1. 山の郵便配達
この程度です、映画ってこの程度でいいんだと思うんです。時間も1時間半という尺がいい、音楽もうるさくなくていい、登場人物も絞られていていい、繰り返しますが、この程度でいいんです。 とても静かな映画ですが、父と息子の間の心のつながりが深い味わいを残してくれる素晴らしい映画です。と同時に母親の存在もとても大きく、深みを与えています。最後に犬が息子の後を追い始めた瞬間に不覚にも涙してしまいました。 やはり中国映画って温かくてすごく好きです。 9点(2005-01-27 23:55:30) |
2. 2046
何かもう、詐欺にあった気分でした。この映画、ポスターやweb site・CMで“近未来”とガンガン流していました。最初のシーンは『銀河鉄道999』を思わせる雰囲気で、「おっ!」と期待したのですが、結局のところ130分の上映時間の中で“不思議な未来”とやらの話は、(正確なところは分らないですが)わずか20分ぐらいだったように思います。完全に見に行った人が期待を裏切られることになり、宣伝の仕方が大いに間違っていると思いました。チャン・ツィイーのことをCMでは、“恋を惑わすアンドロイド”とかなんとか言っていたのに、アンドロイドチャン・ツィイーが出たのはわずか2秒でした。コラ! 結局このお話は、トニー・レオン演じるチャウが、自分を取り巻く様々な女性に恋をするという話であって、それでいくなら、近未来の話なんかいらなかったし、『2046』なんてタイトルもつけないほうが良かったし、キムタクなんかいらなかったです。や、ホントにキムタクいらなかったです。オープニングのキャスト紹介でトニー・レオンの次に出てきていて、トニー・レオンとガンガン絡んでいっちゃうのかなと思ったら、絡み“0”。「昔の人は秘密を・・・」っていうのもキーになってくるのかなと思ったら音沙汰なし。理解に苦しみます。 全体の流れ・テンポも悪かったです。この監督の『天使の涙』もそうだったのですが、妙にタメが長いです。とにかくもう、この脚本、宣伝の仕方、テンポ、何をとっても不満が残りました。未来の話を一切排除してくれたらそこそこ面白かったのに。。。 2点(2004-12-10 16:11:39)(良:1票) |
3. LOVERS
《ネタバレ》 今までのチャン・ツィイーやチャン・イーモウの作品の魅力が凝縮されたものとなっていました。CGを用いたど派手なアクションは健在で、『グリーン・デスティニー』を髣髴とさせる竹やぶのシーン、そして『初恋のきた道』から変わることのないチャン・ツィイーの笑顔、もうたまりません。 チャン・ツィイーという女性はすごく魅力的です。かわいらしさ・美しさ・りりしさが同居していますね。アンディの前で笠を取ったときの笑顔、踊りを舞う表情、剣を構える姿、一人の女性がこれだけ違った姿を出せるとは、素晴らしい。 この作品中では、「対比する構図」がなかなか面白いですね。金城とアンディのキスを同じように止める小妹、前半は金城に手を引かれていた盲目の小妹に対し、後半には小妹に手を引かれる目隠しされた金城と。 衣装や色使いの美しさについてはよく言われていますが、音響も素晴らしいと思います。打ち合う竹の響く音、俳優陣の息遣いの音なども臨場感が素晴らしく、是非映画館で見るべき映画だと思います。 7点(2004-08-29 01:02:23) |
4. ヘブン・アンド・アース
ストーリーに無理があって、初めは史実に沿ってアレンジを加えた映画なのかと思ったら最後の最後にSFっぽくなって「?」って感じでした。構図が韓国映画「MUSA」とダダかぶりで(どちらも『七人の侍』に影響されているらしいのでしょうがないですが)、「明」→「唐」、「高句麗」→「日本」、「チャン・ツィイー」→「ヴィッキー・チャオ」にしたらもう同じやんという気がするんですが、戦闘シーンは「MUSA」にも引けをとらないくらい素晴らしいと思います。貴一兄さんが頑張っていたので「7点」献上 7点(2004-05-04 16:10:20) |
5. 至福のとき
あのデブ親子が少女をいじめていましたが、彼らのビジュアルのためか、なんだかそれもコメディに見えてしまいました。ただ、この少女を演じたドン・ジエには驚きました。ボーっとしているときは、まるで動くしかばねのように無表情ですが、服を買ってもらったときなどの笑顔は驚くほどかわいらしく、ぐっと来ました。---◇---終わりは、「あれ?これで終わりなん?」と思いました。「人の温かさ」と「一生懸命生きよう」というメッセージを伝えようというのなら、あれで十分かもしれないのですが、観客を感動させようと思うなり、しっかりとお父さんに会うなり、目が見えるようになるなり、おっちゃんが無事に目覚ますなりも付け加えて、この物語を終わらせてあげてほしかったです。 6点(2004-01-28 12:23:41) |
6. MUSA-武士-
この映画は、2時間半を超える大作ですが、そのほとんどの時間を「戦い」に費やしています。元に追われる中で、張り詰めた稜線のような微妙な人間関係が、少しずつ見えてきます。戦闘においては、多くの血が流れ、首が飛ぶ、矢が貫通する、などの目を覆いたくなるバイオレンスが満載です。しかしながら、これらのバイオレンスは決して過剰なものとは思いません。人を切りつけたときには血が流れる、そんな当たり前のことを描いており、昨今のように、バイオレンスを「アクションシーン」と銘打つことで、その痛みを覆い隠して互いに戦いあう映画のほうがどうかしているのではという気にさえさせてくれます。そして、多くの人間が死にます。しかし、先ほど上げた人たちはもとい、ほとんどの明・高麗の人たちの死には確固たる「重量感」があり、どの一人の死も、バッググラウンドがあり、疎かには描かれていません。多くの「死」の中で対照に描かれる「新たなる生」の部分も実に感動的です。--◇--本作品からは、人間関係には損得感情や論理を超越した何かがあるように思えます。終盤において、明らかにチャン・ツィイーを差し出したほうが多くの人が助かるし、しかも、船や軍隊がなかったのだから敵国の姫になどもう用はないはずなのに、それでも守ってしまう高麗の戦士たち、そしてそれになぜか共感できる自分。理由がまったく付けられないのにそれでも分かる不思議さ。非常に面白いなと感じます。 10点(2003-12-26 14:08:53)(良:1票) |
7. グリーン・デスティニー
TV放映していたので見ました。チャン・ツィイーのためだけに見ました。やはり、かわいい。特に、竹やぶでの戦いのシーンで一瞬アップになるところは、彼女の美しさに息を飲んでしまいます。チャン・ツィイーに××なことをしていたロー役の役者、道であったら殴ります。 5点(2003-12-26 14:07:16) |
8. 初恋のきた道
《ネタバレ》 何一つ派手なシーンも壮大な音楽もありません。ひたすら地味で静かな映画です。しかし、それでいて胸の奥がじわーっと暖かくなる映画です。登場するすべての人が優しいです。チャン・ツィイーの母親も、最初は恋愛をやめるようにいいながらも、娘のために器を直してあげますし、参列者は誰一人お金を受け取ろうとしない、そして最後に息子が教壇に立つところは、ぐっときます。それを見て、「先生」の眠る表井戸の近くへ足を進めると、昔の情景と交錯し、野を駆けるチャン・ツィイーの姿が…。チャン・ツィー、大好きです。 10点(2003-12-26 14:05:30)(良:2票) |
9. HERO(2002)
うざいくらいに美しく、美しいほどうざい映画ですね。CGで描かれたうざいほど多数の矢が、ジェット・リーとマギー・チャンによって気持ちいいほどぽんぽん落とされていきます。また、赤い衣装の美しい女性二人が、これまたCGの鮮やかなおびただしい数のイチョウの葉を撒き散らしながら戦います。そしてチャン・ツィイーの死によって、それが全て赤となります。これらは過剰な演出だとは思うのですが、その過剰さも納得してしまうくらい美しいと思います。 ちなみに、秦王による想像の「青のシーン」の湖上の戦いで、マギーチャンの死を悲しむトニー・レオンの後ろで、ジェット・リーが一人で溺れそうになって悶絶しているのが結構ツボでした。 7点(2003-09-07 16:19:02) |