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かっぱ堰さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1246
性別 男性
自己紹介 【名前】「くるきまき」(Kurkimäki)を10年近く使いましたが変な名前だったので捨てました。
【文章】感想文を書いています。できる限り作り手の意図をくみ取ろうとしています。また、わざわざ見るからにはなるべく面白がろうとしています。
【点数】基本的に個人的な好き嫌いで付けています。
5点が標準点で、悪くないが特にいいとも思わない、または可も不可もあって相殺しているもの、素人目にも出来がよくないがいいところのある映画の最高点、嫌悪する映画の最高点と、感情問題としては0だが外見的に角が立たないよう標準点にしたものです。6点以上は好意的、4点以下は否定的です。
また0点は、特に事情があって採点放棄したもの、あるいは憎しみや怒りなどで効用が0以下になっているものです。

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1.  オリ・マキの人生で最も幸せな日 《ネタバレ》 
オリ・マキという言葉は人名には見えないが、「オッリ」と書けばフィンランド人風であり、実際に皆さんオッリと発音している。またマキはカウリスマキのマキである。個人的に知らなかったが実在のボクサーとのことで、劇中の試合後も実績を出して名を残しており、コッコラのパン屋(Kokkolan leipuri)というのも本当のニックネームらしい。 今どき白黒映画だったのは意味不明だが、そのせいか登場人物の顔が印象的な映画になっている。また子どもらの演出がけっこう面白かった(激突!)。ほか思ったのは、フィンランド人にとってはサウナが最強の減量方法らしいことである。湖のほとりに小屋を建てるのが本来の形と思われる。  劇中の試合が当時どれほど期待を集めたかはわからないが、この映画では国威発揚というよりビジネスの面が強調されている。記録映画とか長身モデルとかスポンサーの機嫌取りとかで本来のペースを乱されるのが問題なのかと思っていたが、そこで唐突に「恋をしてる」というのが前面に出たので何だこれはと思ってしまう。 彼女とは最初からそれなりの関係ができていたようなので、今はとりあえず試合に集中すればいいだろうがこのバカがと思ったが、どうやら主人公としては絶対譲れない優先順位があったらしい。一番大事なことをまず押さえ、次に周囲の環境を整えて準備に注力し、その上で当日やることをやれば負けて悔いても悪びれないようで、試合後の撮影場面で見せたのが本来の顔ということらしかった。打ちのめされたのは興行主であって主人公ではないということだ。 なお凧の場面は、集中状態での適度な息抜き方法を心得ていたということか、あるいはプロポーズの結果を受けた喜びが少しはみ出してしまったのか。  人物について、主人公役と婚約者役は本物と同じボスニア湾岸のコッコラ市出身の役者らしいが、それが最優先のキャスティングとも思えない。主人公は低身長で衒いのない人柄で嫌味がなく、また婚約者も痩身美形ではないが愛嬌があって人柄が顔に出ている。終盤のバスの場面では、この人物が主人公を全肯定して根底を支える存在であり、主人公が現場を抜け出したのも、そうすることにそれだけの価値があったことを納得させられた。ちなみにエンドクレジットには「Old happy couple in harbor/Olli and Raija Mäki」と書いてあった。 物語として面白いともいえないが、結果的にじわっと来るタイプの映画だった(かなり来た)。正直主人公が羨ましい。
[インターネット(字幕)] 8点(2020-10-31 08:55:02)
2.  アンダー・ザ・ウォーター 《ネタバレ》 
製作国として国名が3つ出ているが、映画の舞台はコペンハーゲンなのでデンマークの印象が強い。監督・脚本と主演俳優はデンマーク人、ほかにスウェーデン人やスウェーデン語話者のフィンランド人(エステルボッテン出身)も出ていたようである。 邦題はともかく原題の”QEDA”は一般に通用しない劇中用語のようで、「量子もつれ quantum entanglement」という科学用語を理解できる/しようとする人間も少数だろうから、これは製作側の独りよがりである。とても商業映画のタイトルとは思われないので、英題くらいにしておくのが妥当である。 全体的には北欧らしい作りということなのか、地味で不愛想な外見のためたまらなく眠くなり、字幕を見落として少し戻るということを何度も繰り返した。ただ同じ顔の人物(二役)が自然な感じで一緒に映っている場面があり、これが結構不思議ではあった。  映画のテーマとしては、一つは地球温暖化の問題と思われる。海水面の上昇でコペンハーゲンの街路がベネチアのようになっていたのは古典的な温暖化イメージだが、そのほか気候変動の表現として突然の嵐の場面もあった。塩分のために真水が失われて多くの生物種が絶滅し、人の健康も損なわれるというのは世界共通の一般論か不明だが(低地限定ではないか?)、2095年の男が2017年に来て、かつての世界がこれほど豊かで人の心も満たされていたと実感する場面は確かに現代人への警告になっている。ここは一般受けしやすい。 一方で時間ということに関しては、簡単に過去を変えてはならない、といったことを教訓めかして言っていた感じだが、そもそも人間というのは過去を変えられないので現実世界に向けたメッセージにはなっておらず、単に意外で悲惨な結末を面白がるだけのショートムービー的なもので終わった気がする。あるいは過去にこだわらず、未来を変えることを考えろという意味とも解釈できるが、それにしても回りくどい話である。  そのようなことで、学生のSF研とかなら内輪受けしそうなアイデアに、地球温暖化の話を加えてかろうじて長編映画にしたような印象だった。ほか劇中設定(地球温暖化と時間旅行)に関する疑問点もいろいろあるが長くなるので書かない。地球温暖化について何か言いたい人は見てもいい(ただし眠い)。 ちなみに「ひいひいばあちゃん」は確かに魅力的な女性だった(知的で賢明)。妻の先祖であるからには惚れて当然か。
[DVD(字幕)] 4点(2020-04-29 11:51:29)
3.  魔女(1922) 《ネタバレ》 
1922年の映画である。監督その他の関係者はデンマーク人とのことだが、題名のHäxanと字幕はスウェーデン語らしい。 見たのは104分のバージョンで、全体が7章に分かれている。第1章は昔の宇宙観と関連づけながら魔女の基本的な性格を学ぶお勉強的なパートであり、また第2章は時代を1488年と特定して、中世の具体的な魔女像を多少ユーモラスに表現している。しかし次の第3章から第5章までは魔女裁判の話になるので笑っていられなくなり、第6章では魔女の発生原因として拷問の道具と僧院の狂気を紹介している。最後の第7章では近代(大正時代)に飛んで、中世から当時まで残されていた魔女的なものを明らかにする構成になっている。 最後の章はそれまでの各章に含まれていた要素を使って結論を導く形であり、何やら実証的な映画という印象もある。それほど明らかな社会批評の意図もないようだが、気の毒な人々に理不尽な偏見を向けないようにしなければという、この時代なりの良心が表現されていたようではあった。  物語として心に残るのはやはり第3章から5章までの魔女裁判で、ここでは中世の人々の迷信深さとともに、人間が本来持つ(現代にもある)邪悪な部分や偏狭な宗教の害悪が描かれている。個人的には特に、性欲の抑圧がかえって理不尽で組織的な暴力につながる面があるのではという方に考えが向いた。また客観的に立証できない罪状では自白が証拠の王だというのもよくわかる。最後の章では、中世なら魔女とされたであろうシニア世代と未亡人の表情が物悲しい印象を残していた。 特撮としても、主に第2章でストップモーションアニメや逆回転、多重露光?といった手法でけっこう面白い映像を作っている。着ぐるみや特殊メイクも多用されているが、特に監督本人が演じていたという悪魔が神出鬼没で、恐ろしいというより滑稽で不潔そうで品性下劣で邪悪な雰囲気を出しており、ヨーロッパの悪魔像とはこういうものだったのかと思わされた。そのほか個人的には夢魔?が布団の上を這って来て、寝ていた人物が慄いている場面が好きだ(一瞬だが)。 結果として、サイレント映画など古臭くて見る気がしない、という食わず嫌いを一気に解消する内容にはなっていた。なお映画自体は無音でも、今回見たDVDではピアノの背景音楽を入れて効果的な演出がなされている。
[DVD(字幕)] 8点(2018-11-01 19:56:16)(良:1票)
4.  バトル・オン・ザ・ボーダー ノルディック 極寒の攻防 《ネタバレ》 
原題のGränsenは国境を意味するらしい。内容としては、第二次大戦で中立だったはずのスウェーデンの軍人が国境を越えてドイツ占領下のノルウェー領内に侵入する話であるから、邦題のカタカナ英語よりは英題の“Beyond the Border”の方が実態に合っている。 真面目に見れば、大戦中で極度に緊迫したヨーロッパ世界と、それを知っていながらどこか他人事のような人々の住む中立国の間には簡単に越えられる架空の境界線しかなく、軽率にもそれを越えてしまったことで起きた悲劇と解される。スウェーデン王国では戦前戦後を通じて徴兵制があったようだが実戦経験があるわけでもなく、劇中兵士を見る限りは一般市民も同然で、無惨な死体を見ただけで腰を抜かす連中ばかりのようだったが、これは実際そんなものかと思わなくもない。  ただ見ていて非常に抵抗感があったのは、スウェーデン側の行動に全く正当性がないことである。事件の原因を作ったのは主人公の弟、その後に事態が際限なく拡大したのは主人公のせいであって、死んだ連中はほとんどこの兄弟のために殺されたようなものである。主人公(恐らく職業軍人)が弟のことになると常軌を逸した行動に出るのが異常で全く共感できない。 またそういう納得のいかない展開に、何だかんだと理由をつけて無理やり戦争活劇に仕立てたのは最悪である。暗殺者に狙われたことで被害者意識を出しておき、さらにドイツ側に無駄に残虐な将校がいて拷問していたとかスウェーデンに侵攻する作戦があるとかいう話を出してきた上に、ノルウェー人の個人的復讐心まで加えて補強して、最後はもうどれだけドイツ兵を殺してしてもいいことになっていたが、しかしこれではただの大量殺人でしかない。他人を悪者にすれば自分が何をやってもいいということにはならないだろうが。死んだドイツ兵にも家族がいたはずだとかいうことを考えてみろ。 日本人なら、こういう普通の人間を狂わせてしまう戦争というものが許せないとか結論づければ簡単だろうが、しかし戦争がどうこういう以前に製作姿勢が問題であって、最後の立ち小便など見ると作り手の品性までが疑われる。点数は、まず銃を置けと諭しただけで殺された気の毒なドイツ兵に入れておく。  ちなみに余談として、森の中で直線的に木が伐られていた場所が出たのは国境の表現と思われる。実際に、Googleマップの衛星写真で現地(ヴェルムランド地方のTorsby付近)の国境を見るとこうなっている。
[DVD(字幕)] 2点(2018-07-08 18:58:37)
5.  歓びを歌にのせて 《ネタバレ》 
大まかに何が起こっていたのかはわかったが、しかしそれで感動したかというと何とも思わなかった。世界が認めた良作なのだろうから貶めるつもりはないが、自分としては乗れなかったということである。ここを見ると自分だけではなかったようで安心した。 個人的印象を正直に書くと、劇中の田舎があまりに閉鎖的で人間関係が面倒臭い上に住民の感情の動きにもついて行けず、何となく冷ややかな目で見ながらラストに至り、そこでまたかなり人工的な感じのする出来事にも共感できるものがなかったという経過だった。また好きになれる人物が誰もいなかったというのも自分にとっては難点だった。  以上だけでは何なのでたまたま個人的に知っていることを書いておくと、スウェーデンの作曲家で音楽評論家のヴィルヘルム・ペッテション=ベリエル(1867~1942)がイェムトランド地方のエステルスンド市近郊に別荘を建て、当初は夏だけ通っていたがそのうち永住してしまい、そこで周辺の合唱団の指導もしていたとのことで、この映画もそんな感じかと思って見ていた…と書こうと思ったが昔の記憶のため今となっては出典不明で確認できなくなっているが、とにかくペッテション=ベリエルの場合は自らも合唱曲を書いていたので合唱指導というのも自然な気はする。
[DVD(字幕)] 5点(2016-12-17 10:51:21)
6.  100,000年後の安全 《ネタバレ》 
淡々とした映画だが、映像的に美しいのでそれほど退屈しない。余計な人間が映っていないため世界の果てのような印象がある。背景音楽としてシベリウスのValse Triste(劇音楽"Kuolema"(死)の1曲)を流していたのはわざとらしくもあるが、使い方としては効果的だった。 現地は地質的に安定した場所とのことで、この映画でも技術的なことはあまり問題にされておらず、制作者も「地震や火山のない地域」であれば可と考えていたようである。代わりに後世に危険をどう伝えるかの方に重点が置かれた形になっており、この辺は日本人としてはずれを感じるところだが、ナレーションが未来の人間に語りかける形式のため、映像の印象と相まって10万年後の伝説を語るようなファンタジックな感覚がある。ナレーションに出る「君」は英雄志向の若者のようなイメージだが、最後は洞窟の怪物の返り討ちに遭って終わったらしい。 登場人物としては、一緒に出ていたスウェーデン人のオジサンとオバサンが微妙に慣れ合った感じで和む。一方でフィンランド政府の当局者?(肩書きがアドバイザー)は、映像的には黒で悪人イメージながら人物がいかにも頼りなく、これは本物かどうか疑わしいような気もする。  なお公式発表によれば、わが国でも先月下旬の閣議決定で最終処分の基本方針が改定され、これまでは外部の法人に任せていた候補地選定に「国が前面に立って」取り組むこととし、「国が科学的有望地を提示し、調査への協力を自治体に申し入れる」ことまでするらしい。同時に国民の理解を深めるためとして全国でシンポジウムなり説明会を始めているようで、そういう点で時宜にかなった映画とはいえる。
[DVD(字幕)] 7点(2015-06-18 00:58:44)
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