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かたゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1879
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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1.  終わらない週末 《ネタバレ》 
最近すっかり倦怠期に陥っているとある夫婦とその子供たち。少しでも気分転換を図ろうと彼らはこの週末、リゾート地に建つとある豪華な別荘にバカンスへと出かけることに。チェックインしたその別荘には、大きなプールや広い寝室、冷蔵庫には高級なお酒がたくさん収められていた。早速水着に着替え、近くの浜辺へと海水浴に出かける家族――。だが、彼らはすぐに異変に気づく。謎のサイバー攻撃により、街は大規模な停電に見舞われ、ネットやテレビも全て遮断されてしまったのだ。さらには航行不能に陥った巨大タンカーが浜辺へと打ち寄せてきて、現場は大混乱に。すぐさま別荘へと逃げ帰ってきた家族にさらなる不穏な訪問者が。この別荘のオーナだという怪しい親子が、一晩この家に泊めてほしいとやって来たのだ。はたして何が起こっているのか?この訪問者は本当にこの別荘のオーナーなのか?そして、家族は無事に週明けを迎えることが出来るのか?いやー、まったく期待せずに観たらこれがめちゃ面白かったんですけど!何がいいかって、とにかくこの全体を覆ういや~~~~~な空気。人を不快にさせるカメラワークになんだかずっと気持ちが落ち着かない不穏な音楽、なにより登場人物たち全員が人を嫌な気持ちにさせる要素をちょっとずつ持ってるところ!常にヒステリックで情緒不安定なお母さんにそんな妻に嫌気を差しつつも無気力に引き摺られちゃうお父さん、隣のエロいおねーちゃんの水着を携帯見るふりして盗撮しちゃうお兄ちゃん、ドラマ『フレンズ』の最終回を観ることだけが生きがいの妹……、別に普通の家族なのになんでここまで人を不快にさせるんでしょうか。そんな家族の元に途中からこの民泊のオーナーである黒人親子が現れるんですけど、この2人もヤバい。物腰は丁寧なのに絶対人を見下してるだろってことが丸わかりの父親、常に人を小馬鹿にするような皮肉ばかりのたまう娘。この映画、とにかく人を不快にさせる作りが抜群に巧い。監督、絶対性格悪いだろ(笑)。そんなどっかで勝手にやってくれと言わんばかりの家族に徐々に世界の終末が迫ってくるわけだけど、これも絶妙に不安感を煽るもので大変グッド。特にピンクのビラを大量に撒くドローンが強烈。父親が途中で出会う、スペイン語しか話せないおばちゃんが自分はすんごく嫌でした。困っているのは分かるけけど、ちょっと落ち着いてくれよって。思わず置き去りにしちゃったイーサン・ホークの気持ちが分かる(笑)。あと、歯が急に抜けちゃうお兄ちゃんのシーンもむちゃくちゃ嫌でした。何気に自分の保身のために家に閉じこもってたケヴィン・ベーコン(懐かしい!)が一番まともに見えるという。そして、ここまで大風呂敷を拡げといてどーオチつけるのかと思ったら、まさかのラスト!いやー、妹ちゃん良かったね、願いが叶って(笑)。とにかくここまで人を不快にさせることに徹底されちゃうと、なんか一周廻ってもはや気持ちよくなっちゃいました。なんだかアリ・アスター監督を髣髴とさせるこの監督の才能は、これから要注目ですね。
[インターネット(字幕)] 8点(2024-05-15 10:23:58)★《新規》★
2.  REBEL MOON パート2 傷跡を刻む者 《ネタバレ》 
宇宙の隅々まで支配する強大な銀河帝国マザーワールドに狙われ、存続の危機に立たされた辺境のとある小さな村。かつて帝国の忠実な兵士として戦った女剣士コラは、村のためにともに戦ってくれる英雄たちを求めて銀河へと旅立つのだった――。獰猛なグリフィンを手懐けたら解放するという約束を見事果たした奴隷戦士。子供をさらう異形の蜘蛛女と戦っているところをスカウトされた二刀流の女剣士。帝国軍から酷い裏切りを受けいまや酒浸りの荒んだ生活を送っていた元将軍。残虐非道な帝国軍といつ果てるともしれないゲリラ戦を続けているレジスタンスの一兵士。帝国軍に忠実に従うようプログラミングされたにも関わらずいつしか自我に目覚めてしまったアンドロイド。そして、コラとともに苦難の旅を続けてきた平凡な村人である若者……。強大な帝国軍を率いる冷酷無比なノーブル提督を一度は撃破した彼らだったが、クローン技術により復活した提督の魔の手が再び村へと忍び寄る。それまで平穏な暮らしを送っていた村人たちを訓練し、完全武装した帝国軍を迎え撃つ準備を着々と続けてゆくそんな7人の戦士たち。果たして彼らと村の運命は?ザック・スナイダー監督が贈る、『七人の侍』からインスパイアされたという壮大なスペースオペラ完結編。前作同様、独自の世界観を圧倒的な映像技術で表現したアクションシーンはやはり凄かった。何もない丘に一から造ったという村を舞台に繰り広げられる7人の戦士たちの闘いは凄まじい臨場感。ただ……、さすがに荒唐無稽が過ぎる!空中を浮遊する超ハイテク移動マシンを持ってるのに村人たち、稲刈りは人力で鍬ですんのかい。まず稲刈り機を購入しようよ(笑)。対する帝国軍もあんな強大な宇宙艦船を幾つも有していながら、こんなちっぽけな村の些末な穀物に拘るってなんでやねん。まぁ今回から帝国軍のお尋ね者であったコラを捕らえるという真の目的が出来てましたけど、はじめは穀物目当てだったよね。また、今回の見どころである7人の戦士たちのバトルもちょっと消化不良。それぞれの個性を活かした闘いが誰も彼も独自にやっていて、一つの目的のために戦ってるという一体感がいまいち感じられなかった。特にこれまでひたすら謎めいた存在であったアンドロイドのジミーがいまいち活躍しなかったのが残念。ここまで謎キャラで引っ張といて、いざ自らの意思で帝国軍に反旗を翻したのに結局、戦車一台壊しただけであっさり退場ってさすがに拍子抜けでした。もっと無茶苦茶に無双してほしかったぞ。まだ続くんかい!というオチもなんか蛇足感が強くて、もーええわってなっちゃいました。世界観は凄く好みだったし、映像も迫力満点で見応えあったけど、そー言った不満点も多くてなんか惜しい感じ。うーん、前作の方が面白かったかな。
[インターネット(字幕)] 6点(2024-05-10 10:03:59)★《更新》★
3.  ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語 《ネタバレ》 
児童文学で有名なロアルド・ダールの短編小説を、独自の世界観で一部で熱狂的なファンを持つウェス・アンダーソン監督が映画化。ロアルド・ダールの小説は一遍も読んだことはないのですが、『チャーリーとチョコレート工場』や『魔女がいっぱい』など映画化された作品はどれも皮肉と毒が効いてて個人的には好きなんです。でも、監督であるウェス・アンダーソンは昔から合わない監督の1人。なんだかこの人の自分のセンスをやたらとひけらかすような作風が僕、個人的に嫌いなんです。で、好きな原作者と嫌いな監督のコラボレーションである本作、いったいどちらが勝つんだろうと今回鑑賞してみました。結果は……、嫌いが勝ちました(笑)。しかもかなり大勝。パステルカラーで撮られたいかにも「どうだい、俺ってセンスあるだろ」と言わんばかりのメルヘン世界観も好きになれないし、登場人物がカメラ目線でやたら早口で捲し立てるのも何言ってるか分かんないし、なんか説教されてるみたいで癪に障る。自分は終始イライラしながら観てました。こればっかりは好みの問題なので如何ともしがたい。ちなみに姉妹編である他3作(『白鳥』『ネズミ捕りの男』『毒』)も鑑賞済みで、この感想は4作纏めてのものです。
[インターネット(字幕)] 4点(2024-05-10 08:54:03)《更新》
4.  REBEL MOON パート1 炎の子 《ネタバレ》 
ここは、強大な皇帝が宇宙の隅々まで支配する銀河帝国マザーワールド。だが、そんな帝国に不穏な空気が立ち込め始める。絶大な権力を有していた王家が軍の謀叛により皆殺しにされてしまったのだ。そんな混乱の隙をついてレジスタンスが各地で反乱を起こし、帝国は新たなる戦乱の時代に突入しつつあった――。辺境の小さな星で日々農業を営み、貧しいながらも平穏な暮らしを送っていたある村にも暗い影が忍び寄る。帝国の巨大な艦船が幾多の護衛艦を引き連れ、村の上空に現れたのだ。屈強な兵士を何人も従え村へと訪れたノーブル提督は、村長に村の穀物を帝国のために引き渡せという無茶な要求をしてくるのだった。「そんな、食料がなくなったら我々は餓死してしまう」。決死の思いでそう訴える村長を無情にも殺した提督は、10週間後までに村に備蓄してある食料の3倍の量を用意しておけと言い残し去ってゆく。一部始終を目撃した村の若い女性コラ。過去を捨て静かに暮らしていた彼女は、村を救うため広大な銀河へと旅立つ決意をするのだった。自分たちと一緒に戦ってくれる勇敢な英雄たちを求めて……。独創的な映像と唯一無二の世界観でハリウッドのエンタメ映画界を牽引するザック・スナイダー監督の最新作は、黒澤明の名作『七人の侍』からインスパイアされたというスペースオペラ大作でした。リアリティなんてはなから度外視、とにかく拘りに拘りぬいた映像を撮らせたら右に並ぶものがないこの監督の大ファンである自分としてはけっこう期待して今回鑑賞。いやー、これがもうまんま七人の侍で思わず笑っちゃったわ。貧しい村を救うために七人の戦士を求め主人公たちが馬を駆って旅をするシーンなんてそのまんまやし。でも、設定をSFに変えるだけでここまで変わるのかというくらい印象がからりと変わっちゃうのはやぱ面白かったですね。2部作ということで今回は7人の戦士たちを集めるために旅するというのがメインのお話になるのだけど、出会う戦士たちがどいつもこいつも中2病感溢れる個性が炸裂してて大変グッド。グリフィン使いの奴隷戦士や二刀流のクールな女剣士、今や酒浸りの元帝国軍将軍なんてめっちゃくちゃベタなメンバーだけど、やぱ彼らが徐々に集うシーンはテンション上がっちゃいますわ。対する悪役の帝国軍も負けず劣らずキャラ立ちしているのも良いですね~~。特におかっぱ頭で触手好き?なノーブル提督の気持ち悪さはもう振り切ってて素晴らしい!ここら辺、おたくでならしたザック・スナイダーの面目躍如って感じですね。クライマックス、宇宙船を舞台にした彼らのバトルは相変わらずのド迫力で素直にハラハラドキドキ。いやー、面白かった。村を守るためにいよいよ故郷の星へと帰ってきた七人の戦士たちの戦いは、完結編である次作に持ち越し。うん、楽しみにしとこ♪
[インターネット(字幕)] 7点(2024-05-04 11:00:37)《更新》
5.  ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE 《ネタバレ》 
毎度おなじみ不可能ミッション請負人のイーサン・ハントが世界狭しと大活躍する人気シリーズも今回でなんと7作目!いやー、まさかこんなに長寿シリーズになるとは思わなんだですな。ブライアン・デ・パルマが監督を務めた一作目からリアルタイムで観てきた自分としてはなかなか感慨深いものを感じながら今回鑑賞。相変わらず湯水のようにお金を掛けた&トム・クルーズのもはやドMなんじゃないかとも思える身体を張ったアクションは今回も凄かった!特にクライマックスの列車のシーンはベタだけど素直にハラハラドキドキ!なんであんたら、わざわざ列車の上に出て戦うねん(笑)。まぁ相変わらずストーリー自体はよー分かりませんでしたけど。取り敢えず鍵が2本あってそれを敵の手に渡すと世界が大変なことになりまんねんってことだったのかな?そこら辺がよー分からんうえに、さらには敵さんもいまいちキャラ立ちしてないとこがなんだか残念ポイントでした。パート1ということでそこら辺は2作目で明らかになるっぽい?でも、かなり強引なストーリー展開が良くも悪くも売りだった本シリーズで2部作にしたのは失敗だったような気がしなくもない。単純にこれ1本ですっきり終わってほしかったぞー!とはいえ単純にアクションシーンはどれも大迫力だったし、還暦近いのにトム・クルーズは相変わらずカッコ良かったし、エンタメ映画としては充分面白かった!続編も楽しみにしとこ♪
[インターネット(字幕)] 7点(2024-05-01 09:15:49)
6.  ザ・キラー 《ネタバレ》 
闇社会に生きる凄腕の殺し屋。自らが決めたプロフェッショナルな哲学に忠実に従い常に完璧な仕事をこなしてきた彼だったが、パリでの任務遂行中に致命的なミスを犯してしまう。警察の目を逃れ飛行機へと乗り込み、何とかアジトがあるドミニカ共和国まで戻ってきた彼。だが、そこで待っていたのは組織によって半殺しの目に遭わされた愛する恋人の痛々しい姿だった。「彼女をこんな酷い目に遭わせた奴らを俺は絶対許さない」――。固くそう誓った彼は、単身アメリカへと渡ることに。自らのエージェントを皮切りに、恋人に酷い拷問を行った二人組、そしてクライアントである実業家らを追い詰めてゆく。果たして彼の復讐の旅路は成功するのか?サスペンス映画界を代表するベテラン、デビッド・フィンチャー監督の最新作は、そんな孤独な殺し屋の復讐劇をスタイリッシュに描いたクライム・サスペンスだ。彼がこれまでのキャリアで培ってきたテクニックを思う存分駆使して創られたであろう本作、これが小技の効いた演出の力が光る佳品に仕上がっておりました。ストーリーなんてあってなきが如し、とにかく2時間、このサスペンスフルな展開を楽しんでくれと言わんばかりの潔いまでの中身のなさはもはや清々しい。マイケル・ファスベンダー演じる主人公がひたすら語りまくるストイックなナレーションがあまりにナルシスチックでちょっと笑けてきちゃうのがポイント。ともすれば単調になりがちなこのお話に良いアクセントを与えてました。肝心のサスペンスシーンももはや匠の技と言っていいフィンチャー監督のテクニックが随所に冴えていて、冒頭からとにかくノンストップでハラハラドキドキ。アメリカでごみ清掃員を装いながらエージェントを襲うシーン、自動ロックが掛かるドアの閉まるまでの秒数を数えながらぎりぎりで足を挟むとことか単純にかっこいいし。人質にした秘書が「お願い、事故死に見せかけて。そしたら子供たちに保険金が下りるから」という訴えをちゃんと聞いちゃうなんて、なんと心憎い男なんだ!実行犯の一人である黒人の殺し屋を襲うシーンもけっこう反撃を喰らってる上に犬にだいぶ手こずってるとこも、なんかお茶目で好き。まぁさすがにストーリーが空気過ぎて、後半から若干ダレてしまった感があるのが玉に瑕でしたけど(特にティルダ・スウィントンの謎の熊のお話を延々とするディナーシーン!)。90分くらいで終わってくれたらもっと完成度の高い傑作になったかもしれないのにね。とはいえトレント・レズナーの不穏な音楽も作品世界に最高にマッチしてたし、フィンチャー監督の円熟の技が光るサスペンス映画の佳品でありました。7点!
[インターネット(字幕)] 7点(2024-04-26 12:51:17)
7.  バービー(2023) 《ネタバレ》 
全世界で根強い人気を誇る老舗玩具バービー人形。もし彼女らが意識を持ち、彼女たちだけが暮らす夢のような世界があったら?本作は、そんな特異なアイデアを独創的な映像で描いた異世界ファンタジー。監督は、僕とはあまり相性の良くないグレタ・ガーウィグ。この人の映画を観るのはこれで三作目なのだけど、やっぱり今回も見事に嵌まりませんでした。この人のあからさまなフェミニズム思想ってなんかすんごく偏ってません?自分は男ですが、この社会に当然のようにはびこる男たちの傲慢さに昔から違和感を覚えていたタイプ。「男は社会に出て積極的にバリバリ働き、女は家庭を守り子供を育てる。それこそが人類共通の真の幸せな姿だ」なんて平気で信じ込んでる男たちに心底うんざりしてきました。そんな「女は頑張った自分へのご褒美だ」と本気で考えてるような男には絶対にならないでおこうと決めた僕でも、本作の根底に貫かれる極端なフェミニズム思想にはかなり拒絶反応が……。この映画のテーマって結局、「今まで男が女を支配してきたからこれからは女が男を支配してやりましょう、それができなければもう女たちだけで生きていこうよ」ってことですよね?それってどーなんですか。なんかすごい違和感を感じたのは僕だけなのかな。この社会の分断を招き男女間の対立をいたずらに煽っているだけのような。まぁそんな極端な考えに走るほど、女性がこれまで不当に虐げられてきたというのも分かるんですけどね。とはいえそーゆーのを抜きにしても、単純にファンタジー映画としてどうなんと思える部分も残念に感じました。バービーランドと人間社会の関係がかなり曖昧過ぎて物語の世界に全く入り込めなかったんですけど。どうしてバービーランドが出来たのか?この世界が最初にあってマテル社がその模倣としてバービー人形を作ったのか?あるいはその逆なのか?現実社会の持ち主の暗い思いがこの世界に悪影響を及ぼすならとっくにこのバービーランドは崩壊しているのではないか?そこら辺の設定の詰めが甘く、自分はもはや物語として破綻しているようにすら感じてしまいました。「マーゴット・ロビーが言っても説得力がない」なんて楽屋オチみたいなネタを突然出してきたときなんて完全にすべってたし。そんなわけで、自分はこの監督の感性&思想とはまったく合わないことを再確認してしまいました。マーゴット・ロビーとライアン・ゴズリングの豪華共演と、ピンクを基調とした映像の創り込みがさすがに半端なかったので、+1点!!
[DVD(字幕)] 5点(2024-04-26 11:30:37)
8.  ブラックアダム 《ネタバレ》 
こーゆーヒーローごった煮映画ってマーベルで懲りたはずなのに、監督がわりかし好きなジャウマ・コレット=セラだったので今回鑑賞。やっぱりヒーローがごった煮で、なんか牛肉と豚肉と鶏肉しか入ってない水炊きを延々食べさせられた気分。白菜やえのきやマロニーみたいな心温まるエピソードやハラハラドキドキするサスペンスフルな展開も入れてほしいよー!まぁ映像はけっこうスタイリッシュで見応えあったんですけどねー。
[DVD(字幕)] 5点(2024-04-20 10:11:38)
9.  エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス 《ネタバレ》 
これを唯一無二の独創的なユーモアセンスだととるか、単なる悪趣味な悪ふざけだと捉えるかで大きく評価が分かれる作品。自分?完全に後者です。
[DVD(字幕)] 3点(2024-04-13 13:05:55)
10.  マッドゴッド 《ネタバレ》 
『スターシップ・トゥルーパーズ』や『ロボコップ』など数々のSF映画で特殊効果を担当し、その容赦ない血みどろぐちょぐちょ映像で幾つもの伝説を残してきた、グロ映像界の巨匠フィル・ティペット。彼が約30年もの月日をかけて制作したという、悪夢のような未来社会を独創的なストップモーションアニメで描いたディストピア物語。いやー、相変わらず血みどろぐちょぐちょでしたね~、これ。手作り感あふれる小さな人形たちがただひたすら焼かれたり切り裂かれたりプチっと潰されたりと、ひたすら虐められる映像が最後まで延々と続きます。これを何十年もかけて地道に創り続けてきたフィル御大の根性が凄い(笑)。でも『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』や『コララインとボタンの魔女』をこよなく愛する自分としては、こーゆーシュールでグロテスクな世界観はもろ好み!手を変え品を変え最後まで徹底的にグロに拘った、この唯一無二の世界観は素晴らしいとしか言いようがない。ただ、こーゆー内容なんでストーリーはほぼあってなきが如し。自分は分かったような分からなかったようなで途中からちょっぴり退屈しちゃいました。もう少しお話の内容でも魅せてくれたらなお良かったんですけどね。とは言え、ここまで徹底的にイキ切ったグログロ映像はもはや匠の技。自分は最後まで充分堪能させていただきました。うん、7点!
[DVD(字幕)] 7点(2024-03-11 09:15:06)
11.  炎のデス・ポリス 《ネタバレ》 
砂漠のど真ん中に建つ孤立した警察署を舞台に、金融詐欺師の男と彼の命を狙う殺し屋、同じく彼を狙う頭のイカれた刺客、汚職に手を染める悪徳警察官、そして正義感の強い新人女性警察官、彼らの血みどろのバトルをノンストップで描くクライム・アクション。アクの強い演出や警察署という閉鎖的な舞台、軽快でノリのいい音楽に殺伐としたシニカルな雰囲気と、初期の頃のタランティーノ&ロドリゲスコンビの作品にかなり影響を受けてるのが丸わかりの本作。でも自分はこーゆー感じは嫌いじゃないんで今回鑑賞してみました。まぁやりたいことは分かるんですけど、本家に比べて圧倒的に実力不足感が否めない内容でしたね、これ。とにかくストーリーが分かりづらい!無駄に多い登場人物と説明不足な脚本のせいで、いまいちストーリーが頭に入ってこないんです。こんなおバカな内容ならもっと単純なお話にして素直に楽しませてほしかった。そんな多すぎる登場人物たちもそれぞれ頑張ってキャラ立ちさせようとしているんですけど、いまいち成功していない。特に物語の鍵となるイカれたサイコパス殺し屋とか、演技も演出も若干すべってて見ていて痛々しい。いかにもタランティーノと言った、全編にわたる無駄話の応酬もセンスがないせいで普通に無駄話のままで終わってて終始退屈。最後の投げっぱなし感が半端ないオチなんで目も当てられない。こーゆーのを観るとやはりタランティーノは偉大だったんだなと再確認させられますね。このシニカルで乾いた世界観はそこそこ好みだっただけに残念!!
[DVD(字幕)] 5点(2024-03-07 10:01:03)
12.  マッシブ・タレント 《ネタバレ》 
彼の名は、ニコラス・ケイジ。かつてヒット作を連発し、大人から子供まで大人気を誇ったハリウッド・スターだ。アクション娯楽大作に立て続けに出演したかと思えば、その演技力の高さからアカデミー賞を取るなど、まさに我が世の春を謳歌していた。だが、私生活の散財癖から莫大な借金を背負うと、金を返すために低予算の駄作ばかり出演するようになり、気づけば世間から冷めた目を向けられるように。監督やプロデューサーからは足元を見られ、多くのファンも離れてゆき、妻とも離婚、年頃の一人娘からもウザがられる存在に。今や過去の栄光と酒だけが生きがいの典型的な落ち目のハリウッドスター。そんな彼にある日、少し変わった仕事のオファーが舞い込んでくる――。スペインの大富豪の誕生日パーティーに参加するだけでなんと100万ドルが貰えると言うのだ。金の為に仕方なくスペインのリゾート地へと向かうケイジ。そこで彼を待っていたのは、彼の熱狂的な大ファンだという大富豪だった。早速彼と豪華な食事や酒を楽しむケイジだったが、帰り道、CIAを名乗るスパイに拉致される。彼らによると、大富豪は陰で国際的な犯罪組織を率いる裏社会のボスらしい。家族の安全と組織に誘拐された政治家の娘を救うため、スパイとして再び大富豪の屋敷に舞い戻ったケイジは、危険を感じながらも豪邸の中を探り始める……。落ち目のハリウッドスターであるニコラス・ケイジが落ち目のハリウッドスターであるニコラス・ケイジを演じているということで今回鑑賞。いやー、ケイジさんの自虐ギャグ満載でけっこう面白かったですね、これ。全盛期の彼のヒット作『コン・エアー』やら『ザ・ロック』などのネタがてんこ盛りで、リアルタイムで観てきた自分としては思わず笑っちゃいました。特に、興行的にも役者としても一番ノリにノッていた名作『フェイス/オフ』にやたらしがみついてるケイジさんとかもうツボです。泥酔して若い頃の自分と妄想の中で会話するシーンとか実際にやってそうで怖い。この落ちぶれ具合は、もはや演技じゃなくて本人による再現VTRでしょ(笑)。ただ、大富豪の正体が分かるまでの前半部分、若干ネタがスベってたのとストーリー的にちょっともたもたしてたのが残念!もっと前半から飛ばしてほしかったかな。最後は復活したニコケイが再びスターに返り咲いて、家族とも仲直りしてジ・エンド。まぁ、「なんじゃそりゃ!!」ですけど、余りにニコケイが幸せそうで思わず拍手を贈っちゃいましたわ。全盛期も落ち目の時期もずっと見守ってきた生粋のニコラス・ケイジファン?の自分としては、とても感慨深いものを感じながら最後まで暖かく見守ることが出来ました。ありがとー、ニコラス・ケイジ。これからも身体に気を付けて、いっぱい映画に出てね!
[DVD(字幕)] 7点(2024-03-07 09:12:49)
13.  ノック 終末の訪問者 《ネタバレ》 
そのノックは、世界の終わりを告げる音――。人里離れた静かな湖畔に建つ一軒の小さなロッジ。家族水入らずのバカンスを楽しむために貸し切りで予約を入れたゲイのカップルとその養女である幼い女の子。退屈な日常をしばし忘れ、彼らは早速バーベキューや虫取りなどバカンスを満喫するのだった。ところが2日目の朝、何の前触れもなく〝その者〟たちがドアをノックする。「信じられないかもしれないが今、世界の終末が近づいている。人類を救うためには、君たちのうち誰かを犠牲に選んでもらわなければならないんだ。明日の朝までに」――。ロッジに無理やり押し入ってきた4人の訪問者は、藪から棒にそう告げるのだった。宇宙人の啓示を受けた選ばれしものである自分たちしかこの事実を知らないという。到底信じられない家族は当然、そんな無茶な要求を拒否し、即席の武器で必死に抵抗する。だが、〝訪問者〟たちの言う通り、テレビからは巨大地震や謎のウィルス蔓延を知らせるニュースが大々的に報じられて……。果たして彼らは何者なのか?本当に世界の終末が近づいているのか?そして、家族は世界を救うために誰を犠牲に選ぶのか?奇抜なアイデアで映画を撮り続けるハリウッドの鬼才M・ナイト・シャマランが新たに挑んだのは、そんな閉ざされた空間で展開されるワンシチュエーション・スリラーでした。まぁいかにもシャマランらしいアイデア一発勝負で最後まで突っ走るお話でしたね、これ。昔からこの人の映画って当たり外れが多く、当たればそこそこ面白いけど外れたら目も当てられない酷い内容になりがち。んで、今回は……、外れの方のシャマランでした(苦笑)。ぶっちゃけこの脚本、酒でも飲みながら2時間程度で書き上げたんじゃないの?ってくらいやっつけ感が半端ない。突っ込みどころも満載だし、設定の爪も甘いし、何より肝心のアイデアも何処かで見たようなベタな代物でさっっっぱり面白くなかったです。数時間で世界中に蔓延するウィルスってどんなんやねん(笑)。だいたい主人公がゲイカップルだとか8歳の養女がアジア系の孤児だったりとかの設定もストーリー上たいして活かされておらず、昨今のポリコレ至上主義に安易に媚びてる感じがして途中からなんか腹立ってきましたわ。最後のオチも何の捻りもないそのまんまのもので思わず失笑。ま、簡単に言うと観るだけ時間の無駄の凡作でした、はい。
[DVD(字幕)] 4点(2024-02-23 11:00:06)
14.  ボーンズ アンド オール 《ネタバレ》 
彼女の名は、マレン。まだ18歳になったばかりの何処にでもいるような普通の女の子だ。物心ついたころには母親はおらず、厳格で厳しい父親と2人暮らし、高校でもとくに目立つ存在でもない。そんなマレンだったが、彼女には人とは違う特徴が一つだけ。それは、定期的に人を襲い食べてしまいたいという衝動を抑えられないことだった――。そう、彼女は社会の闇の中に少数ながら存在する〝人喰い〟だったのだ。これまで厳格な父の元でひっそりと暮らしてきたマレンだったが、ある日、また例の衝動を抑えきれなくなってしまう。お泊り会でクラスメイトの指を思わず食べてしまったのだ。当然父とともにすぐさま逃亡。だが、逃亡先の隠れ家で目覚めると唯一の頼れる存在であった父親が、「もうお前の面倒を見るのに疲れてしまった」とのメッセージを残していなくなってしまう。突然のことに途方に暮れるマレンは、母親はデトロイドに居るとの父の言葉だけを頼りにたった一人、旅に出る。途中、同じく〝人喰い〟である青年リーと知り合った彼女は、彼の車で遠く離れたデトロイドへと向かうことに。優しく面倒見のいいリーと旅を続けてゆくうちに、マレンはいつしか彼にほのかな恋心を抱いてゆく……。かつて、同性カップルの刹那的な青春を瑞々しく描いた佳品『君の名前で僕を呼んで』のルカ・グァダニーノ監督とティモシー・シャラメが再びタッグを組んで挑んだのは、そんな人喰い同士の孤独な旅路をリリカルに描いたロード・ムービーでした。一言でいうと物凄く気持ちの悪い映画でしたね、これ。それはグロさとか不快という直截的なものではなく、なんとも言えない良い意味での気持ち悪さ。この作品、物語としては物凄くオーソドックスな青春ロードムービーのように描かれているんです。父に捨てられた女の子が会ったこともない母親を捜して旅に出て、道中で出会った青年と恋に落ち、色んな経験や葛藤を重ねながら成長してゆく……。でも、そんな2人が旅の途中で繰り返すのは殺人と人肉食。しかもそれを2人の恋が深まってゆく絆のように描いている。正直、なんじゃこりゃですよ(笑)。なのに四つん這いになって犬のように人肉を喰らった2人が食後、血だらけで抱き合うシーンとかだんだん愛おしくなってくるから不思議。ここらへん、この監督のセンスがなせる技なんでしょう。そんな2人の間に入ってくる人喰いじいさんの存在も、長年の孤独な生活から心を病んでしまったということが分かりなんとも言えない魅力を放っておりました。そして、ようやく出会えた母親とか、もう夢に出そうなぐらい強烈!最後、どうしようもなくなってしまったマレンがとった文字通り骨まで喰らう愛。これは究極の純愛だと、僕は思う(笑)。とにかく唯一無二のいい意味で気持ちの悪い映画でございました。
[DVD(字幕)] 8点(2024-02-07 10:36:37)
15.  ザリガニの鳴くところ 《ネタバレ》 
彼女の名はカイア・クラーク、通称湿地の娘。ノースカロライナ州、ほとんど人がやってこないような鬱蒼とした湿地帯で、今にも潰れそうな一軒家に住む若い女性だ。彼女が幼い頃、アル中の父親の暴力が原因で母親は家出、3人の兄や姉もみな彼女を残してこの地を去ってしまった。そのうち父も酒に溺れた挙句、カイアを残して失踪。誰のことも信じられなくなったカイアは、以来この地でたった独りで生きてきた。自分の殻に閉じこもり、近所の雑貨店の老夫婦ぐらいとしか会話を交わさないカイアはいつしか町の人たちから、「湿地の娘」と呼ばれ、ずっと奇異の目で見られてきたのだった――。ある日、そんな彼女が住む湿地帯の火の見櫓から、町の裕福な家の一人息子が転落死を遂げる。原因は不明。だが、警察の執念の捜査で逮捕されたのは被害者と付き合いのあった、カイアだった。果たして、彼女が本当に彼を殺したのか?事件の噂を耳にした老弁護士のもと、注目の裁判が始まるのだったが……。生物学者でもある作家が表した世界的ベストセラーを映画化したという本作、なかなか面白そうだったので今回鑑賞してみました。見ているだけで汗が滲んできそうな湿地帯を舞台に繰り広げられる、そんな様々な愛憎渦巻くドラマは見応え充分。社会から孤立し、豊かな自然をまるで母のようにして育ってきたカイアという主人公は、今まで見たことがないような魅力的なキャラクターでした。家族たち全員から裏切られ、社会からも蔑まれてきた彼女がそれでも愛を求めて少しずつ足を踏み出してゆくところは思わす感情移入せずにはいられません。この物語の根底にある、横柄で独善的な男社会への自主的な拒絶とその結果としての孤立化というフェミニズムなテーマもなかなか深い。ただ、純粋にミステリー作品としてみれば、少々残念な点もチラホラ。長編小説を映画化した際の弱点が幾つか散見されるのが惜しいところでした。物語の核となる殺人事件の状況が分かりづらいせいで、肝心の法廷劇がいまいち盛り上がりに欠ける。彼女の生い立ちがかなり特異過ぎて、殺人事件よりもそちらの方が気になって仕方がない。僕は彼女の家庭環境と殺人事件のミステリー部分がなんだか巧く噛み合っていないような印象を受けてしまいました。きっと原作ではそこら辺を丁寧に描写しているのでしょう。でも、映画の方はそのプロットを追うあまり、全体的に駆け足になり過ぎてしまった感が強い。特に最後の数十年に及ぶ夫婦生活をたった5分に纏めるオチは、駆け足過ぎるにも程がある(笑)。おかげで驚愕の真相にも余韻に浸るヒマもなかったです。あと30分長くなっても良かったので、もっと彼女のその後の人生を丁寧に描いてほしかった。久しぶりにこんな魅力的な主人公と出会えただけに残念!
[DVD(字幕)] 6点(2024-02-07 10:05:14)
16.  スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム 《ネタバレ》 
映像は迫力があって良かった!トビー・マグワイアやアンドリュー・ガーフィールドとの新旧スパイダーマン協力バトルも懐かしくて大変グッド!ただ、ストーリーは半分くらい意味不明だったのとピーター・パーカーが自己中すぎて若干イライラしたので、5点!!
[DVD(字幕)] 5点(2024-01-29 18:52:13)
17.  SHE SAID/シー・セッド その名を暴け 《ネタバレ》 
ハリウッドを震撼させた、有名映画プロデューサーによる女優へのセクハラ疑惑。その件数は一つや二つではなく、しかも何十年も前から日常的に繰り返されてきたというのだ。映画業界で絶大な権力を持つその男の前では無力な一俳優やスタッフがいくら被害を訴えても黙殺されるだけ。長年泣き寝入りを強いられてきた多くの被害女性たち。だが、2016年、当時のニューヨークタイムズの記者が地道な取材を重ねてゆくと、そんな不都合な事実が少しずつ明らかとなってゆく。これまで自らの思いを必死に抑え込んできた数多くの被害女性たちは、次第に勇気を出して声を上げてゆくのだった――。のちに大きな社会ムーヴメントとなるMeToo運動のきっかけとなった、ハーヴェイ・ワインスタインによるセクハラ事件。本作は、そんな映画業界のみならず全世界に大きな衝撃を与えた事件を描いた社会派ドラマだ。まだ事件が明るみになってから数年しか経過していないこともあり、関係者の多くがいまだ映画業界で働いていること、加害者であるワインスタインがのちに有罪判決を受け現在服役中であること、日本をはじめ今も多くの国で過去の性被害が問題になっていること、そんな物凄くナイーブな問題を正面から扱った本作のテーマは意義深いことだと思う。これまで多くの女性たちが泣き寝入りをせざるをえなかった社会の構造的な欠陥を、地道な取材によって告発した主人公たちの勇気ある行動は称賛に値する。ただ、本作を映画という芸術的側面で論評させてもらうと自分はそこまで評価できなかった。これは、いくら社会的関心が高いテーマだとは言え、実際に起こった出来事をただ忠実に再現しそれを時系列順に並べたからといって必ずしも面白い映画とはならない典型的な例ではなかろうか。事実をただ羅列するのではなく、観客の興味をとらえより多くの人々の心に届けるための演出を行うのが監督やスタッフたちの役割だと自分は思う。今回本人役で登場したアシュレイ・ジャッドがクライマックス、自らも実名をあげて告発記事に名を連ねる決心をするシーンも、そこまでの丁寧な描写や伏線も何もないせいで唐突感がぬぐえず、いまいち心に響かない。これはひとえに脚本と演出のせいだろう。数年前にアカデミー賞を受賞した、カトリック教会内部での神父による性的虐待を描いた『スポットライト/世紀のスクープ』との違いはここにある。ここまでセンシティブなテーマに勇気をもって取り組んだ監督の熱意には好感が持てるだけに、惜しい。
[DVD(字幕)] 5点(2024-01-25 10:50:56)
18.  テリファー 《ネタバレ》 
ハロウィンの夜、奇怪なメイクを施した狂気のピエロがやってくる――。内容なんてほぼなし、そんな殺人ピエロがただひたすら人を殺しまくるのを徹底的なグロテスク描写満載で送る、もはやB級ですらないC級映画。こーゆー低予算を逆手に取って、それでも映画への愛だけを武器に、観客にとにかく楽しんでもらおうという作品って結構ありますけど、本作はその中でもかなりレベルの低い内容でした。とびかくセンスゼロ!!キレのいい演出も観ている者を惹き込ませるような映像も一周廻ってもはや笑けてきちゃうようなぶっ飛んだ展開も、な~~~んもありません(笑)。最後までばっちい映像がひたすら垂れ流されるだけ。観るだけ時間の無駄のう〇こ映画でありました。終わり。
[DVD(字幕)] 2点(2023-12-27 07:48:28)
19.  バビロン(2022) 《ネタバレ》 
独り善がりでつまんないストーリーを、きちゃない映像&エログロマックスな下品な描写で3時間も垂れ流し続けるというもはや苦行のような映画。
[DVD(字幕)] 3点(2023-12-22 08:34:17)(良:1票)
20.  ノースマン 導かれし復讐者 《ネタバレ》 
ここは何処までも凍てついた大地が続く北欧の小さな島国、ラプシ王国。大鴉王と呼ばれ、その残虐非道な性格から周囲の国々を恐れさせたオーヴァンディル王の元、貧しいながらも人々は平穏に暮らしていた。そんなある日、攻め入った国から多くの奴隷を戦利品として持ち帰った王は、腹違いの弟の裏切りに遭い、悲運の死を遂げてしまうのだった。国王の側についた者は皆、残虐な手法で殺され、王妃は無理やり新たな国王の妃とされてしまう。そしてまだ10歳になったばかりの幼い王子アムレートは殺されそうになりながらも何とか一人、小さな舟で逃げ出すのだった。「いつの日か父の仇を討つ!母上を救い出す!」と何度も何度も誓いながら――。数年後、ロシアでヴァイキングとなり、近隣の町で略奪を繰り返していたアムレートは、父の仇であるフィヨルニル王が戦に破れ、遠くアイスランドの地まで追われたことを知るのだった。今こそ復讐の時はきた。故国で語り継がれてきた預言者の幻に導かれるまま、奴隷に身をやつしたアムレートは密かにアイスランドへとやってくる。ただ、亡き父の復讐を果たすために……。中世北欧のヴァイキング文化をモチーフに、父王を殺された王子の苦難に満ちた復讐劇を生々しく描き出す英雄譚。とにかく血腥い!!北欧のヴァイキング映画って何本か観ましたが、どれもこれもリアルで残虐でとにかく濃い濃い濃い!!例えるなら、『300(スリーハンドレッド)』のシリアス版みたいな。ヴァイキングっって、どんなけ野蛮な人たちなんだ(笑)。でも自分はこーゆーこちらにまで血の匂いが漂ってきそうなこの荒んだ世界観、けっこう好きでした。中世の英雄譚らしくかなりシンプルなお話なのでその分、俳優陣の熱演が光ります。主役を演じたアレキサンダー・スカルスガルドのそのただ淡々と復讐を果たしてゆく寡黙な演技も素晴らしく、彼に惹かれてゆく奴隷役のアニヤ・テイラー=ジョイもすこぶる魅力的。そんな俳優たちを、シャープでスタイリッシュな映像で捉えたこの監督のセンスも抜群にいい。モノクロームを基調としたこの映像が終始カッコよく、重厚な音楽がよりこの世界観を引き立てています。芸術的価値は充分高い。前作『ライトハウス』の時から監督の映像美には注目してましたが、本作で見事に完成されたんじゃないかな。燃え盛る火山をバックにした最後の闘いと、その後のヴァルキリー登場には思わず拍手しそうになっている自分がいました。うん、満足!!
[DVD(字幕)] 8点(2023-12-18 09:22:40)
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