1. Jam Films
《ネタバレ》 15分程度で観客の心に何かを残すにはどうする。競作なので、各作り手はいろいろ趣向をこらしています。 「けん玉」、両手包丁で肉を叩いてミンチを作る。一心不乱な篠原涼子の表情もなんとなくこわい。見ているほうの頭には〝危〟の字が浮かぶ。これと、山崎まさよしという役者でないボケキャラを絡ませたことで、大した話じゃないのになんともいえぬ味わいが出た。インテリアも個性的でかわいい。ちゃんとオチをつけていながら、プロットで凝りすぎず自然に仕上げたところが勝利。 「JUSTICE」、これって、行定監督が、西洋的な論理的思考様式(文字や言葉を信頼する文化というもの)に対してケツをまくって見せたもしくはおもいっきり舌を出したと思っていいのだろうか。たぶん、それでいいんだろう。なんたって、キンパツで蝶ネクタイのセンセが、「ポツダム宣言」を「読んでやっている」んだぜ。ポツダム宣言だよポツダム宣言!負けの込んだ日本人の知らないところでパイの取り合いをし、「今後はこうするべき」「ああするべき」そして「もしこれをしなかった場合は」「もしも最悪の事態になった場合は」ほとんど、自分の知らないうちに勝手に結ばれた結婚契約書?…ポツダム宣言に対して〝ブルマー〟で返すというのは、なんていうか、やっぱり「文字や言葉を信頼する文化」に対するアンチ、揶揄、「キミたちとはステージが違うのよ」って感じだな。ボクシングに対して寝技で立ち向かう、というような。…たぶん外人(とくに西洋人)に見せたら、作り手の意図はすぐバレるフィルムなんだろうが、ブルマーばかりが注目されて、そこんところが無視されてしまっているのでは、とちょっと気がかりだ。私自身は、「ポツダム宣言的な文化」に対して舌を出したいかというと…保留。 エンディングのワケわからん激しい曲も、ケムにまいた感を出してうまくマッチしている。あっほかの作品のことはどうでもいいや。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2007-10-17 20:46:12) |
2. シンプル・プラン
《ネタバレ》 あらここにもマクベス夫人が。ビリーボブソーントンの知的障害者がすごくリアルで、演技とかどうでもいいと思ってる私も殿堂入りさせたくなる。 [ビデオ(字幕)] 7点(2006-01-02 21:36:35) |
3. 死国
《ネタバレ》 まともな和製ホラー。方言による効果を生かしきった。優柔不断界の雄、筒井道隆を起用して、蘇った栗山千明の愛へギブアップすることに説得力を持たせようとしている。「逆打ち」も意表をついていてよい。 [ビデオ(吹替)] 8点(2006-01-02 21:14:09) |
4. Shall we ダンス?(1995)
《ネタバレ》 最初見たときは邦画としては秀作と思ったものだ。映画としてはべつによい。ハリウッド版を見て、色々思うところがあった。まあ、普通の日本人のおっさんが社交ダンス始めるのと、普通のアメリカ人がやるのとでは、「意外さ」が全然違うでしょう、ということ。あと、草刈民代がコケるシーンは、日本的にはOKでも、欧米的にはNGなんだ、ということ。たとえ自分が骨折しようが死のうが女にケガをさせるな、男は。っていうのが欧米的には正解みたいだよ。それとも単にロペス的にNGだっただけなのかしら。 [ビデオ(字幕)] 8点(2005-12-31 23:31:44) |
5. 白い刻印
《ネタバレ》 力作だ。それはわかる。ニックノルティ渾身の一作。しかしなあ、救われない話なんだこれがー。見た後1週間気が晴れない、というような。寝たまま凍死してるって、誰が考えたんだか、すごすぎるよなあ。なかなか思いつかないぞ。ところで、やっぱり上の子のほうが、影響受けちゃって下の子の防波堤になって親の人生かぶっちゃうんだよね。そうだそうだ、もうひでー親父なんか、大人になったらみんなやっちゃえ。でも自分も似てしまったことが、救われないんだなあ。どうしたらいいんでしょうね、こういう場合。 [DVD(字幕)] 7点(2005-11-21 22:05:43) |
6. 呪怨 (2003)
《ネタバレ》 このそっけない進め方がクールである。よくできている。なかなかがんばっている。後戻りのできない感じ、好きですね。「ばい菌」のようなものですか?それは日本古来の「けがれ」というものとおんなじだ。「たたり」だ。たぶん日本人にしかわからない。 [DVD(吹替)] 8点(2005-11-07 20:28:24) |