1. 太平洋ひとりぼっち
脚本も絵も明暗も緩急も申し分ない。音楽も良い。田中絹代と森雅之の芝居と、浅丘るり子のはにかみも、うならせる。しかし、それらをすべて台無しにできる石原裕次郎の大根ぶりが一番の見どころである。独立時に自分でやりたいと選んだ原作、監督にもかかわらず、このこけぶり。その後、二度と組まなかった鬼籍に入られたお二人の心情を聞いてみたかったものである。それにしても、堀江謙一の1974年単独・無寄港の世界一周を、絶対に不可能と非難した石原慎太郎は、むかしからそんなやつでした。 [DVD(邦画)] 6点(2011-03-21 12:23:09) |
2. 太平洋のかつぎ屋
安易でチープなストーリーなんだが、それなりにお金を使ってしっかりやってる感がある。この時代の映画らしい。浅丘るりこが、初めて魅力的だと思った。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2011-03-21 08:36:42) |
3. 丹下左膳餘話 百萬兩の壺
この時代にこの映画!驚きではあります。テンポ、話の流れが素晴らしい!しかし、まあ、さすがに今観て高得点にはなりますまい。 [DVD(字幕)] 6点(2008-11-03 00:30:06) |
4. 太陽を盗んだ男
人物像の輪郭を描く気のないスタッフによる、冗長にして拙劣な、日本映画らしい日本映画。 [DVD(邦画)] 3点(2008-08-16 20:01:20)(良:1票) |
5. 竹取物語(1987)
沢口靖子が悪いんだよ。映画館に見に行った俺も悪い。 市川先生も組織に忠実だからなあ。 [映画館(邦画)] 3点(2004-11-01 13:46:44) |
6. 暖流(1939)
戦前の風景や風俗、そして語り口が目新しいが、映画自体は、全く古びていない。私が目にすることができたのは、124分版(本来は前後編3時間あったのだとか)だったため、説明不足は感じましたが、行間を埋めて余りある映画のできだと思います。抑揚のある演技もさえています。今の時代には描きようのない、男女間のせつなさがうまく描けていると思う。 [ビデオ(邦画)] 5点(2004-06-09 08:22:10) |
7. 大病人
いつもの伊丹「社会派ドラマ」で安心して見られる。「病院で死ぬということ」などの参考図書にかなり忠実に考証された作品であり、当時のがん末期医療の状況を、脚色を交えある程度正確に伝えている。◆伊丹作品の中では、暴漢に襲われ送った入院生活と、自殺に至る死生観との中間にある重要な作品。その分、分かりにくい(三國連太郎が、監督の意図がよく分からなかったというコメントが伝えられている)。◆1992~3年は、邦画で病院モノが集中した年。それだけ、医療のあり方に注目を集めた年なのでしょう。一昨年、父をがんで失いましたが、この時代とは「がん死」の扱いが相当変わってきていました(理由があって、主治医を変えましたが、どちらの主治医も告知に拘り、一切延命処置をしなかった)。この10年間、相当事情が変わってきていますね。 [ビデオ(邦画)] 4点(2003-12-14 20:23:18) |