41. 鬼が来た!
終戦間際、日本の占領下にありながらも平和な中国の村に、正体の分からない鬼が日本兵という鬼を連れてくる。やがて歯車の狂い始める村。遂には主人公の心にも鬼が宿る。軽妙なコメディ映画が一転、凄惨な映画に変貌してしまうのには、身構えてなかったので面食らってしまいました。後半の展開はかなりキツイ。日本から解放された後も戦後処理という不条理が国民を待ち受けている。そして、ゴロンゴロンとカラーに転じる鮮烈なラスト・シーンへ(「フェティッシュ」を思い出しました)。日本の若年層に是非観て貰いたいです、8点献上。 8点(2002-11-23 18:49:24) |
42. 山の郵便配達
ここで描かれる郵便配達は日本で言えば「特定郵便局」。日本の特定郵便局長も世襲制の国家公務員。赤字を作っていながら税金を搾り取り、そこから作った献金という名の賄賂で自民党への影響力を行使している、公務員試験には絶対受からないであろう既得権益にまみれた人達です。そんな人達も半世紀前はこの映画のような感じだったのでしょうか? ここは一つ全国特定郵便局長会で、文部省特選ならぬ郵政事業庁特選映画として(自民党議員の下らない講演を取り止めて)是非上映して欲しいと思います。きっと薄汚れた心と黒く染まった腹の中を綺麗に洗い流してくれることでしょう。全然話は変わりますけど、この郵便父子、揃って超面食いですよねぇ。血は争えん、7点献上。 7点(2002-06-28 19:50:49)(良:1票) |
43. あの子を探して
オープニングからの展開に一抹の不安を抱いたものの、実地の経済授業が始まってからは俄然面白くなる。13歳のヒロイン魏老師は純朴一途猪突猛進、たった10元(約160円)に命をかける(ここでも走ってたなぁ)。ここには甘っちょろい美談など皆無、全ての登場人物(幼い子供さえ)が金と打算だけで動いている(チャン・イーモウはありのままの中国を描こうとしたのか、それとも中国人の拝金主義を皮肉ろうとしたのか?) しかし同時に、生きることに貪欲な生命力の美談を描き出してもいる。貧しい人間にとって金は文字通り命、この「純粋な」金銭へのこだわりには非常に共感しました。天真爛漫な素の子供達にも驚き、こりゃアメリカも資本出すわなぁ(あ、また金の話)、7点献上。 7点(2002-03-12 21:55:35) |
44. さらば、わが愛/覇王別姫
陳凱歌という人は本当に欲張りな人だ。この一本の映画の中に無数のテーマを散りばめている。そして、それぞれのテーマを完全に描ききっている所が凄い(逆によくこの時間内に抑えたと思う)。きっとこの映画は、老若男女誰が観ても必ず心に突き刺さるテーマがあると思うので、万人向けとすら言える。特に日本人には感じる部分はより多い筈。「パール・ハーバー」に同じ時間を使うのなら、圧倒的にこちらの方がお薦め。騙されたと思って観てみてください、8点献上。 8点(2002-02-13 19:48:24) |
45. 初恋のきた道
チャン・ツィイーのアップ、アップ、またアップ。ただひたすらチャン・ツィイーをアップで追い続けるチャン・イーモウ監督、あなたは解ってらっしゃる。その可憐さと言ったら筆舌に尽くしがたい(衣装も最高!)。これだけの可憐さを「演じられる」女優が何人いるだろうか?(彼女の無言の演技だけで何度も涙が出てくる。ただ可愛けりゃいいってもんじゃない) 既に現代では決して見られなくなってしまった、女性の可憐さ、可愛さ、いじらしさ、そして恋することの素晴らしさがここにあります(それが何十年経っても変わらないってところがミソなのさっ!)。これじゃあ、つい9点献上しちゃうよ! 9点(2001-11-17 19:45:01) |
46. グリーン・デスティニー
【びでおや】さんに同感。勝ち気でわがままなお嬢様が勝手気ままに振る舞うことで、周りの人たちを不幸にしていってしまう悲しい物語。でも、皆さんに大変評判の悪い空中乱舞は大好きです。屋根から屋根へと飛び回る追っかけを、あのアングルから1カットで見せられると、ものすごく気持ちイイ! 確かにあの技術を使えば「ドラ○ンボール」も映画化できるし、して欲しい。その映像に7点献上。 7点(2001-07-02 13:34:47) |