1. 夕陽のガンマン
イタリアに呼ばれて花が咲いた遅咲きのハゲタカ。残念ながら本国では満足に成功を手に出来なかったようでございますが、とても人間とは思えぬその猛禽類のような面相は、この一本でぬぐってもぬぐってもぬぐい切れぬイメージを我々の脳味噌にしっかと刻み込んだのでありまする。イーストウッドも、もちのろん、イカスんでございますが、これはクリーフの映画ですわね。できりゃあクリーフには悪玉よりも善玉を演じてもらったほうが個人的には見ててしっくりするんで、「続~」と比べるとこっちのほうが好きかなぁ。 8点(2003-10-29 23:41:08)(良:1票) |
2. ミスター・ノーボディ
一つの時代が終わり、新しい時代が始まる。そんな思いの詰まった、コミカルでユーモラスなレオーネ・マナーの御伽噺。原案がレオーネだし演出にも携わってるらしいんで、彼の最後の西部劇っつうところ。引退を考える憧れのフォンダ様の引き際を、伝説に祭り上げようとあの手この手でプロデュースする、ちゃっかり者の凄腕ガンマン、テレンス・ヒルが素敵だわよ。数百人のワイルドバンチを迎え撃つシーンのスローモーションや墓碑銘、すっとこどっこいのR・G・アームストロング等、ペキンパーへの敬愛の念もちりばめながら粋なラストへまっしぐら。当然、音楽はモリコーネ様。サントラなんて手に入んないんで知るよしもござんせんが、「ウエスタン」等これまでの曲をアレンジして使ってるようなご様子。最後っつう意味でそういう使い方したのかしらん?しかし、レオーネってつくづく帽子を使った演出が好きなのねん。 7点(2003-10-28 19:59:23) |
3. 合衆国最後の日
そこかしこにチープさが漂いはするものの、律儀な職人気質がそれを気にさせない良品。ちょいとウブ過ぎるきらいのあるダーニング大統領も、究極の選択に崇高な覚悟を決めて、権力に見合った義務を背負い死地に赴く。側近は果たして意志を継ぐのか?結局、大統領もお飾りで、みこし担ぎが堀を固めりゃ後は大丈夫ってな具合か?ところであの床に置いたサリンはどうしたんでしょ?結構どったんばったん暴れてたと思うんだけど。 7点(2003-09-20 04:25:07) |
4. シェルブールの雨傘
ああ、もうなんか眺めてるだけでもいいのよね、この映画。ウツクシキ色合い、うるおいのある質感、ちょいと間抜けな歌ゼリフ、その全てが、むさい男のハートを直撃!身の程をわきまえぬ憧れをいだかせてしまうのであった。責任とってくれ! 8点(2003-07-13 03:16:07)(笑:2票) |
5. 戦争のはらわた
男ペキンパーは東部戦線を選ぶ。暗く不気味で無慈悲なロシアの大地を選ぶ。泥沼の独ソ戦を選ぶ。そこで表出する人間の凶暴さを選ぶ。決して西部戦線ではないのだなぁ。戦争ドラマ・ナンバーワン! 10点(2003-06-18 04:37:54) |