21. モンスター(2003)
ある猟奇殺人犯をモデルとした映画という物は多数存在するが、ここまで伝記に近いものというのは画期的であった。それも題材はあのアイリーン・ウォーノスである。人間が連続殺人という猟奇的な行為に走ってしまう背景、それも女性のケースであるこの事件ほど個人的に興味深い題材というものは無い。ハードボイルド小説でもホラー小説でもない。アメリカンニューシネマでもない、実話であるからこそ漂う虚無感。理解や同情など関係ないしする必要も無い。これはこの社会の中で起きた実話なのだからもうどうしようもないのだ。彼女はモンスターではなく、社会の構成員であったがある時から構成員でいることが出来なくなった1人の女性である。自己の欲求であったりすることが多い男性の連続殺人犯のケースとは重ならないことが見て取れる。信じがたい狂演を見せたシャーリーズ・セロンはもちろんだが、クリスティーナ・リッチの相変わらずの怪演ぶりにも完敗。 [インターネット(字幕)] 9点(2006-08-12 18:50:28)(良:1票) |
22. ヒトラー 最期の12日間
ヒトラーの最後については全く詳しくなかったので、単なる伝記として評価し辛い所はある。ヒトラーの理論というものは正直言ってごもっともなことが多く、弁護士にでもなればかなり有能だったのではと思うが、なぜユダヤ人虐殺のような極論に走ってしまったのか残念でならない。ヨーロッパではこのようなことを言うだけで罪になるらしい。そのようなことも全く異常であるとしか言いようが無く(ハリウッドにも大勢居るが地位を得たユダヤ人によるヒトラーの逆虐待と言える)、その意味ではヒトラーを人間的に捉えたこの映画は価値のあるものなのかもしれない。 [DVD(字幕)] 5点(2006-05-15 16:26:13) |
23. ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12ヶ月
前作よりはよかった。だがこれじゃFriendsやSex and the Cityといったただの恋愛テレビドラマの一種に過ぎない。並 [DVD(字幕)] 4点(2006-05-01 20:08:44) |
24. スターリングラード(2001)
第二次大戦を描こうという意思は全く感じられない(そもそも描こうとしているなら英語は話さないはずだ)「戦争を借りただけのドラマ」なのだが、ストーリー自体は良くできている。ナチスの前には共産ロシアも西側になってしまう単純さが好きだ(残酷性も描いてはいるが)。どこまで実話なのか知らないがあまりに生暖かい人間ドラマにするなら、これくらい単純だが非情なドラマなくらいのほうが出来がよく見えるのかもしれない。ライフルによる戦略戦にも繋がるが主要人物の心理を読むのが面白い。狙撃という行為の残酷さと名スナイパーのかっこよさの描き分け方が巧。 [ビデオ(字幕)] 8点(2006-01-31 21:34:25) |
25. ギャング・オブ・ニューヨーク
いよいよ盛り上がってきて復讐を遂げる決戦って時に突然史実と絡めてスコセッシらしいいつものハードボイルドでまとめてしまった。せっかく結構楽しんでたのに拍子抜けの消化不良以外の何者でもない。アカデミー賞10部門ノミネート受賞0が示す通り「大方はいいけどどこかどこか抜けてる」映画。スコセッシはハードボイルドを捨てさえすれば案外簡単に監督賞取れたりするんじゃないの。 [地上波(吹替)] 6点(2006-01-05 01:13:54) |
26. アビエイター
ALIも面白みの無い映画であったがこれが伝記映画の限界なのか。あまりにも多岐に渡り多彩なエピソードを持つハワード・ヒューズなのでこれだけの時間をかけても細かく描ききれず、ある程度予備知識を持っていないと理解しにくい。あくまでもタイトル通り大空に夢を駆けた男の映画であるように見せかけてコンステレーションやハーキュリーズ、そしてTWAのその後を大して説明もせず、「イカレ具合」は(どういう病気なのかは詳しく説明しないまま)しつこいほど描写していたりと結局何がテーマなのかが見えてこない。スコセッシも伝記映画なんだから削り上げて洗練した凝った演出ではなくもっと漠然としたわかりやすい演出にしてほしかった。削り上げても監督の意思を伝えられる役者というのは本当に一握りである。この辺りはデニーロという絶対的な役者と長年組んできた弊害か。決してはまり役とは言えないディカプリオにそのクラスの演技を期待するのは酷だった。ケイト・ブランシェット演じるイメージそのままのまるで本人が蘇ったかのようなキャサリン・ヘプバーンのみが印象に残る映画であった。 [DVD(字幕)] 5点(2005-12-09 18:21:30) |
27. 知らなすぎた男
本人はそのつもりは無くても、自然と問題をクリアして話がつながっていくという定番の喜劇を現代風にアレンジしたものですね。このテの話は大好きなので楽しめました。巻き添えを食った「被害者」が殺されてしまったりと笑い話じゃ済まないクロさはありますけど。『知らなすぎた男』というパロディな邦題もイイ!! [DVD(字幕)] 9点(2005-11-26 00:27:12) |
28. ふたりのロッテ (1993)
かの有名なエーリッヒ・ケストナー原作『ふたりのロッテ』の映画。後のファミリーゲームと比べるとエンターテイメント要素が薄くどうも単調だが名作文学原作だけあって基本的にはいい脚本になっている。ファミリーゲームはリンジー・ローハンの一人二役だったのに対し、この映画は本物の双子が演じている。93年の映画にしては古臭い印象を受けるのはドイツ映画だからか。ドイツ単独制作の映画は始めて見たなあ。 [ビデオ(字幕)] 5点(2005-11-06 13:30:29) |
29. バイオハザード(2001)
ゲームの映画化だが、下手なホラー映画よりよっぽどグロい。普段ホラーなんかでは全く怖がらず、オカルトなんかにも全く乗らない、そもそも原作のゲームも普通のアドベンチャーだとしか感じなかった人間が言うのだからそれは保障する。スタントをほとんど使わずアンダーヘアまで披露してしまう(これは編集事故なのだろうか)熱演を見せたミラですがかなりのはまり役ですなあ。 [DVD(字幕)] 8点(2005-08-29 08:49:25) |
30. チャーリーズ・エンジェル(2000)
70年代の米人気ドラマの映画化。内容は硬くないマトリックス+M;Iといった感じで、主人公3人が女性というところを除けば普通のアクション映画か。キャストは豪華だが。つまらなくはないものの特に魅力は感じなかった。あとやたらと日本に絡んでくるのは何の嫌がらせだろうか(笑)。個人的にはクリスピン・グローヴァーが久々に見れて良かったが。「新しいタイプの役柄に挑戦したい」とバックトゥザフューチャー続編を蹴ったクリスピン君、役の変態度あがっとるやん [DVD(字幕)] 4点(2005-08-28 07:42:58) |
31. 愛しのローズマリー
話自体は面白いし7点クラスの作品ではあるのだが、こちらがファレリー兄弟に期待してるのはやはりメリーやダマーのような大笑いできる作品なので少し期待はずれな感じだった。外見より中身と言いますが、別に外見と中身に優劣は無いと思いますがね。外見も中身も同じレベルで大事なことですよ。結局これも心の綺麗な女性は「美人」に見えるわけですしね。心が綺麗な人間が平和がどうとか言ってるのは寒かった。 [ビデオ(字幕)] 6点(2005-08-24 16:18:28) |
32. K-19
ソ連原潜K-19で実際に起こった事故を映画化した映画。米がソ連の話を描いたにしてはそれほど政治的なものは無い。普通に楽しめるパニック映画 [地上波(吹替)] 8点(2005-08-24 16:04:36) |
33. ボウリング・フォー・コロンバイン
マイケル・ムーアの作品にしては毒がない。突撃取材も中途半端でテーマがシリアスとはいえ笑えるギャグなんかも1回も無かった。銃と日々接してる国の人間には底を衝かれるような良いドキュメンタリーなのだろうが、映画でもあるように人口比で考えて銃被害者が驚異的に少ない日本人にとってはそもそも実感が無いテーマなだけに、特別優れたドキュメンタリーとは思わないだろう。この作品の一つのテーマとして簡単に権力の思想支配にかかってしまう米国民というテーマがあるが、この程度の映画に殊更に迎合してしまう人間こそ最大の被害者候補であるということは皮肉だ。 [DVD(字幕)] 2点(2005-08-14 15:00:37) |
34. バイオハザードII アポカリプス
今回は舞台が町全体と広く、前作のようなお化け屋敷的な怖さは無かった。ほとんど、ストーリーが単純で面白くなったマトリックスという感じ [ビデオ(字幕)] 8点(2005-08-01 11:38:42) |
35. ブレス・ザ・チャイルド
アメリカ人の好きそうなオカルト映画。日本で言うと学校の花子さん的な位置にある典型的な神と悪魔話のキリスト教至上主義的ホラー。ストーリーはあまりにも寒いがギャング映画的な展開で何とか楽しめるレベルになっている [地上波(吹替)] 3点(2005-07-31 13:48:25) |