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プロフィール
コメント数 2398
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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1.  決戦は日曜日 《ネタバレ》 
日本じゃ選挙戦そのものをテーマにした映画はほとんど見かけないけど、たいていは挑戦する側つまり野党候補の視点のストーリーしかなかった様な気がするが、与党のそれも普通であれば当選見込みが高い世襲候補が主人公というプロットは初めてなんじゃないかな。いかにもお嬢様育ちという雰囲気の宮沢りえのわがままし放題の候補者ぶりには始めはとてもじゃないけど感情移入出来ないけど、あの「各々」を「カクカク」と読んで恥じないところには笑ってしまいました。これは漢字の読みに弱い某総理経験者のパロディでした。本職の選挙アドバイザーが製作に参加していたそうなので、選挙戦の流れなんかは素人にも判りやすくて良かったです。でもホントに凄かったのは、脱力系と言うか曲者揃いの秘書軍団と後援会幹部および地方議員たちでしょうね。小市慢太郎が演じる筆頭秘書なんかは普段は物静かな能吏という感じだけど、裏ではいろいろと地元建設業者あたりを使って私腹を肥やしているし、地方議員たちにも一歩も引かずに張り合っている。終いにはキレて宮沢りえを怒鳴りつける始末で、やっぱ国会議員秘書ってけっこう強面なんですね。窪田正孝もそうだったけど、この秘書軍団のパワーワードは「いろいろありますが、これが最善の策なんです」、これでわがままお嬢さん候補を引っ張らないといけない、こりゃ大変です。それにしても、国会議員と地方議員や業者との関係をここまで赤裸々に見せてくれる映画は初めてなのかな。 面白いのは、二年前の映画なのに本年に政界で起こった出来事を予言している様な感じがあるところです。落選活動(?)を始めた宮沢りえが対立候補の街頭演説に割り込んで妨害活動するところなんか、まさについ最近に警察沙汰にまでなったあの騒動を彷彿させてくれます。けっきょく色々と愚行を繰り返してネットでは炎上できたのに低投票率で組織票が強い与党・宮沢りえ候補が当選、まさに現代日本の選挙制度の最大の問題点をしっかり浮き彫りにしてくれました。 ヘンにおちゃらけたり過度にオフビートすぎることもなく、諧謔とシリアスな主張が高いレベルでバランスがとれた良作でした。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2024-05-15 23:24:06)(良:2票)
2.  憲兵と幽霊 《ネタバレ》 
中川信夫と天知茂の初顔合わせ作。二人はこの後新東宝倒産までの三年で数々のプログラム・ピクチャーでタッグを組みますが、その中には『東海道四谷怪談』のような傑作もあります。 怪談映画のマエストロである中川信夫ですのでちょっと意外ですが、本来は憲兵隊を舞台にした硬派スパイミステリーとしてスタートした企画に、お約束の社長・大倉貢からの無理強いで怪談要素が詰め込まれることになったそうです。たしかになんか怪談風味が薄いなあと観てて感じましたので、「そういうことか」と納得した次第です。天知茂の悪徳漢ぶりは彼のフィルモグラフィ中でも屈指のレベルです。でも後半で霊に苦しめられるようになってからの演技は、これぞ『東海道四谷怪談』の伊右衛門の原型なのかと感じます。その天知にハメられて刑死するのが中山昭二なんですが、兄の無実を晴らすべく同じ憲兵隊に志願する弟役まで中山昭二が演じるというのがいかにも新東宝らしい、お前ら双子だったのかよ! とは言ってもローアングルに拘る映像や不安定な構図のカット割りなど中川信夫らしさは堪能できます。ラストの墓場のシークエンスも、やっと中川怪談らしくなったなという感じでした。でも、やはり天知の軍事スパイ・シークエンスと怪談噺とのまとまりがイマイチなのは否めないところです。まあ当時の新東宝・プログラム・ピクチャーとしては標準以上の出来だったかなと思います(これでも)。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2021-06-03 22:25:54)
3.  結婚相談 《ネタバレ》 
「結婚相談所が実は売春組織だった!行き遅れた三十路女・鶴川島子の運命や如何に!」というのが私がその立場だったらこの映画につけるコピーですかね。当時の日活の看板清純派だった芦川いづみが驚天動地の汚れ役に挑戦というわけで、ポスターを見るとなんと成人映画指定になっています。もちろん芦川を含めて誰も脱いでませんし、せいぜい芦川が色っぽい表情を見せるぐらいで、当時の映倫の基準が良くわかりません。でもこの映画の芦川いづみは表情がエロいんです。なんというか、AKBの柏木由紀をすっきりさせたような雰囲気で、これは見入ってしまいます。でもついさっきまで清純派だったのにコールガールに身を落とす女を演じさせる、この日活のドラスティックな彼女に対する方針転換、三年後に藤竜也と結婚してフェードアウトしてしまったのも必然だったのかなと思います。 こんなドロドロしたお話しなのに、監督しているのがモダニスト・中平康なのでちょっと洒落た雰囲気させ感じさせてくれます。劇中で2~3か所、屋外でバーブ佐竹の『女心の唄』を大音量で流す宣伝カーみたいな車が、ストーリーと無関係に映されるのがなんかシュールでいかにも中平康らしい。ひょっとしたらこれって、『青春デンデケデケデケ』に出てくる南野陽子が乗った謎の『潮来笠』を流して町内を走り回る宣伝車の元ネタなんじゃないでしょうか。だとしたら、大林宣彦もかなりのシネフィルですね。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2020-06-30 18:42:53)
4.  激動の昭和史 沖縄決戦 《ネタバレ》 
岡本喜八と新藤兼人の組み合わせというのはこれ一本だけですが、『日本のいちばん長い日』『肉弾』を撮った監督と『原爆の子』の脚本を書いて監督した人の組み合わせですから、そりゃあ壮絶な映画になりますよ。戦後の日本映画としても太平洋戦争における一つのキャンペーンをじっくり描いた映画はそれまでなかったので(よく考えればその後も存在しません)、貴重です。 これだけ大掛かりなテーマであるにもかかわらず特撮のパートは必要最小限に抑えられており、そこは岡本喜八の好みが優先していたのかもしれません。そのために「敵船多数で海面が見えません!」と日本兵に叫ばせるだけの米軍上陸シーンは“昭和の日本映画のショボいシーン”の一つとして揶揄されたりしていますが、その分実際の火薬を大量に使った陸戦シーンは“爆発の中野”の異名を持つ特技監督・中野昭慶の本領発揮といえます。ストーリーも第三十二軍をメインとした大本営の陸軍高官から名もなき庶民まで網羅した大群像劇になっていて、これを手際よく見せる岡本の手腕が光ります。その中心となる牛島軍司令官・長参謀長・八原高級参謀の三人はそれぞれ絶妙なキャスティングで、その実際の記録に残る言動を新藤は巧みに脚本化しているのはさすがです。中でも長参謀長を演じる丹波哲郎が「お母さん、痛いよお」と寝言を言ってうなされるシーンがありますが、これは実際に司令部関係者の言に基づいているそうです。これは幼少期に母親に折檻された夢だったそうですが、若いころにクーデター計画に参画したり南京戦で中国兵捕虜を見て「さっさと殺っちまえ」と放言したりしていた人とは思えない意外な一面です。 休憩をはさんでの後半はもう涙を流さずには観ていられない辛い映像の連続です。そしてラストまでの約三十分はもうスプラッター映画の様相になってきます。この映画では血の色が、よく見受けられるオレンジっぽいペンキのような血ではなくて、リアルな赤にこだわっているところが凄惨さを増す効果を上げています。私はこの映画で初めていわゆる「血の海」というものを観て、子供心に強烈な衝撃を受けました。 前半の空襲で孤児になった女の子が戦場を一人でさまよい歩き、死体が散乱する海岸に無傷でたどり着くラストには新藤兼人脚本の真骨頂があったと思います。しかしこの後二か月も経たずに終戦とは、なんと無情なことでしょうか。
[映画館(邦画)] 7点(2019-06-26 01:04:11)(良:1票)
5.  けんかえれじい 《ネタバレ》 
むかし観たときは「なんじゃ、こりゃあ」というのが正直な感想でしたが、観直してみると清順映画の中ではバランスがとれている撮り方で、中期までと区切ると本作が彼のベストじゃないかと思います。ケンカに明け暮れる高橋英樹が実はクリスチャンだという設定が妙な可笑しみを呼んでいまして、若さゆえの煩悩と信仰の板挟みで悶々となる姿は可笑しくてしょうがありません。硬くなったイチモツでピアノの鍵盤をたたくところは抱腹絶倒でしたが、それにしても若いってうらやましい(笑)。会津に舞台を替えた後半になると麒六の硬派ぶりが一段と激化するのですが、これが清順映画にしては珍しい純愛・悲恋ものになって幕が閉じたのはちょっとしたサプライズでありました。なにが彼女を尼寺(修道院)に行かせたのかはイマイチ判りませんでしたが、もっと判らないのはこの浅野順子を「ウッシッシー」の大橋巨泉がものにしちゃったことです…彼女に最期を看取ってもらえたなんて、巨泉は幸せな人生だったと思いますよ。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2018-11-20 21:32:45)
6.  県警対組織暴力 《ネタバレ》 
これはいろんな意味ですごい映画です。 まず製作当時の東映という会社が置かれていた状況ですよ。『山口組三代目』シリーズが兵庫県警の逆鱗に触れて本社やプロデューサーの自宅に家宅捜索が入っている最中に、社長の岡田茂が笠原和夫に大号令をかけて脚本を書かせて製作したのが、この映画ですからねえ。現在じゃあ絶対に考えられないことですし、東映というか東大卒のインテリとは思えない岡田茂の、反骨精神というかがめつさにはもう驚くしかありません。その反体制ぶりがウリだった深作欣二や笠原和夫でしたが、実は岡田茂の度はずれたアナーキー体質に引きずられていただけだったんじゃないかと思います。 そして笠原和夫が書いたストーリーが強烈、ここまで赤裸々に警察と暴力団の癒着を描いた映画はこれからも決して出現することはないでしょう。菅原文太と松方弘樹の広島弁のやり取り、そして警察や暴力団の内部での会話も、もう全編啖呵のぶつけ合いの様相を呈しています。有名な川谷拓三が取り調べられるシーンはもちろんですが、“こんにちは赤ちゃん”がTVから流れる部屋での刺殺劇がまた強烈な印象を残してくれます。金子信雄の狡猾なタヌキ市会議員はもう彼の伝統芸みたいなものですけど、風采に似合わず強面の佐野浅夫が演じる刑事もなかなかいい味出していました。という感じで、脇を固めるキャラが立ちまくっているわけです。そしてちっとも勧善懲悪(いや、この映画に“善”へ分類される登場人物はいなかったですね)とならないカタルシスのかけらもないラストも、日本映画としては珍しいといえます。 笠原和夫が「自分の書いたシナリオで最高傑作」と語っていたそうですが、それは納得します。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2018-06-19 16:42:06)(良:1票)
7.  憲兵とバラバラ死美人 《ネタバレ》 
タイトルは新東宝エログロ映画の中でも1・2を争うインパクトですけど、これが観てみると“フーダニット”を真面目に追求したミステリーになっているんです。そして特筆すべきことは、憲兵がヒーローで正義の味方というプロットは数ある日本映画の中でも本作が唯一なんじゃないでしょうか。戦後日本では東条英機の憲兵政治のおかげで“憲兵=ゲシュタポ”という図式が定着してますが、憲兵は本来は軍隊内の警察なのでこういう兵士の犯罪捜査が普段の業務だったはずです。原作者はどうも元憲兵だったそうで、どうりで憲兵組織の描写がリアルに感じるわけです。 監督が時代劇畑の人なのでストーリー進行が多少もっさりしてまるで戦前の映画を観てる様な感じですが、猟奇的なところやロマンスの部分などとのバランスが良くて手堅い手腕です。DNA鑑定が当たり前に行われている現代から見ると胴体と頭蓋骨があるのになんでこんなに身元確定に手こずるんだろうとイラつきますが、主人公が歯の治療跡から身元を特定させるまでのプロセスはなかなか良く撮れてます。 物資を横流ししてただけなのに殺人容疑をかけられて拷問されまくる天地茂はちょっと哀れでした。でもこの映画でいちばんグロかったところはバラバラ死美人じゃなくて、強烈な屍臭がする井戸水で炊いたご飯を新兵たちが無理矢理喰わされるところです。これは観ててきつかった。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2014-09-02 22:58:27)
8.  汚れた肉体聖女 《ネタバレ》 
「この映画に描かれたストーリーは特定の宗教とはなんの関係もありません」というテロップが冒頭でますが、どう見たってキリスト教の修道院だろ!って突っ込みは一応入れておきます。数ある新東宝エロ風味映画の中で、たぶん唯一のレズもので貴重ではあります。 どうも新東宝というか社長大蔵貢の頭の中には「九州島原=邪教(キリスト教)のはびこる秘境の地」という図式があるみたいですね、怪作『女吸血鬼』というのもありましたし。この修道院なのか学校なのか良く判らん舞台設定が、チープながらドロドロした感じでいかにもです。名前が「紅百合(べにゆり)学院」なんですからね。シスター姿の生徒たちがフォークダンスを踊るシーンは、滑稽を通り過ぎて不気味の域に達していてトラウマになりそうでした。高倉みゆきと大空真弓の絡みもちゃんとありまして、不思議なエロっぽさがありました。 修道院なのになぜかプールがあったり敷地内に底なし沼まであるというヘンテコぶりは毎度のことで、中盤以降の電気紙芝居としか言いようがないストーリーの暴走ぶりをお楽しみください。主演の高倉みゆきは“新東宝の皇后女優”と呼ばれたそうですが、明治天皇もの以外の主演作ではいつも犯されたり堕胎したりと新東宝女優の中でも指折りのミゼラブルなキャラばかり演っている様な気がします。
[CS・衛星(邦画)] 3点(2014-03-12 23:17:41)
9.  激動の昭和史 軍閥 《ネタバレ》 
「軍閥」なんて大上段に構えたタイトルだけど、実質的には東條英機ひとりにスポットを当てた脚本構成になっています。「陸軍および東条悪役・海軍善玉」という当時の常識からはほとんど飛躍していない史観ではあるが、及川や嶋田といった海軍高官たちの無気力・無責任ぶりはしっかり描いています。山村聡の米内光政をはじめ、一部の配役が『日本のいちばん長い日』と同じであるところは面白い。 どうせ東條英機をメインにするなら、その器量は単なる木っ端役人に過ぎなかった東條が独裁的な権力者に変貌していった謎に迫って欲しかったところです。そして大新聞の戦争責任についても、これはいまだにマスコミのタブーとされていますが、もっと突っ込んで欲しかったね。 通史としては薄い内容ですが、本作の後に小林正樹の『東京裁判』を続けて観たらいいかもしれません。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2013-08-04 19:48:51)
10.  月曜日のユカ 《ネタバレ》 
『月曜日のユカ』の加賀まりこは今や伝説となって語り継がれていますが、これほんとヤバいです、加賀まりこのキュートさは。この映画の有名なポスターなんかは知っていましたが、今回初めて“動くユカ”を観てちょっと大げさですけど頭がクラクラしちゃいました。当時の彼女はB・バルドーと比較されていますが、いやー違うバルドーなんて眼じゃない、そう和製G・ホーンじゃないでしょうか。「男とは絶対キスをしない」なんてまるで風俗嬢みたいですけど、後半で明かされるその理由になんか心が痛むんですよね。ユカという娘はどういうオツムの構造してるんだろうと首をひねりたくなりますが、ぜんぜん悪女ではないというところもミソです。 トリュフォーやゴダールに『狂った果実』を絶賛された中平康が、「俺がヌーベル・ヴァーグを撮ったらこうなるんじゃ!」と啖呵を切っているのが眼に浮かぶ様なスタイリッシュな映像。チャップリンというか吉本新喜劇風のコマ送りコントまで登場しますが、トリュフォーの『ピアニストを撃て』を思い出してしまいニヤリとさせられました。圧巻だったのは中尾彬とユカが会話するシーン、ユカの表情だけを4分15秒の長回しで映し続けるのですよ。 黛敏郎の妙に耳に残る音楽もツボでした。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2013-05-09 22:36:47)
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