1. マリー・ミー
世界的人気を誇るシンガーと、小学生の娘がいる名もなきシングルファーザーの数学教師。 こういう立場の違いは男と女で入れ替わることはあるけど、これもロマコメのひとつのカタチと言える作品です。 これでもかというくらいにゴージャスなジェニファー・ロペスと比較すると地味な役回り。 しかし本作、オーウェン・ウィルソンがいいんですよ。 ごく普通の教師でありパパである1人の男の雰囲気を醸し出しつつ、 世界的シンガーの隣にいても、まあ当然なんですが、しっかり絵になっている。 一方、中盤あたりは娘の存在感がほぼ無い時間帯が長く、 娘にもうちょっと役割をあげるとドラマとしてもコメディとしても面白くなったかなと。 実際にシンガーでもあるジェニロペが歌う姿もたっぷり見ることができる作品でもあります。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2025-03-26 16:38:03) |
2. ヘアスプレー(2007)
朝の陽射しが降り注ぐ町を行く赤、黄、緑、青、とカラフルな車の色や女性たちの衣装、 そんな中に登校中の主人公の女の子が歌い踊る。そしてあっという間に学校が終わって放課後、 憧れのテレビ番組を見ながら友達と一緒にノリノリで歌い踊る。 見る者の気分もあがる、ミュージカル全開で一気に見せる冒頭の10分がまずはお見事です。 その後も次から次に歌とダンスが続く、かなり高濃度のミュージカル映画です。 常にその中心にいる主人公の女の子の物怖じしない明るさがミュージカルらしい、陽気な別世界の空気にしてくれる。 中盤あたりまでは色んなことがトントン拍子に運んでいきますが、 ミュージカルにあれこれ悩んでる暇はありません。ミュージカルはこれで良しです。 脇を固めるウォーケン&トラボルタ夫妻がいい味を出しまくっている。特に中盤の2人のダンスシーンがなかなか素敵じゃないですか。 初めて見た時にはなぜトラボルタ?とも思ったのですが、オリジナルへのリスペクトという事情を知ると納得です。 そんな作品の空気に60年代のアメリカ社会の空気をうまく絡ませており、ここではクイーン・ラティファがさすがの貫禄と存在感です。 作中に歌われる歌もシーンに合わせて実にバラエティに富んでおり、2時間を飽きさせません。 全員集合の大団円ラストまでほぼノンストップでミュージカルの楽しさを存分に見せてくれる作品です。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2025-02-27 18:12:19) |
3. ビースト
《ネタバレ》 密猟者に家族を皆殺しにされた雄ライオンが人間に復讐心をもって襲いかかってくる。 同じく家族を殺された悲しみや復讐心を描いた「オルカ」の陸上版といったところか。 登場人物みんな勇敢ではあるんですけど、 娘たち、とりあえず今は状況を考えて騒がずにパパの言うことを聞くんだとか 小さなナイフ1本でライオンに最後の決闘を挑むパパとか、 ツッコミどころは色々とあるんですが、90分程度の作品で中だるみも無く、 リアルなCGライオンの素晴らしさもあり最後まで退屈はしない作品です。 登場人物の行動に少々イライラはしますけどね。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2025-02-27 18:09:37) |
4. 355
《ネタバレ》 なかなか豪華な女優陣が揃ったスパイアクション。 序盤のパリの港湾施設からモロッコの雑踏と1つ1つのパートにおける、 あるデバイスを巡る駆け引きやアクションはなかなか面白く退屈させません。 それは次の舞台の上海でも。セレブが集うオークション会場に潜入するために、 ガラリと雰囲気を変えてドレスアップしたゴージャスな姿を見せてくれるあたりも気が利いています。 パリからモロッコそして上海と、それぞれのパートを切り取って見れば面白い。 CIA、MI6にドイツや中国の諜報機関のエージェントが1つになるなどストーリーの方はまあ、何でもありです。 それでも全然OKの豪華女優陣のチームプレーにスカッとさせられるアクションエンターテイメントに徹した方がよかったかな。 シリアスな方も欲しがってしまって、作品のスタンスが中途半端になってしまったと思います。 そして最後に交わされる別れの挨拶。 彼女たちを再集合させる予定がもう既に決まってるのでしょうか・・・? [CS・衛星(字幕)] 6点(2025-02-19 13:13:19) |
5. デモリションマン
今年は2025年。本作の舞台は2032年。 今のところ大丈夫かと思いますが、7年後にあんなつまらない社会になったらたまったもんじゃありません。 スタローン演じるスパルタンさん、よく頑張ってくれました。 ウェズリー・スナイプスの勢いのある怪演、かわいい天然ぶりをみせるサンドラ・ブロック。 本作のSFアクションコメディの世界観仕様で弾けている2人と、硬さが抜けてないほぼ通常運転スタローン。 もう、これがスタローンの味としか言いようがないのかもしれません。 「シュワルツェネッガー記念館?シュワルツェネッガー大統領だと?何てこった…。」とか、 汚い言葉を吐きまくって罰金取られまくりとか、ちょこちょこ挿入される小ネタも面白かったです。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2025-02-19 13:11:17) |
6. 逆転のトライアングル
《ネタバレ》 豪華クルーズ船のセレブ客と、セレブ客に無理難題を要求されながらも懸命に働くクルーたち。 まざまざと階級の違いを見せつけられる前半と、無人島に漂着し立場が逆転する後半。 リメイクではないですがどうしても「流されて…」「スウェプト・アウェイ」を思い出す内容です。 しかしこちらはよりコメディ色が濃く、この監督の作品「フレンチアルプスで起きたこと」とも共通する、 ハプニング前とハプニング後の人間関係の変化や笑えない状況下での人間観察コメディとして面白い部分もあります。 しかし長かった。冒頭のオーディションやクルーズ船に乗船前のカップルを描く時間帯、しつこく続くゲロ吐きシーンなど。 せめて2時間以内に収めてほしい作品でしたね。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2025-01-28 18:12:05) |
7. ウインド・リバー
《ネタバレ》 作品の舞台は全米の州の中で最も人口が少ないというワイオミング州。 厳しい先住民居留地の問題や、先住民女性の失踪者問題という難しいテーマに挑んだ実話モノです。 エンターテイメント性を廃し、重く硬派な実話モノという序盤からの空気感から、 終盤にかけて何があったのかを明かした後の銃撃戦と主人公の男が加害者を1人ずつ仕留めていく様、 その場で仕留め逃した最後の1人には被害者女性と同じ目にあわす顛末に至るまで。 作品全体を通してみると、色調や語り口は非常に抑えたものになっていますが、 展開に起伏をつけながら映画としてしっかり見応えのある作品となっています。 ラストの2人の男の言葉少ない語らいもまた印象的で、 そんな作品の空気感を象徴するようなジェレミー・レナーの静かなる熱演が胸を打ちます。 [インターネット(字幕)] 8点(2025-01-21 17:06:01) |
8. イマジン/ジョン・レノン
《ネタバレ》 ビートルズ結成から解散、そして1980年まで。ジョン・レノンの人生を振り返るドキュメンタリー。 前半はビートルズのドキュメンタリーのようでもあるけど、ジョン中心の構成となっており、 映像の多くは他のビートルズのドキュメンタリーと同じでも、ミミおばさんやシンシア、ジュリアンが登場し、 かなり駆け足になっているのは仕方がないところですが、どのビートルズのドキュメンタリー作品とも一線を画す。 彼の人生を振り返る上で抜きには語れないオノ・ヨーコとの出会い以降は、 ビートルズとの活動よりオノ・ヨーコとの活動が多くの時間を占める。 若い頃の彼女の肉声もよく聞こえてきますが、ジョンの傍にいる姿は見る機会はあってもその声はあまり聞いたことがなかった気がする。 メイ・パンと「失われた週末」についても触れられていますが、彼の中で彼女の存在がいかに大きかったのかがよく分かります。 メディアからは奇妙なものにも映った2人の活動ですが、ジョンの支えでもあった彼女の強さも感じる映像の数々。 当時の貴重な映像が沢山出てきます。 70年代のいつ頃の映像だろう?「ビートルズの再結成は?」というインタビューの質問に対し、 「再結成もレコーディングもあり得るだろうね。当時の傷も既に癒えている。きっと楽しいものになるはずだよ。」 彼の人生が1980年で終わらなければ、どんな楽しい再結成が実現していたのだろう?と思うと残念でならない。 冒頭やエンドロールでも挿入される、後に残された3人によって完成した「リアル・ラヴ」の当時のデモ音源が印象的でした。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2024-12-27 22:19:06) |
9. 地球最後の男 オメガマン
《ネタバレ》 チャールトン・ヘストン主演、人類最終戦争後という世界観。 どうしても同時期の「猿の惑星」を思い出してしまう。 本作も原作があるようなので仕方がないんですが、 敵の基本設定もどうしても「猿の惑星」の続編の地底人と被ってしまうし、 結末もなんか、続猿の惑星のテイラーの最期と被ってしまう。 主演はチャールトン・ヘストン以外の人でもよかったかも。 何とも微妙なB級の香り漂う作品ではあるのですが、人の気配や温もりを感じさせない街の風景。 どう見ても実際の街で撮影しているんですが、これに関しては大健闘の作品だとは思いますけどね。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2024-12-23 15:26:39) |
10. THE GREY 凍える太陽
《ネタバレ》 極寒のアラスカかどこかの労働現場から、労働者を乗せた飛行機が一面雪に覆われた原野に墜落。 人跡未踏のような原野、しかもそこは凶暴なオオカミの巣窟のような場所。 墜落を生き延びた7人が寒さとオオカミの群れと闘うサバイバルアクション。 町にたどり着くなど絶望的な状況で何のあてもなくオオカミに付け狙われながら原野を行く設定にあまりにも無理がある、 風雪を避けて墜落した飛行機にとどまり狼が入ってこれないよう残骸でバリケードでも作り助けを待つ方が生存確率が高いのでは? と思ってしまうものの、それでは映画にならないから仕方がないんですけどね。 オオカミとの闘いがメインとなりすぎて、厳冬の自然の過酷さの描写はあるものの対オオカミ以外の部分が今ひとつ。 オオカミの群れが相手では、いつものニーソンの映画のように敵をボコボコにするようなシーンはありませんが、 墜落を生き延びた仲間の先頭に立ち、生への道を行く男の人間的強さが光る、といった作品かと思ったのですが・・・。 最後はこんなことになってしまうとは思わなかった。 ニーソン演じる男は妻に先立たれ、妻との日々が頻繁にフラッシュバックされるあたりには、 まだ妻の死から立ち直れていない、いや、冒頭を思い出すと妻の元に行く願望があるようにすら思える。 そして「最強の敵を倒せたら、その日に死んでも悔いはない。」という台詞。最後は本望だったのだろうか・・・? しかし肝心の最後の闘いが中途半端で終わってしまい、鑑賞後はモヤモヤしたものが残ってしまう作品です。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2024-12-18 17:53:08) |
11. ウェディング・シンガー
《ネタバレ》 この頃のドリュー・バリモアがこういったラブコメで見せる笑顔は本当にいいなあと思う。 本作のお相手アダム・サンドラーともお似合いで、後に「50回目のファーストキス」でもう1度コンビを組むのも納得です。 序盤から2人のいい人ぶりの見せ方が良く、ラブコメに必須の素直に2人を応援したくなる空気が自然と出来上がっていく。 特にパーティーの場でドリューが女の子にダンスを断られた少年をダンスに誘い、サンドラー君が歌でそれを盛り上げるシーンが実にいい。 最終決戦の場、ベガスに向かう飛行機はかなりベタな展開になりますが、直球勝負のラブコメらしくてこれも良しです。 ファーストクラスで、なんかヤバそうな乗客が1人いるなと思ったら、 イメージ通りのそのまんまの姿でビリー・アイドルがご登場には笑ってしまいましたけどね。 しかし彼からの「いかしてたぜ!レコード会社を紹介してやる。」が最高! 大物からの後押しも得て夢への一歩を2人で歩みだし、乗客みんなに祝福され、 キスシーンから結婚式へ場面が移る。ラブコメらしい大団円のハッピーエンドと相成りました。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2024-12-13 13:20:20) |
12. ハンターキラー 潜航せよ
《ネタバレ》 なかなかにあり得ない展開の連続なんですが、そこは映画と割り切ってみれば十分な作品でした。 バリバリの潜水艦モノかと思って見始めたのですがさにあらず。 参謀本部、潜水艦、敵地に乗り込む極秘任務の海兵隊員、思惑が交錯するロシア軍。 そしてアメリカの潜水艦に乗り込むことになってしまった歴戦の強者のロシアの潜水艦長と大統領。 それぞれが散漫にならずに、うまくそれぞれを関連付けていて、 なかでもミカエル・ニクヴィスト演じるロシアの潜水艦長の存在が効いている。 アメリカとロシア、2人の潜水艦長の関係、潜水艦長2人のそれぞれの部下との関係。 目には見えない人と人の絆や信頼関係、こういうところをしっかり押さえているのがいい。 僅かな隙をついて敵地に乗り込む時間帯は潜水艦モノらしい緊張感も味わえます。 作戦終了後、浮上した潜水艦上で互いに敬意を表し2人の艦長はあっさりと別れ行く。 状況は異なりますが、潜水艦モノの傑作「眼下の敵」で、 ロバート・ミッチャムとクルト・ユルゲンス、2人の名優が演じた艦長を思い出すいいラストでした。 ただ、今の世界情勢では無理な映画ではありますけどね。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2024-12-11 16:17:47) |
13. 恋におぼれて
《ネタバレ》 マシュー・ブロデリック演じる田舎の天文学者の恋人が仕事でNYへ。 そして一方的にNYから手紙で別れを宣告された天文学者君がNYに乗り込み、ありえない行動に! 果たしてこの状況、ブロデリック1人でこの先大丈夫か・・・? と思い始めたところにメグがあまりにもあり得ないぶっ飛んだご登場。 いつもの素敵なメグ・ラブコメとは一味違う、ドタバタ・ラブコメのメグをどうぞ、という作品かな。 盗聴、盗撮、不法侵入、クレカ不正使用、レストランでゴキブリばらまき・・・と バレたら逮捕やむなし案件満載でラブストーリーとして重要な、恋に落ちる2人への共感は出来ないんですけど 本作はラブストーリープラス、ちょっぴりブラックなドタバタコメディといったところでしょうか。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2024-11-19 18:13:43) |
14. エグゼクティブ・デシジョン
《ネタバレ》 ハイジャックされた飛行機にドッキング以降、ラストまで緊張感を見事に持続させている。 救出に向かう実行部隊の数名を大きくは2つに分け、極秘裏に任務を遂行させながら、 彼らと乗務員を最小限にして十分に絡ませ、そこにテロリストの動きを重ね合わせていく。 時間との闘いも加わり、高い緊張感を持続しながらこれらの切り替え、アクシデントの挿入もよく考えられているし 経験や訓練を積んだ精鋭だけでなく、そうではない人物の任務への参加やその絡ませ方もいい。 意外過ぎるセガール隊長の序盤での離脱をどうとらえるかですが、 ここにセガールを持ってくるというキャスティングも良かったと思います。 作戦に挑む面々だけでなく、見る者にも序盤でセガール隊長が離脱するという衝撃を与え、 ハイジャックという危機に立ち向かう彼らに、経験豊富な指揮官がいなくなるという危機が加わる。 2時間越えの作品ですが、緊急着陸し機体が確実に止まる瞬間まで、息つく間を与えない見事な作品です。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2024-11-08 15:13:33) |
15. 探偵マイク・ハマー/俺が掟だ!
かつてベトナムで共に戦った戦友であり親友が何者かに殺された。その敵討ち。 男だろうと女だろうと、俺のツレの命を奪った奴らは決して許さねえ! まさに邦題の通り、俺がマイク・ハマーだ!俺が掟だ!という作品です。 次々とあやしい人物が現れる。そして次々と何かが起こる。 作品のテンポ良し、そしてこの殺伐と乾ききった作品の空気感がたまらない。 この手のハードボイルド・アクションとしてはかなり面白い作品になっています。 敵に対しても、女に対しても、タフでクールで最高にカッコいい。 本作はマイク・ハマーのキャラと、演じるアーマンド・アサンテに尽きますね。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2024-10-29 17:47:23) |
16. テキーラ・サンライズ
捜査の行方と、2人の男と1人の女、その関係の行方。この2つの軸でストーリーが進行していく。 ミシェル・ファイファーの存在感が大きく、彼女がいる1つ1つのシーンの雰囲気や音楽もいいんですが、 全体的な流れはもっさりしてるというか、どちらの要素もテンポが今ひとつ。 ロビン・ザンダーとアン・ウィルソン、2人のパワフルなボーカリストが歌う、大ヒットしたテーマ曲が懐かしい。 そのパワーバラードは、まさに本作のミシェル・ファイファーとメル・ギブソンのようでもあります。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2024-10-27 22:41:08) |
17. あきれたあきれた大作戦
ピーター・フォークが微妙なんですが、なんだかんだでヤリ手のCIAの要員。 カーチェイスはこなすし拳銃の腕も確かなんですが、コロンボを散々見てきた後に本作を見ると あの車の運転や「あたしゃねえ、拳銃はからっきしだめなんですよ」というコロンボとの落差が面白かったりします。 ですが、本作はアラン・アーキンがいい! ピーター・フォークにいいように使われ、どんどんドツボな方向に巻き込まれていくNYの善良な一市民である歯科医。 全てを達観したような無表情で淡々と巻き込まれていく。延々と続くピーター・フォークとのコントが面白いです。 ストーリーの方は大したことは無いです。しかし2人のコントが楽しいので飽きることも無いです。 アーサー・ヒラーの作品としては同時期の「大陸横断超特急」と比較すると小ぢんまりしてますが、 似たような味わいもあるゆるゆるコメディ。暇つぶし映画としてはいいんじゃないでしょうか。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2024-10-25 17:27:36) |
18. ようこそ映画音響の世界へ
《ネタバレ》 「音が与える印象は映像よりはるかに大きい。だが、それに気づいていない人が多い。」 とは、本作のいちばん最初に語られる一言。いきなり、この冒頭の一言から参りました。 映像と音。映像に音を吹き込み、映像に力を与えていく音響のプロフェッショナル達が数多く登場する。 そんな、映画と音に魅せられた音響屋たちが語る1つ1つが興味深く、そして楽しく 彼らが語る映画愛や、仕事に対する情熱や誇りが感動的ですらありました。 数多くの映画が引用され、その音の話を満喫した後のエンドロール。 無音で始まったエンドロール、その最初の1~2分くらいか。 かすかに動物や虫の声、鳥のさえずりが聞こえてくる。 冒頭のメッセージと共に印象的な、映画音響にフォーカスした作品の締めくくりでした。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2024-10-20 12:51:07)(良:1票) |
19. 17歳の瞳に映る世界
《ネタバレ》 17歳、ペンシルベニアからNYへの妊娠中絶のための小さな旅。 ペンシルベニアの小さな町。17歳の彼女が感じる閉塞感、家族をはじめとする人間関係など。 序盤のこうした前提を本作は本当に必要最小限にしか語らない。 必要最小限なのは台詞や音楽も。 その分、局面ごとの彼女たちの心の内、その不安感を彼女たちの表情や目で語らせる。 その演出と、それに応える2人の演技もまた素晴らしい。 全編を通して静かな作風にあって唯一たたみかけてくるのが、 NYのクリニックでの、本作の原題にもなっている4つの選択肢の質問。 答えに詰まり、感情がこみ上げてくる彼女の表情をとらえ続ける、本作の中で最も厳しいシーン。 しかし優しく彼女に問いかけ、耳を傾けるカウンセラーの姿勢や、 序盤の地元ペンシルベニアのカウンセラーの主人公に寄り添う姿勢など、 今も議論が続く重いテーマに対する作者の姿勢も印象的な問題提起の形でした。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2024-10-17 18:06:40) |
20. MEMORY メモリー
リーアム・ニーソン、年をとっても変わらず本作でもめちゃめちゃ強いです。 主役のリーアムが最後にこういうことになってしまう映画って他にあるのかな。初めて見た気がする。 強い男を演じ続けながらも実年齢と共に演じる人物像、演じ方が少しずつ変わっているけど、 いい意味での哀愁や渋みが加わり、俳優としていい年の重ね方をされている人だと思います。 本作では作品タイトルの通り記憶がひとつの鍵になっており、 アルツハイマー認知症を発症し引退の時が近づいている殺し屋を演じている。 悪役にはイタリアの宝石と言われたモニカ・ベルッチ。さすがにお年をめされた感がありますが その分、若い頃の彼女には出せないゴージャスなふてぶてしさが印象的です。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2024-10-10 18:00:19) |