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吉田善作さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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1.  軽蔑(1963) 《ネタバレ》 
まずモラヴィアの書いた原作小説がある。これは男女間の混沌とした感情を確かな筆致で描出した素晴らしい小説であったが、芸術観・人間観において驕りを見せる主人公をモラヴィアは否定するどころか擁護した、という重大な欠点がある。そしてその欠点を見事に解決したのがゴダールである。映画監督役にラングを起用することにより、主人公より上の境地に達している人物を配置でき、主人公の横暴さを包み込む役目を果たさせたのだ。ラングの「非論理が論理に反するのは論理的である」「死は結末となりえない」などといった台詞は主人公を、より上位の次元から絶えず牽制した。主人公の滑稽さを認めたゴダールはやはり信頼に値する映画監督だ。さらに、凄まじいまでの魅力を放つバルドー(その肉体、笑顔、瞳……!)や、愛の幕引きという軽石のように空虚な絶望を画面に定着させることに貢献した色彩と音楽には、手放しの賞賛を送りたい。そしてなによりゴダールの映像表現力だ。小説ではなく映画でなければならない、という必然性を感じさせるシーンの数々に思わず顔がほころぶ。映画の終盤、カミーユという魔性ともいえる女が死ぬ。「愛ある笑顔よ」と優しく笑うカミーユ。その直後「本当はもう愛してないの。もう無理なのよ」とカプリの断崖を思わせる拒絶を見せるカミーユ。しかしカミーユは魔性の女ではなく、自立した意識体系を持つ一人の人間にすぎない。それを理解できなかったのがピッコリ演じるポールである。最後に一言、ランボーの「永遠」はこの映画のラストにこそ挿入してほしかった!
[DVD(字幕)] 8点(2012-12-06 21:56:02)(良:1票)
2.  三つ数えろ 《ネタバレ》 
関係の映画。複雑な人間の関係の網目をボガートが冷静な頭脳とタフな精神・肉体でもって辿っていく。途中明らかに本筋とは関わりのない女性が二人、さも主要人物であるかのように登場する。しかし出番は一度きりで、思わせぶりな言動は沈黙に終わる。この部分こそ映画の肝であると私は信じる。ただでさえ入り組んだ関係性の中に二人の魅力的な女性を配置させる。つまりは無関係を関係させることにより、映画内世界に奥行きを持たせることに成功している。似た映画としてはジャームッシュのブロークンフラワーズが挙げられる。中々の秀作であるから、三つ数えろが大好きな方なら観て損はないと思う。
[DVD(字幕)] 6点(2012-12-05 17:37:37)
3.  飾窓の女 《ネタバレ》 
罪を犯してしまい追われる身となる悪夢を、皆さんも一度は見たことがあるのではないだろうか。そのような悪夢がこのフィルム上に、夢の曖昧性を排除した形で鮮明に焼き付けられている。初めて観賞した時、そのスリルに見ているのが辛くなるほどだった(個人的にサスペンスものに弱いということもあって)。主人公の残した犯罪の痕跡の数々が調べ上げられていく緊張感は見事なものだった。そして最後、それが夢だとわかった時の安堵。覚めない悪夢を冷徹に撮りきる映画も好きだが、観客を安心させつつ警告めいた余韻を残すこの映画も大好きだ。私は一度目よりも二度目の方がより楽しく観賞することができた。それはスリルが苦手ということもあるが、フリッツ・ラングの丁寧で上品な映画作りのゆえに生まれる奥深い味わいにこそ大きな理由があるのだろう。
[DVD(字幕)] 6点(2012-12-05 17:21:01)
4.  脱出(1944) 《ネタバレ》 
バコールの魅力に尽きる。鋼鉄を想起させる冷たく強固なシルエットと表情。それがラストシーンで無邪気な愛の笑顔へと溶解する。デビュー作ということで緊張していたらしいが、その緊張は彼女の容姿にとって相性のいいものだったのだろう。クリケットのピアノ弾き語りも要所を盛り上げてくれたし(香港がどうのという歌がすごく良かった。有名な曲なのかな?)、ボガートとウォルター・ブレナンとの絡みもホークス映画らしくて楽しい。しかし映画を通してやや退屈な印象を受けた。バコールの登場しないシーンたちが少し褪せて見えるせいかもしれない。
[DVD(字幕)] 5点(2012-12-05 17:06:53)
5.  騎兵隊 《ネタバレ》 
南と北、自由と奴隷、白人と黒人、白人とインディアン、このような二元論はこの映画において意味をもたない。全てが平等であるなどという蒙昧な一般論も存在しない。ただ南は南で北は北、それだけのことだ。この映画は人間を描いている。その他の概念は飾りでしかないのだ。本作はそのような人間の物語を、ジョン・フォードならではの美しく滑らかな映像で楽しむことができる映画の一級品である。特に見入ったのは終盤に川をバックにしたジョン・ウェインとヒロインの切り返しショットによる会話シーンと、最後の最後ジョン・ウェインとの別れを惜しむヒロインのアップショットだ。フォードらしい絵的な強度のある構図を堪能できる。また本作には数多くのユーモアが散りばめられ、それが単純な笑いではなく、本作の画面に漂う枯れた色彩にも似た余情をもたらしてくれる。
[DVD(字幕)] 7点(2012-12-05 00:07:54)
6.  リバティ・バランスを射った男 《ネタバレ》 
ジョン・フォードの切り取る風景は、大地が草木が青空が一丸となったような深く穏やかな息吹を感じさせる。この映画においては冒頭と最後の鉄道を走る列車のショットがそれだ。おそらく静止画であればこれほどまでの感動は得られないであろう構図だが、モーションピクチャになった途端に命が吹き込まれ、その有機的なエネルギーが画面から溢れ出すのだ。映画の内容としてはジョン・フォードの他作品同様、心地よく観続けていられる滑らかなショット繋ぎと安定した物語により、安心して楽しめる内容となっている。この監督の思想、視点の高貴さは疑いがなく、一見どんなに凡庸または偏見に満ちた物語に思えたとしても、よくよく観ていけばそれらの疑念は霧散してしまうのだ。ゆえに安心して観ていられるし、二度目以降の観賞においても飽きることなく楽しめてしまう。……リバティ・バランスの撃たれ方が格好良い。
[DVD(字幕)] 6点(2012-12-03 02:25:11)
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