1. アバウト・ア・ボーイ
ブーイングをあびながらの「キリング ミー ソフトリー」は良かった。マーカスへの注目を自分に向けさせて、あの場を救ったようにも見えるけれど、実は思い切り歌いたかったのはウィルだったのかもね(ちゃんとギターも弾いてるし?!)訳もなく厭世的になる母親にも一抹の共感を覚えてしまった。偉いぞ、マーカス。こんな人間が私の理想だな。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2006-06-09 12:29:39) |
2. ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12ヶ月
相変わらずの選曲センスに思わずにんまり。しかし、マークと付き合ったたった8週間で見事に幸せ太りしすぎたブリジット。彼女のどこがそんなに魅力的なんだろう? と似たような体型の自分は考えた。で、結論。きっと愛にあふれているからなのね。彼女は自分を愛するように他のものも真摯に愛する。両親、マドンナ、健気な女囚たち、そしてマーク。こんなに愛されたことって、彼の人生で初めてなのでは? 彼女が彼を必要なように、彼にも彼女が不可欠なのでしょう。インテリ男二人のへっぽこ喧嘩シーンも前作同様最高の見せ場だったし(一生に一度でいいから二人の男性に自分のことで喧嘩されてみたいゾ)。でも、ずぶ濡れのダニエルがあのままじゃ、ちょっと可哀想。彼のどうしようもない淋しさをほんのちょっとでも見せてくれたら、映画にもっと奥行きが出たでしょうに。 [映画館(字幕)] 7点(2005-04-13 14:58:51) |
3. モーターサイクル・ダイアリーズ
監督が主人公に恋するのは大切なことだが、ここまできれいな人物に描いてしまうと、かえって物足りなくなってしまったというのが本音。都合の悪いことはすべてアルベルトが引き受けてくれるので、良い所取りのただの良い子ちゃんに見えてしまうし........。あれが実像なのなら仕方がないが、どこで彼が目覚めたのか、映画的にはこれじゃあ判りにくいでしょう。アルベルト同様、監督もゲバラに心酔して、骨抜きになってしまったというということなのかな。題材、役者、スポンサー。すべて揃っていても、なかなか大傑作にはならないという見本。監督自身がもう少し歳を重ねて、ゲバラのことを自分なりに噛み砕いてから撮った方が、間違いなく良い作品に仕上がったと思う。とはいえ、南米の息を呑むような美しい景色と、切なさたっぷりの音楽には、結局ホロリとさせられる南米フェチの私なのだった。 6点(2005-01-31 16:33:01) |
4. 2046
「欲望の翼」「恋する惑星」そして「ブエノスアイレス」で香港映画とウォン・カーウァイに魅了された者としては、あまりにも哀しい映画だった。監督の中では続編&集大成的な位置付けなのだろうが、自分の好きなものをもう一回使い回しただけにしか見えないし聞こえない。「花様年華」の時も同様だったが、雨を降らせれば雰囲気が出るというものでもないだろう。自分の映画で花開いた役者達をこんな風にがんじがらめに閉じ込めてしまうなんて、あまりに酷といえまいか。私たちは傑出した映像感覚と音楽センスを持ち合わせる監督の新たなる一面を見たいのであって、設定だけが複雑なありきたりのこんなメロドラマを見たいわけではない。意志の疎通が感じられない木村拓哉とフェイ・ウォンの純愛も、日本人的には理解に苦しむ。唯一の救いであるチャン・ツイィーの頑張りにさえ、かつての作品に溢れていた切なさは感じられなかった。今は亡きレスリー・チャンが「もうカーウァイの作品には出ない」と言ったのは、監督の未来を危惧してのことだったのではないかと、ふと思うほどだった。 5点(2004-11-01 11:24:51)(良:1票) |
5. スクール・オブ・ロック
S先生のこの曲でロックバトルにでるの? と危惧していたら、天才ザックの「スクールオブロック」に変わってホッ。でも、その後の台詞「俺には才能がないからな」には思わずホロリ。それでもやっぱりロックはやめられないんだよね。マリンズ校長とフリートウッドマック好きの中学時代の親友がだぶって見えたこともあって「エッジオブセブンティーン」にメロメロになってしまった。リンクレイター監督の確信犯的な優等生的展開にも好感が持てたし、子供達もみな魅力的だし、言うことなし!そしてもちろん「I LOVE ROCK'N JACK !!」 8点(2004-05-10 16:05:14) |
6. リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い
「海底2万マイル」や「ジキルとハイド」が大好きな吾が息子に懇願されて行ったものの、ムムム.....? 皆さんが言うようにもう少し必然性があれば面白かったのにな、と。いかにも2ができそうなラストもちょっとやりすぎかな。(原作の読みが足りなかったのか)ネモ船長がインド出身と知った息子は大ショックを受けていた。だって1年前くらいに見たテレビ版ではマイケル・ヶインが演じていたんだもの。そりゃ驚くわ。 6点(2003-12-02 15:59:04) |
7. 過去のない男
全てを失った後、一から始める人生。部屋にミュージックボックスを持ち込んで、自分で畑を耕して、愛する人とキスをして.....。人間って、捨てたもんじゃないな、と素直に泣けました。カウリスマキ作品の事はずっと気になっていたのに、ようやくこれが初めて。噂の選曲センスに案の定ノックアウト。お見事でした。 8点(2003-11-06 18:44:07) |
8. ボウリング・フォー・コロンバイン
マイケル・ムーアのアメリカへの愛情をひしひしと感じる映画だった。今の日本人には、ひっくり返ってもこんな映画は撮れない。アメリカの今の状況を、とにかく彼は変えたいのだろう。まがいなりにもジャーナリストだ。大企業の利権だけで戦争が始まるなんて、本当に思っていないはずだし。大多数の流されている人びとに(もちろん自分も含めて)分かりやすく提議してくれたのだという気がした。チャールトン・ヘストンのくだりにしても、ただの広告塔だと判っていたとはいえ、かの「ベンハー」の大スターらしく、もう少しまともに答えてくれるはずだと内心期待していたのではないだろうか。何十年来の一映画ファンとしては、マリリン・マンソンとの短絡的な比較はしてほしくないというのが本心。ドキュメンタリー映画に慣れていない私達は、全てを鵜呑みにするのではなく、考えることを学ばなくてはいけないのかも。ところで、アカデミー賞の壇上で放ったあの台詞。前日のインディペンデンツスピリッツアウォーズでもまったく同じことを言っていたと某雑誌に書いてあった。来ている人種がかなり異なるのだから、これはちょっと減点かな。 8点(2003-05-10 22:19:27) |