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コメント数 39
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1.  スリーパーズ 《ネタバレ》 
話のモチーフは比較的おもしろいし、ものすごい有名どころを何人もキャスティングしているのに、中途半端な出来に終わってしまっている、きわめてもったいない一本だと思う。デ・ニーロとホフマンの初競演作品だというのに、両者の持ち味が半分も生かされていない(本人たち、ラッシュ見て怒らなかったのかな、と心配になるほど)。ブラッド・ピット、ジェイソン・パトリックの起用はどう考えてもミスキャスト。というか、彼らが演じなければならないという必然性がちっとも伝わってこない。このような、有名どころを使いこなせていないという事実は、脚本の人物描写の薄さやずさんな演出と大いに関係していると思う。キャラクター設定(各人の個性)も肝心なところがはっきりと輪郭付けられていないし、さらに問題だと思うのは、各主要人物の苦悩や葛藤がぜんぜん伝わってこないということ。虐待を受けた少年たちの苦悩しかり、デ・ニーロ扮する神父の、聖職者としての葛藤しかり。例外は、看守役のケビン・ベーコンのみ。キャスティングもぴったりだし、人物描写にもある程度の説得力があった。サディスティックな役柄は丁寧に描けているのに、苦悩する人物を描けないなんて、この映画の脚本家自身が本物のサディストなんじゃないかと疑いたくなってしまう。さておき、たぶん一番の問題は、こうした荒い人物描写や心理描写に加え、物語の核となるべき、少年院での虐待のエピソードを、丁寧に演出していないからだと思う。地下室へ向かう廊下を歩くシーンで、隔離された空間で行われる虐待の残虐さや少年たちの恐怖心理を象徴的に描いてみました、ということなんだろうけど、象徴的な描写というよりも、及び腰で取り組んだやっつけ仕事、みたいな仕上がりになっていたと私には思えた。というわけで、役者はいいし、物語のコアの部分も潜在的には十分面白かったにもかかわらず、それらが生かされない仕上がりになってしまった。本当に残念。
[DVD(字幕なし「原語」)] 4点(2012-12-31 07:50:56)
2.  ナポレオン・ダイナマイト 《ネタバレ》 
この邦題はいかん。主人公の名前("Napoleon Dynamite":原題)とキャラクター設定がキーなのに。しかし、その一方でアメリカでは、高校生が小学生などに交じって黄色いスクールバスで通学することは冴えない行動であると解釈される事実があるので、それを踏まえた上で、主人公の「冴えない奴度合い」を象徴するという意味を込めて「バス男」とつけたのであれば、なかなかやるな、と思える。と、とりあえず好意的にとらえる努力をしてみる。でもやはり、日本向けのタイトルとしては、(「電車男」とシンクロさせたという)タイミング的にまず最悪。それに、高校生のバス通学にまつわるアメリカでの事実が日本で知られているとは思えないので、結論としてはこれはいただけない。   でも、映画自体はものすごくよくできてる。インディーズならではの力の抜け具合で、爆笑は誘われないが何度もクスッとさせられる。主人公のみならず、彼を取り巻く主要人物が皆そろいもそろってイカれているのに、妙にリアルなのが面白い。友人ペドロは、ぼーっとしていてテンションが異様に低く置物みたいだし、エノキタケに顔書いてメガネかぶせたみたいな兄キップは、ネット恋愛中毒の三十路ニート。どいつもこいつも、出てきてただ突っ立ってるだけで、じわっとおかしさがこみあげてくる。また、主人公たちと対極にいる、いわゆる「イケてる」部類に属する人気者グループの生徒たちが、男女問わずそろいもそろってダサいところが、アメリカの田舎の現実を忠実に表現。ドキュメンタリー映画並み。  主人公は冴えないオタク男。というより不思議系妄想男という方がしっくりくる。空想上の動物や中世の戦士などの絵を描くのが好き(でもヘタクソ)。いじめられっこだがプライドが高く、いじめられても結構めげずにやり返したりする。必殺技は「ビンタ逃げ(私が勝手に命名)」=相手にいきなり真正面からビンタを食らわした直後、前のめりになって腕を胴体から離さずに小走りで逃げる。これが、屁で相手を煙に巻いてそのすきに逃げ出すスカンクみたいで、やたらかっこ悪い。 徹底したヘナチョコぶりで見るものを唖然とさせる主人公が、少しずつ好感度を上げていき、クライマックスでその意外な一面を暴発させる。このクライマックスシーンは映画史に残ると思う、マジで。
[DVD(字幕)] 10点(2012-07-15 02:43:56)(良:1票)
3.  ミリオンダラー・ベイビー 《ネタバレ》 
アメリカでは、キリスト教右派や保守派の評論家、障害者団体が反発して、ボイコット運動が起こった。その一方で、アカデミーでは高く評価され、4部門受賞に至った。この二極分化された、文字通り賛否両論のリアクションは、まさにあたし個人のリアクションでもある。人物描写、キャスティング、画面作り、プロットなど、映画としてはものすごくよくできた一本であるという気持ちは否めない。しかし、個人的には、高く評価したくない。その理由は、もともと映画にポジティブな娯楽を求める傾向があること。この映画の、特に後半から結末にかけて描かれるテーマは、人生を考える上で無視することの出来ない重要なテーマである。しかし、映画を通してそれを考えたくはない。ましてや、これみたいによくできた映画にそれを提示されると、人物設定や演じる役者が優れている分、現実からは切り離した次元で架空の世界を楽しもうとするあたしの基本姿勢は揺るがされる。いっそのこと、駄作だったらもっと素直に批判的になれるのに、という感じだ。
[DVD(字幕)] 5点(2006-10-22 10:40:04)(良:1票)
4.  ハムナプトラ2/黄金のピラミッド 《ネタバレ》 
初めから終わりまでクライマックスでできている。1も2も。こういう派手で大味な映画も、たまにはいいよね~、という感じで、1年に一回ぐらい見たくなる。2の見所は、「哀れCGモンスター(しかもサソリとのかけ合わせ)と化すロック様」と、あとはなんと言っても「かわいそうな奴、イムホテップ」につきる。イムホテップは悪役のはずなんだけど、あまりの間抜けっぷりに感情移入する。主人公&スコーピオンキングとの三つ巴線(?)で、すんでのところでおいしいところを主人公にもっていかれる。(主人公の奴もなぁ、飛んでくるヤリをジャンプしてキャッチするかぁ。)そして主人公に肝心の一撃までも奪われ、思わず躍り出てひざまずき、両手を前にのばして絶叫。『ノォォォォォォッ・・・!』。しまいにゃ、5千年のときを越えて再会した恋人に裏切られ、餓鬼たちの炎に身を投じるって。ホントに悪いんだけど、見るたび大爆笑。壮大なる悲喜劇。
[DVD(字幕)] 5点(2006-10-13 23:07:50)
5.  ザ・ロイヤル・テネンバウムズ 《ネタバレ》 
深刻さとおかしさの入り交じった独特の雰囲気がすごくよかった。すごいメンツをこれでもか的に揃えて、しかも誰一人無意味に突出させることなく、全体に調和させた手腕は見事。話としては、崩壊した家族が一つにまとまって行く過程を描くと言う、ある意味定番ホームドラマの流れを汲んでいるんだけど、家族が全員天才という、規格外の設定のため、まとまろうとしてもどうしてもおかしな方向へ転がって行く。このくらいのメンツを揃えなければ成り立たなかっただろう。中でもよかったのはグウィネス・パルトロウ。この人が役と一体化したのを初めて見た気がする。美人系よりもこういうひねた役の方がずっとはまる。このオファーを受けたところに、今まで気づかなかった彼女のセンスの良さを見た。見直した。とにかく、見た後の後味が必ずしもよくないホームドラマなんて意外性のあるもんを、よく作り上げたものである。
7点(2004-07-27 07:31:31)
6.  ズーランダー 《ネタバレ》 
ベン・スティラーとオーウェン・ウィルソンがスーパーモデルという設定からして無茶苦茶だぁと思わされたけど、中身も最後までホントに無茶苦茶だった。(中でも特に、期待を裏切らなかったウィル・フェレル)。でも、これは「良い無茶苦茶」。笑わせ方のスタイルが確立しているので、好みの分かれるところだと思うけど、あたしは笑わせてもらった。理屈でどうこうではなく、力技的に笑いのスイッチをオンにさせられ、その後入りっぱなしになったという感じ。これみたいに、バカバカしさで勝負のコメディって、しかし、成功させるには相当のセンスと知性がいると思う。失敗するとダサくなる。そして、失敗してダサくなってしまった駄作(シャレになっちゃったよ)の方が世の中にはずっと多いはず。ダサくなる一歩手前のところでうまく全体をまとめることのできるコントローラーとしての知性は、誰しも持ち合わせているもんじゃない。ベン・スティラーの凄いところだ。
8点(2004-07-27 07:11:37)(良:2票)
7.  キル・ビル Vol.2 《ネタバレ》 
クエンティンのスタイルは立派に確立されていて、それはそれで高く評価されているし、個人的にも面白いとは思う。(ただ、「現代アジア映画をアメリカに紹介した男」みたいに、関係ないアジア映画のDVDにまでウンチクたれに出てくるのは、ホントにやめてほしい。「アジアってすごくね?かっこいくね?んでもって、それをアメリカに紹介したオレ!すごくね?」という声が聞こえてきそうですごくいや。)しかし、最初は斬新に思えた彼独自のスタイルも、ここまで繰り返されると飽きる。だから、新鮮な気持ちで作品として楽しむというより、クエンティンのやつ、次に何したいんだろうなぁ、などと考えながら見ることしかできなくなった。作品のスタイルには、とうの昔に飽きているが、話題性だけにひかれてふらふらと見に行っちゃった、という感じで、見に行ったことを恥じたいという気にすらなった。今でも話題をさらえるのはすごいと思うけど、作品の質というよりはこの根強い話題性に頼っての興行という感じがした。映画界の寵児、というよりはもはや映画界にスポイルされた男と呼ぶほうがしっくりくるクエンティン。このしぶとい話題性が吸引力を失くす時のことを考えて、まともに作品作りしたほうがいいと思うよ。「映画監督」なんだから。
[映画館(字幕)] 4点(2004-05-23 16:24:21)
8.  タイタニック(1997)
お金のかかっている映像はさすがに圧巻だが、やっぱり内容がついてきてない、という印象は拭えない。特に人物描写は、ローズ以外はてんで薄っぺら。ジャックにしてもキャルにしても、彼女との心理的からみに説得力がない(人格に厚みがないので、人格を持っているかに見える彼女と心理的にどうからむのかがはっきりしない)ので、彼女の自殺の動機も、ジャックとの恋愛も、厚みのあるエピソードになっていない。ま、映像は見ごたえがあるので、テーマパーク的な楽しみ方は可能だったし、部分的にちょっとうるるっときた場面もあったりしたけど・・・。
4点(2003-12-22 13:57:20)
9.  ギャラクシー・クエスト
パロディも、成功するとここまで面白くなるのだなあ、と思う。「スタートレック」をパロった人物設定、「サボテンブラザーズ」をパロったプロット。さらには、出演者が自分自身をパロディにしている。リックマンはあの役を演じることで、自分自身のキャリアを見事に自嘲し(仏頂ヅラ、ヤケクソ気味の自己陶酔ヅラには大爆笑)、シガー二ーは、自分自身のパブリックイメージを笑い飛ばすかのように、バービードール系(まさに彼女のパブリックイメージとは対極にある)を嬉々として演じている(『エイリアン』主演と言うキャリアもお忘れなく)。他にも、デジタル転送の失敗のエピソードは「ザ・フライ」を彷佛とさせるし、ティム・アレンの雰囲気は「インディ・ジョーンズ」みたいだ(ちょっと言い過ぎかも)。パロディを、はじめて心から純粋に楽しめた。
8点(2003-12-12 10:50:54)(良:2票)
10.  バーバレラ
どこがいいんだかわからないけど、なぜか好きだと思ってしまう。自分の嫁をキレイに撮ることにかけては定評のあるロジェ・バディムの、開き直った公私混同っぷりに脱帽、という感じ。それにしても、納得のいかない部分はたくさんあるのだが、見ていて戦力を殺がれる。なんでもいいや、ここまでアホに徹してくれれば。逆に愛おしいや。衣装やセットはチープだけど洒落てるし。そして気が付くと、繰り返し繰り返し何度も見ているのである。
7点(2003-12-12 10:35:08)
11.  クライ・ベイビー 《ネタバレ》 
面白かった。監督自身の10代の頃のアルバムをかいま見たような、そういう個人的なテイストがにじみ出ていて(本人、スクエアが本当に嫌いだったんだろうなぁ、などと考えたりもした)、ストーリーは破たんしていても十分に楽しめた。ジョニー・デップは、美貌を自嘲しての大げさな色男っぷりが最高だった。また、ウォーターズ組常連のミンク・ストールの、意表をついた登場の仕方には思わず爆笑。繰り返し見たくなる傑作だと思う。
8点(2003-12-11 14:13:52)
12.  セシル・B/ザ・シネマ・ウォーズ 《ネタバレ》 
痛快。実在の監督の名前(Cecil B. Demil)をパロったタイトル(原題)から始まって、皮肉の嵐に翻弄されて、気持ち良かった。(特に『パッチ・アダムス/ディレクターズ・カット版』には思わずにやりと・・・)この映画は、(ウォーターズ作品の中でも特に)監督がかますアンチメジャーという考えに共感できるかできないかで、印象は違ってくると思う。共感できてしまっているあたしにとっては、愉快以外のなにものでもなかった。
8点(2003-12-11 14:04:42)
13.  バウンド(1996) 《ネタバレ》 
文句なしに傑作だと思う。マフィア映画はたくさんあるが、レズビアンのカップルにマフィアが引っ掻き回されるという発想がおもしろい。(構図としては、極端な男社会であるマフィアの世界を、女が崩しにかかったという点でフェミニスト的だという捉え方も可能だが、明言は避ける。)ストーリーの面白さや脚本の良さにもうなったが、五感(視覚、聴覚)に直接働きかける演出が何よりも印象的だった。俯瞰やズームを効果的に駆使したカメラワークにより、映像に三次元的な厚みと閉塞感を与え、この物語自体がある種の閉鎖された世界で繰り広げられていることを象徴、それによって各人物間の緊張が増幅される。そして、クライマックスで白いペンキの上に、真っ赤な血を流して倒れ込むシーザー。白と朱の色彩コントラストによって金を巡る戦いの最後を締めくくり、その熾烈さを見事に物語る。さらに、コーキーとウ゛ァイオレットのからみのシーンでの音響。絞り出されるかのようにもれる吐息や、レザーが擦れる音といった動物的でエロチックな効果音(吐息っていうのは音響と言うよりは厳密には役者の演技の一部か?ま、「効果」的に働いた「音」ってことで・・・)が、両者の間の野性的なまでに激しい愛情を巧みに表現している。こういった五感への働きかけで、骨の髄までどっぷりとこの映画の世界観に浸かり、心の芯の部分でじっくり堪能することができたと思う。映画の醍醐味を再度味わった。
9点(2003-12-11 13:30:27)(良:1票)
14.  Uターン 《ネタバレ》 
あたしは個人的にアンチ・オリバー・ストーン派。今回、キャスティングと予告編を見て、オリバー・ストーンを見直すいい機会かも、と思ったが、やっぱりダメだった。いい役者そろえてるのに、ちっとも活かせてない。というか、それぞれのキャラクターが、あの役者陣によって演じられる必要性がどこにあったのか。集客力のあるメンツをそろえることにだけ執心して、それぞれの持ち味を生かそうという努力をしていないように思えて仕方がなかった(注:ホアキン・フェニックスは例外。)ストーリーも、映画というよりは、ハッピーエンドにならないアドベンチャーゲームのようで、後味もひときわ悪く、楽しめなかった。どうもオリバー・ストーンという人は、表現したいことを必ず何らかの形で「明言」しないと気がすまないらしい。「暗示する」とか「ほのめかす」とか「伏線を引く」といった知恵が働かない人。演出力ないってこと。だから、すべてがくどくて、ダメなのだ。要するに、いい役者をあそこまでそろえても、人物描写、ストーリー展開など全般的な演出がからっきしダメなので、いい映画にならないということ。オリバー・ストーンとの和解への道のりはまだまだ続く。
2点(2003-11-29 16:08:05)
15.  ヘアスプレー(1988) 《ネタバレ》 
まず第一に、60年代ダンスシーンが総体的に好き。ファッション、ダンスステップ、音楽、すべてが好き。そんな大のお気に入りを舞台に、女子高生同士の小競り合いから人種問題をめぐっての一大論争に発展していくというストーリーが乗っかる。こりゃ知的だ。というか、ダンスという題材のおかげで、政治色の強いメッセージがちっともくどくならない。だから抵抗なく映画自体を楽しめる。(「(敵をののしって)ホワイトのクズよ、せいぜいイエローのちょっと上よ」には大爆笑。問題発言であるはずなのだが、基本的に脚本がいいので、見事なブラックユーモアに昇華している。)ジョン・ウォーターズはホンモノのインテリだ。変態のレッテルを貼られまくっているけど、そもそも変態とは知的高等遊戯であるわけで、したがってホンモノの変態ウォーターズはホンモノのインテリなのである。
10点(2003-11-29 15:44:22)(良:1票)
16.  ギター弾きの恋 《ネタバレ》 
よかった。ショーン・ペンがホンモノのギター弾きに見えた。すごい役者だなあ、相変わらず。ホンモノのジャズ評論家が出てきて、伝記を語る、というので、てっきり実在のギタリストがモデルになっているんだと思いきや、架空の人物。つまり、ドキュメンタリーの体を成したパロディというわけで、ウディ・アレンってやっぱりお茶目、とうなった。それにしても、エメット・レイなる架空のギタリストの人物設定が素晴らしい。リアル。ちゃらんぽらんで、かっこつけで、見栄っ張り、でも弱っちくて人間臭い。あと、ショーン・ペンの相手役の女の子に扮したサマンサ・モートンの愛らしい演技も秀逸だった。無言でエメットをコントロールしてしまう魅力。初めから終わりまで、登場する際にはほとんど毎度、なんか食っている。しかもそれがかわいらしい。ああいう演技は、そうできるもんじゃない。
9点(2003-11-29 12:31:51)
17.  キル・ビル Vol.1(アメリカ版) 《ネタバレ》 
タランティーノがどういう姿勢でこれを作ったのかによる。「新しいもん、なんもないけど、これがオレの好きな世界なのよ、どう?」という姿勢でパロディを作ったのなら、とても好き。だが、「オレの好きなスタイルをオレ流に焼き直してみた。これがオレ流の解釈なのよ、どう?」という姿勢でオマージュを作ったのなら、いまひとつ酔えない。少なくとも、侍映画の様式美とカンフー映画のエッセンスはごった煮にしてほしくなかった。両者が相殺しあって、ただの刀持った汚いアクションにしか見えなかった。すべてパロディです、というのであれば、これもアリだと思えるのだが。というわけで、タランティーノの真意がいまひとつ読めてないので、可もなく不可もなくで5点です。
[映画館(字幕)] 5点(2003-11-29 05:22:05)
18.  エル・マリアッチ
理屈で言うと、質は決して良くないんだけど、問答無用で見るものをねじ伏せているかのような勢いを感じ、ホントに問答無用でねじ伏せられた。どこを切っても低予算のニオイがぷんぷんだが、作り手のパワーが感じられるのがいい。
7点(2003-11-29 04:30:07)(良:1票)
19.  ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ 《ネタバレ》 
極上のキャストと音楽に紡ぎだされる、美しい「運命の赤い糸」物語。全体を通してすごく哲学的なのだが、堅苦しくないのは、作り手が知的でセンスがいいからだろう。最初から最後まで否応ナシに惹き付けられる。見所は、『饗宴』のアリストファネスを引用した「愛の起源」の物語。現代の多様な愛の形を考えると、とても説得力のある仮説に思える。同タイトルの曲も最高に美しい。(音楽担当のスティーブン・トラスクという人物のセンスと才能には感服した。主演・監督のジョン・キャメロン・ミッチェルほどには注目されていないという印象なのが不思議だ。)前半に比べ、ストーリー後半(ラスト含む)が曖昧なのが惜しいといえば惜しいが、そこは、ヘドウィグとトミー、イツハクの三者間の関係に対し、一通り以上の解釈を可能にしたということだろう。いずれにせよ文句なしに満点!
10点(2003-11-29 02:18:50)(良:1票)
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