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53羽の孔雀さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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コメント数 246
性別 男性
自己紹介  映画史や映像技術には全く詳しくないので、単純に面白いと感じた度合いで点数をつけさせていただきます。
 よろしくお願いします。

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1.  劇場版 響け!ユーフォニアム 誓いのフィナーレ 《ネタバレ》 
アニメ本編の正統な続編。「リズと青い鳥」を見ていなくてもアニメ本編を見ていれば全く違和感なく続編として楽しめます。 「リズと青い鳥」を見たことによる補正はあるかないか程度、あっても+0.1点、みたいな印象。  劇場版だからといって何か特別なことはなく、主人公が2年生になった世界を描いているだけ。 アニメ本編では上級生の間で問題が発生し、それに主人公が関わり、なんやかんやする、といった形だったが、本作はその対象が新1年生になっている。 新1年生の間で発生している問題が見受けられ、それに主人公が関わり、やはりなんやかんやする。  「劇場版だから」といってアニメ本編の流れとは異なる尖った演出や展開を差し込まれたら「え?」と思っていたところですが、それが一切なく本当にアニメの続き、という作りとなっているところが素晴らしい。    ~以下自分にとっての本作品の見え方~  「響け!ユーフォニアム」シリーズの凄いところって、何かを突き詰めようとする人間の感覚ないし本質を見事に描いているところ、それに尽きます。  本編でも劇場版でもはっきりと明言されていない、というかボカされていますが、結局「好きだからやってるだけ」というそれに尽きるんですよね。 この言葉は本質を突いていて、やってる理由は「好きだから」「面白いから」というただそれだけ。そこには目的も前後関係も無いんです。  つまり「周囲の人が~」とか「周囲の人からどう見られるか~」とか「それをやる意味は~」とか「将来は~」とか、まあそんなのどうでもいいとは言わないまでも、関係ないというか、考えてないというか、自分にとって発想の外なんです。 そういう打算でやってるわけじゃなく、好きだからやってたらなんか上手くなっただけなんですけど、的な。  だから質問されると困るというか面食らうというかポカーンとするというか、その答が自分自身でも良くわかってない、というのが本音で、「確かに何でこれをやってるんだろう」と自問自答を繰り返した結果辿り着く答が「ああ、好きだからやってるだけだわ」になるんですよね。  そしてそこから演繹的に発展する思考が「楽しい→自分の成長が楽しい」、「楽しい→せっかくだから何か目標作るか→将来誰かのためになればいい」といったもので、これらを表現してるのが主人公と高坂さんの思考。   しかし現実には周囲の人間がいるわけで、特に本作のような個人の技量のみではどうにもならずチームの技量が問われるジャンルについては常に周囲との関係が付きまとうし、周囲に影響されそうになるし、なんなら周囲も高める必要がある。 「好きだからやってるだけ」なんて人は僅かで、人には人それぞれの事情や考え方があり、立ち居振る舞いが異なる。  それを見事に描いているのが本作。  本質である「好きだから(周囲関係なく)やってる」を表現しているのが高坂さん、「技量はあるが周囲との関係を気にしちゃってる」のが新1年生の2人、「好きだから」をストレートに表現しているのがみどりちゃん、「好きなんだけど技量が追い付いてない」のが葉月ちゃん、「好き」のベクトルは違うが努力の積み重ねでハイレベルに到達したのが鎧塚さん、「好き」云々以前に部活としてやってるのが多くの人たち、といった描き方。  キャラクターそれぞれの「ジャンル」に対する愛の濃度、それに付随する技量が異なり、それを前提とした上での環境や考え方の違いがある。 それが見事すぎるほど見事に、非常に現実的に描かれている。 故に本作は素晴らしい、それが私の見え方です。   何よりすごいのは、「原作者さんって何かのプロ?ないし何かを極めた人?」っていうくらいに、よくその感覚を知ってるな、という点。 私は某ジャンルで瞬間最大風速世界1位を経験した人間なので、そこに至る過程を知っています。  周囲からは「将来が云々」と言われ、「それやって何の意味があるの?」と言われ、「あまりにそう言う人が多いから自分が間違っているのか?と」自分を疑い、そのプレッシャーがクオリティに影響し、でも自分を信じ、最終的に辿り着くのは「自分がそれをやる根拠?・・・楽しいからだ、好きだからだ」という結論ないし心理の流れに行き着く。  そんな私にとって、本作は「よくそんなこと知ってるな」「よくそれをここまで上手く描けるな」という感想になります。   好きなキャラクターは高坂さん。 特に初期の高坂さんの考え方はピシャリ。その通りだと共感できます。   本劇場版を見た感じ、苗字を気にする新1年生のくだりが回収されていないし、主人公の2年生編が描かれたのなら3年生編があるはずだし、といった点から、続編を強く期待しています!
[インターネット(邦画)] 9点(2023-05-28 08:20:35)
2.  県庁の星 《ネタバレ》 
個人的に大好きで、もう何度も見た作品。初見時は映画館、以降DVD。  「行政」と「民間(企業および個人)」の意識差、感覚差、現実、および理想を描いた作品で、作品の主張として「行政批判」に6:4で寄っている、という感じがする。「行政官はもっと一般市民の視点に立って現実を理解し、動かないといけないよ」「でも一般市民も専門知識を持った行政官から学ぶこともあるよ」という形。本作の主人公とヒロインがまさに、行政官(県庁職員)の男とパート(スーパーの店員)の女性、である。  主眼は行政と民間であるが、本作は行政、政治、民間企業、国民(県民)という「行政に関係する者」が幅広く描かれる。、視点は当然主人公である行政官視点。しかし、感情移入しやすいのはヒロインであるパートの女性側か。  脚本、構成、細かい演出、役者とキャラクター、カメラワーク、BGMは素晴らしい。涙あり笑いあり、普通に面白い。ただ、行政に関する実情把握、なしい精査不足感が若干ある。まあ中に入って密着取材、とはいかないだろうから仕方がない部分とも言えるが。  本作の主人公、野村(織田裕二)が最終的に異動した生活福祉課はいわゆる生活保護に関する部署で、確かに生活福祉課に異動すれば地域を飛び回り、住民と触れ合う、というのが基本業務とはなるものの、地元業者や各種民間団体と交流を図る、というのは担当業務範囲外のことである。というより、業務量の観点からそんなことをやっている余裕、暇はない。 また、そもそも野村は係長級であるから、実際に外に飛び回るのは野村の役割ではない。係長級の役割は、一般職員が行った業務結果に対しての決定もしくは非決定の判断を下すこと(決裁)、および係の統制であり、冒頭で野村自身が言っていたように、そもそもそういった「地域を飛び回る」という業務は、市区町村が行っているものである。 更に、「保護の申請窓口は市区町村」であることは正しいが、県庁に相談に来たものに対して何らの対応もしない、というのは誇張表現である。保護が必要と自己申告する者が窓口に来た場合、「適当にあしらって追い返す」は現在のところ実際上あり得ない。「内容を聞き、案内をする」が正しい。この点からも、ああ、行政はこんなヒドい機関なんだな、ということを伝えたいんだなあ思えてしまう。まあ映画上の演出ではあろうが。  本作の描き方として面白いのが、政治に属する古賀議長が県民をないがしろにし、行政に関する野村が県民の味方をする、というところである。 政治とは「国民(この場合県民)の総意を決定し、その総意に基づいた法を立案、制定すること」、行政とは「政治によって決定された法に従って事務を行うこと」である。国民が全員意見を言っていたら収集がつかない、だから代表として議員を選ぼう、そして議員に代弁してもらおう、というのが政治であり、つまり、政治家とは国民の代表であり代弁者であるが、その政治家が国民(県民)をないがしろにしている、という描写。ここに、行政批判とともに政治批判も見受けられ、端的にいえば「自分の利益が大事なのはわかるけど、もっと皆協力しようよ。みんなが協力しあえば今より更に個人にとっても良い結果になるじゃん」という主張が見受けられる。  まあ要するに、日頃から普通の人が思う視点、見える視点、そして自分が置かれている現実、といったものに訴えかける、というか共感できるような作風であり、それゆえ共感もでき、入り込みやすく、そこに人間関係や言葉のひとつひとつの響き、といった感情面での要素が加えられ、「エンタメながらもまあ学べることはあるよね」という、まあありがちではあるものの見ておいて損はない、全体として非常に面白い作品に仕上がっている、と思います。
[映画館(邦画)] 9点(2014-09-28 05:47:08)
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