1. 七人の侍
《ネタバレ》 随分前、テレビで見たのですが、改めて見たら、やっぱり凄く面白かったです。 こういう「仲間集め」から始まるの大好き。 7人のキャラも立ってていいし、黒沢組常連の志村喬は、こういう軍師とかリーダー役がピッタリ。 そして三船敏郎。言い尽くされてるけど、この菊千代というキャラクターがいなかったら、ここまで名作になったかどうか、というくらい重要な役どころを見事に演じてます。 元百姓だからこそわかる百姓の狡さ、哀しさを代弁し、皆をののしりながら励ます。 乱暴者のようで心根が温かいのがわかるから子供たちも懐く。 百姓と浪人たちを結びつける菊千代の存在は大きい。 一人だけ生き残った赤ん坊を抱いて「これは俺だ」と泣くところは、今も思い出すだけで泣けます。いつもおどけてふざけてる菊千代のもう一つの顔が見えるところをちゃんと入れてるところ、さすがです。 CGなんてない時代に、あれだけの迫力ある映像を撮るとは、とこちらも驚き。 大雨の中の合戦。逃げ惑う馬、馬上の野武士、追いかけながら刀や槍を振り回す浪人や百姓。 泥水の中、転げまわり、はいつくばり、逃げて追いかけて、どのシーンも見ごたえあるから逃さず映し出す。 素晴らしかったです。 勝四郎と志乃の初々しいロマンス。志乃の方が積極的なのが面白かった。 最後かもしれないからと娘の顔を見るために探し回る万吉に対して、父親より勝四郎という志乃。 父親って辛いですね。 女房を野武士に攫われた利吉の苦しみ。 慰み者になってた女房が利吉の姿を見て、助けを求めるどころか炎の中に飛び込んでいくところ。 ずっと苦しい顔だった利吉が、最後の田植えのシーンでは吹っ切れたように笑顔で田植え歌を歌っている。 久蔵を尊敬の目で見つめ「あなたは素晴らしい人だ。それがずっと言いたかった」という勝四郎の表情や、その後やれやれという感じで、まんざらでもなさそうに口を緩ませる久蔵。 その他、キリがないくらい、素晴らしいカットが豊富で、207分が全然長く感じなくて少しもダレたり飽きるとこがなかったです。絶対見るべき映画の一つなのは間違いないです。 [DVD(邦画)] 9点(2014-06-08 15:51:04)(良:2票) |
2. 女囚701号 さそり
《ネタバレ》 なんだか凄いものを見た、という感じです。 裸がいっぱい出てきて、梶芽衣子も大サービス。 寡黙だけど、目力があってキリッとした美しさが際立ってました。 自分を罠に嵌めた男たちと妹分を殺した女囚にはきっちり復讐するけど、自分のせいで懲罰を受けた仲間たちのリンチは黙って受けるところがカッコ良かったです。 もう一人カッコ良かったのが扇ひろ子。 この作品で初めて知ったけど、ドスの効いたセリフが決まってました。 古臭いしシリアスなのかバカバカしいのか判断つかないけど、映像に活気があふれてて見て良かったです。 [DVD(邦画)] 7点(2014-10-12 18:35:31) |
3. ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章
《ネタバレ》 原作もアニメも見たこと無いので、原作と比べてどうこうとは言えません。 いろいろ訳わかんないところも多いし、前半じいちゃんエピソードが長くてだれるけど、 思ったより面白かったです。思ったより。 ただ、実写化とはいえ、ある程度は何の知識も無い人が見てもわかるように作ってほしいのですが、 その辺スルーしてます。 この監督は、心情とか状況とか関係とか、何でもセリフで説明しがちなのに、初見の人への説明は省略したようです。 形兆の弓矢って、最初それが形兆の能力なのかと思ってたら違うみたい。じゃ何で持ってるの?誰かにもらったの? 虹村兄弟の父親はなんでバケモノになったの? 康一君のスタンドの能力は?ただ出てきてお終わり? 等々わからないままだったので、見終わってからネットで検索しました。 そういう前提の映画ですか? 出演者の中では、やっぱり神木くんが上手だと思いました。 それと、意外と真剣祐がいい演技してると思いました。 第一章というからには、続編あるんでしょうか。 またテレビでやったら見ます。 [地上波(邦画)] 5点(2019-02-19 19:48:16) |
4. シン・ゴジラ
《ネタバレ》 完全体の方のゴジラの造形は凄かったです。迫力満点。 幼態の方は、気持ち悪いだけだし必要なかったと思います。 ゴジラが東京を破壊するシーンは、「巨神兵東京に現る」を彷彿とさせ恐ろしかったです。 でも巨神兵のときは、人間は成す術もなく世界は滅びちゃうから絶望しかなかったけど、 こっちは一応生物だし一体だし、人間の英知で何とかするんだろうと希望をもって見れました。 良かったのは以上です。 あとは、想定外の危機に見舞われたときの政府の対応はこんななんだよ、というのを延々と見せられて、 出演者が多いので顔見せないといけないからとカット割と顔アップが多くて、 スピード感と緊張感を出したかったのか早口で喋らせて、それらがダラダラと続くので逆に単調になって退屈でした。 ゴジラが何故上陸してどこへ行こうとしていたのかも触れないまま。 第いくつめかの使徒をゴジラ型にして作ってみたのでしょうか。 結論として、ゴジラの造形は凄いけど映画として面白くなかったです。 [映画館(邦画)] 5点(2016-08-21 18:08:23)(良:3票) |
5. 娼年
《ネタバレ》 どの層に向けて作ったのか疑問。 女性向けにしては雑なセックス描写で失笑物だし、男性向けならちゃんとしたAVの方が良いと思うので失敗してると思うし。 全体的に嘘くさいです。 誰にでも隠された欲望や性癖があるってしたり顔で語られてもだから何?だし、利用客の心理描写がおざなりだから全然響きません。 利用客は、中高年とはいえビジュアル的に奇麗な人ばかりだけど、現実はそんなわけない。 そんなわけない人たちをも相手をして、精神的にも人格否定されたりプライドズタズタにされたりもある上で、そこで一歩踏み込んで複雑な女性の心に寄り添える本物になれるのか、という挫折も葛藤も無い。 母を亡くしてその影を追うみたいなのも、どんな母子の生活があったのか背景が描かれないので、後付けで「娼婦だったの」て言われても、ふ~ん、で?という感じです。 最後同級生が「これがプロのお仕事なんだね」と言ったときには笑いを通り越して完全に白けました。 一番最初の雑で乱暴なセックスから一歩も前進してないですよ。 精神的成長も言動から感じられないし。 一番ダメなのは、HIVに対して誤解を招くこと。 HIVは今は死ぬ病気でもなく、きちんと服薬してれば発症を抑えられるし、セーファーセックスで普通にセックスできます。 ウィルス持ちながら、愛し合ってセックスしてる人たちに失礼です。 見た人が「ギャグ映画」と言ってたので話のネタに見たけど、突き抜けたギャグにもなってなかったです。 [インターネット(邦画)] 3点(2020-07-24 12:38:42)(良:1票) |
6. シャニダールの花
《ネタバレ》 前半の謎めいて幻想的な雰囲気と映像は美しくて良かったんです。 でも、面白くなかった。 見る前から、どうせ面白くないだろうと思ったことを覆して欲しかったのに、やっぱり面白くなかった。 結局、若い女性の胸にだけ咲くわけじゃない。地面に咲くし。 響子のせいで、種できちゃったからこれから世界中に寄生植物が蔓延るんですよね。 という具合に、花の謎は神秘的な何かの暗喩ではなく、そんな身も蓋もない話にしといて、最後二人は花の世界にいる、ってなんだそれのラスト。 綾野剛ファンではないけど、相手役はもっと美人が良かったと思います。 いきなり恋人になるので違和感がありました。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2016-06-27 23:39:48) |