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53羽の孔雀さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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コメント数 246
性別 男性
自己紹介  映画史や映像技術には全く詳しくないので、単純に面白いと感じた度合いで点数をつけさせていただきます。
 よろしくお願いします。

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1.  この世界の片隅に(2016) 《ネタバレ》 
日本人なら皆知ってる1945年の8月6日と8月9日、そして8月15日。 変な視点かもしれませんが、そこに生きる人々は、環境が違い、環境からくる行動が違い、環境からくる感情が違い、表現の仕方が違う。それでも根っこにあるものは今生きる人と変わらない。そんな印象を受けました。 本作のすずさんの日常的な感覚が当時の日常を生きた人の感覚と捉えれば、今の日常を生きる人の感覚と比べて何ら違いは無い。自分の信じた選択をしてガンガン前へ向かっていく人もいれば、ぼや~っとしてて周囲に流されるままの人もいる。頭ではゴチャゴチャ考えながらも、結局周囲に流されるままの人もいる。昔本当は好きだった人がいても、結局その想いは心に残したまま、全然別の人と結婚する。毎日毎日同じ作業の繰り返し。その中で自分とは折り合いがつかない人もいる。 歳と経験につれて死は日常になりつつも、自分の家族の死にはやはり涙する。 自分の選択を後悔する。しかし後悔しても何も変わらないという事にも気づく。 死んだ人が自分の息子だとは気づかなかった。遠くで突然光った光は「ん?何?」程度に思う。玉音放送に怒りを覚える。  なんというか、すごい「日常的なリアルな感覚」が詰まっていて、当時の人は現代の自分とは違う、と心のどこかで思っていた自分が凄く恥ずかしくなりましたね。違うわけないのに。  日本の戦争映画というジャンルにはまるで詳しくありませんが、見て良かった。 今は日曜日。自分はどうせきっと2日後にはそんな感覚も忘れて仕事してる。自分の日常に埋没する。でも、この映画を見るという選択をした自分を、少なくとも今この瞬間は褒めてやりたいね。
[地上波(邦画)] 9点(2019-08-04 18:48:11)
2.  GODZILLA 星を喰う者 《ネタバレ》 
 面白かった。他のゴジラ作品の知識、いわゆる「思い出補正」が一切無かったのが逆に良かったのかも。  本作は「観る小説」と「現代宇宙ものSF」の融合体。派手なバトルアクションがメインに据えられた映画ではない。故に、派手な破壊シーンや戦闘シーン、映像的な動きやシンプルなストーリーを求めて観ると後悔するかも。ゴジラやギドラはあくまでも象徴や概念として描かれ、個体としての強さを主張するようには作られていない。本作の面白さは会話劇とそのテーマ自体にあり、それらが向かない、あるいは何言ってるか理解できない場合は置いてきぼりをくらう可能性が高い。作品のあり方としては、アクション映画よりもむしろ「2001年宇宙の旅」や「インターステラー」に近い。大分類はそちら側で、方向性として「人類とは」「人類の進化の帰結とは」「人類の本質とは」「仮に帰結が○○だとしたらどうするか」といったベクトルに振った印象。  ▸ゴジラ:人類が進化・発展していく上で必然的に生まれる存在であり、人類の上位種。 ▸エクシフ:超長期の宇宙漂流、超高度な演算能力、および高次元体であるギドラ(エクシフのいう神)に接触することに成功した種族であり、人類が発展しゴジラが出現したさらにその後の論理的・必然的結末(滅び)を知るものであり、それがわかっているんだから「せめて幸福な死を」と考える種族。 ▸メトフィエス:滅ぼされたエクシフの星の生き残りであり、ギドラが星を食うまでの事務員、窓口として星に干渉するもの。 ▸ギドラ:高次元体の存在であり、時空間を超越していることからおそらく四次元以上の存在であり、当然、三次元に生きる人類やゴジラにとっては干渉不能なもの。 ▸ビルサルド:高度な文明を持ち、感情という要素を廃し論理のみに生き、その科学力を持ってしてより高度な進化を遂げようとするもの。  ▸設定:人類が進化発展する→ゴジラが生まれる→星自体がゴジラと一体化しているレベルになる→高次元体(=神=ギドラ)の事務員であるメトフィエスが高次元体を召喚する条件を満たす→高次元体がおいしく星をいただいてめでたしめでたし   第3部である本作で言えば、要するに「いやうちらは高次元体先輩(神)を知ってるし、演算の結果人類は100%滅ぶことを知ってるんすよ。苦しんでどうこうしようとした結果、結局滅びるってことを知ってるんすよ。だったら無駄に苦しまずに受け入れて、神への供え物としてああ生きてる価値あった~と思って死んでいった方がまだ良くない?」というのがエクシフの主張。それに納得できないのがハルオ。  ここで面白いのが、より未来を知り、人類の結末を知っているエクシフの方が、現代に生きる我々にとってはより精神的な主張をするということ。知識量、科学力の多寡で言えば「エクシフ>ビルサルド>地球人」となるわけだけれども、より知れば知るほど、科学が発展すればするほど「論理的」ではなく「宗教的」になっていくということ。というより、「論理的帰結として最終的に行きつく先は宗教(=どうせ滅びる前提での、ささやかな精神的拠り所、ないし幸福)」ということ。宗教といえば「うわぁ・・・ないわぁ・・・」っていうまあ偏見オンリーな感覚しかなかったけど、そいういう見方もあるのかと思わされた。新たな考え方が1つ増えた感じ。もちろんハマりはしない。   ハルオはハルオできっちり主人公らしい役を与えられ、主人公らしい立ち回りをしている。第3部まで騙され続け、全てを知った上での最終シーン。解釈がわかれそうだが、メトフィエスらエクシフが主張するのが要は「自らを供え物として受け入れた上での幸せな死」であるところ、ハルオは最後までその死に方に抗った、という解釈。死んでるのかどうかは描かれてないけども。   設定について、ギドラとは高次元の存在で、三次元に生きる我々からすれば干渉不能な存在。時空間や既存の物理法則に捕らわれない存在。二次元から見た時の三次元と同じ。・・・にもかかわらず、三次元と高次元の連絡役であり事務員(窓口、ビーコン)としてなんで脆弱なメトフィエスを選んだ?と思うし、エクシフがいなければ今宇宙に干渉不能ならなんでエクシフ側はそれを受け入れた?と思うし、そもそも星を喰うことに何か意味あんの?wと思うし、そこらへんの練り込みがあるならば知りたいと思った。   1~3部を見たけれど、ビルサルドの考え方にもエクシフの考え方にも非常に共感できる。だからこそ考えさせられる。だからこそ面白い。  次元という概念についてニワカ程度の知識はあり、他の洋画SF作品が好きであり、かつゴジラ作品への思い出補正が無かった私にとって、非常に面白い作品でした。
[DVD(邦画)] 8点(2019-03-18 04:56:37)(良:1票)
3.  GODZILLA 決戦機動増殖都市 《ネタバレ》 
 面白い。が、面白いと感じる部分は映像の美麗さと「理屈vs感情」という本作のテーマの2点。単純な対ゴジラの戦闘シーン、圧倒的なゴジラの力の描写、という点ではない。  ビルサルドの言う論理的帰結とエクシフの言う知性・感情・本質。この間に揺れ動くのが主人公ハルオ。この構図は他の映画でもまあよくあるものなんだけれども、やはりそれは永遠のテーマとも言うべきもので、故にそれを上手く描けている作品は私が面白いと思ってしまう作品なのです。   ビルサルドの言う「え、ゴジラが人類の上位互換なら、それを模してさらにその上を行く道を選べば良いじゃない。その個体にしか存在しない肉体だの感情などに捕らわれる意味ってなんかあるの?」という主張は、非常に理解できる。合理的ではあるが、合理的でしかない。人が人たる故に感情が存在し、その葛藤こそ知性であるとエクシフは言う(含みはあるけど)。エクシフの主張は、非常に主観的ではあるが共感はでき、そして傲慢でもある。本作では薄ーく隠し気味に主張される「傲慢」。これこそが現時点で寿命というものが存在する人間の本質であり「感情による理屈」の根源だと思うんだよね。  ・・・と、いったことを考えさせてくれる作品が、私は好みなのです。   作中の進行に視点を当てると、やや雑な点が目立つ。孤立無援かつ母船と連絡が付く状況で独断先行する意味は無く、まずは連絡して状況を完全に伝えるべきだし、相手に索敵されない上に圧倒的なリソースがあるのであれば索敵されない状況を維持しつつ完璧な準備を整えるべきだし、「皆の結束を」という理由のみで3機しかないヴァルチャーのうち1機に乗り込むべきではない(機体性能をフルに活かせる人物を優先するべき)等、おいおい、という点がある。  また、ゴジラはやはり圧倒的な存在感とその火力で人類を圧倒する、という点に魅力があるのも事実で、その描写が本作は薄かったようにも思う。あくまで人間ドラマ、テーマを提示するSFとして観るか否か、そのあたりで評価が分かれそうな本作です。
[DVD(邦画)] 8点(2019-03-13 02:17:34)
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