1. 奇跡の人(1962)
《ネタバレ》 脱帽の傑作。ドキュメンタリーの如き迫真の演技で命がけの苦闘と深い愛情を教えてくれる。最後には全身が打ち震えるような感銘を覚えた。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2016-09-21 15:14:39) |
2. オネーギンの恋文
《ネタバレ》 緊張と緩和。タチヤーナの頑なな、そして内心穏やかならぬ無表情。これが見事なので、ラストの嗚咽が活きてくる。唯一の友を自らの手で死なせたオネーギンの変貌にも共感を覚えるし、格調高い映像美にも陶酔。静謐に秘めた熱情が胸に迫る傑作。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2016-09-21 14:20:11) |
3. 情婦
《ネタバレ》 ラストのどんでん返しやディートリヒも良いんだけど、最も感嘆すべきはチャールズ・ロートンの桁外れの演技力、これに尽きる。精巧無比。 [映画館(字幕)] 9点(2016-09-20 23:08:51) |
4. 偽りの花園
なんといっても金の為なら夫の死を待つというベティ・デイビスの悪女っぷり。しかも冷酷無比の中にも、ほんの少し良心の呵責を垣間見せる緻密な芝居。娘のアレグザンドラは母に似ず純情だが、父を鑑と仰ぎ、母を反面教師としたのだろう。かなり見応えあった。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2008-02-11 00:44:02) |
5. ゲット・ア・チャンス!
川に落とすシーンは『どっきりカメラ』ぽくて良かった。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2008-02-10 20:59:09) |
6. 孤独な場所で
卓越した心理描写。短気な主役に辟易させられるが、ボガート独特の魅力が下品たらしめていない。重厚な味わいを持つ佳作。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2007-09-30 21:01:55) |
7. 姉のいた夏、いない夏
けっこう好きな作品。夏特有の寂しさ、欧州の景色、女優の美貌が全てマッチしている。そんなドカンと来るものはないけど、こういう押せ押せ感のない手堅い描写がいい。 [地上波(字幕)] 7点(2007-09-22 17:17:36) |
8. ゴースト/ニューヨークの幻
まぁ、何ら得る物がなく、残る物もなく、少しのアクビと苦笑いを交え、ほとんど思考停止のまんまで観ていられるお気楽映画。そういうのもたまには良いかも知れない。あくまで“たまに”だけど。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2007-09-22 17:15:29) |
9. 縛り首の木
《ネタバレ》 命の恩人の医師にやたら反抗的な青年とか、異様に程度の低い住民とか、腹立たしい奴ばかりなのでストレスが堪る。好きなマリア・シェルが目当てで観たが、他作品ほどシェルの美しさを引き出せていない。それぞれ名演だし見応えあるのだが、ストーリーが苦痛なのだった。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2007-09-22 17:12:09) |
10. 初恋のきた道
《ネタバレ》 「さぁ、これからどうなる」と盛り上がった途端に終幕する呆気なさ。割合にすれば《チャン・ツィイーの魅力=66%》《情景の美しさ=33%》《ストーリー=1%》という程に内容は薄く、ほとんどチャン・ツィイーの可愛さだけで支えられている。まぁ、それでも爽やかで結構ですけどね。それにしても若い頃の旦那は、何となく地球人に化けた宇宙人に見えてしまう。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2007-08-13 16:05:49) |
11. 最高のルームメイト
《ネタバレ》 二人の30年に渡る悲喜交々に心が温まった。 中でも特殊メイクで107歳までを演じるピーター・フォークが素晴らしい。 まぁ、年齢のわりに元気すぎるので不自然さも否めないが、俳優個人の魅力が違和感を薄めている。終盤の子供たちの逸話は、ちょっと凡庸すぎたかな。でも最後は、雪景色の白さが象徴するように、心洗われる見事な幕引きであった。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2007-08-13 11:57:45) |
12. アフリカの女王
米国を代表する映画スター二人に、ドリフの探検コントっぽいことをさせるのが偉い。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-08-13 00:10:02) |
13. 素晴らしき哉、人生!(1946)
ラストは結構なんだけど、やっぱり天使が降りるまでが長すぎて退屈。これは天使たちに特別扱いされてまで救うべき好人物と思えなかったことも一因する。世の中にはもっと優先して救うべき不幸な人々は大勢存在するはずだが、あの天使は狭いローカル限定の担当なのだろうか。 [ビデオ(字幕)] 6点(2007-08-12 23:45:45) |
14. ニューヨークの恋人(2001)
ラブコメって便利な言葉だと思う。どんなに強引で中身スカスカでも「ラブコメだから」という一言で許されてしまう。でもどんなジャンルの映画でも、人間描写が雑だとダメ。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2007-08-12 20:01:54) |
15. 華麗なる賭け
雰囲気は悪くないがストーリーが微妙で、マックィーンも適役とは言い難い。やたら出まくる分割画面にも飽きる。「ヒントでピント」じゃあるまいし。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2007-07-31 23:51:21) |
16. ロイドの要心無用
《ネタバレ》 チャップリンやキートンに比べると、ロイドは余り好みじゃない。無駄に爽やかというか、キザったらしいというか。ただ本作は代表作と呼ばれるだけあって面白い。前半の展開はロイド扮する主役がズルく、自分らが悪いのに「(警官を)やっつける」など言語道断なのだが(翻訳の問題かも知れんが)、後半のビル登りは圧巻。革靴と背広姿でスパイダーマンのようなことをするロイドに敬意を表したい。 [ビデオ(字幕)] 7点(2007-06-11 22:22:23) |
17. パール・ハーバー
駄作界の大横綱。誤った歴史観以前の問題で、ストーリーの稚拙さに唖然。冒頭の視力検査から虫酸が走るが、以降延々と間抜けな恋愛劇を繰り出し、過剰な音楽も耳障りで仕方がない。無為な三時間を過ごした徒労感だけが重くのし掛かること必至である。 [ビデオ(吹替)] 1点(2007-06-10 19:50:38) |
18. サンセット大通り
《ネタバレ》 大女優の老醜を単なる見せ物とせず、常にいとおしむ視線を逸らしていない。映画界の内幕を描きながらも品位を感じさせる所以は、ひとえにその点にあると思う。ラストは見事な狂気で締めくくるが、涙を滲ませながら見つめるシュトロハイムもまたグッと心を捉えるのだった。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2007-06-10 19:19:09) |
19. ブルース・ブラザース
半端じゃなく豪勢で完成度も高いとは思う。食い物でいえば、特大デコレーションケーキみたいな様相。けど私は、ケーキより塩煎餅みたいな映画に愛着を抱く。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2007-06-09 19:50:33) |
20. 翼よ!あれが巴里の灯だ
飛行機の中で孤軍奮闘している内容なので、どうしても話が単調にならざるを得ないと思うが、何とか面白く、頑張りを映像化しようとする努力は伝わる。記録達成時は感動的だったが、ワイルダー作品としては少々薄味。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2007-06-09 19:30:40) |