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1.  ザ・テキサス・レンジャーズ(2019)
クリント・イーストウッド作「パーフェクト・ワールド」のシナリオライターであり、 筆者が劇場で嗚咽をこらえきれなかった「ウォルト・ディズニーの約束」の監督である、ジョン・リー・ハンコック作品。 歳をとってからの存在感が光るケビン・コスナー、 そしてアクション派の中でも数少ない深みのある芝居ができるウディ・ハレルソンが、ともに製作兼主演。  内容は、ボニー&クライドの捕物話を、追う側から描いた物語。 「俺たちに明日はない」が青春と挫折を描いたニューシネマのムードをまとったアンチヒーロー物語だったのに対して、 こちらはアウトローが国中を駆け巡ったアメリカ開拓時代への挽歌のように、そこはかとない悲しみが全編に漂う。  時代の転換期、過去に置いていかれるだけの老人たち。 そして、大恐慌という絶望の中で、凶悪な連続殺人犯にしか自らの希望を投影できない人々。 どうにもやりきれない哀れな人々の点景が、淡々と描かれていく。  この映画を見ていると、大きな時代の流れの中にあっては、我々は自分に与えられた役割を、 せいぜい演じきることくらいしかできないかのような無力感を覚える。  爽快感とは無縁なだけに、より主人公たちの内面に突っ込んでほしい部分もあったが、それなりに誠実な映画になっているとは感じた。
[インターネット(字幕)] 7点(2020-11-30 12:29:59)
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