞台を作ったフォッシーにまず乾杯。そしてフォッシーと、エンタテインメントをこよなく愛することを隠さない、この映画のスタッフに拍手。リチャード・ギアが下着姿で踊ったときにはちょっとのけぞりましたが、それも含めて、「やる時はやる」役者たちはさすがです。 8点(2003-11-30 15:13:59) |
17. ミッドナイト・エクスプレス(1978)
ちょっと点数をつけにくい。時代を超えて衝撃を持ち続ける一作ではないでしょうか。私にとっては「ミッシング」と並び二大「外国は怖いぞ映画」、というと不謹慎ですが、そういうしかないほど怖いです。 6点(2003-11-25 01:05:51) |
18. ストリート・オブ・ファイヤー
ネタバレ バイクに乗った渡り鳥。彼も彼女も若い。いやー、ニヤニヤしっぱなしの一本。観て損なしと断言します。それにしても「エイリアン」の監督、「ダイハード」と「マトリックス」の製作者、だったんですねぇ… 7点(2003-11-25 00:41:54) |
19. ダイ・ハード
ネタバレ やっぱり言いたい。傑作! 高所恐怖症から高級時計まで、あらゆるエピソードが引用に耐える。 9点(2003-11-24 16:32:34) |
20. ベイブ/都会へ行く
ネタバレ 意表をつかれる映像美です。安ホテルの丸窓からビル群に見入る豚の後ろ姿。ノックダウンです。 6点(2003-11-24 16:18:06) |